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2015年12月の6件の記事

2015年12月29日 (火)

開示されていない(らしい)裁定  フィリップモリス vs オーストラリア政府

先に転載したTPP阻止国民会議の首藤信彦氏のコメントに、フィリップモリス対オーストラリア政府のISDについて、触れた部分がある。

その最大のものはタバコ訴訟で(すでに10月のアトランタ合意でもタバコはISDSの対象外となっていたが)、2011年にオーストラリア政府がタバコにプレインパッケージを義務付けたのに対しフィリップ・モリス側が提訴していたが、この1217日にシンガポールの仲裁機関で敗訴し、オーストラリア政府の主張が認められた。これはISDSもアメリカ絶対有利とは言えなくなってきた最新事例である。

このケースは、日本語報道が全くないように見える。
仕方がないので、英文を検索するが、ニュース報道による限り、この件は、ISDの「管轄に属さない」とされて、フィリップモリスの請求が却下されたとされている。
「管轄に属さない」とは門前払い却下であって、通常、内容にわたった判断は示されない。


したがって、この裁定が、健康や衛生に関する国家の施策を認めたものであると即断することはできない。
また、このISDは、世界銀行傘下の投資紛争解決国際センター(ICSID)によるものではなく、国連商取引法委員会(UNCITRAL)の仲裁規則による手続でISD付託されているため、第3の仲裁人を世界銀行総裁が指名する仕組みを取っていない。


残念ながら、「管轄に属さない」とした理由は、英語の出来ない二級国民であるマチベンでは探すことができない。


フィリップモリスの本国である米国は、オーストラリア政府との間にISD条項を結んでいない。香港とオーストラリアの間の投資協定にISD条項が存在することに目を付けたフィリップモリスが香港法人を利用してISD付託した、いわゆる「協定漁り」のケースであり、香港法人はペーパーカンパニーである可能性が高い。


ISDの常として、あくまでも香港・オーストラリア間の投資協定の文言について判断を下したもので、ISD一般に普遍化することには問題がある。


フィリップモリスの請求が排斥されたことは、確かにISDに対する批判の高まりを受けたものである可能性はあるが、以上の次第で、健康・衛生に関する国家の施策が認められたものと即断することはできない。


裁判所の判決に当たる裁定が公開されるかというと、公開には当事者の同意が必要とされている。
今のところ、裁定本文が開示された形跡は見当たらない。


ISDは元来、プライベートな解決方法であるので、最も重要な裁定が開示されないこともありなのである。
手続が公開されるわけでもなく、裁定も必ず公開される訳でもない。
国民に知られないまま、ISD付託され、決着することもありである。
ここら辺の感覚が、普通に「裁判」と呼ばれるものの感覚と全然、違うのがISDである。

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軍「慰安婦」合意と日韓請求権協定

 軍「慰安婦」問題について、米国屈従、国家ご都合の日韓合意がなされた。
 思えば、日本政府が金科玉条のごとくすがる、日韓請求権協定も、米国の圧力の下に締結された。米国はベトナム戦争に対する韓国軍の派遣拡大を求め、その見返りとして、日本に対して韓国に対する経済的支援を求めた。
 日韓併合の合法性・有効性をめぐって厳しく対立していた両国が1965年に急転、合意に至ったことは米国の圧力なしには説明ができない。
 50年を経て、両国は再び米国の圧力の下、ほぼ無理矢理に合意を結ばされた。
 日韓両国の米国隷従の構造は、米国派遣衰退の中、あからさまになり、いっそう強化されているように見える。


 日韓請求権協定による無償3億ドル、有償2億ドルの資金は、被害者に対する賠償金ではなかった。
 提供される資金は「日本国の生産物及び日本人の役務」で供与されるものとされ、あくまでも「大韓民国の経済の発展に役立つものでなければならない」(請求権協定1条1項)とされた。この実施を具体化するために両国合同の委員会が設置され、資金は韓国のインフラ整備に使われた。
 日韓請求協定による資金が、被害者に対する救済に使われる余地は、構造的に閉ざされていた。


