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2018年12月31日 (月)

韓国最高裁判決に関する拙稿がIWJ特別寄稿サイトに掲載

 

韓国徴用工訴訟の大法院判決について書いた寄稿が、1229日、IWJサイトに掲載された。

 

 

自身の日本訴訟の経験も踏まえてという、字数制限のない依頼だったので、依頼時点で言っておきたいことは全て書き尽くすという姿勢で臨んだため、結局、2万字程度の長文となった。

 

 

「徴用工」「女子勤労挺身隊」訴訟に対する韓国最高裁判決に寄せて「元徴用工の韓国大法院判決に対する弁護士有志声明」呼びかけ人・弁護士 岩月浩二氏による特別寄稿! 2018.12.29

 

 

 太平洋戦争中に日本で強制労働をさせられた韓国人の元徴用工4人が、雇用者であった新日鐵住金に損害賠償を求めた訴訟で、20181030日、韓国の最高裁にあたる大法院は原告の主張を認め、1人あたり1億ウォン(約1000万円)の賠償金支払いを命じた。

 

 

 これに対し、河野太郎外務大臣は韓国の駐日大使を呼び、「日韓の友好関係の法的基盤を覆すものだ」と抗議。安倍晋三総理は111日の国会で、「1965年の日韓請求権協定で解決済みの問題。国際法に照らせば、ありえない判断だ」と遺憾の意を表明した。日本の大手メディアも、ことごとく「終わった話を蒸し返す韓国の不当な判決」という論調を展開し、日本の社会には韓国を非難する空気が急速に広まっていった。

 

 

 こうした風潮に対抗する意味合いで、岩月氏に特別に寄稿をお願いしたところ、名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟での経験をも踏まえ、日韓請求権協定について論じる上で踏まえておかねばならない、条文の意味や、いくつかの重要な判例について、下記の記事をお寄せ下さった。時宜を得たものであるとともに、折りにふれて立ち返るべき指摘に富んでいる点に、本寄稿の価値があると考える(以上、IWJ編集部)。

 

 

過分なご紹介の言葉をいただいている、
少なくとも、ネットで拾える情報の中では、最も広範囲に問題点を指摘したものとなっているつもりである。

 

 

書き終えた段階では、「身を削って書いた」(夕鶴のつうが、羽を抜きながら布を織るように(^^ゞ)という実感を覚えたが、出来がどうかは、読者の判断に委ねるしかない。

何しろ長文であるので、読みにくくなった部分や、最後の方は、論理展開にいささかの混乱があるかもしれない(笑)。

 

 

なお、麻生太郎副総理が政治家転身前に社長を務めていた麻生セメントは、韓国徴用工訴訟でも強制労働加害者として、被告とされている。戦前から現在に至るまでの政治の連続性を端的に象徴している。

以下の部分は、麻生太郎に関して、IWJに独自に付けていただいた注釈である。

 

 

※麻生財閥は、麻生太吉が福岡県飯塚市で1872年に始めた石炭採掘の麻生鉱業を手始めに、セメント事業などに、事業を拡大。九州で有力財閥となった。麻生太郎副総理兼財務相は政界転身までグループ企業の中核、麻生セメント株式会社の社長だった。

 麻生鉱業における朝鮮人労働者が、1944年以降にあたる狭義の「徴用」とそれ以外にあたるのかといった区別など、詳細は今後の資料発掘にもとづいた検討を待たなければならないが、米国立公文書館より「麻生鉱業報告(Aso Mining Report)」が発掘されたことで、朝鮮人・中国人労働者だけでなく連合国軍の捕虜が麻生鉱業で強制労働を強いられていたことの裏付けが得られた。この文書は、200926日に当時民主党所属の参議院議員であった藤田幸久氏が、国会議員会館で開かれた「麻生鉱業捕虜使役問題に関する報告会」で発表したことでよく知られることとなった。

 

