終わっているぞ、ニッポン
KYBの制震・免震データ偽装について、いわゆる第三者委員会の調査報告書が、昨晩ひっそり公開された。
影響が計り知れない重大な不正事件であるから、トップニュースで扱われて当然であるが、テレビはガン無視を貫き、新聞各紙も本来、一面トップにあげるべきなのに、目立たない記事をアリバイ的に掲載しているだけだ。
記者会見を開く気配はさらさらなく、マスコミからも記者会見を開けとの声も上がらない。
姉歯事件(2005年)では朝から晩まで姉歯を取り上げてあれだけ騒ぎ、今もレオパレスは叩いているテレビが、全く無視している。
レオパレスと違うのは、KYBが海外展開もしている押しも押されぬ一流企業で、筆頭株主がトヨタだということだろう。
報告書の原因分析の見出しは、身も蓋もないような事柄が並んでいる。
1 物作りに携わる者としての最低限の規範意識の欠如
2 不都合な真実と真摯に向き合わない企業風土
3 自らの技術力・生産能力を顧みない受注ありきの工場運営
4 検査の位置づけ、検査体制・方法の不備
・・・・・・
組織ぐるみの不正だが、役員は知らなかったというのが結論のようだww
企業不正をめぐるマスコミの報道のありさまは、まるで、戦前、海外の戦地での相次ぐ敗北や、国内各地の戦争被害を覆い隠した大本営発表を彷彿とさせる。
戦前のような検閲法制など何もないにも拘わらず、だ。
有名企業で次々と発覚している改ざん事件は、企業社会全体に不正が蔓延している実態の深刻さもあるが、それ以上に、これを国民的課題として克服しようとする空気がまるでないことに本質的な深刻さがあり、日本の総崩れ状態を思わせてならない。
8月15日は、実はとっくに過ぎているのかもしれない。
終わってるぞ、ニッポン。
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