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2015年9月 2日 (水)

オリンピックなんか要らない  マチベンの残暑見舞い

秋の訪れが急な今年は、例年以上に遅まきながら、今年の「残暑見舞い」はこちら
走り書きの上、文字ばかり脱却を目指してグラフを入れたら、却ってわかりにくくなったみたいである(汗)。

 

東京五輪に触れた冒頭を貼り付ける。
そういえば、震災復興のシンボルとも言われていたが、昨今、そんな報道はほぼ見かけない。
せいぜいが、震災と原発事故隠蔽のシンボルとして使われている状態である。

 7月24日から8月9日とされるオリンピックの開催期間について、日本は、次のような文書を配って、東京の優位性を訴える誘致活動を行った。
「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である。」

 ジョークではない。2013年1月にIOCに提出された正式文書「東京オリンピック立候補ファイル」の中の一節だ。
 高温多湿、亜熱帯化した日本の夏が、選手たちに極めて過酷な条件になることは、わかりきったことなのに米国スポンサーのため真夏を動かすことができない。スポンサーの金儲けのために選手には犠牲になってもらう。五輪は、選手のためのものではなく、金儲けの道具になった。


 原発再稼働を強行する安倍総理は、2013年9月8日、IOC総会でのプレゼンで、日本を代表して、「(福島第1原発の)汚染水は完全に港湾内にブロックされ、コントロールされている」と発言した。
 そして、ほとんどのマスコミは、この言葉を、ただ垂れ流した。スポーツ紙の中には、自信に満ちた安倍総理の姿勢を賞賛するものすらあった。
 新国立競技場は、北京五輪に比べて2倍、過去最高だったロンドン五輪と比べても1.5倍という高額な建築予算で公募された。


 そのために犠牲にされたのは、景観という公共財産だ。神宮外苑は大正初期以来のすぐれた景観を残す風致地区に指定され、建物の高さは20m以下に制限されてきた。法令上の高さ制限は変わっていないのにコンペの応募条件は高さ70mだった。
 100年にわたって守られてきた景観を壊すことが密室の中で決められ、法令無視のコンペが行われ、コンペの後で法令をコンペに合わせたのだ。
 新国立競技場問題が社会問題になった後も、もともと高額で景観破壊・法令無視のコンペ自体が問題にされることはない。
 金儲けに差し支えるからだ。

 金儲けする人は、選手のためとか人間のためなど考えてはいない。ただ国家プロジェクトに絡む利益が目的だ。


 もともと、東日本大震災で、今なお10万人近い人が仮設暮らしを強いられ、原発事故の収束の見通しもない中で、オリンピックを開くということ自体が間違っていた。
 しかし、いつの間にか既成事実にされた。
 国民の目には見えない密室で、金儲けをしたい人たちが、勝手にこの国を支配しているのだ。
 オリンピックは、選手のためでも国民のためでもない。目に見えない一握りの富裕層を喜ばせるための、世界レベルの金儲けイベントなのだ。

東京五輪は、「2020年の東京」という都市プランの一環に組み込まれている。
その核心部分は、例によってビジネスがしやすい環境で外資を呼び込むという構想である。

1 2: 東京の発展を支える産業の育成により、アジアNo.1 のビジネス拠点を形成する

○ アジアの諸都市が積極的な外国企業誘致策を展開するなか、アジアNo.1 のビジネス拠点の地位を確立するには、相対的に高い法人実効税率の軽減、外国企業に対するビジネス支援、生活環境支援等、質の高い誘致環境を整備することに加え、外国企業と国内中小企業が刺激し合える魅力的な市場を形成する必要がある。

・ 東京をアジアのヘッドクォーターへと進化させるため、税制、規制緩和、まちづくりを組み合わせた戦略的な外国企業誘致を官民が連携して推進していく。

・ まず、税制面においては、地方税(法人事業税等)の全額免除など、東京都独自の税制優遇措置を積極的に講じることで、法人実効税率の大幅な軽減(現行40.7%→20%台半ば)を図り、外国企業が日本に進出しやすい環境を整備する。

・ 臨海副都心のMICE(※5) 拠点化を進め、MICE開催支援や海外企業誘致セミナー等を通じ、東京のビジネスの優位性を世界に広く発信するとともに、日本貿易振興機構(JETRO)や民間のノウハウを活用しながら、対日投資に関心を持つ外国企業の経営者層に積極的なアプローチを行う。
(※5)MICE・・・企業等の会議(Meeting)、企業等の報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関等が行う国際会議(Convention)、イベントや展示会等(Event/Exhibition)の総称

2020nennnotoukyo


「2020年の東京」は、2011年12月の発表であるので、その後、すでに外国資本に対する固定資産税の免除や法人事業税の免除は実施され、ビジネスコンシェルジェ(どうも人材派遣会社などによる事業のようである)の紹介のある外国資本には家賃の一年間半額補助など、「オ・モ・テ・ナ・シ」体制が整備されているようであるが、詳細は複雑すぎてわからない。

 

 

 

ついでながら、「2020年の東京」に掲載された道路整備計画も途方もないもの。
どこまで正式決定なのかはわからないが、膨大な建設労働者が必要なことは十分に理解できる。
震災復興はそっちのけであるし、外国人労働者の受け入れなしに実行できるとは到底思えない(難民はお断り、3K労働者は大歓迎がわが国の基本姿勢である)。

Douro


リニアについては大坂までの延伸を前提にしている。

<リニア中央新幹線の早期開業の促進>
品川駅が始発駅となるリニア中央新幹線の早期開業を促進し、東京~大阪間を約1時間で結ぶことで、世界に類を見ない6,000 万人都市圏を実現する。
・ リニア中央新幹線により、東京~大阪間が約1時間で結ばれ、東京・名古屋・大阪の三大都市圏が一体化する。リニア中央新幹線の大阪までの早期開業を促進し、経済活動の活性化と我が国の国際競争力の強化を図る。


彼らの計画は、多分、儲けたい勢力のあらゆる希望、願望の密室談合の寄せ集めの結果であるから、トータルな計画性などはない。
しかも、専門性の装いをこらし、わかりやすい説明をしないのが手口だから、実体を理解するのは容易ではない。
オリンピック(2011年7月立候補。鳩山が追われ、菅が野田にすげ替えられる頃)は、そのための道具に過ぎない。
新国立だとか、エンブレムだとか、一般市民にもわかりやすいテーマになれば、ほころびが見えるが、そうでない限りは、計画は粛々と進んでいる。
新国立関係者だとか、エンブレム関係者にしてみれば、同じ密室談合の金儲けなのに、なぜ、自分たちだけが批判されるのか理解できないのではないか。

 

金儲けのためのオリンピックなんか要らない。

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