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カテゴリー「憲法」の244件の記事

2018年10月19日 (金)

今度は中部弁護士会連合会が表現の自由に介入

今、市民のビラまきなどの街頭宣伝活動に警察が介入してくる例が全国的に広がっています。
警察が持ち出してくる道交法違反という理由は全くのデマです。
そんな時に市民の側に立って、警察の横暴をやめさせる心強い味方が人権擁護を使命とする弁護士です。
そうした弁護士が表現の自由という基本的人権の重要性を理解していないとすれば、市民の人権や市民運動は危機に陥ってしまいます。

以下に紹介する事件は、単なる弁護士会内部の内紛にしか見えないかもしれませんが、本質は、弁護士会内の少数意見を圧殺しようとして弁護士会自身が表現の自由を蹂躙した事件です。
人権擁護を使命とする弁護士会がたとえ内部の者に対するとはいえ、表現の自由を侵害することを認めてしまえば、そんな弁護士に人権の擁護を期待することができるでしょうか。
その意味でこの事件は、裁判所の構成員である裁判官自身の表現の自由が侵害された岡口裁判官の事件と共通する問題を持っています。

_____________________________________

裁判官の表現の自由が問われた岡口基一裁判官分限事件の衝撃も冷めやらぬ中、今度は社会正義を実現し、基本的人権を擁護することを使命とする中部弁護士会連合会が、憲法で保障された表現の自由である公道上のビラまきに介入する事件が発生しました。

ロースクール制度導入以来の弁護士激増政策は、米国の対日年次改革要望書にしたがったものです。
日弁連や中部弁護士会連合会の主流派も弁護士激増政策を支持し、法曹志願者が激減した現在も、未だにこれを推進し続けています。

弁護士激増政策に反対する弁護士らが、中部弁護士会連合会の総会会場前の公道上で、ビラをまいて自らの主張を訴えていたところ、中部弁護士会連合会役員によって、禁止されるという驚くべき介入がなされました。

中部弁護士会連合会は、表現の自由が最も尊重されるべき基本的人権の一つであることを知らないのでしょうか。

Goukakusyasuii_2

Bengosisuusuii

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千葉県弁護士会前会長である及川智史弁護士のツイートの画像を貼り付けます。

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当然ながら、よほど交通を遮断したりしない限り、ビラ配りが道交法に違反するようなことはあり得ません。

基本的人権である表現の自由を舐めたらあかんぜよ中部弁護士会連合会 ヽ(`Д´)ノ

Tyuubenren


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ああ、中部弁護士会連合会は、表現の自由本旨である少数意見の尊重の精神を蹂躙して弾圧したかったというわけですね( *`ω´)
弁護士の代表者がこんなことをするのは及川さんにとってだけでなく、国民にとって、大変な不幸です‼️

 

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中部弁護士会連合会の役員は皆さん立派な弁護士の方々ですから、よもや、以下のような出来事(東京新聞2018年2月23日 夕刊)があったことをご存じないとは思えませんが、街頭でのビラまきの自由については、すでに自治体や警察との間で、公式には決着済みの論点です。
ですから、警察は嫌がらせ介入によって市民活動を萎縮させようとしてはいますが、これまでのところ、摘発した例は聞いていません。
今回の中部弁護会連合会の対応は、表現の自由についてあまりにも無頓着で、弁護士会連合会幹部らの人権感覚が疑われます。ひいては弁護士倫理にも関わる重大な問題です。
日弁連や各弁護士会は、人権の出前授業などをする前に、会の幹部に対する人権教育を早急に徹底すべきです。

ビラ禁止看板 偽りあった 弁護士「法的根拠は?」→自治体撤去相次ぐ

「法律により罰せられることがあります」と書かれた看板=神奈川県藤沢市で(自由法曹団神奈川支部提供)

写真

 街頭宣伝やビラ配りを禁じるため駅前などに設置された看板を巡り、自治体が「設置根拠はなかった」として撤去する事例が神奈川県内で相次いでいる。弁護士団体が「憲法が保障する表現の自由に反するのではないか」と指摘したのがきっかけとなった。同様の事例は全国各地にあるとみられ、弁護士団体は「行政による過剰な規制を防ぐ動きを広げたい」としている。

