フォト
無料ブログはココログ

カテゴリー「ニュース」の359件の記事

2019年1月 2日 (水)

人手不足は本当か  中日新聞2018年12月15日から

新年のブログの書き初めは、やはり外国人労働者移入法関係だろう。
中日新聞の好記事を引用しておこう。
Hitodehusokuhahontouka
囲み部分を中心に引用しておこう。
さらに注目されるのは、働きたくても働けていない人の多さだ。総務省の7-9月の労働力調査によると、現在は働いていないが、就労を希望する人は323万人。このうち、働き盛りの25-54歳だけで175万人もいる。政府が「特定技能第1号」として当初の5年間で受け入れる外国人の見込み総数の約34万5000人をはるかに上回る。
とりわけ企業が求めているのが非正規労働者。今年10月の有効求人倍率は正社員の1.15倍に対し、パートは1.82倍と高い。働く人を集めるためパートやアルバイトの賃金は上昇しており、「本来はまだ上がる局面にある」と斉藤氏。だが、賃金や待遇を改善しなくても働いてくれるのが「外国人人材」だ。「当たり前の市場原理が働かなくなる」と斉藤氏はみる。
……
原田氏は「外国から働きに来た人は日本の労働法も労組に頼ることも知らない。企業がそれに甘えれば、労働環境全般に悪影響が出てくるだろう」と心配する。
引用文中、斉藤氏とあるのは「ニッセイ基礎研究所経済調査室長 斎藤太郎」氏。
原田氏とあるのは「首都圏青年ユニオン執行委員長 原田仁希」氏。

ほぼ、何も付け加えることはない。
政府は、国内にいる323万人の潜在的労働者を棄民して、外国から、使い捨て、取り替え自由の安価な労働力を移入しようとしているのだ。
それは、我が国の国際的信用を貶めるだけでなく、結局は、停滞の20年をさらに30年にするだけに終わるだろう。
Meimokugdpsuiihikaku_2
 
国内棄民をしないで、就労希望者の障壁を除くための政策をとり、国民全体の所得の底上げをすることが結局は、停滞の30年を回避する道になるはずなのだ。
そのために予算を投入することに何も問題はないはずだ。
そうした歳出は、1倍以上のGDPとなって返ってくる性格の支出なのだから
* ランキングに参加しています *

つぶやき程度に逐次フェイスブック更新中です。にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

2018年12月31日 (月)

韓国最高裁判決に関する拙稿がIWJ特別寄稿サイトに掲載

 

韓国徴用工訴訟の大法院判決について書いた寄稿が、1229日、IWJサイトに掲載された。

 

 

自身の日本訴訟の経験も踏まえてという、字数制限のない依頼だったので、依頼時点で言っておきたいことは全て書き尽くすという姿勢で臨んだため、結局、2万字程度の長文となった。

 

 

「徴用工」「女子勤労挺身隊」訴訟に対する韓国最高裁判決に寄せて「元徴用工の韓国大法院判決に対する弁護士有志声明」呼びかけ人・弁護士 岩月浩二氏による特別寄稿! 2018.12.29

 

 

 太平洋戦争中に日本で強制労働をさせられた韓国人の元徴用工4人が、雇用者であった新日鐵住金に損害賠償を求めた訴訟で、20181030日、韓国の最高裁にあたる大法院は原告の主張を認め、1人あたり1億ウォン(約1000万円)の賠償金支払いを命じた。

 

 

 これに対し、河野太郎外務大臣は韓国の駐日大使を呼び、「日韓の友好関係の法的基盤を覆すものだ」と抗議。安倍晋三総理は111日の国会で、「1965年の日韓請求権協定で解決済みの問題。国際法に照らせば、ありえない判断だ」と遺憾の意を表明した。日本の大手メディアも、ことごとく「終わった話を蒸し返す韓国の不当な判決」という論調を展開し、日本の社会には韓国を非難する空気が急速に広まっていった。

 

 

 こうした風潮に対抗する意味合いで、岩月氏に特別に寄稿をお願いしたところ、名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟での経験をも踏まえ、日韓請求権協定について論じる上で踏まえておかねばならない、条文の意味や、いくつかの重要な判例について、下記の記事をお寄せ下さった。時宜を得たものであるとともに、折りにふれて立ち返るべき指摘に富んでいる点に、本寄稿の価値があると考える(以上、IWJ編集部)。

 

 

過分なご紹介の言葉をいただいている、
少なくとも、ネットで拾える情報の中では、最も広範囲に問題点を指摘したものとなっているつもりである。

 

 

書き終えた段階では、「身を削って書いた」(夕鶴のつうが、羽を抜きながら布を織るように(^^ゞ)という実感を覚えたが、出来がどうかは、読者の判断に委ねるしかない。

何しろ長文であるので、読みにくくなった部分や、最後の方は、論理展開にいささかの混乱があるかもしれない(笑)。

 

 

なお、麻生太郎副総理が政治家転身前に社長を務めていた麻生セメントは、韓国徴用工訴訟でも強制労働加害者として、被告とされている。戦前から現在に至るまでの政治の連続性を端的に象徴している。

以下の部分は、麻生太郎に関して、IWJに独自に付けていただいた注釈である。

 

 

※麻生財閥は、麻生太吉が福岡県飯塚市で1872年に始めた石炭採掘の麻生鉱業を手始めに、セメント事業などに、事業を拡大。九州で有力財閥となった。麻生太郎副総理兼財務相は政界転身までグループ企業の中核、麻生セメント株式会社の社長だった。

 麻生鉱業における朝鮮人労働者が、1944年以降にあたる狭義の「徴用」とそれ以外にあたるのかといった区別など、詳細は今後の資料発掘にもとづいた検討を待たなければならないが、米国立公文書館より「麻生鉱業報告(Aso Mining Report)」が発掘されたことで、朝鮮人・中国人労働者だけでなく連合国軍の捕虜が麻生鉱業で強制労働を強いられていたことの裏付けが得られた。この文書は、200926日に当時民主党所属の参議院議員であった藤田幸久氏が、国会議員会館で開かれた「麻生鉱業捕虜使役問題に関する報告会」で発表したことでよく知られることとなった。

 

 (出典)麻生首相の父、炭鉱で朝鮮人を強制労働させる(中央日報、200927日)

 

以下に基本的な二次文献を掲げる。

 

・横田一「麻生一族の過去と現在―首相側近が語る『強制連行否定論―』」『世界』第786号(20091月)9098

・西成田豊「朝鮮人強制連行と麻生鉱業」『世界』第788号(20093月)120125

Fukubayashi Toru, “Aso Mining’s Indelible Past: Verifying Japan’s Use of Allied POWs Through Historical Records,” The Asia-Pacific Journal, 7-33-2 (August 2009), pp. 1-8