 (出典)麻生首相の父、炭鉱で朝鮮人を強制労働させる(中央日報、200927日)

 

以下に基本的な二次文献を掲げる。

 

・横田一「麻生一族の過去と現在―首相側近が語る『強制連行否定論―』」『世界』第786号(20091月)9098

・西成田豊「朝鮮人強制連行と麻生鉱業」『世界』第788号(20093月)120125

Fukubayashi Toru, “Aso Mining’s Indelible Past: Verifying Japan’s Use of Allied POWs Through Historical Records,” The Asia-Pacific Journal, 7-33-2 (August 2009), pp. 1-8

 

 

安倍内閣は、大法院判決の次は、韓国艦艇による自衛隊哨戒機に対するレーダー照射事件を持ち出して、執拗に韓国に対する反発感情を煽り、メディアはこれに無批判に迎合し、世間の関心は次の争点に移っている。

しかし虚偽の上に積み上げられる煽動には、一つ一つ、虚偽をほどいていくしかない。僕は、僕は僕の知る範囲で権力の虚偽をほどきたいと思う。

IWC(国際捕鯨委員会)脱退や、無用に軍事対立を煽る手法など、かつての満州国をめぐって起きた歴史的出来事の既視感を抱かせる(劣化コピーとしか言いようもないが)。
安倍首相が「満州三角同盟」と呼ばれ満州国を仕切った岸信介(満州国総務庁次長)、松岡洋右(満州鉄道副総裁、国際連盟首席全権)、鮎川義介(日産コンツェルン初代総裁)の縁戚となれば、既視感はなお深くなる。
メディアは当然、そうした事情を知りながら、横並びで政府の肩を持って日韓の対立感情を煽り続けている。何もかもがデジャブに見える。

 

 

本来の極右や右派が、冷静な対応を呼びかけて、ネトウヨに袋だたきになっている例として、二つのツイートを引用しておこう。
今回の事案の見方は真反対であるが、冷静を呼びかける点において共通するのは、それぞれが何かしらの危機感を持っているのだろうとも思う。

 

 

 

なお、歴史修正主義者の権化である田母神は、直近もなお、ネット記事でも冷静な対応を呼びかけている。
田母神俊雄手記「レーダー照射、韓国軍の実力では自衛隊と戦えない」

では、よいお年を。

 

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おまけ
「満州三角同盟」の一角をなす日産で、ルノーによる乗っ取り寸前に、日産側がクーデターを起こし、西川社長派の司法取引によりゴーンが特捜に逮捕されたのは偶然なのだろうか。幸いにもゴーンの長期勾留(通常の刑事事件と比べれば、断然短い)が世界の注目を浴び、日本の刑事司法の異常さが批判されている。

勾留により日本の刑事司法の前近代性を広く世に知らしめたゴーンの功績は大である。

昨日の僕のフェイスブックから

 

Gon20181230

Gon20181230komento

 

コメント欄に書いた事案はいわゆる「民商弾圧事件」である。
本当に偶然、M弁護士が「Aさん、どこにいる」と叫んだ声に、ある部屋から「はい、ここです」という返事があって、M弁護士が「署名するな」と返した助言に「はい」と答えた。
後で、実際に取調中で弁明を録取した書面に署名する寸前だったことが判明した。
日本の刑事司法は、身柄を拘束して自白をさせ、被疑者の心を折る以外の何物でもない。

 

 

戦後日本の刑事訴訟法学の権威が、「戦後、自分たちが行ってきた努力は、刑事訴訟を何一つ変えることができなかった。どうしてかと考えると、日本の刑事裁判は本質的にお白州のままなのだというところに行き着いた」と述懐していると聞いた。
まさに、日本の刑事司法は、江戸時代のまま、本質的に何も変わっていないのだろう。
ゴーン事件は、日本の前近代的刑事司法を世界に知らせ、これを変えるチャンスを与えてくれている。

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