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カテゴリー「ニュース」の317件の記事

2016年11月30日 (水)

スマホで家畜化かよ? Yahoo速報

異様なのは、それにも拘わらず、安倍内閣の支持率は高止まりしたままであることだ。
60%の内閣支持率を報じる共同通信の世論調査、何やら2014年12月の総選挙報道を思い出した。
 
あのときも、いきなり与党の議席が3分の2に達するという議席予測報道が繰り返され、選挙戦の勢いが削がれた。
10月31日に年金積立金の株式運用が一気に増やされた直後の総選挙であり、チャンスだったはずだが、なぜだかスルーされた。
散々、与党圧勝の報道を繰り返した末、選挙翌日の社説が、「今日からが出発である」みたいなふざけたものだったので、このときに朝日新聞を止めた。
 
マスコミが今や政府・財界の広報機関になりさがっていることは明らかで、報道の自由度ランキングが急降下していることにも異存はないが、問題は、マスコミを信じてしまう(らしい)国民意識なのかもしれないと思う。
 
Sinbunsinraido
****
Terebisinraido
 
日本の新聞・テレビに対する信頼度は圧倒的に高い。
信頼度と報道の自由度とは関係がないようで、日中韓三カ国は、揃って、信頼度が極めて高い部類に属する(報道の自由度韓国70位、日本72位、中国176位)。
なんだかんだと言っても、信用ならない報道を信頼する点で、日中韓は似たもの同士なのである。
対して、米国のメディア不信は極めて強い。
こんな国では、メディアがこぞってトランプを批判すればするほど、トランプの票が伸びたに違いない。
日本のような国ではメディアが選挙情勢を操作するのは極めて容易だ。
 
だからと言って、ネットが良いわけでもない。
米英日のYahooのトップニュースに占める割合が『Be iNSPiRED!』のサイト · 2016年4月26日に
『Yahoo!』から見る「日本」の「異常さ」BY ASUKA YOSHIDA
として伝えられている。
【アメリカ】
世界のニュース:24%
自国のニュース:65%
スポーツニュース:7%
芸能ニュース:3%
その他:1%
 
【イギリス】
世界のニュース:22%
自国のニュース:51%
スポーツニュース:15%
芸能ニュース:12%
その他:0%
 
【日本】
世界のニュース:17%
自国のニュース:38%
スポーツニュース:9%
芸能ニュース:35%
その他:1%
 
wikiで見たところ、Yahooの日本法人はソフトバンクグループの連結子会社だそうだ。
年金カットなんぞ、論点すらわからないまま、強行採決されて参院に送られた。
日本人は、韓国の政情の方がよほど日本の政情より、よくわかるという体たらくだ。
スマホに変えてからとにかくYahooの速報がうるさい。
年金カット法の審理が山場を迎える中、Aska逮捕の速報がしつこかった。
Yhoo日本法人は国民を舐めている。
ネットとはいえ、多少は恥を知ってもらいたい。
 
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2016年11月11日 (金)

加速する日米FTA

Trunp

安倍は、17日の訪米でトランプ氏に対して、自由貿易の重要性を説くそうな。

政府 自由貿易重視を トランプ新政権に働きかけへ

NHK 11月11日 4時35分

政府は、アメリカ大統領選挙で勝利したトランプ氏が発足させる新しい政権でも、これまでどおり、自由貿易体制を重視する経済政策が維持されるよう、働きかけを強めるとともに、日本が推進するインフラ投資などに関係する分野での協力強化を図りたい考えです。

アメリカ大統領選挙で勝利したトランプ氏は、来年1月の新政権発足に向けた準備に着手しましたが、選挙期間中、TPP=環太平洋パートナーシップ協定からの離脱に言及するなど、保護主義的な主張を繰り返してきたことから、日本国内では、新政権が打ち出す政策によっては日本経済に影響が出かねないと懸念する声も出ています。

こうした中、外務省の有識者会議は、今回の大統領選挙に合わせて日米の経済協力の在り方に関する提言をまとめました。

提言では、自由な貿易・投資は日米双方の成長と繁栄の源泉だとして、自由貿易体制の重要性を強調したうえで、日本が輸出を推進しているインフラや、AI=人工知能などの先端技術の開発をはじめ、10の分野で協力を強化するよう求めています。

また、TPPについては、来年1月までのオバマ大統領の任期中にアメリカ議会での承認の実現を期待するとして、議会関係者にも働きかけるべきだとしていて、提言は、11日、岸田外務大臣に提出されることになっています。

政府は、新しい政権でも、これまでどおり、自由貿易体制を重視する経済政策が維持されるよう、トランプ氏の政権移行チームのメンバーなどへの働きかけを強めるとともに、トランプ氏が経済成長を高める政策として打ち出しているインフラ投資などに関係する分野での協力強化を図りたい考えです。





これに対応するかのように、今朝の中日新聞の1面には、トランプの外交アドバイザーであるマイケル・フリン米国防情報局元局長が10月中旬に来日して与野党国会幹部ら日本政界関係者との会談を重ねたときの言葉が紹介されている。
「TPPが良いとか、悪いとかではない。トランプ氏は貿易交渉は二国間でやるべきで、多国間協定はだめだと言っている」(長島昭久民進党議員との会談)




トランプは真っ当なことにアメリカ・ファーストである。
多国間協定では、米国の利益が阻害されると考えて、米国の利益が阻害されない二国間ならよいと考えている。



そんなトランプが待ち構える所に、日米並行二国間協議の成果も含むTPPが圧倒的多数で承認されたことを手土産に安倍は訪米する訳だ。

日米FTAこそ、TPPの真の狙いだと言う趣旨のことを2013年のブログに書いた。



米国からTPPを見るために、米国がFTA(自由貿易協定)を結んでいない国のGDPをグラフ化した。

Gdp

トランプ大統領は、自由貿易協定が結ばれていない日本市場がTPP構成国の中で圧倒的な割合を占めることはよくご存じだ。


トランプ大統領は、TPPは米国の雇用破壊を招くから受け入れない。
雇用破壊を招かず、米国に利益になるのであれば、積極的に推進する。
その際、思うような結果が出ていない米韓FTAの二の舞は践むまいと考えている。


誰が大統領になろうと、自国の防衛には米国頼みしかないと考えている日本政府である。
TPPではあり得なかったような、どのような不平等な条件でものむだろう。


TPPに対する大統領授権法であるTPAが日米FTAまで包含するのかは、全く知らないが、早くすれば11月17日にも、我々は「日米FTA大筋合意」の朗報が聞けるかもしれぬ。



トランプ「アメリカ・ファースト.米軍に駐留して欲しければ、もっとカネを出せ.」
安倍「オフコース。イエス。サー」
トランプ「ISD条項で米国企業は日本政府を訴えることができるが,日本企業は米国政府を訴えることはできないことにする.」
安倍「アメリカ・ファースト。イエス。サー」
トランプ「‥‥‥」
安倍「イエス。サー」
トランプ「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
安倍「イエス。サー」

何しろ、我が国は、目標が雲散霧消したことがわかっていても、目標に向かって、まっしぐらに国会承認をするほど狂ったおバカな国であるので、トランプ・ショックで、どのような不平等な条約でも約束できるに違いない。


米国民がヒラリーを拒んだことで、グローバリズムは大きな曲がり角を曲がった。
但し、進んで植民地にしてくれと懇願するような国を植民地化することを、米国民も拒みはしない。


世界にとって幸いであるグローバリズムの終焉の過程を我々は目撃している。
同時に我々自身は、よりいっそう強化された植民地としての隷属に組み込まれていく。


グローバリズムに対しておバカで善意な日本国民は、愛国心のかけらもない総理を押し立てて過酷な支配を受け入れていくという訳だ。


何だかウソのようでばかげた話であるが、ウソではない本当の話である。

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2016年11月 4日 (金)

南スーダンPKO兵員構成について

南スーダンPKOは、ソマリアPKOと並ぶ史上、最悪のPKOになりつつあるように見える。
今回は、自衛隊が派遣されているにも拘わらず、何だかどこまでも遠い話に感じてしまう。
PKOに関しては、国際貢献とか、国際的な責任を果たすとか尤もらしい理屈が、いつも持ち出されるので、南スーダンPKOの兵員数を調べてみた。


日本語のサイトには、兵員数を示すデータがないので、国連の平和維持活動のサイトによった。
同サイトでは、各PKO別の構成国の最新データはなく、2015年12月現在の各国別の各PKOへの派遣数のリストがあったので、これを数えて一覧表にしてみた。

Minamisudan

地域の平和に直結する問題であることから、まず周辺国の軍が派遣される。
途上国は、国連から支給される手当が自国軍の給与よりはるかに高額であるところから、外貨稼ぎのために派遣している。兵士の輸出である。


欧米の国の名前もあるが、十数名以下であり、司令部要員である。
しかも7月の軍事衝突に際して、引き上げた国も相当数あるはずだ。

かくして先進国で兵士を送っているのは、日本と韓国だけということになる。
東アジアでは、中国が1000人を越す人員を派遣しているのが突出している。
いずれにしろ金目当てだろう。
国際的責任などという美名にとらわれる必要は毛頭ない。

宿営地の共同防衛ということになれば、中国軍とか韓国軍と共同することになるのだろう。
国内の両国に対する風当たりからすると、何とも皮肉である。
なお、自衛隊は350名が派遣されている筈だが、国連では273名となっている。
国連から手当が支給される人数なのか、もっぱら宿営地の運営に当たる兵員が除外されているからなのか、そこのところは不明である。



