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2016年6月の3件の記事

2016年6月28日 (火)

イギリスのEU離脱国民投票  あらわになったグローバリズムの曲がり角 

Doitsu


 EU離脱派が勝利したイギリスの国民投票に対する非難がかまびすしい。
 今度ばかりは日本のメディアだけでなく、おそらく世界中のマスコミが、イギリス国民の決定は、感情的で愚かだと批判を集中しているに違いない。温度差はあっても、イギリスの国民投票の結果を歓迎するマスコミは世界中で皆無だろう。


 ユーロ導入という実験の中で極端な貧窮状態に追いこまれたギリシャ国民の昨年7月の国民投票が一蹴されたくらいだから、金満国家であるイギリスの決定が厳しい批判に晒されるのは当然といえば当然だ。



 EUの欠かせないパートナーで、離脱は経済規模の大きな縮小を招くというのに、離脱というイギリスの決定に対するEU側の対応はあまりにも迅速で冷淡なものだった。10月まで待って離脱通告をするというイギリスの表明に対して、直ちに離脱の手続を取ることを求めた。離婚を言い出したパートナーに対して即「出て行け」という配偶者のようである。どうも本音には見えない。狡猾なEU官僚が描いた恫喝のシナリオに見える。


 世界中から非難を浴びせられ、確たる覚悟と見通しもなくなされてしまった今回の国民投票は、ギリシャに続き、失敗に終わる可能性が高いよう見える。


 ギリシャに続き、イギリス離脱問題で見せつけられている現実は、要するにグローバルな世界では、一国の民主主義は否定されるということだ。
 グローバリズム(超国家主義)と民主主義は両立しない。

 

 EUが掲げる民主主義という価値は見せかけに過ぎないのだ。肥大化し深化するグローバルな世界では、民主主義はせいぜいが各国国民に見せられる幻影に過ぎないということだ。

 


 問題はEU側にある。
 求められるのはEU側の反省とより緩やかな提携を目指す改革に見える。
 そうした声は、EU危機にあっては押し流されていく。
 いたずらに統合の深化を求め、各国の国民のEUへの不満を、強硬で傲慢な態度で押しつぶしていくだけでは、EUへの怨嗟と排外主義はますます鬱屈したエネルギーを高めていく。

 

 危機と破局の深刻さは桁違いなものになる可能性を引き寄せている。


 わが国では、EUは平和のための組織だという刷り込みが仕切りになされている。マスコミを信じることにかけては、世界でも屈指の国民は騙されていく。
 二度の世界大戦の破局をもたらしドイツをヨーロッパと和解させ、とくに独仏の協調の中でヨーロッパに戦争をもたらさないという平和への契機が働いていたことは否定しない。しかし、それは一つの語り口に過ぎない。
 そんな理想だけで国際社会が動くというのが、あまりにもナイーブに過ぎることくらいヨーロッパの歴史を全く知らない僕にも容易に理解できる。


 マスコミが振りまくEU幻想は、東西冷戦という世界を破滅の際に押しやった歴史的背景を全く欠落させている。
 EU(前身)はNATOを車の両輪として、その大半の時期が敵国であるソ連に対抗するための米国を盟主とする資本主義のための組織であったことを、ここまで無視するのは、記憶喪失であるか、悪質なプロパガンダと呼ぶのがふさわしい。


 ソ連、社会主義という重しが取り除かれた後、EU(EC)は変質していく。
 米国とは見かけと理念のありようが異なっているとはいえ、とめどない金融資本主義の暴走と版図の拡大という本質において、米国資本主義の暴走とEUの拡大深化に異なることはない。
 確かにイラク戦争までは、EUには冷戦の圧倒的な勝者となった米国の暴走を押しとどめることが強く期待されていた。しかし、現在から振り返れば、EUの栄光もここで尽きていた。


 東欧諸国をEUに編入する過程は、EUの標榜する平和と民主主義という理念にとって、必然的なものではなかった。
 ユーロの導入も必然性はなかった。
国家の財政政策も為替変動も機能しないユーロの導入と政治的な単一化(統合深化)は、国際金融資本がヨーロッパを支配するにはもってこいの効率のよい仕組みだ(ギリシャのユーロ加入時に粉飾決算を指導したゴールドマン・サックスの社長出身者が、次のステージでは、欧州中央銀行の総裁としてギリシャ債務の取立役に収まる姿は、国家を翻弄して搾取する金融資本の姿を象徴している)。