 自由法曹団神奈川支部が二十二日に発表した。それによると、看板は自治体や警察署の名前で「警告 この場所での物品の販売、宣伝活動、ビラ・チラシの配布等の行為を禁止します」「法律により罰せられることがあります」などと書かれている。

 同支部はこうした看板を新横浜駅(横浜市港北区)や橋本駅(相模原市緑区)、藤沢駅(同県藤沢市)など八カ所の駅前広場や歩行者通路など公共用地で確認した。

 道路交通法では道路に立ち止まって通行を妨げることなどを禁じ、交通への影響が大きい場合は許可制としているが、過去の裁判例ではビラ配布やプラカードを掲げる行為は許可なしでも合法とされる。このため、同支部は看板が表現の自由を保障する憲法二一条に反するとして、法的根拠をただす質問状を先月から各自治体に送った。

 これに対し「誤解を招く可能性もある」(横浜市港北土木事務所)と不適切だったことを認める回答があり、市内二カ所で既に撤去したほか、取り外す予定との回答もあった。

 同事務所は本紙の取材に「露店を規制するため二〇一三年に警察の依頼で設置したようだが、担当者が代わり詳細は分からない」と説明した。

 同支部事務局長の川口彩子弁護士は「看板を見て、街頭活動に許可が必要だとか、ここでは活動できないとか思う人もいる。法的根拠はないので看板があっても萎縮しないでほしい」と話している。 (梅野光春)

2018年10月10日 (水)

横田ラプコン(横田空域)  特集した番組は初めて見た

沖縄だけではないんですね。
「首都圏にそびえる広大な横田空域 羽鳥慎一のモーニングショー(2018年10月9日)」

 
わかりやすいのに、とっても深く掘り下げたとても良い放送でした。
何しろ45分以上の時間を割いています。
「横田ラプコンなんか、知ってるよ。」という方も是非。
視聴者の反応は以下から
こんなにわかりやすい説明は初めて見ました。
やっぱり動画の威力にはかないません(汗)。

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2018年10月 5日 (金)

自民単独で改憲案提示へ   甘く見られた公明党 共産党さん今こそ政党助成金の有効活用を!!

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公明党との縁も、これまでと踏んだか、公明党なぞ無視しても、どうせ公明党は付いてくると読んだか、案に相違して、ど真ん中を突破する作戦に出た。

10月に入り、一段とアホさをギアアップしたテレビは、天気か芸能・スポーツネタか犯罪ネタしかとりあげなくなった。今や、ネタがないと、他国のスキャンダルまで引っ張り出して騒ぐ能なしに成り果てたので、安倍晋三は、逆風なぞないかのごときである。報道と呼ぶに値する番組は、週末にほんのわずかしかない。
したがって、改憲を加速していることなど、多くの国民は知らない間に過ぎるだろう。
気がついたときには、改憲礼賛のテレビCMが延々と流れ、改憲しかあり得ない雰囲気が作られているに違いない。

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改憲案、自民単独で提示へ…与党協議は見送り

10/5(金) 6:08配信

読売新聞

 自民党は、10月下旬に召集予定の臨時国会で、今年3月にまとめた4項目の憲法改正案を単独で提示する方針を固めた。連立を組む公明党との事前協議は見送る。衆参両院の憲法審査会で条文案を示し、各党による議論を始めることを目指している。

 自民党の憲法改正推進本部長に内定した下村博文・元文部科学相は4日、党本部で、推進本部の最高顧問に就く高村正彦・前副総裁と会談し、公明党との協議は見送り、条文案を憲法審査会に示すことを確認した。

 条文案は、〈1〉自衛隊の根拠規定の明記〈2〉緊急事態対応〈3〉参院選の合区解消〈4〉教育の充実――の4項目。党は「条文イメージ」と位置づけており、幅広い合意を得るため、他党との協議で修正して憲法改正原案を作ることを想定している。