 「日本は金を出した。どう使うかは韓国側の問題だ」とする、広く流布されている言説は、謬論である。
(池上彰が怪しいのは、あれほどの博識であれば、当然に知っているに違いないこの構造を無視して、中立公正を装いながら、「わかりやすく」誤解を助長することに長けている点にある)


 結局、「日本の生産物と日本人の役務」による経済協力資金は、韓国のインフラ整備に使われ、経済協力資金と呼ばれる日本人の税金は日本の独占企業(その多くは、戦争や植民地支配で肥え太った企業である)へと環流した。
 戦争も、戦争の後始末も、大独占にとっては、税金を餌食にする恰好のビジネスチャンスである。
 この構造が拡大再生産され続ける結果、今、われわれは軍産複合体を潤すため、終わりなき「テロとの戦い」を強いられている。


 日韓請求権協定では、個人としての植民地支配被害者は構造的に無視された。
 この構造は、軍人・軍属を除く個人としての戦災被害者が置き去りにされた戦後の日本とパラレルである。
 被害者個人の立場に身を置くならば、日韓請求権協定で解決済みとする論理は何ら説得力がない。
 本来、「解決」とは、この問題に焦点を当てたものであるべきだが、米国ご都合、国家ご都合が、論点をかき消している。  

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TPP阻止国民会議 首藤信彦氏の見解 署名・批准問題:来年への展望

TPP署名・批准問題:来年への展望

 20151223

 

        TPP阻止国民会議 
      事務局長 首藤信彦

 

すでにアメリカ議会いやアメリカ社会全体がクリスマス休暇に入り、TPP問題関係NGOからの情報提供もめっきり少なくなりました。この年末の機会に10月のアトランタ会合からの各方面の動きと、年初の展望予想を描きました。

 

アトランタ後の経緯

 105日に大筋合意された(ことになっている)TPP交渉は一か月後の115日に協定案なるものが公表され、同時にオバマ大統領はTPP協定署名通告を議会に送った。TPA規定に従えば、通告90日後の来年2月初旬には、楽観的シナリオでは、TPP協定署名が行われると予想されている。

 しかしながら、公表された協定案の主体は一般約款に近いもので、はたして6年間にわたって激しいつば競り合いが行われた重要テーマはどう決着しているのかは、必ずしも明確ではない。多数あるはずのサイドレターもUSTRのサイトに掲示されたものだけなのかも不明である。妙な話だが、テキストの公開を激しく求めてきた市民グループも、それが実際に公開され、しかもその内容が漠として明確でないので、激しい批判がトーンダウンするという不思議な状況となった。

 もはやTPPの成立はひとえにアメリカの動向にかかっていると言って過言ではない。これまで政府/議会にバイオ医薬品独占的保護期間12年を厳命してきたアメリカ製薬業界などは8年(それすらも定かでない)という基準に一斉に反発し、他の産業たとえばタバコ産業や自動車産業においても、ISDSや通貨操作禁止を巡って協定案への不満が沸き起こっている。

それを受けてアメリカ議会においては上院財政委員長のオリン・ハッチ氏(共和党)が再交渉の要求をオバマ政権に突き付けている。議会においてはマコネル院内総務(共和党)の大統領選挙前の議会審議を忌避する(1211)などの発言が続いた。これをTPP条約発効はオバマ政権下ではまったく不可能とみるか、逆にこうしたことでオバマ政権の危機感をあおって、再交渉あるいは実効ある譲歩を勝ち取る高等手段と考えるか、分析評価は両面である。

 他方、アタランタ会合のラストミニッツに、アメリカ側の大幅譲歩を勝ち取ったはずのオーストラリアやラ米諸国も「保護期間5年・国内制度変更不要」がアメリカ業界の理解と異なるところから、協定上の明文確定を求めている。これが再びアメリカの圧力で万一、5+3=8年などの理解に寄せられることがあれば、対象国のTPP推進政権には大打撃となる。

