マスコミが束になっても敵わない オバマを襲う巨額ISDを採り上げたメディアは“赤旗”のみ
トランスカナダ社の150億ドルのISDを採り上げたメディアがないと書いたが、赤旗が1月10日に、とっくに採り上げていた。
地図・写真入りで大きな扱いだ。
なぜか、ネット検索では、「パイプライン ISD」でも、「トランスカナダ ISD」でも上位にはヒットしなかった(ネットにも記事は掲載されている。見出し通りで検索するとヒットする)。
地図を見れば、日本のリニアを超えるような巨大事業だとわかる。
訴訟大国との間でISDを結べば、重要な政策変更は不可能になるということだ。
当然ながら、TPPが発効すれば、外国投資家の合理的期待を保護し、外国投資家の利益には慎重な配慮を払うことが義務付けられるから、外国企業が入札に参加するリニアは、引き返し不可能になる。
環境問題も、ましてや財政難も理由にはならない。
ISDが国内裁判所を避ける目的は、何より国際法であるグローバル投資法を厳格に適用することが目的だからだ。
辺野古新基地建設も、TPPが発効すれば、引き返し不可能になる。
たとえ米国政府が海兵隊を引き上げると言い出した結果(少なくとも中期的には、そうなりそうな米国情勢である)、新基地建設を取りやめたのだとしても、基地建設で利益を上げる企業の中にTPP加盟国の企業があれば(事の性格上、当然、あるはずだと思われる)、ISD必至である。
漫画みたいな話であるが、本当の話である。
重要な政策の変更には、私的利益を補償するための巨額なコストがかかるのである。
「ISDS条項の主要目的が私的な利益のために民主的過程と国民の利益を覆す点にあることを、トランスカナダ社は証明した」(国際環境法センター:キャロル・ミュフェット議長)という訳である。
それにしても大マスコミは、赤旗の何百倍もの特派員を送っているだろうに、全く報じていない(今回は、念のために有料の新聞記事横断検索をかけてみたが、赤旗以外はヒットしなかった)。
いくら何でも恥ずかしいと思ってもらいたいものである。
« CNNが伝えるTPPの恐怖 “The real Danger in TPP” | トップページ | ISDで自由化される解雇 外圧が促進する解雇自由化 »
「TPP」カテゴリの記事
- WTO 日本は世界と戦って敗れた 安倍政権の国際感覚の欠如と失政(2019.04.12)
- なぜ韓国は日本の言うことを聞かないのか(2019.01.30)
- 外国人労務者本土移入の件 可決成立 オワコンジャパンを乗り越えて、新たな構想を持とう(2018.12.08)
- 日本製造業の敗北 技能実習生問題から始まる連続ツイートが恐ろしすぎる件((((;゜Д゜)))))))(2018.11.20)
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: マスコミが束になっても敵わない オバマを襲う巨額ISDを採り上げたメディアは“赤旗”のみ:
» 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)、本当のコストいくつか:アメリカだけで約50万の雇用喪失 [マスコミに載らない海外記事]
ジョモ・クワメ・サンダラム 2016年3月1日Naked Capitalism アメリカ合州国が率いる12の環太平洋諸国が最近合意した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)1は、国境を越えた取り引きで、多くの規制を緩和し、規制を調和すると約束している。協定の擁護者たちは、15年後、アメリカ合州国の0.5パーセントから、ベ... [続きを読む]
« CNNが伝えるTPPの恐怖 “The real Danger in TPP” | トップページ | ISDで自由化される解雇 外圧が促進する解雇自由化 »