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このインタビュー記事は本当に読み応えがある。
インタビュー記事を読み解くための解説が、また必要になるほど分厚いインタビューになっている。
先々、読み返してみたくなるかも知れないので、保存されることをお勧めしたい。
一流のインタビュアーでなければ、一流の学者の知見は引き出せないのだろう。
「またお会いできてよかったです。いい仕事をなさいますね。TPPに対する勝利をお祝いできますよ」
とのケルシー教授の最後の一言が、際だって優れたインタビューだったことを物語っている。

2016年10月18日 (火)

報道されない輸入米価格偽装(SBS米)  瑞穂の国を売り払う商社

 

2016101201_01_1b_2

へたれマスコミは、なぜだか東京都政に関してはやたら熱心に報道しているが、TPP国会最大の焦点である輸入米価格偽装疑惑については、まともに採り上げようとしない。この件、毎日新聞だけが精力的に採り上げているが、一般紙はほとんど採り上げない。

テレビでは全く採り上げられていないようだ。
僅かにNHKだけが、控えめに地味に「時事公論」で伝えている。
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「輸入米問題 TPP審議への影響は」(時論公論)

合瀬 宏毅 解説委員

TPP環太平洋パートナーシップ協定の国会での承認を巡って、与野党の対立が激しくなっています。政府与党が14日の審議入りを主張する一方で、野党は、問題となっている輸入米など政府からの情報が不十分で、審議に入ることができないとして、審議の先延ばしを主張しているのです。
そこで、TPP審議の新たな火種となっている輸入米の何が問題なのか。そして農林水産省が行った聞き取り調査を巡る対立。そして今後のTPPの行方について、見ていきたいと思います。

今回議論となっているのは、国が例外的に主食用として輸入しているコメです。日本は、コメに高い関税をかけて、外国から安いコメが入ってこないようにする一方、外国の求めに応じ10万トンだけ主食用として輸入を認めてきました。

そして今回のTPP合意で、新たにアメリカとオーストラリアから合わせて7.8万トンを受け入れる事にしています。

問題はその仕組みです。これまで政府は、国が関与することで国内のコメ価格に影響を与えないようにしていると、説明してきました。

例えば、国が輸入業者から1キログラムあたり150円で契約したコメの場合、国は50円の国庫納入金を加え、国内産のコメと同程度の200円で、契約した卸売り業者に販売します。卸売業者は利益を含め200円以上で売らざるを得ませんので、国産米に影響を与えないと言うわけです。

ところが輸入業者は実際は利益を含め、110円で海外から調達し、国に売った差額の40円を卸業者に調整金として支払っており、卸業者は、国と契約した200円より安く売っている可能性が出てきました。

事業者のお金のやりとりは、販売促進などの一般的な商行為で、これ自体が違法ではありません。問題は政府が、安く売られていたかもしれない実態を放置してきたことです。
コメの卸業者が調整金をもらって、国内に安く流通させていたとなると、これまでの政府の説明と矛盾しますし、国内産コメへの影響はゼロとする、TPPに対する政府試算にも影響してくるからです。

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このため農林水産省は問題が発覚した後、直ちに輸入業者やコメの卸業者に聞き取り調査を実施、先週金曜日にその結果を公表しました。
焦点となったのは、輸入米が調整金によって、政府からの売り渡し価格より安く売られていたかどうかでした。

農林水産省は調査の結果、139社のうち、全体の44%にあたる61社が、調整金のやりとりを行ったことがあると答えたとしました。
ただ国内のコメ価格への影響については確認できなかったとしています。輸入米の量が国内で流通するコメ全体の1%と少なく、販売契約の前後も国産のコメ価格に大きな変動がなかったという理由からです。

その上で、今後事業者には調整金のやりとりを行わないように求め、違反した場合には契約の資格を取り消すなどの処分を行うとしています。

これをどう見ればいいのか。
今回の調査は、農林水産省が、事業者に電話などをかけ、とりまとめたものです。
しかし、どういう質問をしたのか、そして相手はどう答えたのか、相手の事業に差し障りがあるとして明らかにしていません。
十分な裏付けがないままに、国内産への影響は確認できなかったとする結論づけはいかにも強引です。

実際に民進党などは「結論ありき」だとして強く反発しています。
輸入米が安く流通しているかどうかが焦点だったのに、実際にどの程度の価格で売られていたのか、農林水産省は業者に聞いていない。また輸入米は業務用として使われるのに、コメ全体との価格を比べ、意図的に影響を小さくみているとして、調査のやり直しを求めています。
そして、こうした点が明らかにならない限り、TPP承認の審議にも入る事ができないとしているのです。

一方で政府は、任意の調査で限界があり、不明な点はTPP対策委員会を開いて問いただすべきだとして、あくまで、14日の審議入りを求める立場です。

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(以下略、時事公論10月12日

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輸入米価格を高く装うために業者間で調整金、販売促進費などをやりとりしてごまかしていたというのだ。


商社は、たとえば105円で輸入した米を145円で輸入したように装って、政府に150円で売却し、政府は実質的な関税を上乗せして200円で卸売業者に販売する。
商社は輸入価格との差額40円をディベートとして、販売業者に渡す。


こんなことをしなくても、商社は、政府に110円で売却し、卸売り業者は160円で政府から仕入れても、経済的には何も変わりはない。
わざわざ、理解しにくい裏工作を行ったのは、もっぱら輸入米の価格を高くみせかけるために行われた操作としか考えようがない。


政府は、卸売り業者への販売価格が国内産米並みであるから主食用米の輸入枠を拡大しても、国内産米の価格に影響はないとしてきた。
しかし、そもそも卸売り業者は実質的に、政府の販売価格より安値(上の例では160円)で仕入れていることになる。
輸入米によって国内産米の価格が下がることはないとする根拠は崩れたのだ。


時事公論では、商社の何%が調整金による価格偽装を行っていたかについては触れていないが、農水省の調査結果では、26商社のうち19社、実に73%が価格偽装したとしている。
調査対象には、破砕米等の輸入例もあると考えられるから、主食用の米ではほとんど全てで価格偽装が行われていたと考えてもよい。


さらにタチが悪いのは、主食用輸入米では輸入米を高く見せる価格偽装が行われていることは遅くとも2014年9月には、農水省は認知していたが、もこれを放置して、輸入米は安くないと主張し続けてきたことだ。

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平成26年9月から10月にかけて福井精米(株)から農林水産省担当者に送付された電子メールについて

(1)平成26年9月当時の状況は以下のとおり。

① 平成25年12月、福井精米(株)(買受業者)、兼松(株)(輸入業者)と農林水産省がSBS契約を締結。

② 平成26年4月、福井精米(株)は兼松(株)が当該SBS契約外で米の品質を保証したと主張し、品質の悪い米の交換等を求めて東京簡易裁判所に調停申立て。

③ 平成26年6月、福井精米(株)に対し、米の産地偽装表示に関して不正競争防止法違反容疑で警察による家宅捜索(報道された)(その後、平成27年4月にJAS法違反による罰金刑が確定)。

④ 平成26年7月、農林水産省担当者(生産局農産部貿易業務課所属)(SBS入札の履行業務の担当)は、上記事情により、締結されたSBS契約の履行に疑義が生じたことから、これら2者に対し、履行意思を確認するなどの業務を行っていた。

(2)平成26年9月から10月にかけ、当該農林水産省担当者が、福井精米(株)関係者から、福井精米(株)と兼松(株)の間のSBS米の品質をめぐる争いが調停から民事訴訟(損害賠償請求訴訟)に移行するという電子メールを受領。当該電子メールには、買受業者と輸入業者の間での金銭のやり取りに関することも含まれていた。

(3)当該農林水産省担当者は、福井精米(株)と兼松(株)とのSBS契約の履行業務の担当として、当該電子メールの内容のうち、福井精米(株)が兼松(株)に対し、米の品質保証に係る債務不履行に基づく損害賠償を求め、民事訴訟を提起する意向を持っていることを課内で共有。

一方、買受業者と輸入業者の間での金銭のやりとりについては、SBS契約の履行という自らの担当業務以外の事項であり、民民間の争いの一方の当事者がその立場を示したという理解の下で、上司への報告をしなかった。

(平成28年10月 農林水産省「輸入米に関する調査結果について」)
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たまたま民事紛争に伴って(毎日新聞の記事によれば、2016年6月に東京地裁で判決がなされたようだ)、兼松の件が表面化したが、主だった商社の大半が主食用輸入米を扱っているとみてもよい。
平成25年の取扱価格の上位10社は、伊藤忠商事、兼松、丸紅、木徳神糧、住友商事、カーギルジャパン、ノーブルジャパン、三菱商事、ヴォークス・トレーディング、豊田通商となっている。
(平成25年行政事業評価・農林水産省・事業番号75・米買入費(輸入米))


TPPでは、こうして輸入販売される主食用輸入米が、これまでの1.8倍に増える。
しかも、主食用米の輸入について、実質上の関税に当たる差額を小さくすることや輸入米を増加させるために入札回数を増やすことまで約束されていると米議会貿易委員会では報告されている。
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米国の国際貿易委員会(ITC)が今年5月に米国議会に提出した報告書は、ミニマムアクセス米に新たに設けられるSBS枠6万トンについて「文書化されていない約束」があると記述しています。その中身は、6万トンの8割に当たる4・8万トンを米国産とすることを「保証」し、マークアップも1キロあたり22円削減すると約束しているというもの。さらなる市場開放を約束しているのです。
(赤旗2016年10月5日 
輸入米価格偽装問題・大本にミニマムアクセス米・衆院予算委で畠山議員)