 

 

安倍内閣は、大法院判決の次は、韓国艦艇による自衛隊哨戒機に対するレーダー照射事件を持ち出して、執拗に韓国に対する反発感情を煽り、メディアはこれに無批判に迎合し、世間の関心は次の争点に移っている。

しかし虚偽の上に積み上げられる煽動には、一つ一つ、虚偽をほどいていくしかない。僕は、僕は僕の知る範囲で権力の虚偽をほどきたいと思う。

IWC(国際捕鯨委員会)脱退や、無用に軍事対立を煽る手法など、かつての満州国をめぐって起きた歴史的出来事の既視感を抱かせる(劣化コピーとしか言いようもないが)。
安倍首相が「満州三角同盟」と呼ばれ満州国を仕切った岸信介(満州国総務庁次長)、松岡洋右(満州鉄道副総裁、国際連盟首席全権)、鮎川義介(日産コンツェルン初代総裁)の縁戚となれば、既視感はなお深くなる。
メディアは当然、そうした事情を知りながら、横並びで政府の肩を持って日韓の対立感情を煽り続けている。何もかもがデジャブに見える。

 

 

本来の極右や右派が、冷静な対応を呼びかけて、ネトウヨに袋だたきになっている例として、二つのツイートを引用しておこう。
今回の事案の見方は真反対であるが、冷静を呼びかける点において共通するのは、それぞれが何かしらの危機感を持っているのだろうとも思う。

 

 

 

なお、歴史修正主義者の権化である田母神は、直近もなお、ネット記事でも冷静な対応を呼びかけている。
田母神俊雄手記「レーダー照射、韓国軍の実力では自衛隊と戦えない」

では、よいお年を。

 

* ランキングに参加しています *

つぶやき程度に逐次フェイスブック更新中です。にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

おまけ
「満州三角同盟」の一角をなす日産で、ルノーによる乗っ取り寸前に、日産側がクーデターを起こし、西川社長派の司法取引によりゴーンが特捜に逮捕されたのは偶然なのだろうか。幸いにもゴーンの長期勾留(通常の刑事事件と比べれば、断然短い)が世界の注目を浴び、日本の刑事司法の異常さが批判されている。

勾留により日本の刑事司法の前近代性を広く世に知らしめたゴーンの功績は大である。

昨日の僕のフェイスブックから

 

Gon20181230

Gon20181230komento

 

コメント欄に書いた事案はいわゆる「民商弾圧事件」である。
本当に偶然、M弁護士が「Aさん、どこにいる」と叫んだ声に、ある部屋から「はい、ここです」という返事があって、M弁護士が「署名するな」と返した助言に「はい」と答えた。
後で、実際に取調中で弁明を録取した書面に署名する寸前だったことが判明した。
日本の刑事司法は、身柄を拘束して自白をさせ、被疑者の心を折る以外の何物でもない。

 

 

戦後日本の刑事訴訟法学の権威が、「戦後、自分たちが行ってきた努力は、刑事訴訟を何一つ変えることができなかった。どうしてかと考えると、日本の刑事裁判は本質的にお白州のままなのだというところに行き着いた」と述懐していると聞いた。
まさに、日本の刑事司法は、江戸時代のまま、本質的に何も変わっていないのだろう。
ゴーン事件は、日本の前近代的刑事司法を世界に知らせ、これを変えるチャンスを与えてくれている。

2018年12月26日 (水)

年忘れ 2018年第4四半期 これっきりニュース3連発

まず、第3位は、国税庁のマイナンバー流出55万件。

 

Kokuzeityoumainanbaryuusyutu_2
該当記事

 

 

お国柄か、お上のなさる個人情報の扱いの杜撰には寛容で、これっきり、続報はない模様。
国税がどうしてそのような杜撰な会社に委託したかを追及するのでもなければ、国税から委託を受けた会社の再委託の無責任さを追及する訳でもない。
杜撰に扱われる、マイナンバーには恐怖しかないはずだが、日本国民は、国家も、企業も信頼しきっている。
ちなみに、受注したシステムズ・デザインが再委託してしまった理由は、業務繁忙ということだったというが、どこかで見た統計では、IT技術者の労働時間は短縮傾向とあった。
要するに働き方改革のおかげで、残業手当の支出が減り、不払い労働時間が伸びたということなのかと疑うわけである。

で、3位です。

 

 

次、第2位には、日銀が政府発表のGDPデータに不信を持って、第一次資料(生データ)の提供を求めた件がランクインした。

 

Nitigingdphusin
該当記事

 

 

公表GDPが信用できないようなものであれば、いざなぎ越えの景気拡大もへったくれもない。GDPは最も基本的な経済力を示すデータで、これを操作するなど、絶対にあってはならない。

ところが、もともと政府と何かと親密な関係を疑われ、爆買いで株価偽装に手を貸す日銀までもが政府発表のGDP(二次資料)に不信を抱いて、元データを提示するように求めた。内閣府は、業務負担が過重になると押し切って拒絶して終わってしまったらしい。
(ここにも働き方改革で人件費が削られ、人手が足りない状況が窺われて興味深い。)

日本国民は何しろ「日本がスゴい」が大好きだ。
改ざんがお家芸になった日本政府がデータ改ざんしてくれるのは大歓迎という次第である。

日銀が政府に不信感を持つことなど、あってはらない重大事ということで、これもどうも「これっきりニュース」らしい。

 

 

そして、堂々の第一位は、台湾新幹線事故に日本車両の設計ミス。

 

 

Nihonsyaryousekkeimisu
該当記事

 

自動列車制御保護システムが切られたときに、運転指令に伝えるシステムが日本車両の設計ミスで、運転指令に伝わっていなかった。
事故の第一原因は運転手の速度超過なのだろうが、そのフェイルセーフである列車自動制御保護システムが働いていないことを運転指令は知らなかった。二重のフェイルセーフシステムであるはずの自動通報がなされなかったからだ。

つまりは、事故の原因の一つが日本車両の設計ミスにあったことは明らかなのである。

で、この事故も、これっきりニュースになってしまった。

 

Nihonsyaryousekkeimisunifty
該当記事

 

 

死者18名、負傷者200名という取り返しのつかない被害を出した重大な新幹線事故が、日本車両の設計ミスも一因となったことが判明した途端、これっきりニュースになった。

結果の重大さから第一位がふさわしいだろう。

何しろ、今更時代遅れの万博をやろうという発想の国の国民だ。

日本製造業に傷がつくようなニュースはお好みではない。

こうして海外の信用をどんどん失っていくのであるが、まあ、それは先送りがお好きという、これまた不変の国民性である。

 

 