 EUが東欧諸国を編入するについては、その当時、すでに移民労働者が不安定をもたらすとする強力な反対意見が存在した。「民主主義と法の支配」を拡大深化するという美名が、移民労働力の利用という資本の動機を押し隠す道具とされ、EUは膨張していった(いまだ豊かな国であるイギリスへの毎年18万人に上るEU域内移民がもたらしている社会的・国家的な混乱は、離脱派の立場から現地の状況を報告する、めいろまのツゲッターが出色に見える。グローバリズムの世界では、医療や教育、住宅をめぐるごく身近の問題も政治は解決できないのだ)。
 ロシアとの深刻な危機と対立をもたらしたウクライナ問題も仕掛けたのはEUである。ウクライナ問題の本質は、経済と軍事の両面におけるEUの膨張の帰結だろう。


 イギリス国民のEU離脱の選択は、世界中の糾弾を浴びて、やはり失敗に終わる可能性が高いようにみえる。
 しかし、米国大統領選挙に現れた想定外の展開も含め、グローバリズムが大きな曲がり角に立っていることは、もはや隠しようもない。
 残念でたまらないのは、世界でまれなほどにマスコミに信頼を寄せる日本国民が、グローバリズムに対する警戒心を露ほども持っていないように見えることだ。



文春新書<br> 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる―日本人への警告




 かつて世界中の誰一人として想像しなかったソ連の崩壊を1970年代にいち早く予想したエマニュエル・トッドは、EUの崩壊を断言している。ソ連崩壊に比べれば、凡人にも、はるかに理解しやすい予想だ。
 仮想敵としてソ連を想定した連合体は、仮想敵が崩壊すれば、やがては崩壊するということでもある。


今後20年のEUは分散・分解の歴史となる


久保田智子
今後ヨーロッパはどんなふうになっていくか分かんないですか?

エマニュエル・トッド
ここで私は再び真の預言者になります。
この予言は確信できます。
ヨーロッパの今後20年間は、EUの分散・分解の歴史になるでしょう。
“政治備忘録”のサイトがニュース23の2月1日付のトッドのインタビューを書き起こしてくれたもの・2016年2月12日付「仏学者エマニュエル・トッドの予言『世界と日本はどうなる?』」


 冒頭に掲げた図は、「『ドイツ帝国』が世界を破滅させる」(文春新書)の口絵である。トッドは、EU諸国を被支配国、隷従国等に分類し、EUが経済戦争の結果、ドイツ帝国の版図と化していると警告する。但し、ここでトッドは、イギリスを例外として離脱途上に分類する慧眼を示している(同書は2011年からのインタビューをまとめたものであり、直近における分析ではないだけにトッドの予想はやはり確実性が高い)。
 トッドは、ドイツが、南欧等に対する支配、東欧からの安価な労働力の活用、そして統一通貨ユーロの恩恵を利用して一人勝ちした結果、脅威になっていると警告する。ウクライナ問題ですら、主要なプレイヤーはドイツであって、米国はドイツに追随することで超大国の体面を保とうとしたに過ぎないとするのがトッドの見立てである。
 トッドはフランスの政治エリートが、ドイツの機嫌を窺う存在に堕してしまった状況を痛烈に告発する。フランス政府の主要閣僚、しかも社会党の閣僚がタックスヘイブンを利用する金融エリートによって占められているという構造は、EUにおける金融資本の支配の根深さを示してあまりある。

(そのフランス社会党は、今、雇用促進のためと称して、労働者の解雇を容易にし、残業手当の支払いも制限する労働法改正に血道を上げている

 ここで、トッドが力説する解決策は、保護主義である。
 さらにより抜本的に、富裕層が好んで行った国家に対する貸付であるところの国債(トッドは国債に対するマルクスの見解を引用している)のデフォルト、そしてユーロの清算である。巨大な政治単位、そして各国の財政政策も無効にし、域内では為替変動もない統一通貨ユーロは金融資本が支配する極めて効率的な道具である。ユーロにがんじがらめにされた、金融資本による支配を是正するにはそれくらいの荒療治が必要だというのがトッドの主張だ。


 それにしても、米国覇権の衰退もいち早く予言したトッドが、ドイツ隷従を選ぶか、米国隷従を選ぶかと問われれば、躊躇なく米国を選ぶとしているのは、米国の属国民にとっては、ショッキングである。


