鶴瓶さんの勇気に乾杯 東海テレビ「戦後70年 樹木希林の旅」から
「『家族に乾杯』なんかできなくなりますで」
「いまこうして戦後70年いうて番組やっとるけど、このままやったら戦後80年いう番組は作れませんよ。戦後80年、90年、100年にせなあかん」
ローカル局東海テレビの放送でしたが、鶴瓶さんの覚悟が伝わりました。
東海テレビは、フジサンケイ系列ですが、ドキュメント作品ではしばしば気骨ある作品を提供しています。
今回は、シリーズ『戦後70年 樹木希林の旅』第1回中国残留孤児を取り上げた「父の国 母の国」から。
中日新聞2015/8/7 夕刊
笑福亭鶴瓶が、東海テレビのドキュメンタリー番組収録で「安保法案には断固反対」を明言した。「笑いが自分の本分」と考え、政治問題に関わるのは避けてきたが、安倍政権が衆院での強行採決に踏み切ったことで「もう人任せにしてたらあかん」と決意したという。
番組の詳しい記事は、リテラにさっそく紹介されている。
ついに鶴瓶が安保法制と安倍政権にNOを突きつけた!「お前なにをしとんねん!」「変な解釈絶対したらあかん」
(省略)
「国の言うことを、この歳になって信用したらあかんと思う、60過ぎてね、全部が国の言うことこれ、大丈夫かいなって思うようになるって……」
「いま、法律を変えようとしているあの法律もそうでしょうけど、それも含めて、いまの政府がああいう方向に行ってしまうっていうね、これ、止めないと絶対いけないでしょうね」
「これ、へんな方向に行ってますよ。そら変えなあかん法律はいっぱいあってもね、戦争放棄っていうのはもうこれ謳い文句で、絶対そうなんですが9条はいろたら(いじったら)あかんと思うんですよね」
(中略)
いくら戦後70年をテーマにした番組で、かつホスト役が芸能界の先輩である樹木だったとはいえ、ここまではっきりと政権の批判を繰り出すのは、なかなかできるものではない。この清々しいまでの鶴瓶の態度には、さすがの樹木も「非常にこういう仕事をしている人の、いい意味で、責任の取り方っていうのが、ちゃんとしていらっしゃるような気がする」と鶴瓶を称賛していた。
逆にいえば、自由奔放な樹木にしても、芸能人がテレビで政治的発言を行うことがいかに難しいことなのか、それをよくわかっているからこそ、鶴瓶の態度に感心したのだろう。もちろん鶴瓶も、そんな芸能界における暗黙のルールは織り込み済みだ。現に、鶴瓶はこうも言っている。
「(自分が政治的な発言をして)怒らはる人いても、『お前なに言うてんねん。ド頭も悪いのにそんなことだけぬかしやがって』って言う人もおるやろうけど、しかし、ただ、俺はそう(いまの政治状況はおかしいと)思います」
おかしいものにおかしいと言って、なにが悪い──。この勇気ある発言が全国に流れなかったことはつくづく残念でならないが、鶴瓶と樹木、そして東海テレビには拍手を贈りたい。
番組中、樹木希林さんが、鶴瓶さんの言葉に、何度も涙をぬぐっていたのが、印象的でした。
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