国民投票法の有償CM禁止を強く求めるいとまもないとなれば、改憲反対派がすべきことは、すぐにも広告代理店と接触して、改憲反対のCMの傑作を仕上げるべく入念な準備に入ることだ。
所詮CMなどイメージでしかない。インパクトのある印象の良いCMを作れば良いのだ。
「いざとなったら○○○○」頼みのお相手の方々も今から接触すれば、十分間に合うだろうし、労をいとわず協力してくれるはずだ。

当面の費用は、共産党が出せばよい。
改憲反対CMの作成費と広告枠確保費用に限って、これまで辞退してきた政党助成金を充てれば、ある程度の目処は立つはずだ。
(共産党に割り当てられるべき政党助成金を、ざっくりと公明党の半額程度とみれば、年間で15億円程度の計算になる。
これをネットで流布されているCM単価の情報で計算すると、東京のテレビ局に換算して視聴率10%の番組に対して、15秒CMを1500回流せることになる。最近は、算数も苦手だが、多分、こうなる。
凄すぎないですか。共産党さん。
共産党だけでこれだけうてるのだから、政党助成金を貯め込んでいるなんちゃら党も一考していただけないものだろうか。
博報堂も、100年近い歴史を持つ共産党さんが政党助成金担保で持ち込んだ話なら安心してビジネスにのってくれると思いますよ。
共産党さん、頼みます!!)
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2018年10月 4日 (木)

安倍政権によって侵される司法の独立・自律性 山口厚氏最高裁裁判官任命事件をめぐって

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All About ビジネス・学習 司法権と「裁判官の独立」から

昨日触れたように今や日弁連も下半身はしっかりと経済界や政府に握られ、加計学園監事を務める弁護士を最高裁裁判官に相応しいとして推薦したりしているわけだから、日弁連推薦を無視され、最高裁裁判官の弁護士枠が実質的に削られたとしても、まあそんなに騒ぐことのほどでもないと思いかけていた。

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同上

しかし、山口厚最高裁裁判官任命事件の重大性は別のところにある(ことに不覚ながら、その後気づいた)。

司法の自律性が損なわれたという問題である。

最高裁判所の裁判官の任命権が内閣にあるとはいえ、内閣は最高裁裁判官を自由に任命してきた訳ではない。

歴代内閣は、最高裁判所が作成した被推薦者の名簿に基づいて、その名簿の中から最高裁裁判官を任命してきた。最高裁判所が名簿によって内閣の任命権を拘束してきたのだ。

内閣は法律の専門家の集団ではない。司法権については司法権の自律性を尊重して、その意見を反映させてきたのだ。
このことは、最高裁裁判官の任命権を内閣が有する日本国憲法の制度の下で、裁判所・司法府が内閣・行政府に対して、最低限の独立性・自律性を保つための前提条件となってきたと言ってもよいだろう。

 

ところが、そのようなことを内閣に義務づける法文はどこにも存在しない。
(裁判所法は、15名の最高裁裁判官の内、少なくとも10名は法律の専門家でなければならないとしているだけだ)

 

最高裁が作成した名簿の中から、最高裁裁判官を任命するという慣行は、不文律として、歴代内閣によって堅持されてきたのだ。
時の権力の謙抑性に委ねるこの方法はいかにも日本らしいといえば、日本らしいが、権力の集中は望ましくないというそれなりの自覚が歴代内閣にはあった訳だ。
ところが、李下に冠を正しまくり、国政を私物化して憚らない安倍晋三に、そんな謙抑性を期待するのは的外れだ。
(カラスにゴミをあさるなとか、鳩に糞をするなというより難しい)

 

 

山口厚最高裁判所裁判官任命事件の重大性は、安倍政権が、最高裁判所の作成した名簿を拒み、最高裁判所が(当初)提出した名簿に記載された者以外から最高裁判所裁判官を任命したことにある。

 

安倍政権は、NHK経営委員、日銀総裁、内閣法制局長官の任命において、時の権力の謙抑性によって守られてきた不文律を次々と破った。

 

最高裁判所裁判官の任命についても、最高裁判所に左右されずに任命権を行使することによって、歴代内閣が守ってきた不文律を突破した。
司法府の自律性を侵害したのである。

 