 その結果、協定案の外で、何らかの便法(また極秘のサイドレター?)などを考えて、再協議・協定案変更などで署名を遅らすことなく、各国の主張を融合させる手法が考案されている。このことは在アメリカ日本大使館の山野内勘二公使が図らずも公開の場で述べ、世界中にその情報が駆け巡った(国会農水委員会審議において外務省は否定)。

 議会外で行われる次期大統領選挙のキャンペーンの高まりそして、クリスマス休暇の始まりによって、TPP関連のニュースは少なくとも表面上は姿を消しつつある。

 アメリカ議会でのTPP問題の受け入れ態勢の不透明感の一方で、TPP関連でいくつかのイベントがあった。その最大のものはタバコ訴訟で(すでに10月のアトランタ合意でもタバコはISDSの対象外となっていたが)、2011年にオーストラリア政府がタバコにプレインパッケージを義務付けたのに対しフィリップ・モリス側が提訴していたが、この1217日にシンガポールの仲裁機関で敗訴し、オーストラリア政府の主張が認められた。これはISDSもアメリカ絶対有利とは言えなくなってきた最新事例である。世界中でISDSへの批判や監視が強まる中で、これで安堵するわけにはいかないが、以前のように一方的にアメリカに有利な状況ではなくなるのかもしれない。しかし、これに危機感を強めるのがアメリカのたばこ業界で、それがまたTPP協定再交渉への圧力となっている。

 もう一つはマレーシアがついにTPP参加のCost/BenefitCB)分析を発表したことである。マレーシアは過去に二回、国連に分析を依頼し、結果を公表と声明したが、いずれも公開されることなかった。政界のGDPはマイナス成長になると結果が出た。。。と政界では噂された。そこで政府はそれ自体が多国籍企業ともいえる国際会計企業のプライス・ウオーターハウスにCBを依頼し、何度も「今夜発表する」とアドバルーンをあげたが公表できなかったものであるが、12月ついに結果を公表した(21日ニュース)

 それによるとなんと2027年までに256600億円(2110億ドル)相当のGDP増加があるということだ。詳しい数字も、その結果を導いたモデル(またGTAP系だろうか?)も仮定条件もわからないので、論評を避けるが、あまりに過大で楽観的な数値に現実味を欠くとしか言いようがないだろう。

 

場内議論と場外乱闘

まずアメリカ議会内では、2月に予想されるTPP協定署名が一つの山場になる。協定案は当初予想されていたものよりかなり妥協的なものになっていると思う。アメリカ政府と業界ははたしてこの公開流通しているテキストで本当に納得しているのか疑問だが、ひとたび署名すれば、変更は極めて困難になる。署名後105日以内に、貿易委員会のCB分析が議会に提出され、法案審議に議会側が了承すれば、法案の提出と審議がスタートするが、大統領選挙でTPPをオバマ失政の一つと位置付けるトランプ候補の勢いがいまだに止まらず、はたして上下両院の議員が自分の選挙戦に悪影響を与えるTPP協定審議に手をだしてくるかどうかは疑問だ。

 今夏TPAは僅差で成立したが、それは人権や通貨操作の問題などを切り離し、とりあえず交渉権限を大統領に与えることでアメリカのリーダーとしての面子を守った苦渋の合意であった。今度はTPP協定そのものの問題であるから、通貨操作、環境問題(COP21も新たに絡む)、LGBTや移民問題、マレーシアでの人権抑圧、ベトナムやメキシコの労働条件改善、不明瞭な国営企業概念など、凍結していた諸問題が解凍され、議会で審議の重要なテーマとなるだろう。

 場外乱闘と書いたが、議会の外で、製薬業界やそこから支援を受けている議員、ロビイストなどが入り乱れて、製薬業界の利益を堅守しようと様々な行動をとっている。いまや製薬はかつての農業・自動車に代わって、アメリカを代表する産業である。かって「GMにとっていいことはアメリカにとってもいいことだ」と述べた経営者がいたが、いまやJ&Jやメルクのように一年一年と巨万の富を生み出す製薬業界の主張する12年を、消費国側が外交上の手練手管で実質5年にするのは容易ではない。