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商社は汚い小細工までして、瑞穂の国までも、売り払おうとしている。
例によって政府は、調整金は、違法ではないと答弁するが、実質的損害がないとは言え、輸入価格を装って、調整金分まで政府に支払わせた商社に刑法上の詐欺が成立しないという理由が、むしろわからない。

輸入価格偽装問題は、刑事問題に発展しても不思議ではないのに、マスコミは、都政に熱を上げるばかりで、稲田朋美氏が日本文明の墓場と喝破したTPP(稲田さん、あんたは正しい)絡みのことについては、まともに採り上げないのだ。

かくして、商社の欲得と政府によって、瑞穂の国は、売り払われようとしている。
マスコミは、とことんヘタレで、沈黙によって、売国に加勢する。

ちなみに、毎日新聞だけは健闘している。
9月14日付のスクープ記事を末尾に貼り付けておこう。
もう1ヶ月も経つというのに、他のマスコミは追いかけようとしない。
ちなみに、この問題は、SBS(売買同時入札)米問題とも呼ばれる。
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毎日新聞 2016年9月14日
輸入米
高値に見せかけ 「調整金」還流、国は放置
 安すぎる外国産米が輸入されないよう国の管理下で行われている「売買同時入札」(SBS)を巡り、業者間で輸入価格を実際より高く見せかける取引が横行していたことが内部資料などで分かった。農水省は外部からの指摘を放置していた。同省は「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」承認のために「国産米と輸入米の価格は同水準」と農家を説得してきたが、外国産米は国の説明より安く流入しており、TPPによる輸入枠拡大に向けて対応が問われそうだ。

 SBSにはコメを輸入する商社と卸業者がペアを組んで参加、国は輸入米の平均価格を公表している。現在のSBSの輸入枠の上限は年間10万トンだが、TPPが発効すれば最大計7万8400トンの枠を新設することが決まっている。安値の輸入米流入により、国産米に対する価格下落圧力がさらに高まる可能性がある。

 総合商社「兼松」(神戸市)や取引相手の卸業者の内部資料によると、2013年10月のSBSで両者は「兼松が輸入米を1キロ約145円で国に売り、国は1キロ約194円で卸業者に売る」との条件を示し308トン分を落札、国は社名を伏せて同様の情報を公表した。

 一方で兼松は利益分を含め105円前後で輸入米を調達し、国から支払われる代金との差額約40円を「調整金」として卸業者に渡した。卸業者は公表価格より調整金分だけ安い154円前後で輸入米を入手した。兼松は少なくとも11〜14年、こうした取引を繰り返していた。

 卸業者は、農産品を巡るTPPの日米協議が激化していた14年10月、調整金の存在を同省にメールで伝えたが、担当者は「一部商社の独自の商慣行」などとして対応しなかった。その後も同省は「SBS米の価格は国産米と同水準。TPPは国産米の価格に影響しない」との説明を続けた。

 農水省は「調整金の存在は知らない。あったとしても民間の取引に国は関与できない」としている。メールを受け取った担当者は海外に赴任し、連絡が取れないという。複数の商社や卸業者が調整金の存在を認めているが、兼松は「回答は差し控えたい」とした。【大場弘行、山本将克】

 【ことば】コメの売買同時入札(SBS)
 1993年の関税貿易一般協定(GATT)ウルグアイ・ラウンド合意を受け、主に主食用の上質の輸入米を受け入れるために国が95年度から始めた入札。国が商社から輸入米を買い入れ、事実上の関税を上乗せして卸業者に売り渡す。買い入れ価格と売り渡し価格には予定価格が設定されている。輸入されたコメは牛丼や回転ずしのチェーン店などで使われ、インターネットでも販売されている。

 
輸入米価格偽装 「騙されたのか」憤る農業者

 外国産の安いコメが、国産米に近い価格で流入しているように見せかける取引の存在が毎日新聞の取材で明らかになった。国産米を守るはずの制度を骨抜きにする商慣習は、業界内で「げた履き」と呼ばれていたという。業界関係者らは「国は知らないふりをしている」と指摘し、農業関係者からは「だまされていたのか」と憤る声があがっている。【山本将克、大場弘行】

 「初めて知った時は、こうやって農家をだましているのかと思った」。輸入米の売買同時入札(SBS)で、総合商社「兼松」など複数の大手商社とペアを組み、げた履きを繰り返してきた東日本の卸業者は「談合のようなものですかね。本当はよろしくないんだけど」と打ち明け、手口の詳細を語った。


 卸売業者はまず商社側に希望するコメの産地や価格、量を伝える。商社側は条件に適した海外産のコメを輸入し、調整金分を加算した値段で国に買い取ってもらう。国は事実上の関税を上乗せし、卸業者に売却。この時の価格を農家らに向けて公表するが、商社は裏で国から受け取った代金を調整金に充てて卸業者に渡していた。


 安すぎる輸入米が流入しないよう、国は予定価格を設定している。卸業者は「あんまり安い値段は駄目ですよという数字があったので、げたを履かせていた。国は『あんたらが勝手にやっている』という態度だが、知っている」と証言する。

 SBSが始まったのは1995年度だが、当時を知る商社の担当者は「最初は10%にいかないくらいでげたを履かせていたが、どんどん割合が大きくなっていった」と指摘した。また、2000年代に取引に参加していた商社の元幹部は「あからさまに安く輸入すると、国の意に反することになる」が、国産米と同じ値段なら外国米は売れない。「それを解く方程式のようなもの」だという。


 こうした取引は明るみに出ることなく長年続き、SBSで輸入されたコメの大半は、国内で市場が拡大している外食産業などで使われてきた。


 農協組織の関係者は「調整金で外国のコメが不当に安く流入すると国産米は不利な競争を強いられ、国内農家が損害を被ることになる。農家を守るべき農水省が農家をだます行為を放置していたのなら大問題だ」と話した。また、北陸地方のコメ農家の男性(57)は「調整金の存在なんて農家は誰も知らないが、公表価格より安く売買されていたら、それはだましだ。勉強熱心な若手も増えているので、本当の価格を教えてくれた方が農家のためになる」と語った。

 輸入米の品質を巡って兼松が卸業者から賠償を求められた訴訟の判決で、東京地裁は6月、「調整金を差し引いた金額が実質的な輸入米の取引価格」と認定した。農水省は「民間の取引なので調査するつもりはない」としつつ「今は(調整金を)誘発しない入札システムになっている」と説明した。ただ、どのように制度を見直したかは公表していないという。

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2016年9月19日 (月)

想像以上にひどい 辺野古判決

16-09-16-04
琉球朝日放送

名護市辺野古の埋め立てを巡り、国が県を訴えていた裁判で福岡高裁那覇支部は翁長知事が国の指示に従わないのは違法だとする県側敗訴の判決を言い渡しました。

この裁判は、辺野古の埋め立て承認を翁長知事が取り消したことを巡って起こされたものです。

16日の判決で多見谷寿郎裁判長は、仲井眞前知事による埋め立て承認は違法であるとはいえず、翁長知事による承認取り消しの方が違法だと指摘。また、県側の地方自治法の解釈が誤っている事に加え、和解条項に従って定められた期間内に取消訴訟を提起すべきだったとして、県側の全面敗訴を言い渡しました。

裁判長は判決の後、県側が判決に従わなければ、「裁判所の権威を失墜させ、日本の国全体に大きなダメージを与える」と述べ、県に対し、判決に従うよう念を押しました。

翁長知事は「裁判所が政府の追認機関であることが明らかになりとなり大変失望をしております。今後最高裁判所に上告および上告受理の申し立てを行い、憲法で認められた地方自治が、本来の役割を果たすことができるよう力の限りを尽くして訴えてまいりたいと考えております」と話しました。

また菅官房長官は「国の主張が認められたことは歓迎したい。せっかく埋立の許可を得て、工事したのを一時中断をして今、和解に私も取り組んでいますから」と話しました。

街頭インタビューで県民は「最初から決まってるのではないかという感じがする、とてもがっかりした」「勝つのではないかと思っていた」といった声が上がりました。

また辺野古で座り込みを続けている人たちからは、「かすかに期待していた。裁判官の良心に」「司法は沖縄の民意を汲み取ろうとしなかったということ」などといった声が上がっていました。

オール沖縄会議の玉城愛共同代表は「こういう不当な判決がでましたが、辺野古に新基地は絶対に造らせない。これ以上人間の命を奪う行為を日米にさせない」と話しました。

また裁判所に駆け付けた女性は「沖縄の闘いを進める以外にない」と話したほか、男性は「決して落胆はしません。判決には屈しない。最後まで新基地建設反対で頑張って行こうと思っています。」と話しました。

ここからは取材した久田記者による記者解説です。

厳しい判決でしたね。

久田記者「裁判は、わずか2回で審理を終えてしまったため、県側に不利な判決が予想されていました。しかしそれでもきょうの判決に弁護団は、「考えられる中で最も悪いもの」だったと衝撃を隠せない様子でした。」

裁判のポイントをみていきましょう…

久田記者「判決のポイント、仲井眞前知事の承認は「違法ではない」というところです。県側は、仲井眞前知事が埋め立て承認したのと同じように、翁長知事にも取り消す権限があると主張していました。しかし、判決では、辺野古を埋め立てる必要性が極めて高く、環境が悪化するなどの不利益を考慮しても、仲井眞前知事の埋め立て承認は違法ではないと言っています。」

久田記者「さらに、普天間基地の騒音被害や危険性は深刻で、閉鎖する必要があるものの、海兵隊を県外に移転させることはできない。だから、県内に代替施設が必要で、それは辺野古以外にはない、とまで結論づけたんです。」

海兵隊の運用にまで言及しているんですよね

久田記者「そうなんですね。次に、取り消し処分は制限されるというところです。埋め立てには多大な費用と労力を要し、様々な利害関係も積み重なっているとして、埋め立て承認の取消しは制限される。つまり承認が法的に保護される、ということも言っています。」

久田記者「また、国側は、承認が取り消されることによって、日米間の信頼関係が破壊されるといった不利益を主張していましたが、それも追認しました。その上で、普天間基地の移設は基地負担軽減につながるので、「新基地建設に反対する民意に沿わないとしても、基地負担軽減を求める民意に反するとは言えない」とまで言っているんです。」

和解条項に従わなかった、というところもありますが、これはどういう意味?