来年3月に迎える安倍政権以前に任命された最後の最高裁裁判官の後任は行政官枠である。
官僚の乱を鎮圧した(と思われる)、安倍政権が、どういう官僚を後任に任命するのか、厳しく監視していく必要がある。
(といって、マチベンに何の力もないわけであるから、最高裁にも政府にもパイプがある日弁連執行部が、どれほど司法の独立を守る気があるかにかかってしまう訳ではあるが)

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2018年10月 1日 (月)

不平等な日米地位協定を改定させよう   沖縄県知事選おまけ

沖縄県知事選挙の佐喜真淳候補のツイッターにあった日米地位協定に関する動画は、極めてわかりやすく数秒で日米地位協定の不当さをわからせてくれるものだった。

広告代理店の手によるものでなければ、これほど秀逸なものはできないだろう。
僕などはこれを話すのに一時間かかる。

知事選限りで眠らせておくのは、あまりにもったいないので、以下に貼り付けてご紹介します。

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本間龍・南部義典『広告が憲法を殺す日』(集英社新書)  国民投票法は欠陥法 重大なCM問題

Okinawakentijisenkyotokuhyousuu

 

総統はさぞお腹立ちのことだろう。
宿願の憲法改正を掲げて圧勝で党総裁3選を制した直後、早々つまずいた。

自公が総力を挙げた沖縄県知事選挙に、相手候補に沖縄県知事選史上最多票を献上して敗北した。

 

 

幸いにもテレビは、台風や(NHKの朝7時のニュースでは冒頭22分にわたって台風報道をしていた)、捕まってしまえばとりあえず急ぎの用はない脱走犯や相撲スキャンダルのニュースを垂れ流し、沖縄県知事選ごときは一地方選挙の扱いであるが、政権にとって大きな痛手で、憲法改正のスケジュールにも大きな影響を及ぼすことは疑いない。

 

 

何より、固い組織票であるはずの公明党票からも出口調査で25%が玉城デニー候補に投票したと答えたのは(調査によっては27%)、自民党だけでなく、公明党にとってもショックだろう。

結束の固い公明党支持者にすれば出口調査で玉城候補に投票したとは言いにくいだろうし、投票先を答えない人もいることを踏まえれば、多分、30%以上が、玉城候補に投票したと推測される。

玉城デニー氏当選直後の玉城事務所に創価学会の三色旗が翻っていたのが今回の選挙を象徴している。義を貫いた信者が開いた地平だ。勇気に頭が下がる。

 

 

もともと公明党は総理の憲法改正には及び腰であったが、支持母体である創価学会からこれだけの造反票が出る事態となれば、締め付けを図るにしても、ますます憲法改正には消極的にならざるを得ない。

といって、維新が関西以外では全く無力であることは今回の結果が証明したし、希望に至っては逆効果ですらあったかもしれない。
改憲発議のパートナーとして公明党は切っても切れない。

Tanuki

 

と言う次第で、とりあえず沖縄県知事選挙は、改憲を目論む総理にとって、躓きの石になった。

僅かだが、改憲国民投票に向けて時間が与えられたことを踏まえて、憲法改正国民投票法のあり方について、考える必要がある。

 

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憲法改正に関しては国民の表現の自由を最大限に尊重するとい建前論があったために現在の国民投票法はメディアとくにテレビを使った有償広告が野放し状態である。

 

 

テレビCMに、莫大な金がかかることは自明で、資金力のある改憲派に有利だということはかねてから指摘されてきた。

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しかし、長く博報堂に在籍し、広告業界をよく知る本間龍氏によれば、このCMの自由は、資金力の格差に止まらない問題があるという。
実務的に見ても、改憲派に決定的に有利に作用するという。

 

 

本間氏は

  1.  改憲派は国会発議のスケジュールをコントロールできるので、CM枠をあらかじめ押さえておくことが可能になる。
  2.  スケジュールが読めるので改憲派は、CMコンテンツ制作が戦略的にできる。
  3.  改憲派は、電通とタッグを組む。
  4.  与党は圧倒的に金集めがしやすい立場であり、賛成派は広告に多額の資金を投入できる。

 

 