 かくして、日本国民は、グローバリズムが明らかな曲がり角に立っているにもかかわらず、グローバリズムに対する何の警戒も持たぬまま、米国から公然と再交渉の声があがる終わりなきTPPというかけ声のもと、グローバル資本の巣窟である米国いいなりのグローバリズムの奴隷層に組み込まれていく。
 次期大統領は軍産複合体、ウォール街ご用立てのクリントンだというのだから、日本国民にとっては最悪である。


 トッドは、前記インタビュー集で、ロシアがソ連崩壊直後から続いた危機的状況を脱して回復の過程にある明確な人口学的証拠を挙げる。そして、国家としての意思が明確なロシアを国際社会の注目すべきプレイヤーとしてあげる。

そして、ドイツとフランスを協調させるEUという試みをしたくらいなのだから、米国とロシアをパートナーにすることも試みられてよいとも言っている。クリントンでは絶望的だ。トランプはまさにロシアとの協調を主張しているが、トッドがレイシストであるトランプを支持するとは到底、考えられない。
 巨大な歴史の転換点の様相は、まさに混沌としている。


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追記
 移民差別を厳しく糾弾するトッドは、急速な少子高齢化が進行する日本に対しては、移民政策の転換を勧めている。
 技能実習生や日系人という在留資格で外国人労働力の過酷な使い捨てに走っている日本の現状を踏まえれば、私たちも考えなければならない問題を含むのかもしれないと、いささかの動揺をしている。

2016年6月21日 (火)

わかりやすい公職選挙法  救援新聞6月25日号から

今朝届いた、日本国民救援会の機関誌、わかりやすく公選法違反にならない選挙活動をまとめている。
タイムリーな企画なので、ご紹介します。
PDF版はこちら
Kousyokusenkyohou
何しろ、公職選挙法は、わかりにくい。
であるから、このようにわかりやすく整理してもらうと大変ありがたい。

公職選挙法による選挙運動規制は、1925年制定の普通選挙法の選挙規制をそのまま戦後も引き継いだものだ。
戦後、女性参政権を認める一方、さらに規制を広げた代物で、民衆敵視の気配さえ漂っている。
およそ表現の自由が保障された民主主義国家に相応しくない。

法廷でも違憲性が争われてきたが、裁判所はこんな法律も合憲判決を重ねてきた。
政治の話を敬遠する日本の風土の形成には、公職選挙法も寄与しているに違いない。

そもそも違憲の疑いが極めて濃厚な法律なので、独特の解釈で違反の範囲を限定する解釈も定着していて、体系的にも理解しづらいので、マチベンは、覚える気もなく、今日に至っている。
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2016年6月12日 (日)

ゴールドマン・サックスとずぶずぶのクリントン 米国版『政治とカネ』の壮大さ


日本のマスコミは、ヒラリークリントンのスキャンダルとしてメールアドレス問題しか伝えないが、クリントンのスキャンダルのタネは尽きないらしい。
とくに、ウォール街との癒着について日本のマスコミは抽象的に触れるに止めて、その具体的な情報は全く伝えないことにしている(自主検閲コードらしい)。
そんなことなので、英語の出来ない2級国民である僕なぞは、雑誌「世界」7月号、赤木昭夫「パナマ文書事件」で初めて、ヒラリー・クリントンの醜悪ぶりを知って驚くはめになる。

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一方、トランプとクリントン夫妻のペーパーカンパニーがデラウエア州の同じ建物の中にあることを指摘し、ヒラリーはトランプよりも悪質だと論じているのが英紙ガーディアンである。トランプはそれでも一枚舌だが、クリントン夫妻となると二枚舌で、さらに悪質といえる。ゴールドマン・サックス(「GS」)とクリントン一家の癒着はかなり昔から指摘されている。1992年大統領選で夫のビル・クリントンを持ち上げたゴールドマンサックス共同会長のロバート・ルービンは、クリントン政権で財務長官を務めた。そしていま、ヒラリーの選挙事務所は,ニューヨークのGS(ゴールドマン・サックス)ビルの中にあり、事務所長はGSの元幹部で先物取引委員会の委員長だった人物だ。