久田記者「和解条項では、不服であれば、県側から国を訴えるべき、とあったんですが、県側はあえてそれをしませんでした。第三者委員会で「真摯な協議」を求められたからです。県はこの結論に従って、話し合いの姿勢を貫こうとしたのですが、裁判所は、和解した当時に決めた手続きを県が守らなかったことで、違法になったと断じました。」

本当に厳しい判決ですよね。

久田記者「判決を見る限り、民意を無視して行われた承認は「法的に」保護されるべきとし、民意に基づいて取り消された取り消しは「法的に」制限されています。県側からすると、理不尽としかいいようのない判決だったと思います。」

国が県を訴えるという今回の裁判、実は法改正されて初めて起こされた裁判でもあるですよね。

久田記者「はい、今回の「違法確認訴訟」がどういう背景で作られた制度だったのか、まとめてみましたのでこちらをご覧ください。

国が地方を訴える、「違法確認訴訟」。制度が設けられたのは、2012年。今回、沖縄が、全国で初めての例となりました。

龍谷大学法科大学院・本多滝夫教授「地方公共団体が国の関与に対して裁判で争うことができるのと同じように、国も、地方公共団体がやっていることについて裁判で争うことができるようにすると。これが対等な関係じゃないかという考え方があったわけです。」

そんな、禁じ手ともいえる制度が導入されたのには、きっかけがありました。国が導入を進めた、住民基本台帳ネットワーク、いわゆる「住基ネット」への接続を拒否する市町村が全国で続出したことから、地方を国策に従わせる仕組みが強化されたのです。専門家は、この仕組みが初めて利用されたことに危機感を持っています。

「そのまま放置をしておくと住民の生命や財産が侵害されてしまって、何とかしなきゃいけないというような場合に初めて訴訟を用いるべきではないか。不作為の違法確認訴訟が制度化して使えるようになったといっても、代執行と並ぶくらいの、最終手段として位置付けなければ本当はいけないようなもの」

国のいうことを聞かない地方は法廷に引きずり出してでも従わせようという姿勢が色濃く見えた裁判。国と地方が掲げる対等な関係は、風前の灯ではないのか、そんな疑問すら浮かびます。

この地方自治法とは別にもう一つ重要な法改正が最近行われています。

先月30日、県議会、立憲ネット学習会。

名桜大学 大城渡上級准教授「昨年警察法の一部改正が行われまして」「警察の任務の中にですね、これまでなかったんですけども、「特定の内閣の重要政策に関して、内閣の事務を助けること」これが国家公安委員会の任務として追加されることになりました。」

先月開かれた、県議や市町村議を対象にした学習会。辺野古や高江を巡る議論の中で法律の専門家は、ある法改正に警鐘を鳴らしました。

それは、去年、一部改正が成立した「警察法」。改正によって、警察組織を管理する「国家公安委員会」の役割の中に、「内閣・内閣官房を助ける」という文言が新たに付け加えられました。本来、政治的にも中立性の確保が求められる公安委員会の役割に、時の政権を助けるという役割が付け加えられたのです。

大城准教授「警察と内閣、時の政権ですね、政治と警察が癒着してしまう。警察権が政治的に悪用されないかどうか。警戒を要する状況になってきているということです。」

法案は、他の省庁にまたがる様々な法改正と合わせた形で提出され、成立していました。国会での審議でも、ほとんど触れられませんでした。大城准教授は、今後は国民がより注意深く警察活動を見ていく必要があると強調します。

大城准教授「現在の高江での警察活動と言うのは、県民が望んだ警察活動なのか、まったく県民の意思とはかけ離れたものになっています。辺野古の新基地建設は妥当なのか、高江のヘリパッド建設は妥当なのか、市民と沖縄防衛局の対立の間に警察が介入しても、何ら事態の解決、収拾には結びつきません。実際介入しても、事態が緊張するだけになっているかと思います」

久田記者「判決を言い渡したあとに、裁判所はさらに、県側に対し、県側が判決に従わなければ「裁判所の権威を失墜させ、日本の国全体に大きなダメージを与える」と述べ、判決に従うよう念を押しました。裁判長は、翁長知事が判決に従うと明言したことに対し「ありがとうございました」と述べて県側に一礼する異様な場面もありました。県側は、不服として上告することを決めています。」

以上、久田記者でした。

 県は敗れた。県側の主張はことごとく否定された。まるで国側の主張をそっくりそのまま引き写し、県に突きつけたかのような判決だ。

 戦後70年以上も続く過重な基地負担、基地維持を優先した復帰後も変わらぬ国策、地位協定の壁に阻まれ今なお自治権が大きな制約を受けている現実-こうした点が問題の核心部分であるにもかかわらず、判決はそのことに驚くほど冷淡だ。

 冷淡なだけではない。自身の信条に基づいて沖縄の状況を一方的に裁断し、沖縄の民意を勝手に解釈し、一方的に評価する。県敗訴は当初から予想されてはいたが、これほどバランスを欠いた独断的な判決が出るとは驚きだ。

 司法の独立がほんとうに維持されているのかという根源的な疑いさえ抱かせる判決である。とうてい承服できるものではない。

■    ■

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、国が翁長雄志知事を訴えた「不作為の違法確認訴訟」の判決が16日、福岡高裁那覇支部で言い渡された。

 多見谷寿郎裁判長は、前知事が行った埋め立て承認に裁量権の逸脱・乱用による違法性はなく、翁長知事の承認取り消しは違法との判断を示した。

 公有水面埋立法に基づく県知事の埋め立て承認は「法定受託事務」と位置づけられている。判決は、法定受託事務に関する国の是正指示がなされた場合、「地方公共団体はそれに従う法的義務を負い」「それをしない不作為は違法となる」と指摘。埋め立て承認取り消し処分の取り消しを求める石井啓一国土交通相の是正の指示に知事が従わないのは違法、だと断じている。

 代執行訴訟で国と県の和解を勧告したのは多見谷裁判長である。政府は和解に応じた。だが、それは協議を重視したからではなく、高裁から国敗訴の可能性を指摘されたからである。安倍晋三首相がオバマ米大統領に「急がば回れ」と語ったのは、こうした背景があるからだ。

 3月4日に和解が成立すると、土、日を挟んで7日、直ちに翁長知事に対し、是正の指示を行った。政府自ら信頼関係を壊してしまったのだ。

 県は是正指示を不服として国地方係争処理委員会(第三者機関)に審査を申し出た。係争委は適否の判断をせず、「真摯(しんし)に協議することが最善の道」だと異例の結論をまとめた。ところが、判決は、国に話し合いを促すのではなく、早期の司法決着をめざす国の主張を全面的に取り入れたのである。

■    ■

 和解を勧告した当の裁判所が、ここに来て「互譲の精神による解決策の合意は無理」だと見切りをつけるのだから、なにをかいわんやだ。

 一連の過程を振り返ると、国と司法が「あうんの呼吸」でことを進めてきたのではないか、という疑いを禁じ得ない。

 沖縄の地理的優位性や海兵隊の一体的運用などについても、判決は、ことごとく国側の考えを採用している。

 判決は、普天間飛行場の被害を除去するためには辺野古に新施設を建設するしかない。辺野古の新施設建設を止めれば普天間の被害を継続するしかない-とまで言ってのける。

 これはもはや裁判の判決と言うよりも一方的な決めつけによる恫喝(どうかつ)というしかない。そのようなもの言いを前知事が「政治の堕落」だと批判していたことを裁判官は知っているのだろうか。

■    ■

 これほど、得るところのない判決は、めずらしい。裁判官の知的誠実さも伝わってこない。

 北朝鮮の「ノドンの射程外となるのは我が国では沖縄などごく一部」だと指摘し、沖縄の地理的優位性を強調している判決文を読むと、ただただあきれるばかりである。

 県は最高裁に上告する考えを明らかにしている。高裁判決を丁寧に冷静に分析し、判決の問題点を明らかにしてほしい。

 モンスターと対峙(たいじ)しているために自分がモンスターにならないよう、常に「まっとうさ」を堅持し、あらゆる媒体を利用して現状の理不尽さをアピールしてもらいたい。

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沖縄タイムス

[大弦小弦]「早く片付けてほしい」と鶴保庸介沖縄担当相は…

 「早く片付けてほしい」と鶴保庸介沖縄担当相は漏らした。国の意向に従って急いだのか。福岡高裁那覇支部が言い渡した辺野古違法確認訴訟の判決は粗雑な論理に満ちている

▼全知事が基地建設に反対したら「国の判断が覆されてしまう」から「尊重すべきだ」というのがその一つ。誰も受け入れないなら基地が本当に必要か、やり方は正しいか、国が点検すべきだろう。自治体とは対等なのだから判断撤回も仕方ない

▼実際、本土の自治体が反対した時、国は進んで判断を撤回してきた。在沖米海兵隊1500人の岩国基地移転やオスプレイの佐賀空港移転はすぐ立ち消えになった

▼本土の自治体は一度反対すればやり過ごせる。沖縄は何度反対しても聞いてもらえない。そんな中「本土が反対したらどうするんだ」と沖縄だけに受け入れを迫るのは差別の上塗りと言うほかない