なお、日本車両は、安倍総理の盟友葛西氏のJR東海の子会社で、JR東海と言えば、リニアである。
当然、リニア車両の主力を日本車両が担っていることはお忘れなく。

 

 

Nihonsyaryou_rinia
該当記事

 

 

おい、ホントに大丈夫かよ。

マスコミ衰退国家ジャパン。

 

* ランキングに参加しています *

つぶやき程度に逐次フェイスブック更新中です。にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

おまけ。
昨日、クリスマスの株式市場、上海市場との比較。
解釈は無責任であるので、友達限定(解釈できるようなら、貧乏マチベンなどしていない)。
しかし、午後急反発した上海市場の数字は嘘ではない。

Syanhaisijou

「世界経済が不透明感を増す中、比較的安全な資産とされる上海株が買われた」(爆)とでも言うのだろうか。

2018年12月 8日 (土)

外国人労務者本土移入の件 可決成立  オワコンジャパンを乗り越えて、新たな構想を持とう

77年目の太平洋戦争開戦の日、国会は死んだ。
この日、未明、外国労働者移入の件、小規模漁業者排斥法が成立し、国会は息の根を止められた。
森ゆうこ議員の参議院農林水産委員会 堂故 茂 委員長 解任決議案に関する趣旨説明は、国会がお亡くなりなる経緯を語ってあまりある。歴史に刻まれる名演説である。

「自民党のみなさんにひとつ言いたいよ。主要農作物種子法や農協改革法や今回の漁業法、入管法改正、みんなね、ほんとうは私も反対だと、酷い法案だと、言ってくるんですよ。今回の漁業法だって『ほんとうは反対だ』って言ってきた人、いるでしょう? 
 だったら反対しなさいよ! だったらこんなでたらめな法案、出させるな! いままでの自由民主党なら、今回の漁業法や入管法改正案なんていう、こんなでたらめな法案を、自民党が出させませんでしたよ! どうしちゃったんだ自民党!」
Moriyuuko

「「今だけ、金だけ、自分だけ、安倍総理のお友達だけ」。強欲の市場原理万能主義の荒波に国民を放り込む法案が問答無用で次々に成立する中、本院農林水産委員会では、70年ぶりの大改正となる漁業法改正案の審議が臨時国会の最終盤である今週から始まりました。漁業を生業として、浜で暮らしながら、資源を守り、我が国の水産業の発展と食料安全保障に貢献するだけではなく、3万3,889kmに及ぶ海岸線に存在する集落を維持することで、国境を監視するという重要な役割を担う漁業者と水産業を支えてきた漁業法を、全く別の新しい法律に作り変える法案であり、全国の漁業共同組合や現場の漁師さんたちから、現場を視察して漁業者の意見を聞いてほしい、少なくとも地方公聴会を開くべきだ、臨時国会での拙速な改正に反対などの意見書が次々に送られて来ています。 この短い臨時国会で成立させようなどということは、そもそも無理な話であり、その無理を押し通そうとしたために、誰が見ても瑕疵があるといわざるを得ない委員会運営が昨日行われたのです。」

わすれてはならないのは、9条の改憲を先取りした安倍政権は、緊急事態条項の先取りもしたということだ。
外国労働者移入拡大法 15時間
水道法改正          8時間
日本EU経済連携協定承認 4時間
という衆議院通過までの「審議時間」は、審議の内容を問うまでもなく、安倍政権においては、「閣議決定」すなわち法律制定を意味することをあますことなく示している。
法律と同等の効力を有する政令を制定できるとする緊急事態条項がすでに適用されていると言ってよい。

少なくとも、存在自体に意味がない与党議員からは、歳費請求権を剥奪すべきである。

=========================

「華人労務者内地移入の件」が閣議決定されたのは1942年11月27日。
事実上、太平洋戦争の敗北が決定したミッドウェー海戦から半年、時期から見てもとうの昔に日本は破綻していた。

閣議決定では「衣食住及び賃金、家族送金、持ち帰りの金等の給与待遇等についても万全を期するごとく考慮せり」と美辞麗句を並べて言い訳をしていた。
よく似ている。

経済界の著しい凋落、敗退の様子は当時の日本とそっくりに見える。
到底、オリンピックなんかまともにできる状態ではない。
要するに「日本は凄い」オワコン状態なんだ。

  だから、もう次の時代の構想を我々は持つべきなんだ。


欲望をむき出しにして低賃金を求めて、人権を蹂躙する資本に対する答えは、とりあえず、法人税減税の原資となってきた、消費税廃止、富裕層増税の開始である。
欲望むき出しで金儲けしたい者には、とっとと日本から出て行ってもらえばよい。
20年にわたりゼロ成長などという世界に例のない破綻経済を運営してきた無能な財界もとっとと失せればよい。

Meimokugdpsuiihikaku

はただ、の丈に合った幸せな生活がほしいだけだ。


* ランキングに参加しています *

つぶやき程度に逐次フェイスブック更新中です。にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

フランスではすでに次の構想への民衆のたたかいが始まっている。
http://www.labornetjp.org/news/2018/1207pariE5fe5264691242faa1c569a6e9d45f5a

最初に「ホームレス0人」を掲げ、富裕税の復活、所得税の累進性を高める、最低賃金を手取り1300€(現在のレートで約167000円)に引き上げ(現在1154€)、年金増額、公共サービスの充実化(ガス・電力は公共サービスに戻す)、緊縮政策反対、正規雇用の増加など、後退した社会政策を復活・強化させる内容が多く、「屈服しないフランス」の政策綱領「共通の未来」と重なるものも多い。また、極右の要素がメディアで強調されたのに反して、この綱領には亡命志願者の待遇改善が記され、環境政策として住居の保温改善、除草剤グリフォサート禁止などもあげられている。運動参加者には自営業や零細企業の経営者も含まれるため、雇用者の社会保障分担金の削減、小売業保護などもある。そして、民主主義に関するものでは国民・住民投票をもっと取り入れる、元老院の廃止、比例制の導入、議員の報酬を所得中央値にするなど。その他にもさまざまな要求が、フランス大革命のときの陳述書のように発せられた。

前回のコラムで、この運動が国粋的な極右のポピュリズム(国民連合)にとりこまれる懸念を表明する人々がいると書いたが、メディアなどで意見を言う「黄色いベスト」たちはみな、政党や組合などの組織やカリスマ的リーダーに指導されない自主独立性を強調する。「マクロン、きみはもう終わりだ。民衆は路上に出た」などのスローガンをとおして、自らを民衆と位置づける人々の政治意識が、運動が続く中で形成されていくのが見てとれる。

2018年11月29日 (木)