中略


ヒラリー陣営は、GSからの選挙運動への多額の寄付とは別に、講演料としてビル・クリントンが65万ドル、ヒラリーは67.5万ドルを受領し、私腹を肥やしている。
ヒラリーが、GSでの講演内容の公開を拒否しているのはGSの反社会的行動を批判せず、逆に賞賛したからではないかと疑われている。
GSは、説明不足のサブプライムローンを市中銀行などへ販売したとして、総額30億ドルの罰金ないし和解金を過去に支払い、今年1月には証券取引委員会(SEC)との間で総額50億ドルの罰金で最終和解している。すでに計80億ドルの巨額を払ったことになる。罪状は、2006年-07年段階でサブプライムローンの焦げつきを予測しながら、なお不良債権を売り続け、他方でそれらデリバティブを空売りして巨額の利潤を獲得したというものである。そういう会社に赴き、講演と称して高額な黙認料をとるヒラリーがはたして大統領候補に相応しいのか。こういう批判が出るのも当然だろう。4月12日付「ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス」にサイモン・ヘッドによる長文の記事“Clinton and Goldman : Why It matters”が掲載され、大きな反響を呼んだ。

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引用暴騰のデラウエア州は、米国内のタックスヘイブンとして名高い州。

このほかにも、ヒラリーの娘夫婦はゴールドマン・サックスと切っても切れない関係にある。娘婿がゴールドマンサックスから独立してヘッジファンドを設立するに当たってゴールドマン・サックスのCEOが出資して支援しており、このヘッジファンドがギリシャ経済の回復に賭けたファンドで90%の損失を出し、閉鎖されること等が英語情報では伝えられている。
ヒラリーとゴールドマン・サックスの関係は、ずぶずぶである。
同じ「政治とカネ」でも米国は桁違いなのである。


ヒラリーの娘婿が設立したヘッジファンドはゴールドマン・サックスの出資を謳い文句にしていたようである。
ゴールドマン・サックスは、ヘッジファンドを介して表ではギリシャ買いを煽りながら、裏では空売りで荒稼ぎするという、マッチポンプの常套手段を用いていた可能性も指摘されている。


ちなみに、この「世界」論文は、タックスヘイブン問題の重点が「地域」の問題から、巨大な投資銀行が構築し、運用するシステムへと移行していることを強調している。
タックスヘイブンが地域の問題として提起されている限り、ゴールドマン・サックスなど世界を牛耳る投資銀行の悪行が正面化される可能性はほとんどない。
そう見ると、なぜパナマ文書の大規模リークが可能だったのか、その理由の一端が何となくわかる気がする。


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大規模な節税が可能になるのは、誰しも、租税回避地であるタックス・ヘイブンを利用するからだと考えがちである。それは、全くの間違いとは言えないが、かなり時代遅れの考え方だといえる。なぜなら、タックス・ヘイブンの役割が変化しているからである。実際の資金の隠匿・運用は世界を結ぶコンピュータ・ネットワークの中で行われる。(略)タックス・ヘイブンは、その役割が資産そのものよりも情報を隠すことに変わっており、さらに、後述するデリバティブという金融商品でリスク・ヘッジするだけで節税効果があるため、タックス・ヘイブンが消滅しても、コンピュータ・ネットワーク上で資産を操作できる限り、脱税・節税はなくならない。敵はタックス・ヘイブンではなく、世界をつなぐコンピュータ・ネットワークとそれを動かす国際錬金術師集団なのである。

…中略

デリバティブを扱い、世界の金融を牛耳るのは、シティ、JPモルガン、GSといったアメリカの投資銀行である。投資銀行は、顧問料次第、手数料次第で、どんな悪知恵でも働かせて顧客の希望に応える。つまり、巨悪は投資銀行である。ヘッジファンドはその手先に過ぎない。

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クリントンが民主党候補として確定した以上、TPP圧力は、より熾烈になることは避けられない。
大方の予測と異なり、TPPが米国議会で可決される可能性は高いのだろう。
大統領選挙後、新大統領就任前に米国議会がTPPを承認する可能性が最も高いのではないだろうか。
ヒラリー・クリントンが大統領になれば、属国にとって史上最悪の大統領になることは確実である(トランプであっても、属国史上、最悪ではあるが、少なくともTPPは免れるだろう)。
新大統領の4年間で日本がどうなるのか、一面の焼け野原が目に浮かぶようだ。


それにしても、世界7月号の論文の筆者である赤木昭夫氏は、1932年生、しかも専門は科学史のようである。
金融・財務の専門家で、庶民の立場から本質を論じる若手研究者やジャーナリストがいないということなのだろう。
ISDを批判する法律専門家が現れないのとよく似ている。
わずかばかりの可視化と引き替えに盗聴の事実上の無制限自由化と司法取引を認めた日弁連ともよく似た状況だ。
どこの分野も日本では全てが、原子力ムラ化している。

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