▼多見谷寿郎裁判長は県が判決に従わなければ「裁判所の信頼権威を失墜させ、国全体に大きなダメージを与える」と言い、知事が従うと明言したことに「ほっとした。ありがとうございました」と言った

▼裁判所の体面は守った。本土の暮らしも守った。沖縄の暮らしは米軍に差し出した。よく言われる日米安保の壁、司法の限界どころではない。司法が積極的に差別を固定化する、空前の判決になった。(阿部岳)

2016年7月28日 (木)

相模原殺傷事件 ヘイトクライムに無策な政府は我々を危うくする

衝撃的な事件が起きた。
障害者の安楽死という容疑者の主張は、ナチスと同じだ。
ユダヤ人虐殺に用いられたガス殺は、もともと障害者に対する安楽死の方法として考案され実行されたものだ。
(Wikipedia T4作戦 優生学思想に基づいて1939年10月からナチスによって行われた障害者安楽死政策)

こうした事案に政府がどう対応し、マスコミ世論がどのように形成されるかが、今後の歴史を幾分かは左右するに違いない。
現状では、我々はとんでもない世界に連れて行かれかねない危惧を覚える。

http://livedoor.blogimg.jp/mamasoku/imgs/6/1/616b0606.jpg

この間、フランス、ドイツと相次いで起きた大量殺人に対する政府の対応の差をメモしておきたい。


フランスでのトラック突入殺傷事件は、当初、政治的な主義・主張の存否が不明で、テロの疑いは出ていたもののテロとする根拠が示されるまで複数日を要した。
オバマ政権は即日テロ認定して非難声明を発したが、おそらくフランス政府より迅速であった。
日本政府も即日、テロと認定し、最大限の非難を表明している。

【外務省ホームページ】

フランス・ニースにおけるテロ事件を受けた安倍内閣総理大臣及び岸田外務大臣の弔意メッセージの発出
平成28年7月15日
1 フランス・ニースでフランス革命記念日の花火見物のため集まっていた観客にトラックが突入し,多数の死傷者が出ているテロ事件の発生を受け,本15日,安倍晋三内閣総理大臣からフランソワ・オランド大統領(H.E. Mr.Francois Hollande, President of France)にあてて以下のメッセージを発出しました。

「今般,ニースでフランス革命記念祝日の花火見物のため集まっていた観客にトラックが突入し,多数の死傷者が出たとの報に接し,大きな衝撃を受けています。このテロ行為を,最も強い言葉で,断固非難します。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りします。そして,負傷された方々とご家族の方々に心からお見舞い申し上げます。ここに日本国政府及び日本国民を代表し,普遍的価値を共有するフランス政府及びフランス国民の皆様に強い連帯の意を表明します。この困難な時に,日本はフランスと共にあります。我が国としては,テロ対策を含む国際社会の諸課題に対し,引き続きフランスと緊密に連携していく考えです。」

2 また,本15日,岸田文雄外務大臣からジャン=マルク・エロー仏外務・国際開発大臣(H.E. Mr.Jean-Marc Ayrault, Minister of Foreign Affairs and International Development, the French Republic)に対しても同様のメッセージを発出しました。


ミュンヘンの銃乱射事件でも、日本政府は即日、声明を発表しているが、ここではテロとの言葉は使わず、犯罪に対する非難もない。
(安倍晋三様の決断を求めていた容疑者が、これをどのようなサインと見たか、それこそ「真相解明」に全力を挙げてもらいたい)

【外務省ホームページ】

ドイツ・ミュンヘンにおける銃撃事件を受けた
安倍内閣総理大臣及び岸田外務大臣の弔意メッセージの発出
平成28年7月23日
1 ドイツ・ミュンヘン市内にて現地時間22日に発生した銃撃事件を受け,本23日,安倍晋三内閣総理大臣からアンゲラ・メルケル・ドイツ連邦共和国首相(H.E. Dr. Angela Merkel,Federal Chancellor of the Federal Republic of Germany)にあてて以下のメッセージを発出しました。

「ミュンヘンのショッピングセンターで発生した銃撃事件により,多数の死傷者が出たとの報に接し,日本国政府及び日本国民を代表し,お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに,負傷された方々とご家族の皆様に心からお見舞い申し上げます。
 この困難な時に,日本はドイツと共にあります。ドイツ政府及びドイツ国民の皆様に強い連帯の意を表明します。」

2 また,本23日,岸田文雄外務大臣からフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー・ドイツ連邦共和国外務大臣(H.E. Dr. Frank-Walter Steinmeier, Federal Minister for Foreign Affairs, Germany)に対しても同様にメッセージを発出しました。



その後の情報から人種差別的な犯罪である可能性が指摘されるようになっても、ミュンヘンの銃乱射事件は犯罪に止まっていてテロとは呼ばれない。
政治的な主義・主張を有する暴力をテロと呼ぶのであれば、テロの筈である。
おそらくこの種の犯罪に対して現在用いるのに最も適切な用語だと思われる、ヘイト・クライムとの言葉もマスコミは使っていない。

【産経】

2016.7.28 08:53
18歳の容疑者はヒトラーを崇拝か 自身の誕生日「4月20日」が同じ 極右思想から凶行
 【ベルリン=宮下日出男】ドイツ南部ミュンヘンの銃乱射事件で、犯行後に自殺したアリ・ダビド・ソンボリ容疑者(18)がヒトラーを崇拝していた疑いがあることが明らかになった。独紙フランクフルター・アルゲマイネ(電子版)が27日報じた。捜査当局は極右思想への傾斜が動機の一因の可能性があるとみて調べている。

 同紙によると、容疑者は自身の誕生日がヒトラーと同じ4月20日にあたることを「栄誉だ」と周囲に語っていた。ヒトラーがアーリア人の優越性を主張した思想を踏まえ、自分がドイツと、アーリア人の起源とされるイランの二重国籍を持つことにも誇りを示していたという。

 

同時に、トルコ人やアラブ人には優越感とともに憎悪を感じるなど、容疑者には人種差別的な傾向があったとした。事件の犠牲者9人のうち7人がトルコなど移民系の出自を持つため、容疑者は移民を狙ったとの見方もある。


相模原障害者施設の殺傷事件は、政治的な主義・主張に基づく犯罪であり、紛れもなくテロに該当するが、事件発生後2日を経ても政府の公式な表明はない。
フランストラック突入事件で示された断固たる意思との落差の激しさはすさまじい。

【時事通信】

被害者の冥福祈る=障害者施設襲撃で安倍首相
2016年07月26日 12時19分    時事通信
 安倍晋三首相は26日午前の自民党役員会で、相模原市の障害者施設で入所者が殺傷された事件について、「多数の方がお亡くなりになり、重軽傷を負われた。心からご冥福、お見舞い申し上げる。これから真相解明、究明をしていかなければならない。政府としても(対応に)全力を挙げていきたい」と述べた。
 菅義偉官房長官も記者会見で「二度とこのようなことが起こらないように、厚生労働省を中心に関係省庁が協力して、再発防止策を早急に検討して対応していきたい」と語った。 


容疑者の手紙は、障害者の大量殺害が安倍首相の意に適うと、容疑者が考えていた事を示している。

【容疑者の衆院議長宛手紙】

衆議院議長大島理森様
 この手紙を手にとって頂き本当にありがとうございます。
 私は障害者総勢470名を抹殺することができます。
 常軌を逸する発言であることは重々理解しております。しかし、保護者の疲れきった表情、施設で働いている職員の生気の欠けた瞳、日本国と世界の為(ため)と思い、居ても立っても居られずに本日行動に移した次第であります。
 理由は世界経済の活性化、本格的な第三次世界大戦を未然に防ぐことができるかもしれないと考えたからです。
 私の目標は重複障害者の方が家庭内での生活、及び社会的活動が極めて困難な場合、保護者の同意を得て安楽死できる世界です。
 重複障害者に対する命のあり方は未(いま)だに答えが見つかっていない所だと考えました。障害者は不幸を作ることしかできません。
 今こそ革命を行い、全人類の為に必要不可欠である辛い決断をする時だと考えます。日本国が大きな第一歩を踏み出すのです。
 世界を担う大島理森様のお力で世界をより良い方向に進めて頂けないでしょうか。是非、安倍晋三様のお耳に伝えて頂ければと思います。
 私が人類の為にできることを真剣に考えた答えでございます。
 衆議院議長大島理森様、どうか愛する日本国、全人類の為にお力添え頂けないでしょうか。何卒よろしくお願い致します。

        文責 植松 聖

作戦内容
 職員の少ない夜勤に決行致します。
 重複障害者が多く在籍している2つの園を標的とします。
 見守り職員は結束バンドで見動き、外部との連絡をとれなくします。
 職員は絶体に傷つけず、速やかに作戦を実行します。
 2つの園260名を抹殺した後は自首します。
 作戦を実行するに私からはいくつかのご要望がございます。
 逮捕後の監禁は最長で2年までとし、その後は自由な人生を送らせて下さい。心神喪失による無罪。
 新しい名前(伊黒崇)本籍、運転免許証等の生活に必要な書類。
 美容整形による一般社会への擬態。
 金銭的支援5億円。
 これらを確約して頂ければと考えております。
 ご決断頂ければ、いつでも作戦を実行致します。
 日本国と世界平和の為に、何卒(なにとぞ)よろしくお願い致します。
 想像を絶する激務の中大変恐縮ではございますが、安倍晋三様にご相談頂けることを切に願っております。