女子勤労挺身隊事件に関する韓国大法院判決に対するコメント

戦時中、我が国は不足する労働力を補うため中国や韓国等の人々を強制的に動員して、各地の軍需工場や鉱山などで劣悪な労働条件のもとで過酷な労働を強いた。

特に末期には幼い少女までもを動員し、その結果、彼女らの人生を奪うに等しい被害を与えた。

本件勤労挺身隊原告らについては強制連行、強制労働であったと断定する名古屋高等裁判所の平成19531日判決が確定している。

 

 

そうした結末が言語に絶する凄惨な敗戦であった教訓は、労働力不足を理由とする外国人労働者の移入拡大が議論されている今こそ生かされなければならない。

 

 

今回、韓国大法院において勝訴判決を受けた原告らは日本の裁判所において10年(1999年3月1日提訴、2008年11月11日最高裁決定)にわたる困難な裁判を戦ったが、報われることがなかった。

最高裁における敗訴が確定した後も三菱重工に対して粘り強く和解解決を求め続け、2010年から2012年にかけては2年に及ぶ三菱重工との話し合いも行った。原告らに対する賠償はもとより、基金方式など一切の補償を拒む三菱重工の頑なな対応のためやむなく韓国国内における提訴を選択せざるを得なかったものである。

 

 

今回、大法院において勝訴が確定したことについては、心からおめでとうという言葉を原告らに送るとともに、これまで20年に及ぶ原告らのご苦労を深く労いたい。

 

 

三菱重工に対しては、上記名古屋高裁判決において「個人の尊厳を否定し、正義・公平に著しく反する不法行為」であると断定された本件に、真摯に向き合って反省し、人道の名に恥じない解決を図ることを強く要求する。

=============コメント終わり======================

上記コメントは、大法院判決の結果に関する第一報を受けて、判決の日本語訳のない状態において名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟(日本訴訟)弁護団事務局長として、その結論に対してコメントしたものである。

なおマスコミ記者各位におかれては、
当ブログの「民族と被害 再び」
及びユーチューブに投稿されている徴用工大法院判決に関する動画(6分弱「1945年への道」制作)
徴用工大法院判決に対する有志弁護士の声明
を是非、ご覧いただいて、この問題に対する的確な理解を深めていただくことを強く希望します。

この問題の帰趨が今後の日本の行方を大きく左右しかねないことを危惧するがゆえに冷静かつ的確な報道がなされることを強く望むものです。

* ランキングに参加しています *
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

2018年11月27日 (火)

醜悪な外国労働者移入法は将来に重大な禍根を残す 国家ぐるみでヘイトになったフランスに見る日本の将来

ガソリン 高騰に抗議して1%の支配に対して立ち上がるフランス国民の革命精神は、非常事態宣言を恒久化して強化された反テロ法下でも、健在だ。

Bc2efe632a5b401c9face043f55e29b3

自分で言うのもなんたが、外国労働者移入法の関連では、2015年に書いた末尾のブログは、外国労働者移入後の将来を見通す上で、もう一度読んでみる価値がある。


シャルリー・エブド事件当時のフランスの惨憺たる有様。

Syaruri1
Syaruri2_2

日本で言えば、政府主導の韓国抗議デモで、1000万人の国民がデモをするような国家まるごとヘイト団体になったフランスの悲惨。

‥‥‥‥‥‥

完全な悪循環に陥っている。


ネオリベラリズムによって、使い捨ての安価な労働力として移民を受け入れ、その結果、賃金の低下を招き、社会が階層化し、社会統合が失われる。
その責任を移民になすりつけて、「教化」や攻撃の対象とする。
移民対策と称して、弾圧立法が強化され、反ネオリベ・反グローバル運動の弾圧にも活用さあれる。
弾圧立法が、ネオリベ政策の推進の道具とされる。
(イタリアでは、トリノの高速鉄道に反対して信号を損壊した青年に懲役20年の判決が出されたとも書かれている。)

かくして、トッドが嘆く、アトム化された(バラバラにされた)個人と、ナルシシズムの蔓延、恥じらいのない欲の支配する社会へとどんどん傾斜していく。
こうした社会矛盾に対する対抗勢力としてますます極右が台頭する。


閉塞感と、極右の台頭は、フランスだけでなく、他のEU諸国にも共通しているように見える。

2015年4月7日(火) 認知の歪み ヨーロッパ幻想  ネオリベに乗っ取られたEU(フランス)の劣化

 

 

* ランキングに参加しています *

つぶやき程度に逐次フェイスブック更新中です。にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

 

2018年11月25日 (日)

大阪万博決定!!  おい壁の穴が先だろ!!

僕の事務所の玄関の壁に大きな穴が開けられている。

Kabenoana1_2

 

 

僕の事務所は2階にあるが、3階の排水が1階の事務所に水漏れしているということで、間の排水管の様子を見る必要があるということで天上から床までごっそりとコンクリに穴が開けられた。

それが11月7日のことだった。

 

 

当日は、穴にビニールをかぶせただけで終わったが、翌日、マンションの管理会社が来て、パネルに張り替えられた。パネルへの張り替えは素人仕事である。

やがてパネルの左下がはがれ落ちた。

コンクリートの間を風が通り抜けているため、何度貼ってもはがれ落ちるので、穴がそのままになっている。

 

 

Kabenoana2_2

 

 

そもそも1階の事務所で水漏れがあると言って、管理会社が顔色を変えて事務所に来たのは、10月22日のことだった。

排水管の様子を確認するために壁に穴を開けるという説明があった。

一向に連絡がないので、水漏れは自然に治ったんだろうと思っていたら、11月7日になってようやく穴を開ける工事がされた。

ものすごい騒音で、僕はその日、事務所を明け渡して避難した。

 

 

で、パネルの張り替えに来た管理会社に聞いた。

いつこの穴は塞いでもらえるの?

人手が足りないので、11月いっぱいは手が回らない、と。

言っておくが、この穴が開けられるに当たり、当方に落ち度は全くない。

ただ、うちの事務所が3階と1階の間にあるということだけが、穴が開けられた理由である。

若い頃だったら、猛烈な騒音にさらされるわ、でかい穴はそのまま放置するわで、切れたところであるが、最近は、めっきり怒らなくなった。

聞けば、10月下旬に襲った台風で飛ばされた屋根の補修も人手が足りなくてまだ(11月8日の時点)、手つかずになっているという。

まあ、壁の穴ぐらいで文句をいったら申し訳ないなと、温厚になった僕は引き下がった。

 

 

建築業界は、本当に人手が足りないのだ。

だから、技能が身につくと言ってベトナムの若者を騙して連れてきて、福島の除染をさせたり、早朝から深夜までこき使って、逃げ出さないように貯金通帳を管理し、逃げ出すのが見つかれば暴行を加えてでも、軟禁状態に置いて働かせているのだ。

 

 

