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2018年11月16日 (金)

マチベンもしてみた、外務省直撃インタビュー   国際司法裁判所提訴問題について

日韓請求権協定には次の通り相手国に仲裁手続を強制できる条項がある。

 

 

日韓請求権協定第3条

1 この協定の解釈及び実施に関する両締約国の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとする。

 

(仲裁委員会の設置について)

 

(仲裁委員会の設置に関する補足規定)

 

4 両締約国政府は、この条の規定に基づく仲裁委員会の決定に服するものとする。

 

 

協定の解釈、実施に関する紛争は、外交ルートで協議・交渉し、交渉が不調な場合は、仲裁で解決するという合意だ。
ISDで問題にした手続と同じく、双方の政府がそれぞれ1名の仲裁人を選任(任命)し、双方の仲裁人が合意で第3の仲裁人を選任し、3人の仲裁委員で仲裁委員会(パネル)が構成され、仲裁委員会が判断を下す。
(実際の条項は、もうちょっと複雑なので、末尾に第3条の2項、3項を貼り付けておく。第3国政府というと、どこの国なのだろうと考えていしまう。きっと、いろんなことを考えて作られた条項なのだろうと思う)

 

 

 

マチベン程度の感覚だと、仲裁合意(仲裁手続で解決すると約束した事前の当事者間の合意)がなされている紛争を、正規の裁判所に持ち込んでも、門前払いで却下されるのが落ちで、何もいいことはない。

なのに、敢えてなぜ、政府は、国際司法裁判所へ訴えると繰り返してるんだろう。

 

 

直接、外務省にインタビューすることで、大法院判決に対する政府の対応が外務省も困惑するものであることを明らかにした、醍醐聰先生を見習って、マチベンも外務省に直撃インタビューしてみた。

 

 

質問はただ一つ、「国際司法裁判所へ提訴する」と、たびたび繰り返される政府のメッセージはどういう理由付けでなされているのだろうということだ。

 

 

インタビューは、本日午後4時30分から、たった5分で終わった。

対応は、代表電話を経由した北東アジア第1課(韓国等担当)である。

 

 

女性)北東アジア第1課です。

 

 

マチベン) 日韓請求権協定3条の仲裁制度と国際司法裁判所との関係をどのように整理しているのかうかがいたくてお電話しました。

女性)しばらくお待ちください。

 

 

担当者(以下、A))お電話変わりました。

 

 

マチベン) 大法院判決の件で、政府はしきりに国際司法裁判所へ訴えると言っているが、判決直後には自民党の合同部会が、日韓請求権協定3条の仲裁委員会を立ち上げることが必要だと議論していたと思う。国内法の感覚だと、仲裁強制条項、仲裁合意があるのだから、国際司法裁判所に訴えても、まず仲裁合意にしたがいなさいと付き返されるように思われるんですが、そこら辺を政府はどのように考えているのか。

 

 

A) こちらでもまだ、協議段階で、詳しいことはこれから詰めてくのでコメントできない。確実な回答を用意できていない。

 

 

マチベン) 仲裁だと不公正になるとか、仲裁条項に該当しないとか、どういう構成を考えているのか。

 

 

A) 構想段階ですので、コメントはできない。

 

 

マチベン) アナウンスだけ凄く大きく、NHKは世論調査(政府は国際司法裁判所に訴えるとしているが、賛成か反対か)までしているが、まだ構想段階ということですか。

 

 

A) はい。構想段階でお答えは控えさせていただきます

 

 

マチベン) 僕の疑問はわかっていただけますよね。

 

 

A) はい、ですが構想段階で確実な回答はできない。

 

 

やっぱり外務省は無理難題を突きつけられて、困惑しているみたいだ。
いや、困るはずだ。

日韓請求権協定違反(国際法違反)だと言っているのに自ら日韓請求権協定に反することをしようというのだから。

 

 

ISD(S)を批判するときに私たちが言う、仲裁人の選任が不公正になると騒いでも、自分で仲裁強制制度を作った訳だから、そんなこと言えるはずもないし。

 