4がかねて指摘のある資金力のある者が広告を支配するという問題である。

国民投票制度を導入している各国は、この一点だけでも、基本的に有償CMを禁止している。

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さらに、我が国特有の広告業界の事情が、1ないし3から圧倒的な優位を改憲賛成派にもたらすという。
このまま改憲が発議されては、どう考えても改憲反対派には勝ち目が乏しいのだ。

 

 

 

改憲を発議するスケジュールをコントロールできるということは、発議されたときには、すでにCM枠を押さえているということだ。

CMコンテンツもできあがっていて、改憲の発議の翌日から、どんどん改憲派のCMが流れることになる。

また、発議から60日以上180日以下とされる国民投票までの期間も改憲派が決めるわけだから、これに応じたCM戦略を予め立てて臨むことができる。

 

 

一方、改憲反対派は、そもそも与党がどのような改憲発議で落ち着かせるつもりか分からない上、発議阻止に全力を挙げ、発議されてからCMコンテンツを作成し、CM枠を押さえることとなりかねない。まさに『泥棒を見て縄をなう』、だ。

発議されてからアピール性の高い広告コンテンツを作るのにも時間がかかるし、CM枠を確保するのも容易ではない。
改憲反対派は全て後手後手に回る。

短期決戦の場合には、改憲派のCMだけが流れる中で国民投票の日を迎えることになりかねない。

 

 

民放各社は個別にCM枠のスポンサーを募るのではなく、広告代理店に一括してCM枠を売り渡すことで、安定的な広告収入を得られる仕組みとなっている。

そして、視聴率の高い時間帯になればなるほど、このCM枠に占める電通が押さえている割合が高くなる。プライムタイム(19時~23時)のシェアは電通が49%、博報堂が26%になる(2009年)。

 

 

そして、電通と自民党は結党以来のパートナーであり、政権党とともにあり続けた結果、電通は今日の寡占状態を築くことができた。巨大な東京オリンピック利権を電通が独占しているのも自民党との深い関係がもたらしたのである。

 

 

では、業界2位の博報堂が改憲反対派と組むかというと、博報堂としては、資金力にも不安があり、しかも、いつ消えてなくなるかわからないような弱小転変政党と組むよりは、やはり改憲派と組んだ方が、圧倒的に有利である。自民党から公然と受注してもよいし、大企業から受注しても良いだろう。

 

 

かくして、憲法改正が発議された段階で、少なくともテレビ・ラジオCMの決着は(地方放送も含め)ついてしまっているのである。

下手をすれば、改憲反対派は、CM枠を取ることさえできずに敗北することになる。

 

 

かくして「広告が憲法を殺す」のだ。

 

 

本間氏は護憲派の一部に根強い「いざとなったら吉永小百合」頼みの愚かさも実務的に指摘しておられる。

 

 

本間氏の目からは、これほど脳天気なルールが国民投票法として成立したことが、にわかには信じられないほどだという。

 

 

改憲議論の前提の問題として、このCM問題は、是非とも議論されなければならない。

改憲反対派の方々は、是非、本書をお読みになって、現実的な戦略を検討されることを願う次第である。

 

 

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PS

石破茂が、9月27日に初めて沖縄県知事選の応援に入り、石垣島で佐喜真候補の応援演説をしたという。
なにやら総裁選の意趣返しに見えなくもない。

 

 

その石破茂氏、総裁選が終わった後の9月23日早朝のTBSの『時事放談』に出演していた。

米朝をめぐる非核化の問題について、「米国は北朝鮮の非核化を求めているのに対して、北朝鮮はあくまで朝鮮半島の非核化を言っているだけだ。噛み合っていないことを、きちんと押さえなければいけない」とドヤ顔で自説を述べていた。

 

 

自民党総裁選後の録画だから、収録は9月20日以降である。3回目の南北会談が行われて南北平壌宣言が発表されたのが9月19日だ。

そこには、

 

9月南北平壌共同宣言(2018年9月19日)