人材ブローカーが儲け、その上前を役人がピンハネする腐った構造まで、恐ろしいほど戦中の『募集』と称した徴用とそっくりだ。

 

 

 

 

 

外国労働者移入法は、こいつらを肥え太らせるためにビジネスチャンスを拡大するための法律だというのが確実な説明の一つだ。

 

 

日本では災害がつきもので、6月から10月にかけては、豪雨、台風、地震と大災害が立て続けに起きた。

その人手が足りないから、神様みたいなスーパーボランティアが現れることになる。

他方で、人手が足りないと言いながら、外国人労働者を使い捨ての道具として移入して、その上前をピンハネしてさらに儲けようという奴らがいる。

醜悪の極みだ。

 

 

 

やれオリンピックだ、やれリニアだと空騒ぎしてる場合じゃないだろうと思っていたら、今度は大阪万博だと来た。

てめえらぼーっと生きてんじゃねえよ。

足下から生活が崩れ始めようとしているのに、お祭り騒ぎを繰り返すバカどもは一体誰だ。

 

 

予定を整理しておこう。

2020年 東京オリンピック

2025年 大阪万博

2030年 札幌オリンピック

2034年 サッカーワールドカップ

 

 

これを決めてるのはみんな男どもだ。

女性活躍というのは、男が決めるから女は手伝えと、これが本音だということを開催都市決定を待つ欲望丸出しの男どもの姿が見せつける。

 

 

順番が違うだろ!!
原子力緊急事態の解除だろ、災害復興だろ、それから、うちの事務所の壁の穴を何とかしろよ!!

 

   

 * ランキングに参加しています *

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

戦争は儲かる。一部の大企業とこれに躊躇いなく蝟集する恥知らず連中には格好の儲け口だ。
新日鉄も三菱重工も強制動員労働者を搾取して戦争で確実に儲けた。
庶民の生活は足元から崩れ、やがて飢餓に見舞われる羽目になった。
庶民に最大限の犠牲を強いて、一部は焼け太った。
「滅私奉公」の名において国民に犠牲を強いた政府は、「滅私奉公」に隠れて私益を貪る輩の巣窟だった。


目の前で80年前と同じことが起こっている。
今回は米国の指令がなければ、敢えては戦火は交えないかもしれない。
しかし、起きている事の本質は80年前と同じだ。
庶民の生活が危機に瀕しているのをよそに、危険極まりない騒動を起こして庶民の生活を崩壊させて利益を貪ろうという輩がいる。
そいつらが近隣諸国の善意の国民を巻き添えにしようと強欲を露わにしているのも80年前の引き写しだ。
そいつらのトップに座る二人が二人とも80年前の成功体験者だという歴史の再現に我々は負けるわけにはいかない。

2018年11月20日 (火)

日本製造業の敗北  技能実習生問題から始まる連続ツイートが恐ろしすぎる件((((;゜Д゜)))))))

Gongitune

日産カルロス・ゴーン事件が世間を揺るがす中、多分、外国労働者移入法は、強い批判を浴びることなく成立していくという仕組みなのだろう。さらに影になった水道法改悪も、市場法の改悪も、漁業法の改悪も滞りなく成立していくのだろう。

日本車両の設計ミスが事故原因ではないかが疑われている台湾新幹線事故は明日で1ヶ月を迎える。

日産事件を幸い、日本メーカーによるこの世紀の大事故も、日本人の頭から都合よく消え去るに違いない。

悲劇の局面では、「三歩歩けば忘れる」メンタリティほど強靱なものはあるまい。

 

などと嘆きながら、こんなツイートを見つけた。

 

 

引用されているのはこの記事だ。

 

 

「後輩のための犠牲なら光栄」日立が解雇の実習生、帰国

前川浩之、嶋田圭一郎

朝日新聞201811181905

 

 日立製作所笠戸事業所(山口県下松市)に実習途中で解雇されたフィリピン人技能実習生99人のうち20人が18日、帰国した。「単純作業ばかりで、本来の技能を学べない」と国の監督機関や日立に訴えたが、国側から実習が適正かどうかの判断が示される前に、在留期限を迎えた。外国人労働者受け入れ拡大の議論が熱を帯びる中、実習生は「私たちの権利が認められる制度で働きたい」と注文をつける。

 

 実習生「技能学べぬ」工場、日立会長「とりあえず解雇」

 実習生たちは18日午後、福岡空港(福岡市)を発った。見送る支援者らに、笑顔で手を振った。

 帰国した20人は配電盤や制御盤を作る「電気機器組み立て」を学ぶために来日した。しかし、ある実習生(24)は仕事の内容を、鉄道車両に使うワイヤや電線をひたすら引っ張る単純作業だったと話す。

 

 

技能を取得できるとの契約で来日して日立の事業所で働いたが、単純労働ばかりで技能は身につかず、技能実習法違反で国が処分を検討している中、日立は実習生から出された実習更新の申出を拒絶したため、在留期限が来て在留資格を喪失し、日立に解雇されて帰国を強いられる。

 

 

ひどい話だ。

5年期限の外国出身労働者移入策の元、日本の企業(大企業だけではない、中小の企業ですら)が外国人労働者に、どういう仕打ちをしようとしているのかを見せつける事件だ。

 

 

しかし、実は、問題はさらに記事が触れない闇の奥にあると、実習生問題に詳しいK・S氏は語る(マチベン独自取材だよ~ん)。

 

 

技能実習法では、実習生が希望する場合は新たな受け入れ先を探すことになっており、その間の待遇も保障されるはずだとのこと。
となれば、日立は法の無知に乗じて『物言う外国人』である実習生を厄介払いしたことになるだろう。

さらに、日立ほどの大企業が人材仲介業者を介して実習生を受け入れていることがおかしい。トヨタの例では、海外現地法人を通じて直接、実習生を受け入れる。日立ほどの大企業が、現地法人ではなく、わざわざ技能実習法違反を疑われるような仲介業者を介していること自体に疑念がある、と。
となれば、どこかに汚れたお金のやりとりが絡んでいるような、ものすごくいやなにおいが立ちこめてるってことか。

 

 

寄り道であった。

本題は、この連続ツイートの先にある。

 

 

ひどい実習生の待遇を告発する連続ツイートに、途中から経営コンサルタントの別の男性のツイートが絡む。

 

 

労働力人口の減少と企業の海外移転が、日本国内の技術の空洞化を招いている。
技能を教えることができるような労働者が定年かリストラでいなくなっている。既に日本には、技能を学ぶような環境がなくなっている、とショッキングな話が出る。

日立の当該事業所は、鉄道車両の生産拠点だが、鉄道車両の受注は減少している。川重も撤退を検討、三菱はリニアモーターの生産を断念。そして日本車両は台湾新幹線の大事故。