                           植松聖

政府が、テロに対するのと同じ強い姿勢で対決しないのは、ヘイトクライムを助長する結果をもたらしかねない。
個々の事件の罪責を超えて、手紙に示されたような考え方とは断固対決するという明確なメッセージを政府が発しないということ自体が、日本の行方をいっそう危うくしている。
都知事選に立候補している各位からもヘイトクライムに対する言質を取っておく必要があるだろう。

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こうして安楽死政策は立法化も正式な発表も行われないまま、病院や安楽死施設で実行され始めた。立法を司る法務省もこの事態を認識しておらず、1940年7月9日に匿名の政府高官からの投書があって初めて知ることとなった[# 6]。ブランデンブルクの区裁判所の後見裁判所裁判官ロタール・クライシヒ(ドイツ語版)も法律に基づかない殺害が行われていることを把握し、法務省に事態の調査を求めていた[12]。法務大臣フランツ・ギュルトナーは調査を命じたが、やがて殺害がヒトラーの意志であることを知ることになった[12]。ギュルトナーは総統官房長ハンス・ハインリヒ・ラマースと会談し、安楽死作戦を中止するか、法制化を行うかという要求を行った[12]。ラマースはヒトラーの意志が法制化に否定的であることを伝えたため、結局法務省は何の措置もとることができなかった[13]。クライシヒはあきらめずに調査を行い、安楽死施設に殺害の中止を命令した。クライシヒは法制化を目指す民族法廷の裁判長ローラント・フライスラーの支持を受けたことで勇気づけられ、ボウラーを殺人容疑で検察当局に告発した[13]。しかしギュルトナーはヒトラーの意志を優先させるべきであると考え、クライシヒの行動はすべて無効とされ、彼は裁判官を罷免された[13]。結局最後まで安楽死制度は法制化されなかった

Wikipedia T4作戦

2016年6月28日 (火)

イギリスのEU離脱国民投票  あらわになったグローバリズムの曲がり角 

Doitsu


 EU離脱派が勝利したイギリスの国民投票に対する非難がかまびすしい。
 今度ばかりは日本のメディアだけでなく、おそらく世界中のマスコミが、イギリス国民の決定は、感情的で愚かだと批判を集中しているに違いない。温度差はあっても、イギリスの国民投票の結果を歓迎するマスコミは世界中で皆無だろう。


 ユーロ導入という実験の中で極端な貧窮状態に追いこまれたギリシャ国民の昨年7月の国民投票が一蹴されたくらいだから、金満国家であるイギリスの決定が厳しい批判に晒されるのは当然といえば当然だ。



 EUの欠かせないパートナーで、離脱は経済規模の大きな縮小を招くというのに、離脱というイギリスの決定に対するEU側の対応はあまりにも迅速で冷淡なものだった。10月まで待って離脱通告をするというイギリスの表明に対して、直ちに離脱の手続を取ることを求めた。離婚を言い出したパートナーに対して即「出て行け」という配偶者のようである。どうも本音には見えない。狡猾なEU官僚が描いた恫喝のシナリオに見える。


 世界中から非難を浴びせられ、確たる覚悟と見通しもなくなされてしまった今回の国民投票は、ギリシャに続き、失敗に終わる可能性が高いよう見える。


 ギリシャに続き、イギリス離脱問題で見せつけられている現実は、要するにグローバルな世界では、一国の民主主義は否定されるということだ。
 グローバリズム(超国家主義)と民主主義は両立しない。

 

 EUが掲げる民主主義という価値は見せかけに過ぎないのだ。肥大化し深化するグローバルな世界では、民主主義はせいぜいが各国国民に見せられる幻影に過ぎないということだ。

 


 問題はEU側にある。
 求められるのはEU側の反省とより緩やかな提携を目指す改革に見える。
 そうした声は、EU危機にあっては押し流されていく。
 いたずらに統合の深化を求め、各国の国民のEUへの不満を、強硬で傲慢な態度で押しつぶしていくだけでは、EUへの怨嗟と排外主義はますます鬱屈したエネルギーを高めていく。

 

 危機と破局の深刻さは桁違いなものになる可能性を引き寄せている。


 わが国では、EUは平和のための組織だという刷り込みが仕切りになされている。マスコミを信じることにかけては、世界でも屈指の国民は騙されていく。
 二度の世界大戦の破局をもたらしドイツをヨーロッパと和解させ、とくに独仏の協調の中でヨーロッパに戦争をもたらさないという平和への契機が働いていたことは否定しない。しかし、それは一つの語り口に過ぎない。
 そんな理想だけで国際社会が動くというのが、あまりにもナイーブに過ぎることくらいヨーロッパの歴史を全く知らない僕にも容易に理解できる。


 マスコミが振りまくEU幻想は、東西冷戦という世界を破滅の際に押しやった歴史的背景を全く欠落させている。
 EU(前身)はNATOを車の両輪として、その大半の時期が敵国であるソ連に対抗するための米国を盟主とする資本主義のための組織であったことを、ここまで無視するのは、記憶喪失であるか、悪質なプロパガンダと呼ぶのがふさわしい。


 ソ連、社会主義という重しが取り除かれた後、EU(EC)は変質していく。
 米国とは見かけと理念のありようが異なっているとはいえ、とめどない金融資本主義の暴走と版図の拡大という本質において、米国資本主義の暴走とEUの拡大深化に異なることはない。
 確かにイラク戦争までは、EUには冷戦の圧倒的な勝者となった米国の暴走を押しとどめることが強く期待されていた。しかし、現在から振り返れば、EUの栄光もここで尽きていた。


 東欧諸国をEUに編入する過程は、EUの標榜する平和と民主主義という理念にとって、必然的なものではなかった。
 ユーロの導入も必然性はなかった。
国家の財政政策も為替変動も機能しないユーロの導入と政治的な単一化(統合深化)は、国際金融資本がヨーロッパを支配するにはもってこいの効率のよい仕組みだ(ギリシャのユーロ加入時に粉飾決算を指導したゴールドマン・サックスの社長出身者が、次のステージでは、欧州中央銀行の総裁としてギリシャ債務の取立役に収まる姿は、国家を翻弄して搾取する金融資本の姿を象徴している)。


 EUが東欧諸国を編入するについては、その当時、すでに移民労働者が不安定をもたらすとする強力な反対意見が存在した。「民主主義と法の支配」を拡大深化するという美名が、移民労働力の利用という資本の動機を押し隠す道具とされ、EUは膨張していった(いまだ豊かな国であるイギリスへの毎年18万人に上るEU域内移民がもたらしている社会的・国家的な混乱は、離脱派の立場から現地の状況を報告する、めいろまのツゲッターが出色に見える。グローバリズムの世界では、医療や教育、住宅をめぐるごく身近の問題も政治は解決できないのだ)。
 ロシアとの深刻な危機と対立をもたらしたウクライナ問題も仕掛けたのはEUである。ウクライナ問題の本質は、経済と軍事の両面におけるEUの膨張の帰結だろう。


 イギリス国民のEU離脱の選択は、世界中の糾弾を浴びて、やはり失敗に終わる可能性が高いようにみえる。
 しかし、米国大統領選挙に現れた想定外の展開も含め、グローバリズムが大きな曲がり角に立っていることは、もはや隠しようもない。
 残念でたまらないのは、世界でまれなほどにマスコミに信頼を寄せる日本国民が、グローバリズムに対する警戒心を露ほども持っていないように見えることだ。



文春新書<br> 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる―日本人への警告




 かつて世界中の誰一人として想像しなかったソ連の崩壊を1970年代にいち早く予想したエマニュエル・トッドは、EUの崩壊を断言している。ソ連崩壊に比べれば、凡人にも、はるかに理解しやすい予想だ。
 仮想敵としてソ連を想定した連合体は、仮想敵が崩壊すれば、やがては崩壊するということでもある。


今後20年のEUは分散・分解の歴史となる


久保田智子
今後ヨーロッパはどんなふうになっていくか分かんないですか?

エマニュエル・トッド
ここで私は再び真の預言者になります。
この予言は確信できます。
ヨーロッパの今後20年間は、EUの分散・分解の歴史になるでしょう。
“政治備忘録”のサイトがニュース23の2月1日付のトッドのインタビューを書き起こしてくれたもの・2016年2月12日付「仏学者エマニュエル・トッドの予言『世界と日本はどうなる?』」


 冒頭に掲げた図は、「『ドイツ帝国』が世界を破滅させる」(文春新書)の口絵である。トッドは、EU諸国を被支配国、隷従国等に分類し、EUが経済戦争の結果、ドイツ帝国の版図と化していると警告する。但し、ここでトッドは、イギリスを例外として離脱途上に分類する慧眼を示している(同書は2011年からのインタビューをまとめたものであり、直近における分析ではないだけにトッドの予想はやはり確実性が高い)。
 トッドは、ドイツが、南欧等に対する支配、東欧からの安価な労働力の活用、そして統一通貨ユーロの恩恵を利用して一人勝ちした結果、脅威になっていると警告する。ウクライナ問題ですら、主要なプレイヤーはドイツであって、米国はドイツに追随することで超大国の体面を保とうとしたに過ぎないとするのがトッドの見立てである。
 トッドはフランスの政治エリートが、ドイツの機嫌を窺う存在に堕してしまった状況を痛烈に告発する。フランス政府の主要閣僚、しかも社会党の閣僚がタックスヘイブンを利用する金融エリートによって占められているという構造は、EUにおける金融資本の支配の根深さを示してあまりある。

