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2016年11月 6日 (日)

安倍政権による三権分立の破壊  TPP強行採決の本質

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11月4日、TPP特別委員会において、TPP承認案及び関連法が強行採決された。
ひたすら数の力を頼みにした中身も知らぬ議員による強行採決が民主主義の名に値しないことはいうまでもない。

しかし、今回の強行採決の最大の問題は、採決以前の手続きにおいて、行政府である内閣(官邸)が、国権の最高機関である国会の運営に介入して、支配してしまったことにある。
三権分立すら蹂躙する重大な問題である。


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

毎日新聞2016年11月5日 東京朝刊

TPP採決「パリ協定」に波及 自民内調整に不手際


 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)承認案・関連法案をめぐる与野党の対立は「パリ協定」承認案の採決日程に波及した。パリ協定は与野党一致で4日の衆院本会議で承認の予定だったが、自民党内の調整の不手際でTPP採決が優先された。【朝日弘行、高橋克哉】


 食い違いは4日午後2時半過ぎに露呈した。野党の抵抗の中で衆院TPP特別委員会が始まった、と聞かされた自民党の佐藤勉衆院議院運営委員長が「なんで勝手に開くんだ」と怒りをあらわにした。山本有二農相への辞任要求が収まらず、午後1時開始予定の本会議を遅らせ、議運委で野党と調整を続けていたからだ。TPP委の塩谷立委員長(自民党)や森山裕理事(同)は、佐藤氏に開会を連絡していなかったという。


 山本農相の最初の失言は「強行採決するかどうかは佐藤勉さんが決める」だったが、その佐藤氏を省いて採決の動きが強まる皮肉な形となった。これに野党は態度を硬化させ、本会議は開かれなかった。


 大島理森衆院議長や竹下亘党国対委員長、佐藤氏らの当初の見通しでは、本会議でのパリ協定承認を優先し、その後の予定のTPP委での採決は7日に遅らせることも織り込んでいた。


 すれ違いの背景には、野党への配慮を重視する大島議長や佐藤氏と、円満採決は困難とみる塩谷氏らTPP委の現場の思惑の違いがある。政府・与党が「10月中の衆院通過」を目指しつつ、誤算続きで採決日程が何度も後ろ倒しになったのも調整を複雑にした。


 民進党の泉健太議運委理事は「佐藤氏がTPPの採決を知らなかったのに驚いた。(大戦前の)関東軍と当時の日本政府のような、現場の暴走を抑えられないむちゃくちゃな国会運営だ」とこきおろした。


‥‥‥‥‥‥‥

本会議中の委員会招致には議長の許可が必要である。

そんなことをTPP特委の塩谷委員長が知らないはずがない。
知っていて、TPP特委の開催を、議運にも知らせず、議長にも知らせず、自民党の国対委員長にも知らせなかった。
したがって、毎日新聞の「不手際」との見出しは、生ぬるい。

‥‥‥‥‥‥

衆議院規則
第四十一条  委員会は、議院の会議中は、これを開くことができない。但し、議長の許可を得たときは、この限りでない。

‥‥‥‥‥‥‥

11月4日午後1時には本会議が予定されていた。
当然ながら、TPP特別委員会の招集を知らされていない議長の許可はない。
したがって、TPP特別委員会の招集は、衆議院規則違反だという主張は当然だ。


多少微妙となるとすれば、本会議開会に向けて議院運営委員会で調整中にTPP特委が開催された点だろう。
しかし、いつでも本会議が開催され得る状況での委員会開催は、本会議中と同視すべきであって、議長の許可が必要だと見るのが自然だろう。
したがって、やはりTPP特委の開催は衆議院規則違反だ。


しかし、今回の強行採決は、衆議院規則違反かどうかという以上に重大な問題を孕んでいる。
TPP特委の招集は、塩谷委員長の独断で行われたはずもない。
安倍総理の指示によって行われたとしか考えようがない。
内閣が国会議長の頭越しに国会の運営を支配する。
国民の代表であり、国権の最高機関である国会が総理大臣の意のままに操られている。
「私は立法府の長であります」というのは、言い間違いではなく、安倍総理の本心であった。


要するにこれは、三権分立の否定であり、行政府による国会の蹂躙である。
仮に衆議院規則に明白に違反しなくても、歴代の政権は、このような国会を頭越しに支配するような横暴な振る舞いを見せることはなかった。


国権の最高機関の運営に内閣が介入しない。
これは不文律だ。


安倍政権は、不文律を犯すことによって、この国の姿を変えてきた。
NHK経営委員の国会同意人事は、その公共放送の性格上、全会一致が不文律だったが、これを蹂躙した。
内閣法制局長官人事に対する不介入は歴代政権の不文律だったが、安倍政権はこれも蹂躙して、憲法解釈変更を容認させ、集団的自衛権行使を認める安保法へと突き進んだ。
日銀政策委員の国会同意人事も全会一致が不文律だったが、これも蹂躙した。


戦後の憲法的慣行とされる不文律を次々と踏みにじって、安倍政権はここまで進んできた。


ついに、与党である自民党の国会議員、そして衆議院議長すら無視をして直接、国会を支配しようとしている。
三権分立の破壊であり、総理大臣への権力集中であり、つまるところ独裁である。


ここから、自民党改憲草案の緊急事態条項が想定する立法権限の総理大臣に対する付与まで、どれほどの間隙があろうか。
安倍政権が模範とするらしい、ナチスの全権委任法まで、幾ばくの隔たりがあろう。


今回の事態を許すことは、自ら民主主義を葬ることに加担することになる。

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ちなみにグローバル資本主義にとって、国内の民主主義も三権分立も彼らの目指す最適化された世界にとっては邪魔者でしかないから、TPPに突き進む安倍こそ歓迎すべき独裁者である。

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