安倍・稲田へのレクイエム 都議選雑感3
テレビを眺め、週刊誌を見ている限りでは、某国は本当に安倍政権を見限ったように見える。
安倍とその取り巻きという、揃いも揃っておつむの弱い連中のことだから、それもわからず、無駄な抵抗をしばらく続けるかもしれないが、あがけばがくほど、連中の行く末は惨めなものになる。
このことは財閥と癒着した隣国の大統領が、某国ないしは某国のグローバル企業の意に反した結果、どれほど哀れな末路をたどったかを見れば明らかというものである。
極右グローバリストは、極右超グローバリストに席を譲る。
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安倍晋三は、宗主国では批准される見込みのないTPPを強行採択し、TPP関連11法を強行採決するという暴挙を犯し、『瑞穂の國』を遺伝子組み換えグローバル企業に差し出す種子法廃止法を強行採決し、さらには生命の源となる水を外資に差し出す水道法改正を強行した。
かくまでグローバル資本に奉仕しながら、安倍晋三は、実は、グローバリズムというものが何たるかを理解していない。
だから、虎の尾を踏んじまう失態もあったし、失態を犯したことにも気づかなかった。
オプジーボは、適応患者が470名程度のごく少数の皮膚ガン(メラノーマ)の患者に有効だとして保険適用が認められたガン治療薬で、患者一人当たり年間3500万円という途方もない薬価がつけられた。
オプジーボは、認可後まもなく、非小細胞肺がんに対する有効性も認められて保険適用されることとなり、適応患者数は5万人(製薬会社は1万5000人としている)へと一挙に膨れあがった。
その結果、オプジーボだけで年間1兆7000億円もの莫大な薬剤費に保険適用がされる恐れが生じた。
薬価の見直しは2年に1回とされており、次の見直しは2018年4月であったが、オプジーボの薬価は緊急に今年の4月から半額に引き下げられた。
また、薬価見直し制度も1年に1回実施するよう改められた。
異例の薬価切り下げを実現したのは、報道による限り、何と安倍晋三、その人である。
この人は基本的におつむが弱いから、TPPを推進するということは、そうした国家の権力の発動を禁止することになるのだということを理解していない。
案の定、メーカーの小野薬品工業は了解したものの、米国製薬業界からはむろん日本の製薬業界からも強い批判を受けた。
TPPでは、そういう国家のわがままは許されない(主権が制限される)ということすら、理解できないほどに、この総理は頭が悪いのである。
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司法試験に合格したくらいだから、稲田朋美は頭が悪いという訳ではないとは思うが、その言動を見れば、自分がしていることの意味を理解する能力に著しく欠けている。
とうてい防衛大臣の器ではないことは明らかである。
稲田防衛相とのつきあいもまもなく終わりそうだから、この際、公平を期すために、世間の知らぬ、稲田朋美の善行を挙げておいてあげる。
先の国会では、民法(債権法関連分野)の大改正がなされた。
会計基準だとか、会社法だとか、特許法だとかがグローバル基準に改正されても、庶民には縁遠い問題に思える(マチベンもそうだ)。
しかし、民法はそうはいかない。
庶民の日常生活は基本的に民法に規律されているのだから、その大改正は甚だしい影響を庶民の生活に及ぼす。
主導したのは、米国仕込みの特殊な学説を唱える東大の学者と法務官僚だ。
明治以来基本的な改正がない分野の大改正だから、今後、しばらくは、庶民もマチベンも大混乱を覚悟しなければならない。
この民法大改正の中に、日本の契約法の根幹を米国法化しかねない毒が盛られていた。
契約違反があった場合の損害賠償の条文に、日本民法に全く存在しない概念を盛り込もうとしたのだ。
日本民法の契約違反の損害賠償義務は、『債務の本旨に従った履行をしないとき』に発生する。
何ともまあおおらかな規定になっている訳だが、『債務の本旨』に関しては、明治以来の百年以上にも及ぶ判例の蓄積がある。
したがって、こうしたおおらかな規定であっても、共通理解が確立しているから何も困ることはない。
また、おおらかな規定は、時代の進展に応じて、柔軟な解釈を行うことも可能にしてきた。
これに対して、特殊な学説を主張する東大の学者と法務官僚は、賠償責任を負うべき場合を『契約によって引き受けた義務を果たさないとき』に変えようとした(厳密には『契約で引き受けなかった事由については責任を負わない』と規定しようとした)。