(そのフランス社会党は、今、雇用促進のためと称して、労働者の解雇を容易にし、残業手当の支払いも制限する労働法改正に血道を上げている

 ここで、トッドが力説する解決策は、保護主義である。
 さらにより抜本的に、富裕層が好んで行った国家に対する貸付であるところの国債(トッドは国債に対するマルクスの見解を引用している)のデフォルト、そしてユーロの清算である。巨大な政治単位、そして各国の財政政策も無効にし、域内では為替変動もない統一通貨ユーロは金融資本が支配する極めて効率的な道具である。ユーロにがんじがらめにされた、金融資本による支配を是正するにはそれくらいの荒療治が必要だというのがトッドの主張だ。


 それにしても、米国覇権の衰退もいち早く予言したトッドが、ドイツ隷従を選ぶか、米国隷従を選ぶかと問われれば、躊躇なく米国を選ぶとしているのは、米国の属国民にとっては、ショッキングである。


 かくして、日本国民は、グローバリズムが明らかな曲がり角に立っているにもかかわらず、グローバリズムに対する何の警戒も持たぬまま、米国から公然と再交渉の声があがる終わりなきTPPというかけ声のもと、グローバル資本の巣窟である米国いいなりのグローバリズムの奴隷層に組み込まれていく。
 次期大統領は軍産複合体、ウォール街ご用立てのクリントンだというのだから、日本国民にとっては最悪である。


 トッドは、前記インタビュー集で、ロシアがソ連崩壊直後から続いた危機的状況を脱して回復の過程にある明確な人口学的証拠を挙げる。そして、国家としての意思が明確なロシアを国際社会の注目すべきプレイヤーとしてあげる。

そして、ドイツとフランスを協調させるEUという試みをしたくらいなのだから、米国とロシアをパートナーにすることも試みられてよいとも言っている。クリントンでは絶望的だ。トランプはまさにロシアとの協調を主張しているが、トッドがレイシストであるトランプを支持するとは到底、考えられない。
 巨大な歴史の転換点の様相は、まさに混沌としている。


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追記
 移民差別を厳しく糾弾するトッドは、急速な少子高齢化が進行する日本に対しては、移民政策の転換を勧めている。
 技能実習生や日系人という在留資格で外国人労働力の過酷な使い捨てに走っている日本の現状を踏まえれば、私たちも考えなければならない問題を含むのかもしれないと、いささかの動揺をしている。

2016年6月12日 (日)

ゴールドマン・サックスとずぶずぶのクリントン 米国版『政治とカネ』の壮大さ


日本のマスコミは、ヒラリークリントンのスキャンダルとしてメールアドレス問題しか伝えないが、クリントンのスキャンダルのタネは尽きないらしい。
とくに、ウォール街との癒着について日本のマスコミは抽象的に触れるに止めて、その具体的な情報は全く伝えないことにしている(自主検閲コードらしい)。
そんなことなので、英語の出来ない2級国民である僕なぞは、雑誌「世界」7月号、赤木昭夫「パナマ文書事件」で初めて、ヒラリー・クリントンの醜悪ぶりを知って驚くはめになる。

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一方、トランプとクリントン夫妻のペーパーカンパニーがデラウエア州の同じ建物の中にあることを指摘し、ヒラリーはトランプよりも悪質だと論じているのが英紙ガーディアンである。トランプはそれでも一枚舌だが、クリントン夫妻となると二枚舌で、さらに悪質といえる。ゴールドマン・サックス(「GS」)とクリントン一家の癒着はかなり昔から指摘されている。1992年大統領選で夫のビル・クリントンを持ち上げたゴールドマンサックス共同会長のロバート・ルービンは、クリントン政権で財務長官を務めた。そしていま、ヒラリーの選挙事務所は,ニューヨークのGS(ゴールドマン・サックス)ビルの中にあり、事務所長はGSの元幹部で先物取引委員会の委員長だった人物だ。

中略


ヒラリー陣営は、GSからの選挙運動への多額の寄付とは別に、講演料としてビル・クリントンが65万ドル、ヒラリーは67.5万ドルを受領し、私腹を肥やしている。
ヒラリーが、GSでの講演内容の公開を拒否しているのはGSの反社会的行動を批判せず、逆に賞賛したからではないかと疑われている。
GSは、説明不足のサブプライムローンを市中銀行などへ販売したとして、総額30億ドルの罰金ないし和解金を過去に支払い、今年1月には証券取引委員会(SEC)との間で総額50億ドルの罰金で最終和解している。すでに計80億ドルの巨額を払ったことになる。罪状は、2006年-07年段階でサブプライムローンの焦げつきを予測しながら、なお不良債権を売り続け、他方でそれらデリバティブを空売りして巨額の利潤を獲得したというものである。そういう会社に赴き、講演と称して高額な黙認料をとるヒラリーがはたして大統領候補に相応しいのか。こういう批判が出るのも当然だろう。4月12日付「ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス」にサイモン・ヘッドによる長文の記事“Clinton and Goldman : Why It matters”が掲載され、大きな反響を呼んだ。

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引用暴騰のデラウエア州は、米国内のタックスヘイブンとして名高い州。

このほかにも、ヒラリーの娘夫婦はゴールドマン・サックスと切っても切れない関係にある。娘婿がゴールドマンサックスから独立してヘッジファンドを設立するに当たってゴールドマン・サックスのCEOが出資して支援しており、このヘッジファンドがギリシャ経済の回復に賭けたファンドで90%の損失を出し、閉鎖されること等が英語情報では伝えられている。
ヒラリーとゴールドマン・サックスの関係は、ずぶずぶである。
同じ「政治とカネ」でも米国は桁違いなのである。


ヒラリーの娘婿が設立したヘッジファンドはゴールドマン・サックスの出資を謳い文句にしていたようである。
ゴールドマン・サックスは、ヘッジファンドを介して表ではギリシャ買いを煽りながら、裏では空売りで荒稼ぎするという、マッチポンプの常套手段を用いていた可能性も指摘されている。


ちなみに、この「世界」論文は、タックスヘイブン問題の重点が「地域」の問題から、巨大な投資銀行が構築し、運用するシステムへと移行していることを強調している。
タックスヘイブンが地域の問題として提起されている限り、ゴールドマン・サックスなど世界を牛耳る投資銀行の悪行が正面化される可能性はほとんどない。
そう見ると、なぜパナマ文書の大規模リークが可能だったのか、その理由の一端が何となくわかる気がする。


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大規模な節税が可能になるのは、誰しも、租税回避地であるタックス・ヘイブンを利用するからだと考えがちである。それは、全くの間違いとは言えないが、かなり時代遅れの考え方だといえる。なぜなら、タックス・ヘイブンの役割が変化しているからである。実際の資金の隠匿・運用は世界を結ぶコンピュータ・ネットワークの中で行われる。(略)タックス・ヘイブンは、その役割が資産そのものよりも情報を隠すことに変わっており、さらに、後述するデリバティブという金融商品でリスク・ヘッジするだけで節税効果があるため、タックス・ヘイブンが消滅しても、コンピュータ・ネットワーク上で資産を操作できる限り、脱税・節税はなくならない。敵はタックス・ヘイブンではなく、世界をつなぐコンピュータ・ネットワークとそれを動かす国際錬金術師集団なのである。

…中略

デリバティブを扱い、世界の金融を牛耳るのは、シティ、JPモルガン、GSといったアメリカの投資銀行である。投資銀行は、顧問料次第、手数料次第で、どんな悪知恵でも働かせて顧客の希望に応える。つまり、巨悪は投資銀行である。ヘッジファンドはその手先に過ぎない。

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クリントンが民主党候補として確定した以上、TPP圧力は、より熾烈になることは避けられない。
大方の予測と異なり、TPPが米国議会で可決される可能性は高いのだろう。
大統領選挙後、新大統領就任前に米国議会がTPPを承認する可能性が最も高いのではないだろうか。
ヒラリー・クリントンが大統領になれば、属国にとって史上最悪の大統領になることは確実である(トランプであっても、属国史上、最悪ではあるが、少なくともTPPは免れるだろう)。
新大統領の4年間で日本がどうなるのか、一面の焼け野原が目に浮かぶようだ。


それにしても、世界7月号の論文の筆者である赤木昭夫氏は、1932年生、しかも専門は科学史のようである。
金融・財務の専門家で、庶民の立場から本質を論じる若手研究者やジャーナリストがいないということなのだろう。
ISDを批判する法律専門家が現れないのとよく似ている。
わずかばかりの可視化と引き替えに盗聴の事実上の無制限自由化と司法取引を認めた日弁連ともよく似た状況だ。
どこの分野も日本では全てが、原子力ムラ化している。

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2016年5月19日 (木)

米兵の健康を国民の生命・健康より優先する小泉とマスゴミ

 

 
小泉は、福島県の甲状腺がんの多発に涙を流したか。
朝日新聞は、福島県の甲状腺がんを原発事故の結果として報じているか。
美味しんぼの鼻血バッシングのとき、小泉は作者の雁屋哲氏を擁護したか。
朝日は、雁屋氏を擁護したか。
米兵のためには涙を流し、涙を報じるマスゴミは、日本国民のために涙を流し、向き合うことを求めたか。
(ざくっと検索したところ、朝日に限らず、ほぼ全紙が横並びで報道しているようだ。
福島県民の健康被害の可能性を肯定的に伝えたのが知る限り、かつての報道ステーションしかなかったことと比べると米兵の健康被害については、日本のマスコミは全社がことのほか敏感なようである。馬鹿かと思う。

