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2016年11月 1日 (火)

TPP ISDだけは絶対にだめだ

今回、参考人質疑に呼ばれるということで、久しぶりにISDについて勉強をした。


それで、政府のウソに、まんまと騙されていた点が2点あることを知った。


1点目は、政府が「ISDは攻めの分野だ」と繰り返していた点だ。
そう聞けば、途上国に対する投資を保護するためにISDが必要なのだと言っているんだと、普通、そう思うだろう。
アジアの成長を取り込むとか言われ、ISDは攻めの分野だとか言われれば、当然、途上国対象なのだろうと僕も漠然と思わされていた。


今回、勉強してみたら、まんまと騙されていたことを知った。
TPP11カ国中、日本がISD条項を結んでいないのは、ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、そして米国だけなのだ。
(どうも、こう書いてみると、かつては認識していたような気もしてきた。5アイズ(five eyes)に重なると、どこかで書いたような記憶があるからだ。繰り返し喧伝されると、正しい認識も覆される、印象操作の恐ろしさを示すよい実例かも知れない)


要するに、いまだかつて日本がISD条項を結んだことがない、英米法の先進国とISD条項を結ぶということだ。
とくに、問題は、訴訟大国米国だろう。
そういう想定で、参考人質疑に向けて、意見を準備した。



Chunichi201601031




NHK
TPP参考人質疑 著作権の保護期間延長に期待と懸念
10月31日 11時39分
TPP参考人質疑 著作権の保護期間延長に期待と懸念
TPP協定に関する衆議院の特別委員会は参考人質疑を行い、音楽や書籍などの著作権の保護期間が延長される規定が盛り込まれていることをめぐり、著作物の自由な流通が産業の創出につながるとして期待する意見が出された一方、権利処理に関するコストが増えるなど影響が大きいという懸念が出されました。
この中で、TPP協定に音楽や書籍などの著作権の保護期間を著作者の死後50年から70年に延長することが規定されていることをめぐり、自民党と公明党が推薦した一橋大学名誉教授の土肥一史氏は「コンテンツの自由流通の観点から有益だ。OECD=経済協力開発機構の加盟国で保護期間がそろうことになり、国際的な調和の観点からも望ましく、文化産業の創出に向けた活用が期待される」と述べました。
民進党と共産党が推薦した日本大学客員教授の福井健策氏は「コンテンツの輸出大国であるアメリカにとっては合理性があるが、日本はコンテンツの輸入超過国であり悪影響が大きい。対外的な権利使用料の支払いが大幅に増え、権利処理のコストも増大する」と述べました。
また、TPP協定に盛り込まれた、海外に進出して損害を受けた企業が国際的な仲裁機関に訴訟を起こす「ISDS」条項について、自民党と公明党が推薦した弁護士の鈴木五十三氏は「ISDS条項に対しては不透明性や非公開性、訴訟の乱発が懸念されてきたが、TPP協定は手続の透明性や敗訴した場合の費用負担を定めるなど、投資仲裁の発展に向け模範となり得る規定だ」と述べました。
民進党と共産党が推薦した弁護士の岩月浩二氏は「ISDS条項について知らない国民が大半ではないか。国民への十分な情報提供と幅広い国民的議論を行うべきだ。また、訴訟社会のアメリカに対して日本企業が互角に戦えるのかも考えるべきだ」と述べました。

参考にしたのが外務省が作成した下の表だ。

NAFTAのISD係争例は全部で69件、この内米国企業が提起した例が50件と圧倒的多数を米国企業が占める。
企業側が勝訴した例は8件、和解した件は4件、全て米国企業である。
そして、米国政府は、いまだかつて負けたことがない。


各国政府に対する提起件数が、それぞれ15件目くらいになるまでは、カナダ企業も米国から訴えられた件数とほぼ同じ件数、米国を訴えていた。
が、負け疲れたからか、カナダ企業からのISD提起はここ数年ほとんど見られなくなっていた。


Nafta201610gaimusyo


ざっくり、そんなことを参考人意見では述べて、カナダ以上に大きな市場である日本が訴えられない訳がないことを強調した。
米国企業と互角に渡り合うことが日本(企業)にできるのかと問題提起した。

(わかりやすいからか、結構、この点は、記事にしてもらえている)


TPPでの日本の立場は、NAFTAのカナダの立場と同じであることは確実だ。
それで、改めてカナダの立場に立って、この表を見てみる。
カナダは米国企業から37件訴えられた。カナダ企業が米国政府を訴えた件数は16件に過ぎない。
その上、勝訴と和解によって何らかの成果を勝ち取った率は米国企業が36.8%(米国企業対カナダのケースで算出。この率は、濫訴を言われるISDにしてみれば、相当高率だと言わなければならない)、カナダ企業は0%だ。


カナダ企業にとって、米国との間でISD条項には、何のメリットもなかった。
そして、カナダ政府は7件で敗訴又は和解し、税金をかすめ取られるというマイナスを招いている。
貿易にたとえて言えば、明らかに大幅な「輸入超過」なのだ。


カナダは、いうまでもなく英語を母語にする、英米法の国だ。
米国と対等であるというプライドも高く、米国企業から訴えられたのと同じ件数、訴え返すくらいの根性もある。
そのカナダにして、見る影もないほどに敗北しているのだ。


日本にとって、これらの英語・英米法の国とISD条項を結ぶことには、何もメリットはないだろう。
米国企業に税金をむしり取られることは目に見えている。
米国に煮え湯を飲まされたカナダもその損失を日本で取り返そうとするだろう。
日本の損害は想像を絶するものになり兼ねない。


僕は、ISD条項自体に反対である。
相手国の司法を無視することは、相手国を国扱いしていないに等しい。
日本の弁護士に、相手国を脅しあげるような阿漕なまねをしてもらいたいとも思わない。


だから、TPPにISD条項を設けることの得失をわざわざ考えたことはなかったが、戦略的に見たとしても、TPPにISD条項を設けることは、致命的ミスであることは断言できる。
何一つとして、よいことはない。

 

いや、それにしても「ISDは攻めの分野だ」とはよくも言えたものである。

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