5、南北は朝鮮半島を核兵器と核脅威がない平和の地にしなければならず、このために必要な実質的な進展を速やかに実現しなければならないということで認識を共にした。

 (1)北朝鮮はまず、東倉里のエンジン試験場とミサイル発射台を関係国専門家の立ち会いの下に永久に廃棄することにした。

 (2)北朝鮮は米国が6・12朝米共同声明の精神に沿い、相応の措置を取れば、寧辺の核施設の永久的廃棄などの追加措置を引き続き講じる用意があると表明した。

 

 

とある訳だから、北朝鮮は、「朝鮮半島の非核化」だけでなく、自国の非核化について、そのタイムテーブルを示している。

北朝鮮が「朝鮮半島の非核化」しか主張していないとする、石破氏のご託宣は明らかに間違いだ。

現下の我が国に関わる最大の安全保障問題についても、重要な会談の結果を調べもせずに、ドヤ顔で間違った自説を垂れ流す程度の人物が、総裁選の対抗馬としてもてはやされるくらいだから、我が国の政治の劣化も極まっている。

 

 

こんな人達が競って自分こそ総理にふさわしい、緊急事態条項を持ちたいと言っているのだから、憲法改正は、ほんに恐ろしきことである。

2018年9月19日 (水)

沖縄県の『地位協定ポータルサイト』がすごい!!

日米地位協定について沖縄県が、他国の地位協定と比較する中間報告書を今年3月に公表している(「他国地位協定調査 中間報告書」)。
この報告書が掲載されているのが沖縄県の『地位協定ポータルサイト』だ。

 

このサイトは内外の米軍地位協定に関わる資料を集積し、頻繁に更新されている。
各国の地位協定の運用を理解するには、各国の国内法も収集する必要がある。
このサイトには、たとえばドイツの航空交通法や航空交通規則、ラムシュタイン空軍基地における米軍に対する詳細な指令書まで、すでに翻訳されている。
他にイタリア、韓国、フィリピン、イラク、アフガニスタンの地位協定が翻訳され、紹介されている。

 

しかも、これらの翻訳は、非常に優れている(と、『2級国民(注:この国では英語に堪能でないものは2級とみなされるようになった)』のマチベンには見える)。
最新のアップは米国の「安全保障諮問委員会」のレポートであり、そこには「その国にいる人はその国の法律が適用されることが国際法上のルールであることが認められている。」と、『駐留米軍治外法権』が国際法上の原則であると主張する、外務省が見たら真っ青になるようなことが米国政府機関の見解として紹介されている。

 

 

 

沖縄県が、これほど真剣に日米地位協定に向き合っているのは、日米地位協定が他国に例を見ない日本国の主権を侵害する内容だからだ。

沖縄は、このことを広く訴えて、地位協定の改定を実現し、日本国の主権を回復しようとしている。

本土に踏みつけにされた沖縄が、最も真剣に日本国の主権の回復を求めていることに複雑な思いを禁じ得ないが、今や国家主権の問題に真正面から向き合っているのが、沖縄県であることは紛れもない事実だ。

 

 

主権の回復を快く思わないのが、皮肉にも我が国の中央政府である。
今、沖縄県で闘われている知事選挙は、日本の主権回復をかけた闘いでもあるのだ。

 

「他国地位協定調査中間報告書」は、国内法の適用・基地管理権、訓練・演習、警察権、米軍機墜落事故に対する対応といった諸点を中心に、駐留米軍の数が多く、日本と同様に米軍機墜落事故の被害を受けている、ドイツ、イタリアの米軍地位協定及びその実施細目にわたって、現地調査も含めてまとめたものだ。

 

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琉球新報2018年3月30日より

「あいち沖縄会議」という団体から、この中間報告書の学習会の講師にお招きいただいて、読み散らかしていた地位協定に関する文献も含めて、中間報告書を読み込んでみた。

 

 

日本にいると、当たり前のように思われている米軍基地の基地内の治外法権もこれらの国では当たり前ではない。むしろ国内法が及ぶことを当然として、その遵守を徹底することに意を使っている。
イタリアに至っては、米軍基地の管理者はイタリア軍司令部であるとされている。そしてイタリア軍司令官は、イタリア国の主権を擁護するものとされている。

 

 

