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2015年6月15日 (月)

【メモ】EU環境ホルモン規制中止 米国との自由貿易協定(TTIP)圧力で

知れば知るほど、米国よりお寒い日本の農薬規制。
米国よりは多少はましなEUですら、米国と自由貿易協定の協議に入ると、圧力に屈する。
EUを高く評価できないのは、WTOのSPSルール導入以来、国民の健康を保護する国家の主権は大きく制約され、EUですら、SPSルールに支配され、予防原則をほぼ放棄した状況にあるからだ。
実は、WTOの紛争処理機関がEUが主張した、予防原則を一般国際法とは認められないと斥けて以来、世界のありようが変わったしまったのだ。
そのことはあまりにも知られていない。
しかし、WTOが、それほど深刻な影響を及ぼしたことは紛れもない事実だ。
先進国では、どこの国でもアレルギーが増えているだろう。
十分な科学的証拠なしに、個別の化学物質を規制することが非科学的だとして、禁じられたからだ。
そして、十分な科学的証拠のハードルは高い。
多少の実験結果や調査が有害性を示唆している程度では、規制できないのである。

しかし、それでも苦心して良心的な研究者と一般市民が、環境ホルモンを含む農薬を規制しようとしていた。
しかし、米国との交渉に入るだけで、良心ある人々の苦労は覆され、国民の安全は脅かされる。
これが、今のグローバル貿易協定だ。
EUの環境ホルモン規制をめぐる、この件、まだ、あまり知られていないようなので、紹介のために貼り付けておこう。

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WIRED 2015.5.27 WED

EUの「農薬規制」計画が中止された理由は、アメリカの圧力:英紙報道
EUでは「環境ホルモン」を含む31種類の農薬を禁止する計画だったが、米国が主導する環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)交渉の圧力を受けてとりやめになったと報道されている。この撤回は「TTIPはEUの健康と安全に関する標準を危うくするものではない」というEU自らの発言と矛盾するものだ。
TEXT BY GLYN MOODY
TRANSLATION BY MAYUMI HIRAI/GALILEO

 

ARS TECHNICA(UK)

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「TTIPはトロイの木馬だ」。ブリュッセルで行われた、TTIPへの抗議活動。JESS HURD/FLICKR

欧州連合(EU)は「環境ホルモン」を含む31種類の農薬を禁止する計画だったが、米国が主導する「環大西洋貿易投資パートナーシップ」(TTIP)交渉の圧力を受けて、計画が破棄されたと『ガーディアン』紙が伝えている。

 

EUの規制草案では、内分泌攪乱化学物質(EDC、いわゆる環境ホルモン)を含む31種類の農薬を禁止することになっていた。EDCは、精巣腫瘍や男性の不妊症などに関連があるとされる化学物質だ。

 

2013年6月13日に行われたTTIP交渉の公式昼食会の直後に、米国経済界の代表団がEU当局を訪問し、EDCを抑制する規制を否決するべきだと要請した。6月26日の会議の議事録によると、欧州委員会の当局者は、「彼らはTTIPの成功を望んではいるものの、EUの標準を下げているとは思われたくないようだ」と述べている。とはいえ、その後まもなく欧州委員会は、米国の要請に従ったことになる。

 

(関連記事)家庭用殺虫剤が「胎児のIQ」に影響:研究結果

 

この撤回は、「TTIPはEUの健康と安全に関する標準を危うくするものではない」と繰り返してきた欧州委員会の約束を無視するものだ。例えば、2015年2月に作成されたTTIPにおける農薬に関する委員会のファクトシート(PDF)には、「TTIPによって農薬に対する食品の安全標準が下がることはない」と述べられている。ガーディアン紙の記事は、EDCを抑制する規制を「強化する」計画が阻止されたことを示しているが、TTIPがなければ導入されていたはずの将来の標準を下げることに等しい。

 

TTIP合意から得られるとされる経済的利益は、2027年に1,000億ポンド(約18兆8,000億円)になると推計されている。一方、ガーディアン紙が紹介しているハーヴァード大学研究者などによる「まだ公表されていない、この問題に関する非常に包括的な調査」によると、EDCは人々の健康に幅広い悪影響をもたらすため、そのコストはヨーロッパ全域で毎年1,130億~1,950億ポンド(21兆2,400~36兆6,500億円)にも及ぶと推計されるという。

 

この報告書が正しければ、より厳格な安全規則でEDCに対処することは、最も楽観的なTTIPに対する予測よりも、EUの経済をはるかに大きく押し上げる可能性があることになる。それでもなお、欧州委員会は、米国をなだめることのほうが重要だと考えているようだ。
※この翻訳は抄訳です。

 

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