 

さらに話は続く。

 

 

海外では、鉄道・車両製造業者が桁違いに大きな合併を計画し、日本企業は5社もあり、ブランド力、技術力で太刀打ちできない、このままでは日本の鉄道製造業は立ちゆかない、と。

 

 

最後には、線路の規格統一の話が出てくる。中国の広大な鉄道網は、統一規格によって成功している、と。標準軌と狭軌がある日本は統一できるのか、と。

(ちなみに中国の時速300キロの高速鉄道網の長さは、世界の高速鉄道の総延長に匹敵すると先日、岩上安身さんから教えてもらった。日本企業など、太刀打ちできる相手ではない)

最後の話は、VHSとベータ、iモードとiPhone等、規格競争でことごとく負けた歴史につながる話だから、別に今に始まった話ではないが、それ以前の話は、衝撃的だ。

(ちなみに、北はサハリンから南は朝鮮半島から通じて日本をユーラシア大陸に結ぶ鉄道構想を前提にすれば、リニアなどという現実性も有効性もなく有害な代物に金をかけるより、標準軌への統一を急げというのは多分、一理ある)

日本製造業は、すでに人材が蒸発し、技術を喪失しているという指摘は極めて重大だ。

すでに日本製造業は敗北過程に入っている、というか、「お前は、死んでいる」のかもしれない。

 

 

再建日産がどれほどの従業員と下請け企業に苦渋を味わわせ、犠牲を強いたか、人を人として扱わない、その反人道的とすらいえる行いを、我々は経営者の手腕として讃えたか(「コストカッター」等という呼称は経済に疎いマチベンは初めて聞いた)。
そして、なお、人壊しは続く。海外から騙して移入してでも労働者を壊そうとする。
徴用工の昔とあまりにも酷似した時代に我々はいる。

 

 

かつて日本企業は、「人は城」と、働く労働者を強みにしたのではなかったか。
やがて、多分、バブルの末期頃から、そして竹中平蔵が派遣拡大を国策として勧め出した、そんな頃から。
グローバル化の波に飲まれた日本企業は、人をモノとしか扱わなくなった。
その果てに隠蔽される台湾新幹線事故と、日産カルロス・ゴーン事件はある。

しかしそれでもなお、まだ戦い続ける労働者がいる限りは、弁護士という者は、その闘いとともにいなければならないのだと、T弁護士は語った。メモメモ

* ランキングに参加しています *
つぶやき程度に逐次フェイスブック更新中です。にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

 

なお、カルロス・ゴーンが違憲の疑いが指摘されてきた司法取引の恰好の餌食になったことに注意したい。日本の司法取引は、米国のような自身の罪を認める代わりに刑を軽くしてもらうというものとは異なる。他の者の罪を告白することによって自らの罪を免責、軽減する世界的に見ても珍しいものだ。
カルロス・ゴーン事件は、司法取引に対する抵抗感を一掃するのに恰好の材料なのだ。

裏側に隠れた、司法取引制度の本来の狙いは、いうまでもなく権力に不都合なさまざまな集団における内部通報奨励制度だ。市民運動を監視し、密告を奨励し、さまざまな団体の中に疑心暗鬼を蔓延させて、さまざまな主体的組織を自己崩壊に導く。
そうした効果をまざまざと見せつけられるのもそう遠くない将来に思わせる。

2018年11月12日 (月)

醍醐總先生の外務省直撃インタビュー  韓国大法院徴用工(強制労働)訴訟判決に対する日本政府の対応について

いや、こんな手があったか。

思いつかなかったのは、不覚である。

醍醐總先生の直撃インタビューに、外務省は、しどろもどろに見える。

Gaimusyou_57aa6b549a25c64ba5d5d4267

 

総理、外務大臣、官房長官と続けざまに正規の外交ルートによらずに、外野から無理難題ないちゃもんをつけるような意見表明をしているので、外務省としても苦労している様子がうかがわれる。

 

 

「こうした日本のマスコミの政権追随報道を正すのは日本の市民の務めである」との醍醐總聡先生のお覚悟に、深く敬意と感謝を表したい。

 

 

外務省条約課・国際法課と交わしたやりとりメモ~元徴用工の賠償請求について~

20181112

 今日の1420分頃、件名のことで外務省の代表番号に電話したところ、北東アジア課→条約課→国際法課、と3つ課の担当職員と延べ約30分間やりとりする結果になった。
 以下は、中身のやりとりをした2つの課の応対者との問答メモである。


 (醍醐) 外務省ですね。日本政府は(韓国最高裁が下した)元徴用工の賠償請求判決について「国際法に明確に違反している。毅然と対処する」と発言しています。政府が言う「国際法」とは何を指すのか、マスコミは伝えていないのでわかりません。それを教えてほしくて電話しました。

 (代表) お待ちください。

 (北東アジア課) 北東アジア課ですが。

 (醍醐) <先ほどの用件の繰り返し> 政府が言う「国際法とは何を指しているのですか?

 (北東アジア課)その件でしたら、私どもではなく、条約課ですので、そちらに回します。

条約課とのやりとり

 (条約課) 韓国の最高裁で判決が確定した時点で、(1965年の)日韓請求権協定に違反する状態になったので、政府としてそのような発言をしています。

 (醍醐)とすると、政府が言う「国際法」とは1965年の日韓協定を指しているということですか?

 (条約課) そうです。

 (醍醐) 「国際法」というと、多国間の法のことかと思ったのですが、そうではなくて、日韓2国間の協定のことなのですね?

 (条約課) そうです。

 (醍醐) その点は、外務省の理解は事実としては分かりました。
 他方、外務省は1990年頃、国会で、日韓協定で国の外交保護権は消滅したが、個人の賠償請求を消滅させたものではないと複数回、答弁しています。たとえば柳井(俊二)さんは伊東秀子議員、土井たか子議員の質問に対して、そのように答弁されています。
 そうした外務省の国会答弁と今回の政府発言は、どのような関係になるのですか?

 (条約課)その点はこの課ではなく、国際法課になりますので、回します。

 <国際法課に転送される>

国際法課とのやりとり

 (醍醐)<上と同じ質問>

 (国際法課) 日韓協定で完全かつ最終的に解決済みということです。外交保護権と個人の請求権に関する解釈は、お話しのとおりですが、個人の請求権も含めて解決済みということです。

 (醍醐) しかし、外交保護権は消滅したとしても、今回の裁判は韓国の個人と日本の企業間の争いです。とすれば、個人の賠償請求権は消滅していないと言いながら、解決済みというのでは一貫しないと思いますが。

 (国際法課)個人は裁判所に訴えることはできても「出口」はなくなっているということです。

 (醍醐)「出口」? 出口がなくなっているようなら、請求権がないのも同然で、無理な解釈ではないですか?
 日本政府は韓国政府に対して善処をと言っていますが、韓国政府に対して、司法当局に働きかけを求めるような発言は韓国での三権分立を否定するに等しく、おかしな発言ですよ。

 (国際法課)おっしゃっている意味は分かりますが・・・

 (醍醐)河野外務大臣はずいぶん、強気の発言をされていますが、大丈夫なんですか? 専門の職員の方からご覧になって、どう思われますか?

