世界と日本 おかしくないか『世界』
右が『月刊日本』の3月号(2月22日発売)。左が雑誌『世界』の4月号(3月8日発売)。
表紙と目次の写真を掲げておく。
まず『月刊日本』
統計偽装に正面から切り込んでいるし、幾人かの論者が「日本が壊れた」という深刻な認識を共有している。
次、雑誌『世界』
統計偽装の問題は、投稿記事に近い扱いの「世界の潮流」で手短かに触れているだけだ。
お家芸のはずの朝鮮植民地支配の問題についても、3・1独立運動100年であるにも関わらず、4月号は、何も触れていない(植民地支配の問題について、3月号で小さな扱いがあっただけだ)。
『月刊日本』の方が、3・1独立運動に敬意を払う特集を組んでいる。
どうしちゃったんだろ『世界』。
ほんの数年前には、他誌になく早く年金積立基金(GPIF)の株式への投資拡大の危険性を取り上げていち早く警鐘を鳴らしていたのに、最近、切れ味がなくなっていないか。
統計偽装で「日本」は揺らぐが、「世界」は揺らがないとでもいうのかしら。
統計偽装で「日本」は揺らぐが、「世界」は揺らがないとでもいうのかしら。
裁量労働制の労働時間データ以来、相次いで発覚する統計不正について、ものを言うのは、一介の労働学者だったり、一介の弁護士だったりで、統計学の学者が問題視するのを見たことがない。
統計学会として抗議声明を出すべきほど重大で致命的な事態なのに。
統計学会として抗議声明を出すべきほど重大で致命的な事態なのに。
皮肉にも『権威主義という罠』という特集をしている『世界』だが、その筋の権威を大切にしている雑誌でもある。
『世界』の統計問題に対する異様な沈黙は、まともな学者が枯渇していることを示しているかもしれないし、そもそも正面から取り上げる意図もないのかもしれない。
『世界』の統計問題に対する異様な沈黙は、まともな学者が枯渇していることを示しているかもしれないし、そもそも正面から取り上げる意図もないのかもしれない。