テレビは日本語吹き替えで放送すべきである せめて副音声で
最近は、テレビの海外ニュースで海外の人の発言を紹介する場合、もっぱら現地語でそのまま音声を放送し、字幕を流すスタイルが確立したようだ。(民放はまだ確立しきっているわけではないようだが)
多分、かなり最近になって統一されたという感覚だ。
グローバル化だから仕方ないよね。
二級国民(日本では英語ができない国民を二級国民と呼ぶ)は、字幕頼りにわかりやすそうなトランプの発言で、英語の聞き取り力を多少でも向上させよということか、などと諦めムードであったが、どうもそうはいかない重大な事実に気づいてしまった。
テレビは「ながら見」というスタイルを当然、予定しているわけだから、本当に二級国民は、困るのである。
料理しながら、洗濯しながら、テレビを聞いていると、肝心な部分が英語になる。
家事をしながら、テレビの前に駆け付けるほどの努力をするつもりもないし、それに値する内容かもわからない。
結果、ながら見では、ニュースの肝がわからないままである。
最近は、ドイツ語であろうがフランス語であろうが、、アラビア語であろうが、スペイン語であろうが、ポルトガル語やイタリア語であろうが、みんなこの方式で統一された。中国語であろうが、韓国語であろうが……
8カ国語以上がペラペラなスーパーグローバル人材をこの国は求めてるのよね。
『衰退途上国なのに、背伸びしてどうすんだよ。もっと一般国民を大切しろよ』などと毒づきながら、半ば諦めムードの二級国民であったのだが、眠りにつきながらテレビを流していて、はっと気づいたことがある。
視覚障害者は、これまで海外のニュースでも、現地の発言が日本語に吹き替えて放送されてきたから(テレビが作った虚構にしろ)、ニュースが報じる内容について、知る権利は不満足ながらも保障されてきた。
しかし、肝心の部分が外国語になってしまうと、視覚障害者の知る権利は一体、どうなるのだろうか。
某放送局で、副音声を試してみたが、副音声は確認できなかった。
テレビは、障害者雇用促進法に関する各省庁や裁判所の卑劣なごまかしを日々、伝えている。
結構な事である。
が、テレビ局ご自身が障害者差別解消法に基づいて課された努力義務に逆行して、視覚障害者を重要なニュース情報から排除し、視覚障害者の知る権利を奪っていっていることに気づいていない。
障害者に対する社会的障壁の解消を促進するのが障害者差別解消法の趣旨であるのに、たとえグローバル化を理由としたものであろうと、新しい社会的障壁を作ってはあかんでしょ。
と思いついて、おかげさまで、二級国民にも堂々とテレビの外国語放送に対して物言う根拠ができたので、物を言う。
障害者に優しい社会、幼い子どもに優しい社会は、全ての国民にとっても優しい社会なのである。
全てにふりがながついた内閣府のパンフレットは、安倍晋三くんにも優しいのだ。
第
一条 この法律は、障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)の基本的な理念にのっとり、全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを踏まえ、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的な事項、行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置等を定めることにより、障害を理由とする差別の解消を推進し、もって全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする。
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。
二 社会的障壁 障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。
(社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮に関する環境の整備)
第五条 行政機関等及び事業者は、社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮を的確に行うため、自ら設置する施設の構造の改善及び設備の整備、関係職員に対する研修その他の必要な環境の整備に努めなければならない。
付記
中部弁護士会連合会(中弁連)の表現の自由介入事件について、新たな進展があった。
司法ジャーナリストととして長年の経験を有する河野真樹氏が関係者に取材の上、法律家の人権感覚の鈍磨を憂慮する記事を書いてくださった。
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