 (国際法課)・・・・

 (醍醐)政府は賠償請求を受ける日本企業を集めて、説明会を開き、請求に応じるな、と言っていますが、それこそ、日本企業に対して、消滅したはずの外交保護権を使っていることになりませんか?

 (国際法課)それは外務省ではなく、政府がやっていることなので・・・・

 (醍醐)最後ですが、そちら様のお名前を教えていただけませんか? 私も名前を伝えますので。
 (国際法課)名前は伝えないことになっていますので。

 (醍醐)そうですか、ありがとうございました。

------------------------------------------------------------------------

強気に反して拠り所を欠いた日本政府の対韓逆切れの言動

 「国際法に反する」と日本政府が連日、声高に発言するので、何か具体的な「国際法」があるのかと確かめたら、1965年の日韓協定のことだった。それなら、あえて「国際法」と語らなくても済む話である。

 私の一番の関心事だった、日韓請求権協定で個人の賠償請求権まで消滅したわけではないというこれまでの外務省の国会答弁と、政府がいう「国際法違反」は、どうつながるのか、について、外務省の担当課の説明は結局、「日韓協定で完全かつ最終的に解決済み」という空回りの説明だけだった。
 これでは、日韓請求権協定で個人の賠償請求権まで消滅したわけではない、という外務省の見解と全くつじつまが合わない

政府の強気の発言に追随する日本のマスコミ

 日本のマスコミは、今回の韓国最高裁(大審院)の判決を受けて、連日、「韓国大統領府 沈黙 元徴用工判決 対応に苦慮」(『朝日新聞』2018114;「韓国政府 対応に苦慮」(『東京新聞』2018111日;「韓国最高裁の徴用工判決 条約の一方的な解釈変更」『『毎日新聞』20181031日、社説、などと韓国政府の状況を伝えている。

 これまでの韓国政府の対応を辿ると、そのような状況があることは間違いない。
 しかし、それなら、日本政府の自信満々の発言に確たる根拠があるのか・・・・この点を日本のマスコミはなぜ検証し、真相を伝えないのか?
 そもそも、今回の裁判は、韓国の個人と日本の企業の間で争われた事件であって、国と国の係争ではない。
 そのような基礎的事実を国家間の係争かのようにすり替えて、強気の発言を繰り返す自国政府の対応に引きずられるように、追随する日本のマスコミに「自立」した報道は見る影もない。
 こうした日本のマスコミの政権追随報道を正すのは、日本の市民の務めである。

 

 

* ランキングに参加しています *
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
醍醐先生は、東京新聞の論調も批判しておられる。
確かに不十分であるが、しかし東京新聞は他紙に比べれば、冷静だというのが街弁の評価だ。
判決翌日10月31日の東京新聞の社説を掲げておこう。
論調が、韓国非難一色の他の全国紙とは全く違うと、僕は思う。
日本政府は、東京新聞だけ消費税をかけるなどという暴挙をしないよう、あらかじめ警告しておく。

元徴用工判決 日韓摩擦減らす努力を

 

 原告は朝鮮半島の植民地時代に強制労働をさせられたとして補償を求め、日本国内で提訴。敗訴したため、韓国で裁判を起こした。

 日本政府は、元徴用工の対日賠償請求権問題に関しては一九六五年の日韓国交正常化に伴って結ばれた請求権協定で「完全かつ最終的に解決した」ことを確認している。

 ただ、日本政府は国会答弁で、個人が賠償を求める「請求権」自体は残っているとも説明してきた。個人が賠償を求めて提訴はできるが、日本側には賠償責任はない、との考え方だった。

 韓国の政府、司法も同じ解釈を取っていた。ところが韓国大法院(最高裁)が二〇一二年五月、元徴用工の請求権を初めて認める高裁差し戻し判決を言い渡し、問題が再燃した。

 この日の判決も、「賠償請求権は、協定には含まれない」と踏み込んでおり、日本側からは、請求権協定を否定したものだとの批判が出ている。

 河野太郎外相も確定判決を受けて、外務省に韓国の李洙勲(イスフン)駐日大使を呼び、「国際社会の常識では考えられないことが起きた」と抗議した。韓国政府は司法の判断に従う方針だが、日韓関係を踏まえた慎重な対応を求めたい。

 一方で、元徴用工による裁判は新日鉄住金、三菱重工業など約七十社を相手取って計十五件にのぼり、原告は千人近くになる。

 戦後七十年以上たって、いまだに訴訟が続く背景も考えたい。過酷な環境で働かされたことを法廷で証明し、謝罪を受けたいという原告の切実な思いがあるのだ。

 原告の一人は「一日十二時間働かされた」と証言した。国家間の協定の陰で後回しにされてきた心の痛みを、無視できるだろうか。

 日韓間では、最近も自衛艦旗や、竹島問題をめぐりぎくしゃくが絶えない。しかし、北朝鮮問題をはじめ両国の協力は欠かせない。

 原則論をぶつけ合うだけでなく、原告と被告企業をつなぐ接点はないか、政府レベルでも探る必要があるだろう。例えば基金をつくって賠償をする方式も、専門家の間で論議されているという。

 摩擦を拡大させず、冷静に和解策を探ってほしい。

 
大法院判決やこれに対する日本政府の対応については、いずれ時間のあるときに整理したいと考えているが、手続き的に政府が「国際司法裁判所への提訴」なる発言を繰り返していることについて、一言だけ述べておきたい。

日韓請求権協定3条で、日韓請求権協定の解釈に関して紛争が生じた場合は、まず外交ルートで解決を試み、交渉が不調になった場合は、仲裁委員会を立ち上げて、仲裁委員会の判断に従うという合意になっている。

二国間の特別な解決手続きについての合意があるにも関わらず、日本政府が国際司法裁判所への提訴に言及していることは、まったく意味不明である。
仮に国際司法裁判所に提訴しても、仲裁合意が存在するという点だけで却下をまぬかれない。
仲裁合意がある場合の国際司法裁判所の管轄については、国内法と同様であるから、合意された手続によらない提訴は却下される。
仲裁委員会が自国が選ぶ委員も含め、さらに日韓両国の合意で選ぶ委員も含め、みんながみんな韓国紙府の味方で韓国政府の言いなりになることが2万%確実であって公正な判断を望む余地が2万%ないとか、よほど特殊な事情を主張しない限り、却下はまぬかれない。