 
この訴訟の請求内容については、「税金と保険の情報サイト」に“賠償50兆円?『トモダチ作戦』米兵8人が東電に賠償請求”としてかなり正確な記事が載っていた。
 

健康被害に対する賠償が一人当たり1000万ドル、懲罰的慰謝料が全体で3000万ドル、原告らの将来的な医療費をカバーするための1億ドルの基金の設立を求めている。 原告9名で、合計2億2000万ドルが請求額ということのようである。
 

この記事は、この種の訴訟がトモダチ作戦に参加した米兵2万400人に波及する可能性を指摘し、この訴訟リスクを最大50兆円と見積もっている。

アメリカには、ビジネスチャンスとあれば、見境いなく飛びつくハイエナ弁護士が跋扈しているし、賠償額、賠償方法はアメリカでは陪審員が決めると思われるから、このリスクは杞憂には止まらないだろう。
 
 

東電に投入される日本国民の血税は、ハイエナ弁護士たちに巻き上げられていく。 彼らがハイエナでなければ、被爆リスクを承知の上で、作戦を展開したアメリカ政府こそ被告に加えられてしかるべきだろう。
 
米国には現在、131万人の弁護士が蠢いている。
日本の弁護士は3万6000人あまり。
人口比でざっくり13倍くらいの弁護士が米国にはいる。
弁護士のハイエナ化は進行し、ハイエナ化した弁護士を支え、夢を与えるシステムも構築されている。
この種の集団訴訟かつ民事陪審もその一つである。


米国では、おおむね3分の1が弁護士の成功報酬とされているようであるから、50兆円といわずとも、仮に6兆円としても弁護士報酬は2兆円(消費税1%分)に達する。
弁護士の目の色も変わろうというものである。
こうして東電に注入された国民の血税は、米国の弁護士の懐を潤す仕組みになっている。


トランスカナダ社が米国政府を訴えたXLパイプラインISDの提訴額は150億ドルであるから、仮にこれが認められ、米国政府に賠償が命じられれば、カナダの弁護士は50億ドルの報酬を手に入れることができる。
これは日本の全弁護士の年間売り上げに近い金額である。
(日本の弁護士の市場は、欧米よりはるかに抑制的である。マチベンは、たぶん、それは、社会的には悪いことではないと思う)
税金が国境を越えて行き来し、グローバルな弁護士の懐を潤す仕組みがISDというわけだ。

 
タックスヘイブンは、グローバルな企業の税逃れのシステムだが、ISDはグローバル企業とこれに結託した弁護士に対して国境を越えた税の再配分を実施する仕組みである。
 
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ちなみに当ブログ2012年12月29日付も参照
財界へのアドバイス -- 東電に対する被曝米兵の損害賠償訴訟をめぐって
なお、一部報道では、一人当たり1億円の賠償を求めているとあるが、桁を間違えていると思われる。一人当たり1000万ドルであるから10億円である。そして、これは被爆自体を被害とする健康被害の有無を問わない請求額である。
国政選挙間近のこの時期に、国内被害者に手をさしのべることなく、訪米して米兵訴訟の支援を表明するパフォーマンスを演じる、小泉の行動はいかにも怪しい。

熊本大地震の今

 ブログやまとゆう
Kumamotoline
 
 

今の熊本のリアル

2016-05-15 16:29:47

テーマ:
今、もう全国ニュースではほとんど熊本は流れていないみたいですね。

全国ニュース、熊本でも見れますから、僕にもどれくらいの扱いをされているかはわかっています。

地方ニュースでは、やはりこちらは地震のニュースばかりです。


どれくらいの人が現状を知っているのか僕にはわかりません。

また、僕は直接被害があった地域でもないので、被災された方々の気持ちが全部わかるかと言ったらそれも無理です。

熊本県民でありながら被災した気持ちはわかりませんが、しかし、熊本県民だからわかる情報や感情を書きます。



今日、5/15(日)をもって、避難所がかなり縮小されます。

これは、学校が避難所になっていたり、また、避難物資を配りやすくするための縮小です。

あと、登山家の野口さんや高知県が、車中泊者のために沢山テントを設置して、テント村を作ってくれました。

そのテント村も、安全性の理由だか、公共の場所だからとか、わけわからん理由で撤去されるようです。

これ、設置の記事は検索をかけたら出てくるのですが、撤去の記事は探しても出てきません。
僕には探し出せませんでした。

しかし、Twitterで野口さんが怒っているので、事実だと判断します。


あのですね。


ふざけんなよ!


と思います。

国は国で、まるで小さな出来事だったかのような扱い。

熊本県は熊本県で「頑張ってます!」「復興を急ぎます!」そんな見せ方。


未だに毎日毎日うんざりするくらい熊本は揺れています。

震度1~2だけならともかく、3~4揺れる事もあります。

地震速報が出たり出なかったり、また、震度が出たり出なかったりすることもありますが、確実に揺れています!

僕が住む場所も揺れを感じるんで、震源地はもっと揺れてるはず。

しかも、昼夜問わずです。

TwitterやSNSを見てください。


「目が覚めた」

「また揺れた」

「今夜も眠れなかった」


そんなのが溢れています。

ていうか、もう1ヶ月、毎日毎日そんな夜を過ごしています。

そんな夜を過ごしながら、みんな仕事に行ったりしています。

避難所や車中泊やテントで過ごしながら、みんな仕事に行っています。


で!

益城や熊本市内や阿蘇だけじゃない。
報道はされてないですが、震源地に近い他の市町村もかなりやられてます。
報道されていないから、益城や熊本市内にばかり目が向き、ボランティアが全くこない市町村は途方に暮れています。
美里町や宇城、菊地なんかがそうです。

あ、けど、町の小ささで処理能力が限界なため、ボランティアを断っている町が多いです。
偉い人が、どうしたらいいのかわかってないパターンですね。
こういう町は、住人が途方に暮れています。


避難所を縮小したり、テントを撤去したりする理由は書きましたが、避難所を縮小された人達がどこで過ごせばいいのか。

全壊・半壊の家の人達は新しくまとめられた避難所に入っていいみたいです。

全壊・半壊と認められない家の人達は、住めなくはないけど、本当に安全かわからない家に帰されます。

そういう人達の数の方が多いです。

長引く大きな地震で何度も何度も揺さぶられたせいか、被災地じゃなくてもブルーシート屋根の家が見える範囲が、被災地を中心に熊本には広がっています。

被災地ではなくても、です。

それなのに、被災地も、全壊・半壊していなかったら家に帰される。

次の余震が大きいか小さいかもわからない。
次の余震に家がもつかもわからない。

ただ、確実に言える事は、今夜も間違いなく揺れるってことです。

テント村閉鎖へ…避難場所、住民困惑 益城町

毎日新聞2016年5月18日 15時00分(最終更新 5月18日 15時00分
 
 熊本地震の避難場所として、熊本県益城(ましき)町に設置されたテント村について、町が今月末での閉鎖を決め、利用者が困惑している。町は雨による浸水や熱中症を懸念し、避難所への移動を求めるが、利用者からは「子供が騒ぐかもしれず、再び車中泊に戻るしかない」、「余震が続くから避難所は怖い」との声が上がる。【尾垣和幸、安元久美子】
 

テント村はアルピニストの野口健さん(42)が4月24日、車中泊対策として設置し、野口さんの活動に賛同した岡山県総社市や四国の自治体が共同で管理運営する。町が所有する陸上競技場に156張りあり今月17日現在、143張りが使用中だ。夜だけテントで寝泊まりしたり、日中テントで過ごし夜は車中泊するなど利用方法はさまざまだ。当初から1カ月間の予定で、延長する場合は町と野口さんが話し合う約束をしていた。
 

     町は12日、野口さんに延長するかどうか確認しないまま月内での廃止を決めた。さらに利用者に6カ所の避難所を示し、どの避難所を選ぶか希望調査を始めた。町の担当者は「大雨が降ると水浸しになる上、既にテント内の温度が37度に達した日もあり熱中症が心配だ。利用者の健康を考えると、これ以上続けるわけにはいかない」と説明する。


     これに対し、野口さんは「ヒマラヤでも使用するテントで、風雨対策は万全だが暑さは問題。梅雨明けまでは大丈夫だとみていたが、やむを得ないのかもしれない。ただ、テントがなくなると再び車中泊が増えるのではないか」と心配しており、代替地を探しているという。


     夫(39)と子供3人の家族5人で利用する女性(31)は、2週間の車中泊後、テント村に入った。テント村から避難所への移動は「小さい子供が静かにできるとは思えない」と不安が募る。夫は「テントは足が伸ばせる。やっと落ち着いてきたところなのに。また車中泊に戻るしかないのか」とうなだれた。また、娘と孫の3人で避難する女性(67)は「余震があるので、建物の中で寝るのが怖い」と訴えた。


 

御舟町は継続

 

     一方、熊本県御船(みふね)町が管理する「ふれあい広場」(同町辺田見)では、町内外の28人で作る任意の地域おこし団体「御船しあわせ日和実行委員会」がテント50張りを設置し、18家族が生活している。


     テントの管理や運営は実行委が担当。メンバーで町内の会社員、広瀬哲也さん(45)によると、利用者に「自己責任が原則」「テント周辺は自分で整理整頓する」などの誓約書を提出してもらい、自力で生活できない高齢者などの利用は断っている。町からは11月末まで使用許可を得ている。


     町の担当者は「避難所に集約したいが、多様なニーズに対応しきれないのも実情。選択肢の一つとしてテントもいいのでは」と話す。暑さ対策については、「実行委に任せている」としている。


     妻と7歳、4歳、6カ月の子供3人とテントで生活する会社員、渡辺寿志(ひさし)さん(30)は「余震があるので、建物の中は子供が怖がる。テントでは安心しているようだ」と話した。【川上珠実】

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