国谷裕子さんの降板に寄せて
国谷裕子さんがキャスターを務める最後の回となった3月17日のクローズアップ現代のテーマは“未来への風~“痛み”を越える若者たち~”。
NHKのサイトでは、冒頭の国谷さんの語りが省かれているようなので、文字起こしををしてみた。
実に的確に日本の経済状態を語っている。
大きな時代のうねりの中で当たり前だったことがそうでなくり、失われた10年がいつのまにか20年になっていきました。
グローバル化が急速に進み、激しい価格競争の中でコスト意識を強めざるを得なくなった企業は、人を減らし、柔軟に人件費を調整できる非正規雇用を拡大していったのです。
大人たちが信じていたことが変わっていった時代、日本の経済成長が下降に転じてから生まれ育った世代は失われた20年という実感そのものも乏しいとみられています。
内閣府が13歳から29歳を対象に行った調査では、将来について「明るい希望がある」と答えた若者の割合はご覧のように日本が最下位です。内向きで政治や社会に無関心、社会に傷つけられても自己責任と自分を責めがちな世代とみられがちですが、一方でご覧のように別の内閣府の調査では20代の半数近くが、自分の生活の充実より、国や社会のことにもっと目を向けるべきだと考えるようになっています。
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社会に貢献することで充実感を得たいという若者が増えていることを示しています。
とは言っても、激しい競争、管理の強化、横並びに従わざるを得ない同調圧力といったプレッシャーによって、決して声を上げたり行動がしやすいとは言えない社会、今夜はそうした中で自ら声を上げ、痛みを乗り越えていくために行動を始めた姿を通して若者たちの心の内を見つめます。
激しい競争、管理の強化、横並びに従わざるを得ない同調圧力といったプレッシャーによって、決して声を上げたり行動がしやすいと言えない社会
という言葉に国谷さんの無念が込められているように感じたのは僕だけではないだろう。
番組は、ゲストの柳田邦男氏がフリップに沿って、若者に望むことを語って終わった。
- 自分で考える
- 情報を読み解く力
- 多様な考えを理解する
- 表現力を身につける
これもまた国谷さんが最後に視聴者に残したかったメッセージのように感じられた。
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朝日新聞が頭を垂れた2014年9月11日からの流れの速さには言葉を失う。
この3月、あれから僅か1年半で、多少とも骨のあるキャスターは基本的にテレビから姿を消すことになった。
その全てに、いち早く屈服した、朝日新聞は責任がある。
朝日新聞の対応は、あまりにも無思慮で、無責任だった。
言論に携わるものであれば、自らの屈服が何をもたらすか、事態がどのように進むかは容易に理解できたはずだ。
(たかだかマチベンですら、朝日新聞911事件の直後にドイツだったかの牧師の述懐や茶色の朝を援用している)
それにしても、昨今の情報統制はひどいものだ。
いくつも、いくつもの禁止コードに囲まれて、われわれは情報難民だ。
柳田邦男氏や国谷さんがいう、情報を読み解く前に、情報を得ることだけで四苦八苦しなければならない。
ガラケーではツイッター情報を採るのに苦労するようになって昨年夏にスマホに乗り換えたが、今度はスマホの情報量のあまりの多さに圧倒されて難儀をしている。
新聞を読む時間はないし、本もまともに読んでいない(>_<)
情報統制の例を紹介したいと思っていたが、PCがフリーズして、データが飛んでしまったので、記事を改めることにする。
NHKは国際放送で、Today's Close Up という番組を放送している。
このメインキャスターは、英語のできる国谷さんであり、何とクローズアップ現代と同じスタジオで放送している。
パソコンやスマホからNHKワールドに行けば、無料で見ることができる。
但し、国際放送であるので、日本語の字幕は出ない。
英語の出来ない二流国民は、残念ながら、空気感しか知ることはできない (^-^;
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