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2018年10月 4日 (木)

安倍政権によって侵される司法の独立・自律性 山口厚氏最高裁裁判官任命事件をめぐって

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All About ビジネス・学習 司法権と「裁判官の独立」から

昨日触れたように今や日弁連も下半身はしっかりと経済界や政府に握られ、加計学園監事を務める弁護士を最高裁裁判官に相応しいとして推薦したりしているわけだから、日弁連推薦を無視され、最高裁裁判官の弁護士枠が実質的に削られたとしても、まあそんなに騒ぐことのほどでもないと思いかけていた。

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同上

しかし、山口厚最高裁裁判官任命事件の重大性は別のところにある(ことに不覚ながら、その後気づいた)。

司法の自律性が損なわれたという問題である。

最高裁判所の裁判官の任命権が内閣にあるとはいえ、内閣は最高裁裁判官を自由に任命してきた訳ではない。

歴代内閣は、最高裁判所が作成した被推薦者の名簿に基づいて、その名簿の中から最高裁裁判官を任命してきた。最高裁判所が名簿によって内閣の任命権を拘束してきたのだ。

内閣は法律の専門家の集団ではない。司法権については司法権の自律性を尊重して、その意見を反映させてきたのだ。
このことは、最高裁裁判官の任命権を内閣が有する日本国憲法の制度の下で、裁判所・司法府が内閣・行政府に対して、最低限の独立性・自律性を保つための前提条件となってきたと言ってもよいだろう。

 

ところが、そのようなことを内閣に義務づける法文はどこにも存在しない。
(裁判所法は、15名の最高裁裁判官の内、少なくとも10名は法律の専門家でなければならないとしているだけだ)

 

最高裁が作成した名簿の中から、最高裁裁判官を任命するという慣行は、不文律として、歴代内閣によって堅持されてきたのだ。
時の権力の謙抑性に委ねるこの方法はいかにも日本らしいといえば、日本らしいが、権力の集中は望ましくないというそれなりの自覚が歴代内閣にはあった訳だ。
ところが、李下に冠を正しまくり、国政を私物化して憚らない安倍晋三に、そんな謙抑性を期待するのは的外れだ。
(カラスにゴミをあさるなとか、鳩に糞をするなというより難しい)

 

 

山口厚最高裁判所裁判官任命事件の重大性は、安倍政権が、最高裁判所の作成した名簿を拒み、最高裁判所が(当初)提出した名簿に記載された者以外から最高裁判所裁判官を任命したことにある。

 

安倍政権は、NHK経営委員、日銀総裁、内閣法制局長官の任命において、時の権力の謙抑性によって守られてきた不文律を次々と破った。

 

最高裁判所裁判官の任命についても、最高裁判所に左右されずに任命権を行使することによって、歴代内閣が守ってきた不文律を突破した。
司法府の自律性を侵害したのである。

 

来年3月に迎える安倍政権以前に任命された最後の最高裁裁判官の後任は行政官枠である。
官僚の乱を鎮圧した(と思われる)、安倍政権が、どういう官僚を後任に任命するのか、厳しく監視していく必要がある。
(といって、マチベンに何の力もないわけであるから、最高裁にも政府にもパイプがある日弁連執行部が、どれほど司法の独立を守る気があるかにかかってしまう訳ではあるが)

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