 製薬業界からの支援を受け、その代弁者として発言の語気を強めるハッチ議員は、まさに国益を念頭に、中立公正にTPP問題の命運を決めるはずの財政委員長であり、その彼が、議会での審議の前に、個人的な政治スタンスでTPP協定再交渉を声高に主張する根拠は何なのか、本当は別な意図があるのか、年明けからの彼の言動が一層の注目を集めるであろう。

 

日本では?

アメリカを含め、参加国内では自国の利益に対する詳細分析と評価が進んでいるが、日本ではどのような評価を出すのか?経済成長が低迷するなかで、輸入拡大と国内対策そして地域経済と社会への影響など、とても包括的で現実的な分析ができるとは思えない。これまでもそうした分析努力がなされてこなかったのである。TPP問題が浮上したときにGTAPモデルでその効果が論じられたが、当時とはまったく異なる円安環境で、どれだけの効果が計算されるのか?おそらく長期的な構造改革までをポジティブ・ファクターに取り入れて、ある意味、マレーシア的な成長でっち上げ報告となるのではないだろうか?

いずれにせよ、14日の国会開催や予算審議は、最も楽観的なシナリオ:最短で2月と予想されるTPP協定署名よりもさらに前倒しの見切り発車となる。発効どころか、署名もされていない条約にはたして予算を配算することが許されるのだろうか?参議院選挙目的のバラマキ予算が編成されるなかで、野党のみならず国民もしっかりと審議を見守らなければならない。

年末に予算委員会・農水委員会などで閉会中審査が行われたが、TPPそのものを追求し葬ろうとするより、各党議員は、地元選挙区により多くの予算を早くつけることを優先したというのは外部のひがみであろうか?しかし、おそらく、14日から始まる国会審議でも、TPPの是非よりも予算内容の審議にシフトするのではないかと危惧される。

 

 

 

急務の阻止体制再編

 我々にとって最大の課題は、これまでのTPP阻止の活動や体制をどのように、アトランタ後のTPP問題の変容と環境変化に合わせるかである。これまでも必ずしも有効ではなかった単純な「反対」姿勢だが、少なくとも形式的にはTPPテキストが公開された以上、新しい活動とそれを支える体制が必要である。

 特に問題なのは、TPP協定がまだ署名されず、発効がはたしていつになるかわからない状況で、すでに政府はアメリカ政府+業界の意向を受けて、「日本の国内政策」として次々と法改正、制度改変、基準の変化をもたらしている。その実態把握が急務である。

TPPが成立するかどうかわからない段階で、アメリカによる実質的な富の収奪が進行してはならない。

特に、ここ1-2年、TPP交渉が足踏み状態になった状況で、アメリカ業界や多国籍企業は野心的なTPP協定を成立させるよりも、日本の既存の業界、制度に食い込み、そこで既得権益、内部者利益を獲得しようと戦略転換した可能性がある。

TPP協定のみならず、今後は正面のドアから来るTPP協定だけでなく、背後から「しのびよるTPP」にも注意を払う必要がある。

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2015年12月25日 (金)

おとしめられる日本語  日本の公式言語は英語である

今年の内でないと、書く機会を逃すので、安倍談話について書き止めておきたい。
内容ではなく、形式的な論点だ。


戦後70年の安倍談話を読んだ誰もが、敬体と常体を混用した文章に違和感を持ったに違いない。
ところが、この点を問題としたマスコミはないように思う。


安倍談話は敬体で書かれている。
数カ所に常体を混用する必然性があったとは思われない。


常体が混用された部分を敬体にして反芻してみたが、常体の混用が明白に効果的だという部分はほとんどなかった。
効果があるとしても、せいぜいが趣味、好みの範囲である。
要するに安倍談話は、趣味で敬体の中に常体を混用してみせたのである。


