無料ブログはココログ

« TPP 秘密保持に関する書簡 全文訳 | トップページ | 国会はTPPを承認することができない »

2016年4月13日 (水)

タックスヘイブン・ISD

日本経済新聞が
「パナマ文書」考 租税回避地の闇が動かす中国の権力闘争
編集委員 中沢克二
 
なんていう記事を配信している。
よその国のことをやたらに詳しく報道している。
そんなことはいいから、自国のことを検証しろよという声はネットにあふれているが、タックスヘイブン問題は、いつまでも、中国やロシアなど他国の問題に矮小化しておきたい考えのようだ。
 
 
タックスヘイブンは、日本企業の問題だ知っているネット民にしてみれば、タックスヘイブン利用しまくりの実態をよく知るはずの経済専門紙が、こんな記事を掲載するのは、しらけるばっかだよなぁ。
 
 
月刊誌『KOKKO』編集委員・井上伸氏のブログが、とりあえず我が国のことを考える出発点だ。
富裕層は、庶民から絞るだけ絞って、タックスヘイブンにため込んでいるかと思えば、朝日新聞ではないが「納税者は怒る」わけだが、朝日新聞の使う「納税者の怒り」も外国の納税者限定なのだ。
本当に国民はなめられたものだ。
 
 
とりあえず、我が国のことを知っておくためには

editor
月刊誌『KOKKO』編集者・井上伸のブログ2016年4月6日付ブログが記事に貼られたリンク記事も含めて、必読だ。

 
 

タックスヘイブンでの富裕層・大企業の税逃れ禁止で消費税は廃止できる=ケイマン諸島だけで日本の大企業は60兆9千億円(2013年)とこの12年間で3.2倍増の税逃れ

6d410faa26388c4d8e954f6ff03af676
 

そして、このケイマン諸島で税金逃れした60兆9280億円に、現時点の法人税率23.9%を課すとすると、14兆5617億円の税収が生まれることになります(※厳密に言うとケイマン諸島の大企業の資産には証券もあるのでそう単純に計算できませんが)。増税前の消費税率5%のときは、消費税の税収は10兆円程度でした。消費税率8%になって直近の2016年度予算で消費税の税収は17兆1850億円です。これに対して、大企業のケイマン諸島のみで14兆5617億円の税収が生まれるので、これに加えて、ケイマン諸島での富裕層の税逃れと、ケイマン諸島以外での大企業と富裕層のタックスヘイブンでの税逃れ(朝日の報道にあるようにパナマでも日本の400の人・企業が活用しているわけです)を加えれば、現在の消費税率8%の税収をも上回ると考えられるのではないでしょうか?

そうだとすると、庶民には到底活用など不可能なタックスヘイブンにおける大企業・富裕層の税逃れをなくすだけで、消費税そのものを廃止することができるのです。これが当たり前の「公正な社会」ではないでしょうか?

(※2015年の上半期の国内投資家の「地域別の増加額トップはケイマン諸島等租税回避地を含む中南米です」との指摘もすでにされていますので、アベノミクスでさらにタックスヘイブンの活用が増加していることは容易に予想できます)

大企業の租税回避を防止すれば、消費税をゼロにできる。
そのことだけでも、共通認識にしていきたい。

 

グローバリズムによって吸い上げた富は、タックスヘイブンへと注がれる。
使い捨て同然に人間を摩耗させる労働環境の劣悪化が急速に進展しているのも、まともに生きるのすら難しくなってきているのも、結局、こいつらが税金も払わず、搾り取っている結果だと知って、怒らない方がどうかしている。
メディアも政府も、いったい、いつまでよその国の話だとして騙し通せると思っているのだろう。

 
TPPでは、カネの移動の自由も中核的な利益として当然に保護される。
投資の章には、外国投資家の資金移転を保障する規定が存在する。
TPPの参加国中、シンガポール、マレーシアなどは、タックスヘイブンとして挙げられている。
米国内にも、デラウエア、フロリダ、ワイオミング、ネバダ州などのタックスヘイブンがある。
TPPでは、こうしたタックスヘイブンも含めて、いっそうカネの移動を自由化しようというのだ。
カネの移動を規制すると、ISD提訴で賠償を求められる仕組みになっている。
税金を払わない経済主体が、それでも足りずに直接、税金から巻き上げるのがISDというわけだ。
租税回避をどう規制するか、OECDやG20などで議論しながら、一方では、それを助長する条約を結ぼうとする。
上半身がやることを、下半身が裏切っているのだ。
 
 
米国民が大統領予備選挙で示しているように、日本国民が、グローバリズムこそ真の敵だと気づくのは、いつ頃になるだろう。
 
* ランキングに参加しています *
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
 
ISDの事例で、日系企業が勝訴した事例として、野村證券の子会社が、チェコ政府に勝訴したサルカ事件がしばしば、日本にとって、ISDにメリットがあるケースとして引用される。
サルカは、野村證券がオランダに設立したペーパーカンパニーであり、オランダはヨーロッパのタックスヘイブンの一つである。
要するに、ISDを推奨する勢力の価値観は、タックスヘイブンを利用して税逃れする企業と同じなのだ。
一方は、国境を越えて税を逃れ、他方は、国境を越えて他国民の税を巻き上げようとする。
どちらも犠牲者は国民である。
(なお、TPPにはペーパーカンパニーがTPPを利用することを否定する規定が設けられていることに触れておいた方が公平だろう。
しかし、だからと言って、ペーパーカンパニーによる利用を防止するために、これまで結んでしまったISD条項を見直そうとする気配は政府からは感じられない。
タックスヘイブンの一つとして挙げられるスイスとも日本はISDj条項を含む経済連携協定を締結しているが、ペーパーカンパニーを排除する規定はないのだ)

« TPP 秘密保持に関する書簡 全文訳 | トップページ | 国会はTPPを承認することができない »

TPP」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: タックスヘイブン・ISD:

« TPP 秘密保持に関する書簡 全文訳 | トップページ | 国会はTPPを承認することができない »

2022年2月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28