自ら、日韓請求権協定に反した発言を繰り返して、国際的信用を貶めているのは、日本政府自身である。


日韓請求権協定第三条

1 この協定の解釈及び実施に関する両締約国の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとする。

2 (仲裁委員会の設置について)

3 (仲裁委員会の設置に関する補足規定)

4 両締約国政府は、この条の規定に基づく仲裁委員会の決定に服するものとする。

 
 
* ランキングに参加しています *
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
つぶやき程度に逐次フェイスブック更新中です。

2018年11月 6日 (火)

隠蔽される日本企業の劣化  台湾新幹線事故

台湾脱線事故で発覚した日本製車両の設計ミスはどの程度重大か
ダイヤモンドオンライン2018.11.4

1021日に発生した、台鉄(台湾鉄路管理局)の特急列車「プユマ号」の脱線事故について、車両を製造した日本車両製造は1日、車両の安全装置に設計ミスがあったと発表した。

 

 同社によると、車両に搭載されたATP(自動列車防護装置)と呼ばれる安全装置には、運転士が装置を切った場合、運転指令所に自動的に通報される機能が付加されていたが、配線ミスにより正常に送信されなかったという。

Taiwansinkasenjiko

 

 

 

あぁ、また日本製造業の失墜。
しかも、海外で露わに。
戦後日本は、海外で、武器では人を殺してこなかったかも知れないが、技術で人を殺してしまった。

日本車両はJR東海の子会社だ。

(大深度地下を走るリニアでも起こる事故だ。リニアで事故が起きたら、どうやって、救出作業をするのだろう。)

 

 

あ、日本人は知らなくっていいよ。だって「日本は海外でもすごいと思われてる」と、信じ込ませておくことにしてあるから。

 

勝った、勝ったで、日本はすごいと信じ込んだまま敗戦に突き進んでいくことに今回のシナリオでも決めてあるから。(「滅びるね」)

 

 

・・・・・・・・・・・
日本車両の実績をWikipediaからPDFにしたものを貼り付けておく。
膨大な鉄道群である。

日本車両の実績

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

眺めるだけで気が遠くなる。
気が遠くなるほどの影響が及びかねない大事故であるのに、メディアはほぼ一様に沈黙している。

 

 

検索をかけてすぐに分かる範囲で、このニュースを取り上げたマスコミは、NHK、朝日新聞、日テレがある。それぞれ、一応、報道したらしいが、ニュースバリューの大きさとは、ほど遠い雑ニュース扱いであり、続報は出ない。

台湾 脱線事故 日本車輌が「設計ミスあった」と発表
NHK2018年11月1日 23時09分

台湾で特急列車が脱線し、18人が死亡した事故をめぐり、列車を製造したJR東海の子会社、「日本車輌製造」は、列車を自動的に制御する安全装置が作動していないことを知らせる仕組みに設計ミスがあったと発表しました。

台湾北東部で先月21日、8両編成の特急列車が脱線した事故では、乗客18人が死亡し、200人以上がけがをしました。

この事故をめぐり、列車を製造した「日本車輌製造」は1日、列車を自動的に制御する安全装置の作動状態を知らせる仕組みに設計ミスがあったと発表しました。

会社によりますと、本来、安全装置が作動しなくなると、列車から指令部門に自動で通知される仕組みだということですが、設計ミスが原因で通知できなくなっていたということです。

事故原因の究明に当たっている現地の当局の調査では、事故の30分ほど前にこの安全装置が切られていたことがわかっているほか、運転士も検察当局の調べに対し、事故の前に装置を切ったことを認めています。

設計ミスがなければ、より早い段階で、安全装置が切られていたことが把握できた可能性もあり、日本車輌製造は「原因を究明し、再発防止に努めたい」とコメントしています。

当初大きく報じられ、ワイドショーすら取り上げた事故だが、日本車両の設計ミスが事故の原因である可能性が浮上した途端に、「見て見ぬ振り」をすることが各局、各紙の基本方針になった(に違いない)。

 

 

日本政府は、2016年春までに政府に批判的なキャスターを政府公認メディアからほぼ一掃した。国谷裕子氏ほどの力量あるキャスターが未だに干され続けているのは想像するだけでやるせなくなる。

(現在、ジャーナリズムと呼ぶに値する番組は管見の範囲ではあまり視聴率の稼げない土曜夕方放送のTBS報道特集しかない)

2018年10月の番組改編からは、さらに新たな報道コードが加わり、「日本はすごい」に抵触する可能性のある報道は自粛することとなった(らしい)。

 

 

雑メディアの中には、こんな見出しの記事もある。

「日本産」が死傷者数を抑えた?台湾脱線事故車両の「遊び」の構造

この記事は、メディアが政府に干渉されないためには必要な報道コードとして、「海外のいかなる事件事故ついても日本を美化すること」が近い将来に付け加わる可能性を示唆している。

Taiwansinkansensintyou

 

 

さらに加えて言えば、日本車両の親会社であるJR東海の名誉会長葛西敬之氏は、安倍総理の盟友である。

安倍総理の盟友の評価を低めてはならないとの報道コードが定められたのは、もうずいぶんと前のことのようだ。

 

 

かくして、「勝った、勝った、日本はすごい」と浮かれている間に、敗戦へとまっしぐらに進んでいくというシナリオは、80年前と同じであり、もう我々は逃れる術もないようにすら見えてくる。
中国の高速鉄道は、新幹線をしのぐ最高時速300キロ、総延長は、他の世界各国の高速鉄道の総延長に匹敵するなどということは、日本国民に知らされるはずもない。
日本国民は、中国蔑視報道に酔いしれていればよいのだ。

 

 

「いいですか、常に小さな火から始まるのです。
そして闘えるのは、火が小さなうちだけなのです。
やがて点として置かれた火が繫がり、風が起こり、風がさらに火を煽り、大火となればもはやなす術はない。
もう誰にも、どうすることもできないのです」

という太田愛さんのメッセージのどの時点に、我々はいるのだろうか。

そういえば、太田愛さんが、各紙の書評欄から閉め出されるきっかけとなったデビュー作「犯罪者」(KADOKAWA)は、東京郊外の駅前広場で起きた無差別殺傷事件の謎解きという壮大なミステリーと企業犯罪の隠蔽を結びつけたものだった。
企業犯罪の隠蔽の場面は、極めてリアリティがあって、まるで今の企業社会の劣化ぶりを見せつけられるようだ。
だからだろう、マスコミの書評から太田愛さんは徹底して閉め出されている。

 

* ランキングに参加しています *
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

 

より以前の記事一覧

2019年1月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31