敬体と常体を混用するのは、文学的な修辞の世界でなら何も問題はない。
文法破りに効果があるかどうかは、作者、筆者のセンスによる。


しかし、一国の総理大臣が、戦後70年という節目に、後世に負担を負わせないという決意を込めて発したとされる談話が、文法破りを犯していることには、強い違和感が残った。
総理個人の談話ではなく、閣議決定も経ている。
閣僚の誰も、さして修辞的な効果もない、文法破りに異議を唱えなかったのだろうか。


たとえば、弁護士会の意見書や弁護士会会長声明で、ですます調と、である調を混在させたら、理事者会でひんしゅくをかうのは、必至である。
新聞社に至っては、である調で書かれた投稿を、わざわざ、だ調に修正する。
今では取っていない朝日新聞に何度か投稿したが、である調子ですら許さないのが新聞業界のようで、渋々、だ調に従わされた。
ちなみに、法律業界は、である調であって、だ調の書面は殆ど見ない。


それほど厳格に守られてきた文法を、閣議決定を経た総理談話という最も形式を重んじる筈の重要な分野で、安倍総理は、破った。
米上下両院合同会議で、下手くそきわまりない、英語演説をしたことと無関係ではないだろう。
戦後レジームからの脱却を掲げる総理は、日本語を貶め格下げしたのである。
本人がどう思っていようが、英語演説を勧めた官僚は、日本語を格下げした総理談話に快哉したに違いない。


TPPの正文には、日本語は含まれない。
TPPは6カ国以上、交渉参加国のGDPの85%以上の国が批准書を寄託したときに効力を発する。
交渉参加国全体のGDPの20%を占める日本の加盟はTPPの成立に不可欠である。
であるにも拘わらず、日本語は正文となっていない。


悪評高い米韓FTAでも韓国語は正文とされている。
日米安保条約ですら、日本語は一応は、正文となっている。
にも拘わらず、TPPでは日本語は正文ではない。
このことは異様ではないのか。


TPPでは、カナダのケベック州の住民820万人のためにフランス語は正文とされた。
にも拘わらず、GDPでTPP加盟国全体の20%を占め、人口1億3000万人に上る国の母語は正文とされなかったのだ。


米国が日本語を正文とするのを拒んだのか。
そうではない。
日本の官僚は、日本語を正文とするよう要求すらしなかったのだ。


これを伝えたのは、日本農業新聞だけのようだ(その後日刊ゲンダイ)。
しかも、記事ではなく、コラムの扱いだ。
同コラムは、三橋貴明氏のブログ(11月20日)によれば、次の通りだ。

『小話往来「日本語軽視が露呈」
 政府が「日本と米国がリードした」(安倍晋三首相)と誇るTPP交渉。実際、日米で参加12カ国の国内総生産(GDP)合計の8割近くを占め、日米の批准がなければ発行しない。しかし、大筋合意した協定文には「英語、スペイン語 およびフランス語をひとしく正文とする」と定め、日本語は入っていない
 19日の民主党経済連携調査会。篠原孝氏(衆・長野)が「(日本語を)要求してけられたのか」とただすと、外務省の担当者は「日本語を正文にしろと提起したことはない」と認めた
 同省は以前、日本が遅れて参加したことを理由に挙げていた。だが、同様に後から参加したカナダは一部地域でしか使われないフランス語も正文に認めさせた。矛盾をつかれても同省は「カナダには政治的に非常に重要な課題だ。日本語をどうするかという問題とは文脈が違う」と言ってのけた
 政府自ら自国の言語を軽視しているともとれる発言に岸本周平・同調査会事務局長は「今のは聞かなかったことにする。議事録から削除」と切り捨てた。(東)』


TPPは、6000頁に及ぶという膨大な条文の束である。
日本に直接関係する部分だけでも、2000頁を超える。
(紙の無駄であるから、確かめていないが、そう言われている)

