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2018年9月19日 (水)

沖縄県の『地位協定ポータルサイト』がすごい!!

日米地位協定について沖縄県が、他国の地位協定と比較する中間報告書を今年3月に公表している(「他国地位協定調査 中間報告書」)。
この報告書が掲載されているのが沖縄県の『地位協定ポータルサイト』だ。

 

このサイトは内外の米軍地位協定に関わる資料を集積し、頻繁に更新されている。
各国の地位協定の運用を理解するには、各国の国内法も収集する必要がある。
このサイトには、たとえばドイツの航空交通法や航空交通規則、ラムシュタイン空軍基地における米軍に対する詳細な指令書まで、すでに翻訳されている。
他にイタリア、韓国、フィリピン、イラク、アフガニスタンの地位協定が翻訳され、紹介されている。

 

しかも、これらの翻訳は、非常に優れている(と、『2級国民(注:この国では英語に堪能でないものは2級とみなされるようになった)』のマチベンには見える)。
最新のアップは米国の「安全保障諮問委員会」のレポートであり、そこには「その国にいる人はその国の法律が適用されることが国際法上のルールであることが認められている。」と、『駐留米軍治外法権』が国際法上の原則であると主張する、外務省が見たら真っ青になるようなことが米国政府機関の見解として紹介されている。

 

 

 

沖縄県が、これほど真剣に日米地位協定に向き合っているのは、日米地位協定が他国に例を見ない日本国の主権を侵害する内容だからだ。

沖縄は、このことを広く訴えて、地位協定の改定を実現し、日本国の主権を回復しようとしている。

本土に踏みつけにされた沖縄が、最も真剣に日本国の主権の回復を求めていることに複雑な思いを禁じ得ないが、今や国家主権の問題に真正面から向き合っているのが、沖縄県であることは紛れもない事実だ。

 

 

主権の回復を快く思わないのが、皮肉にも我が国の中央政府である。
今、沖縄県で闘われている知事選挙は、日本の主権回復をかけた闘いでもあるのだ。

 

「他国地位協定調査中間報告書」は、国内法の適用・基地管理権、訓練・演習、警察権、米軍機墜落事故に対する対応といった諸点を中心に、駐留米軍の数が多く、日本と同様に米軍機墜落事故の被害を受けている、ドイツ、イタリアの米軍地位協定及びその実施細目にわたって、現地調査も含めてまとめたものだ。

 

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琉球新報2018年3月30日より

「あいち沖縄会議」という団体から、この中間報告書の学習会の講師にお招きいただいて、読み散らかしていた地位協定に関する文献も含めて、中間報告書を読み込んでみた。

 

 

日本にいると、当たり前のように思われている米軍基地の基地内の治外法権もこれらの国では当たり前ではない。むしろ国内法が及ぶことを当然として、その遵守を徹底することに意を使っている。
イタリアに至っては、米軍基地の管理者はイタリア軍司令部であるとされている。そしてイタリア軍司令官は、イタリア国の主権を擁護するものとされている。

 

 

ドイツやイタリアでは、基地の外での訓練・演習は、当然に国内法の適用を受ける。ドイツでは、訓練区域における訓練すら当局に通知して承認を受ける、域外の演習となれば、国防大臣の許可を要する(以下のグラフは中間報告書で紹介されたドイツの低空訓練時間の推移)。

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米軍機墜落事故に当たって、残骸に指一本触れさせない日本と違い、ドイツやイタリアの軍や警察が排除されることはない。

 

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朝日新聞2017年10月29日

日米地位協定を他国の地位協定と比較することによって、日米地位協定の異常さを浮き彫りにするという沖縄県の意図は的確なもので、7月27日、全国知事会において全会一致で「米軍基地負担に関する提言 」が採択された。

 

 

日米地位協定は締結以来、一度も改訂されていない。

運用を改善するというのが、政府の立場である。しかし、実態は違う。
米軍の軍事演習等は、地位協定が締結された1960年当時は演習区域のみにおいて行い、事前に政府に通知され、関係自治体に通達することとなっていたのが、もはや日本側に通報されることはなく、日本側としてもこれを求めないこととなってしまっている。

射撃や爆撃を伴わない限り、米軍は好き放題に訓練できるという現状は、日米地位協定の運用の改悪により、もたらされたのだ。

事故機に指一本触らせないと運用も、旧安保条約・行政協定当時より改悪された運用の結果だ。

 

 

ジョージ・ブッシュ政権で国務長官を務め、強硬派で知られる、コンドリーザ・ライスすら、日本と韓国に軍を置く「太平洋軍司令部は昔から植民地総督のような存在」だと、米軍支配の異様性を認めている(矢部宏治『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』 講談社現代新書)

 

 

地位協定の問題は、まさに日本の主権と独立に関わる問題なのだ。

 

 

沖縄県は、日本の独立と主権の問題に真正面から取り組んでいる。

 

 

その努力が、標題とした「地位協定ポータルサイト」である。
この情報提供が、地位協定に対する理解の飛躍的深化をもたらすだろう。

 

 

これは、沖縄県による一つの達成であると言ってもよい。

 

 

 

自公が組織を上げて強力にてこ入れする佐喜真候補が知事となれば、このポータルサイトの存続すら危ういだろう。

日本の独立という課題は、さらに遠のくことになりかねない。
辺野古新基地問題だけではない、日本国の主権回復のためにも玉城デニー氏の当選を願わずにはいられない。

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