マチベンごときで考えつく理由は、韓国の解釈が逸脱し過ぎており、もはや日韓請求権協定の解釈の体をなしていない、国際法の蹂躙がなされているという理屈くらいだ。
これは威勢だけよろしいが、客観的に見て、一国の法律家の超エリート集団が、揃いも揃って、安倍さんに論破されるような、そんな幼稚な判決を書く訳がないし。

 

 

 

だとすると、「国際司法裁判所へ提訴する」と、政府が騒ぎ立てているのは、

本当は対外的な決着を付けたくない、国際司法裁判所なら、韓国が積極的に応訴の意思表示をしなければ、裁判自体が成立しない、韓国は応じる筈がないので、韓国が応じないの指さして、また、韓国は卑怯だと悪口をはやし立てる。どこまでも外野で騒ぐ作戦である。何のために??

答えは、内政にありそうである。
対内的には、とにかく好戦的な空気を煽りまくっておいて、憲法改正の発議につなげる。そのためのコマとして、大法院判決を利用する。改憲発議がしたくて仕方がない安倍政権にとって、大法院判決は「飛んで火に入る夏の虫」だった。

 

 

なるほど、それなら被告企業に判決で命じられた賠償は絶対に払うなと圧力をかけているのも、納得しちゃうな。
対外的な信用を失墜させてでも、憲法改正したいのよね。

そうか、そんな深謀遠慮があるか。なるほど。
安倍政権侮るべからず。

 

 

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参考

日韓請求権協定3条2項、3項、

2 1の規定により解決することができなかつた紛争は、いずれか一方の締約国の政府が他方の締約国の政府から紛争の仲裁を要請する公文を受領した日から三十日の期間内に各締約国政府が任命する各一人の仲裁委員と、こうして選定された二人の仲裁委員が当該期間の後の三十日の期間内に合意する第三の仲裁委員又は当該期間内にその二人の仲裁委員が合意する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員との三人の仲裁委員からなる仲裁委員会に決定のため付託するものとする。ただし、第三の仲裁委員は、両締約国のうちいずれかの国民であつてはならない。

 

3 いずれか一方の締約国の政府が当該期間内に仲裁委員を任命しなかつたとき、又は第三の仲裁委員若しくは第三国について当該期間内に合意されなかつたときは、仲裁委員会は、両締約国政府のそれぞれが三十日の期間内に選定する国の政府が指名する各一人の仲裁委員とそれらの政府が協議により決定する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員をもつて構成されるものとする。

 

 

 

徴用工訴訟 自民党合同会議が決議へ 日韓請求権協定に基づく仲裁委員会設置を韓国に要求

産経新聞2018.10.31 11:39

 

 自民党外交部会、外交調査会、日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会などは31日午前、党本部で合同会議を開き、元徴用工をめぐる訴訟で韓国最高裁が日本企業に賠償を命じる確定判決を出したことを受け、党としての対応を協議した。その結果、各部会・調査会の連名で、昭和40年の日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の設置を韓国側に働きかけるよう、政府に求める決議を行うことを決めた。近く正式に決議し、安倍晋三首相らに申し入れる予定だ。


 会議では中曽根弘文元外相が判決に関し「国家間のそういう約束を守れない。国家としての体をなしていないんじゃないか」と韓国を批判し、「韓国に投資する企業もだんだん少なくなり、日韓関係もますます悪化する」と語った。

 

 出席議員からは、敗訴が確定した新日鉄住金の資産差し押さえや、同様の訴訟を抱える日本企業への影響を懸念する声が相次ぎ、「応訴で発生する諸費用を政府が肩代わりできないのか」との声が上がった。

 

 判決が協定に背く国際法違反であることから「法の支配のない韓国に、法整備支援を申し入れるべきだ」との皮肉まじりの意見も出た。

 

 外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は、韓国で日本企業を相手取った元徴用工をめぐる訴訟が他にも15件あり、一部訴訟の被告が計69社に上ると説明し「今後企業とコミュニケーションをとりながら、側面支援をしていきたい」と述べた

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