これが根本規範として、立法、行政、司法の全ての作用を拘束する。
地方自治体の条例や行政も同様である。


国会議員は、TPPの条文を参照して、これに反する法律を改廃しなければならない。
将来の立法に当たっては、常にTPPを参照してこれに違反しないか検討することを強いられる。
裁判官も、その他の公務員も同様の立場に置かれる。
TPPは、国政(地方政治も含めて)の根本規範になる。
(その拘束力が事実上、憲法以上のものになることは合理的に予測可能だ。)
その根本規範が英語なのだ。


こんな恐ろしい事態に文句も言わない与党の議員は、どうかしている。
こんなにも屈辱的な事態に声も上げない与党議員に愛国心を云々する資格などありはしない。


施光恒氏の『英語化は愚民化』の中に、津田幸男氏の『英語支配とことばの平等』から次の図が引用されている。


Eigosihainojoretukouzou


特権表現階級には、英語を母語とする英米加豪などの国民が属する。
中流表現階級には、英語を公用語とする旧イギリス植民地(インド、マレーシア、ケニアなど)と米国の占領下にあった諸国(フィリピン、プエルトルコ等)が属する。
これらの諸国では、中等教育ないし高等教育を母国語で行う素地がない。母語で高等教 育を受けられること自体が、世界的に見れば、まれな成功例なのだ。
母国語以外に余分な負担をして、英語を使う努力を強いられる。
日本やフランス、ドイツなどは、英語支配の構造では、せいぜいが英語を外国語として使う、労働者表現階級に止まるのだ。
そして、英語が使えない日本国民は、安倍総理や多くの与党議員も含めて、沈黙階級に属する。


この構造を受け入れてしまえば、労働者表現階級から上昇するには、英語を公用語とする以外にない。
官僚が、日本語を正文とすることを要求すらしなかった事実は、英語を公用語化することをすでに決めていることを示している。
公用語化された英語は、同じ公用語である日本語より優越する。
公式な場では、英語が使われる。
日本語は現地語としての公用語でしかない。
安倍談話の文法破りが、なぜ許容されたかは、こうしてようやく理解可能になる。
日本語は、たかが現地語に過ぎないから文法破りが許容されたのだ。


政府は、署名するまで日本語訳を示すつもりはないとしている(三橋貴明氏ブログ12月11日施光恒「民主主義の終わり」)。
署名したら、日本語訳をすると約束している訳でもないらしい(外務大臣政務官は和訳文の公表について「他の参加各国の同意を得て」と条件を付けている)。
そんな政府の言い分を、沈黙階級に属する多くの与党議員が、後押している。
国会は、英語のまま6000頁に及ぶ条文の束を、わかった振りして、そのまま同意する可能性すらある。


日本語なんかどうなってもよい。
日本語に由来する日本の文化や伝統や社会のありようなんかどうなってもよい。
これが、この国の支配層の本音だ。


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TPPに注目しながら、その最初の衝撃が日本語の没落にあることに、気づかなかった不明を恥じるばかりである。
なお、「日本農業新聞 TPP 日本語」で検索すると、日本農業新聞の同じコラムの20104年10月19日の次の記事がヒットする。
日本語を正文とすることを求めもしなかったと伝えたコラム記事は、探すのが困難である。
日本語を正文とすることを求めもしなかったことは、最高度の国家機密のようである。

[小話往来] 日本語で日本批判 全米豚肉生産者協議会 (2014/10/19)

 
 TPP交渉をめぐり、日本に農産物関税の撤廃を強硬に求めている全米豚肉生産者協議会(NPPC)。このほど、日本を批判する声明をわざわざ日本語に翻訳し、ホームページに掲載した。
 「(全ての製品の関税撤廃を)日本が拒否し続けるならば、米国および他のTPP参加国は日本抜きで交渉を終結すべきである」
 断定調のこの厳しい表現は、NPPCの日本語による声明そのまま。農産物や自動車をめぐって物別れに終わった9月23、24日の日米閣僚協議を受け、NPPCは同25日にまず英語で声明を発表。翌日の26日に、これを翻訳した日本語版を出した。
 日本のある交渉関係者は「日本人に読んでもらうためではない。日本語を使うことで、日本が悪いという印象をより強めたいのだろう」と分析する。
 ただ、NPPCは同様の内容の声明をこれまで何度も発表していることから、「翻訳しないと日本人には分からないとでも言いたいのか。小ばかにしている」と怒り心頭。(鷹)