契約によって引き受けた義務という考え方は、米国法由来だ。
米国の契約法では、想定しうる限りのありとあらゆる事態に備えた契約書を作成する。
契約関係において強い立場に立つ者は、ありとあらゆる責任を免れるように膨大な免責条項を盛り込んだ契約書を作ることも可能になる。
契約違反に関する損害賠償の規定を変えることによって、日本の契約実務が一挙に米国化するという、そういう規定が毒素条項として盛り込まれようとしたのだ。
当然ながら、個々の弁護士は皆、反対だった。
しかし、へたれの日弁連は何も異議を言わなかった。
米国契約法化は結果的には阻止されたのだが、これを阻止したのは何とまあ、驚くべきことに、稲田朋美だった。
東大学者と法務官僚の企みに猛然と立ち向かったのは、名古屋大学の名誉教授加藤雅信氏。
東大教授の野望を痛烈に糾弾し、民法債権関連分野の大改正に猛烈に反対した。
これが法務大臣だった当時の稲田朋美の目にとまった。
稲田朋美は民法改正の行方に危機感を持ち、急遽、規制改革会議の場に、加藤雅信氏を招き、その意見をヒアリングする機会を設けた(法務省の担当官の意見も聴取した)。
さすがの規制改革会議のメンバーも、この契約法理の変更に疑義を持つこととなった。
企業法務を含め、日本の企業活動が大混乱することは目に見えていたからだ。
何ともまあ、何度でも驚いてあげるが、稲田の機転が、日本の契約法を根本から米国法化するという東大学者と法務官僚の野望を砕いたのである。
最大の毒素条項が除かれた今でも、民法大改正には、大方の弁護士は反対である。
現行民法で問題は何も起きていないからだ。
壊れていないものを直すという愚は、放火(法科)大学院でさんざん経験したのに、またぞろ壊れていないものを全面改修するというのであるから反対して当然である。
しかし、へたれの日弁連は何も言わない。
むしろ推進する側に立つ。
日弁連は、おそらく20年この方、法務省のなんちゃら委員会に日弁連枠を得るのと引き替えにすっかり権力にすり寄るようになった。
安倍晋三が、最高裁裁判官の弁護士枠を事実上、無効化しようが、稲田朋美に献金している中本日弁連は静観の体である。
自分のしていることの意味がわからない稲田朋美でも、一応、良いこともしたのである。
それもこれも、TPPを進めるということは全面的に米国法化することだということを知っていても、何かしら許されないという感覚を稲田朋美が持っていたということである。
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同じ極右グローバリストでも、小池百合子には、これがない。
都民ファーストは、国政政党ともなれば、完全に米国ファーストである(まさか、国民ファーストではあるまい。それではまるで「国民第一」で小沢一郎と変わらなくなってしまう)。
小池百合子は、安倍晋三よりは賢こそうだから、宗主国の意図を理解し、間違っても、高額に過ぎる薬価を切り下げるような馬鹿なまねはしない。
国民皆健康保険の崩壊ないし空洞化こそが米国とグローバル資本の望むところだからである。
先の国会で、積み残した(提出されなかった)のは、解雇自由化法と残業代ゼロ法、そして親学肝いりの家庭教育支援法。
とうてい、安倍晋三では耐えられそうにない。自民党小池派に引き継がれる。
耐用期限が過ぎた総理はすげ替えられるのである。
変にあがけば、末路は悲惨である。
それとともに都民ファーストに踊らされる国民は、さらに悲惨な行く末が待っている。
さらにさらに警戒せよ。

自民党東京都連会長の下村博文に対する加計学園の闇献金に関する週刊文春の記事は、詳細・具体的で、圧巻だった。下村博文はとうてい抗し切れまい。
出元が文春であればこそ、安倍退陣は、確定路線に思えてならないのである。
些か先走った予想ではある。予想は3割も当たれば高打率ということで間違っていたとしても許されたい。
ちなみに、マチベンは2013年12月時点で、特定秘密保護法を作ったのは米国だと示唆した。今年になって、スノーデンの証言によって裏付けが得られた。
2015年12月、『慰安婦』に関する日韓合意は、このままでは、とうてい保たないと書いたが、これも当たりそうである。
そういうことで、たかがマチベン、されどマチベンなのである。
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