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2018年1月の1件の記事

2018年1月10日 (水)

日韓合意について日本政府はなすべきことをしてきたのか

韓国政府は、いわゆる慰安婦問題に関する日韓合意に関して、再交渉は求めないとしつつ、日本政府が拠出した金額と同額の10億円を韓国政府が和解・癒やし財団に拠出し、日本政府の拠出金について日本側と協議していくとの方針を表明した(1月9日)。



この方針について、日本側は直ちに抗議を表明し、『慰安婦』問題に関する日韓合意によって最終的かつ不可逆的に解決しており、さらなる措置は全く受け入れられないと表明した。


この問題は、当分混乱が必至であり、日本のメディアでは韓国側に対する非難一色である。
韓国側が日本政府に求めているのは「国際基準に基づいて真実を認め、元慰安婦らが名誉と尊厳を回復し心の傷を癒やすための努力を継続する」ことである。
問題は、日本では、この要求を韓国側の追加的な要求と受け止めるかのごとき報道があふれていることである。一色であると言ってもよいだろう。


『慰安婦』問題に関する2015年12月28日の日韓合意に関して、日本では「最終的かつ不可逆的解決」との文言だけが独り歩きしている。
10億円を拠出したことで日本側の責任は全て果たしたかのごとき言説が流布されて、韓国側からの求めについて、それがどのようなものであれ、合意に反するとするとらえ方が一般化している。


問題は、ここにこそあるだろう。
果たして、日韓合意は、10億円さえ拠出すれば、後の措置は全て韓国政府の責任になるとするような一方的なものだったのか。



外務省のサイトに掲載された日韓合意の全文は次のとおりである(平成26年12月28日「日韓両外相共同記者発表」)。


1 岸田外務大臣
 日韓間の慰安婦問題については,これまで,両国局長協議等において,集中的に協議を行ってきた。その結果に基づき,日本政府として,以下を申し述べる。

(1)慰安婦問題は,当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり,かかる観点から,日本政府は責任を痛感している。
 安倍内閣総理大臣は,日本国の内閣総理大臣として改めて,慰安婦として数多の苦痛を経験され,心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し,心からおわびと反省の気持ちを表明する。

(2)日本政府は,これまでも本問題に真摯に取り組んできたところ,その経験に立って,今般,日本政府の予算により,全ての元慰安婦の方々の心の傷を癒やす措置を講じる。具体的には,韓国政府が,元慰安婦の方々の支援を目的とした財団を設立し,これに日本政府の予算で資金を一括で拠出し,日韓両政府が協力し,全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復,心の傷の癒やしのための事業を行うこととする。

(3)日本政府は上記を表明するとともに,上記(2)の措置を着実に実施するとの前提で,今回の発表により,この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。
 あわせて,日本政府は,韓国政府と共に,今後,国連等国際社会において,本問題について互いに非難・批判することは控える。

2 尹(ユン)外交部長官
 韓日間の日本軍慰安婦被害者問題については,これまで,両国局長協議等において,集中的に協議を行ってきた。その結果に基づき,韓国政府として,以下を申し述べる。
(1)韓国政府は,日本政府の表明と今回の発表に至るまでの取組を評価し,日本政府が上記1.(2)で表明した措置が着実に実施されるとの前提で,今回の発表により,日本政府と共に,この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。韓国政府は,日本政府の実施する措置に協力する。

(2)韓国政府は,日本政府が在韓国日本大使館前の少女像に対し,公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し,韓国政府としても,可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて,適切に解決されるよう努力する。

(3)韓国政府は,今般日本政府の表明した措置が着実に実施されるとの前提で,日本政府と共に,今後,国連等国際社会において,本問題について互いに非難・批判することは控える。


日本で広く知られているのはこのうち、「この問題が最終的かつ不可逆的に解決される」との部分である。


しかし、「最終的かつ不可逆的な解決」は、上記(2)の措置を着実に実施するとの前提であることが岸田外相の発言によっても明らかである。


この(2)の措置は、次の通りである。
「日本政府は,これまでも本問題に真摯に取り組んできたところ,その経験に立って,今般,日本政府の予算により,全ての元慰安婦の方々の心の傷を癒やす措置を講じる。具体的には,韓国政府が,元慰安婦の方々の支援を目的とした財団を設立し,これに日本政府の予算で資金を一括で拠出し,日韓両政府が協力し,全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復,心の傷の癒やしのための事業を行うこととする。


日韓両政府が協力し、全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やしのための事業を行うことが「解決」の前提とされているのだ。


日本国内では、『慰安婦』被害者を初めとする韓国政府に対する批判は、もっぱら韓国政府が対処すべき課題であり、他人事のであるかのような受け止め方が広がっているが、元『慰安婦』の名誉と尊厳の回復、心の癒やしは日韓両国政府が協力して当たるべき課題とされ、それがなされて初めて「最終的かつ不可逆的な解決」に至るとするのが日韓合意の肝なのである。


かつて、韓国側から安倍総理のお詫びの手紙を添えることを求められたとき、安倍総理は日韓合意に明記されていない措置であるとして、「毛頭考えていない」(平成26年10月3日衆院予算委員会)として、頭からこれを拒否した。
これは自ら日韓合意によって約束した『慰安婦』被害者の名誉と尊厳の回復や癒やしを否定することに他ならない。


日本政府は、日韓合意の着実な履行を求めるという立場である。
であるならば、韓国側がこのたび表明した「日本が国際基準に基づいて真実を認め、元慰安婦らが名誉と尊厳を回復し心の傷を癒やすための努力を継続するよう望む」との希望に対して、真摯に対応することこそが求められると言わなければならない。


日韓合意をめぐる混乱は、韓国側のみに責任があるとは到底思われない。
10億円を拠出したら、それで全て終わりだとする、日本政府と日本メディアの日韓合意をのとらえ方にも大きな責任がある。


もとより文書によらず、日韓外相の共同発表という形式を取った日韓合意にはそもそも条約としての法的拘束力はない(ウイーン条約法条約2条1(a))。
相互の信頼関係こそが合意の唯一の基盤である。
韓国政府を非難するばかりの日本政府やメディアが信頼関係を損なってきたことは明らかであろう。


異様な嫌韓ブームに続く、朝日新聞の『慰安婦』報道に対する謝罪以来、歴史修正主義は益々勢いを増している。
明治150年、天皇退位、オリンピックとナショナリズムが昂揚することが見込まれる中、直近の出来事についてすら、正確な理解がないがしろにされ、歪められる世論状況には強い危うさを覚えざるを得ない。

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産経ニュース 2018.1.10 12:50

「日本が心から謝罪するなどし、被害者が許せば解決」韓国の文在寅大統領の発言の要旨


 韓国の文在寅大統領の年頭記者会見の要旨は次の通り。

 一、平昌冬季五輪を南北関係改善と朝鮮半島の平和の転機としなければならない。

 一、従軍慰安婦問題を巡る日韓合意は両国間の公式的合意という事実は否定できないが、誤った問題は解決しなければならない。

 一、慰安婦問題を巡り韓国は、外交的な問題の中、十分に満足できなかったとしても現実的に最善の方法を探した。

 一、合意に基づき日本が拠出した10億円は問題解決に向けて良い目的で使えるなら望ましい。

 一、日本が心から謝罪するなどして、被害者たちが許すことができた時が本当の解決だ。

 一、日本とは心を通わせた真の友人となることを望む。歴史問題と未来志向の協力を分離して努力していく。

 一、今年が朝鮮半島の平和の始まりとなるよう最善を尽くす。その過程で日本や米国、中国など国際社会と協力する。(共同)

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