2015年12月10日 (木)

無題もしくはグローバルに解体される日本

ツイッターで拾った、海外バラマキ国内無策の図。
軽減税率の財源議論などばからしくなる放蕩首相。
「新・ほんとうがいちばん」のサイト2015年2月22日

海外にばらまいた54兆円が公正に分配されていれば、どんなに暮らしやすい国になったのだろう、なんてことは、考えない方が精神衛生によろしい、この日本w

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子どもの貧困基金、寄付低調 首相呼び掛けも大口ゼロ

東京新聞2015年12月7日 朝刊

 安倍晋三首相らが発起人となり、子どもの貧困対策として十月に立ち上げた民間基金で、政府が期待する経済界からの大口寄付が一件もなく、寄付総額は十一月末時点で計約三百万円にとどまっていることが分かった。二〇一六年度に始めるNPO法人などへの助成事業には億単位の基金が必要とされるが、官民挙げて取り組むとした「国民運動」の看板事業の実施が危ぶまれている。

 「子供の未来応援基金」は、子どもの六人に一人が貧困状態にあるとされる中、ことし四月に提起された「子供の未来応援国民運動」の一環で、個人や団体の寄付で基金をつくり、貧困対策に携わるNPOなどへの助成を主な事業としている。

 食事の提供や、児童養護施設を退所した若者の就学援助といった公的支援が届きにくい「草の根」活動の支援強化などを想定している。

 寄付が伸び悩む理由に、政府自体の予算措置を含めた貧困対策が具体化していないことや基金の周知不足があるとみられる。

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2015年12月 8日 (火)

アモルフ過ぎて…

なんだか世界中がアモルフである。

欧米先進国と中東の一部政府は、よってたかってシリアを空爆して、世界中にテロを拡散しようとしている。
領域国の同意なく武力行使をするのは普通に国際法違反である。
まして、領域国の軍を空爆したとなれば、普通に戦争である。
宣戦布告もなく相手国軍を攻撃して良いようなのであるから、国連憲章云々どころの話ではない。
国際法は何世紀もさかのぼってしまった。

「これは戦争だ」とブッシュ2世の二番煎じを狙ったフランス大統領は、墓穴を掘って、治安の強化を主張する極右勢力に道を開いた。(その立ち居は、なんだか野田佳彦に似ていなくもない)
排外主義は驚くに値しないが、国民が自ら自由を差し出して治安の強化を求める図式は、人権の母国で起きているだけに人権の融解を思わせる。

グローバリズム抵抗拠点の南米では、反ネオリベ政権が次々覆りそうな気配。

この国では、訳もわからないまま、外国資本に国を差し出し、日本国民を英語で訓育しとうとする総理大臣を国民が支持し続けている。

民泊要件の6泊以上、床面積25㎡以上(ビジネスホテル15㎡~18㎡)の条件が、云われるような外国人旅行客増加による需要と、対応していないことに全く触れないメディアもおつむがイカレテいる。
(奈須りえ氏のブログ2015年12月5日

何人入れてもよい民泊施設は、普通にタコ部屋である。

なんちゃってメイド法による単純労働者受入政策と、民泊特区はセットで、フランスより、はるかに遅れて、政府は1000万人移民政策に着手している。

労働力を求めての移民政策が、失敗に終わることはわかっている。
わかり過ぎていながら、止まるつもりはない。

COP21で安倍晋三があれほど嫌われていたのだから、東京五輪は、なんちゃってオリンピックに違いない。
なんちゃってオリンピックが、この国に何をしてもよいという口実にされている。

途方もなくでかい何かが、世界をひっくり返そうとしているような気がしてならない。

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