ドイツやイタリアでは、基地の外での訓練・演習は、当然に国内法の適用を受ける。ドイツでは、訓練区域における訓練すら当局に通知して承認を受ける、域外の演習となれば、国防大臣の許可を要する(以下のグラフは中間報告書で紹介されたドイツの低空訓練時間の推移)。

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米軍機墜落事故に当たって、残骸に指一本触れさせない日本と違い、ドイツやイタリアの軍や警察が排除されることはない。

 

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朝日新聞2017年10月29日

日米地位協定を他国の地位協定と比較することによって、日米地位協定の異常さを浮き彫りにするという沖縄県の意図は的確なもので、7月27日、全国知事会において全会一致で「米軍基地負担に関する提言 」が採択された。

 

 

日米地位協定は締結以来、一度も改訂されていない。

運用を改善するというのが、政府の立場である。しかし、実態は違う。
米軍の軍事演習等は、地位協定が締結された1960年当時は演習区域のみにおいて行い、事前に政府に通知され、関係自治体に通達することとなっていたのが、もはや日本側に通報されることはなく、日本側としてもこれを求めないこととなってしまっている。

射撃や爆撃を伴わない限り、米軍は好き放題に訓練できるという現状は、日米地位協定の運用の改悪により、もたらされたのだ。

事故機に指一本触らせないと運用も、旧安保条約・行政協定当時より改悪された運用の結果だ。

 

 

ジョージ・ブッシュ政権で国務長官を務め、強硬派で知られる、コンドリーザ・ライスすら、日本と韓国に軍を置く「太平洋軍司令部は昔から植民地総督のような存在」だと、米軍支配の異様性を認めている(矢部宏治『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』 講談社現代新書)

 

 

地位協定の問題は、まさに日本の主権と独立に関わる問題なのだ。

 

 

沖縄県は、日本の独立と主権の問題に真正面から取り組んでいる。

 

 

その努力が、標題とした「地位協定ポータルサイト」である。
この情報提供が、地位協定に対する理解の飛躍的深化をもたらすだろう。

 

 

これは、沖縄県による一つの達成であると言ってもよい。

 

 

 

自公が組織を上げて強力にてこ入れする佐喜真候補が知事となれば、このポータルサイトの存続すら危ういだろう。

日本の独立という課題は、さらに遠のくことになりかねない。
辺野古新基地問題だけではない、日本国の主権回復のためにも玉城デニー氏の当選を願わずにはいられない。

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2017年6月18日 (日)

お笑い『共謀罪』 やっちゃったね朝日新聞w 藤井聡太27連勝の棋譜中継に即時中止要求

共謀罪法成立早々、この法律がいかに馬鹿げたものかを示す事件が起きた。


Hujiisouta


今や社会現象となった地元藤井聡太4段のプロ入り以来、負け知らずの連勝(細かいことながら、我が事務所がある守山区は神の子の住む瀬戸市に直接隣接する有り難い区である)
次の対戦は6月21日の澤田真吾6段戦(王将戦予選第4回戦。スポニチ,毎日新聞主催)。
藤井4段は、澤田真吾6段とは棋王戦予選で6月2日にも対戦し、20連勝を決めているが、終盤、必敗の形勢からの大逆転勝ちで、まさに「僥倖」の勝利だった。
澤田6段は、師匠の杉本昌隆7段をして、「実力は澤田6段の方が上」と言わしめる実力者である(直近のレーティングでは17位にランクされ、佐藤康光元名人・将棋連盟会長と同格の成績を残している)。
28連勝がかかった次の対局は、世紀の大一番となることが予め約束されていると言ってもよい。


そんな大一番をめぐって、この棋譜中継をネットで見られなくなるという悲劇を、昨日、朝日新聞が仕出かしてくれた。
27連勝がかかった朝日杯の対戦を棋譜中継していたユーチューブサイトの「将棋実況【クロノ】」に対して、朝日新聞将棋取材班から警告のツイートがなされた。



これに驚いたクロノ氏は直ちに棋譜中継を中断。
視聴者が理由を問い合わせたところ、対戦を中継する権利は朝日新聞社と将棋連盟にあるということであった。
そこで、中継の権利を妨げないと思われる、後刻の棋譜並べならよいのかという趣旨の質問がなされたが、これには、回答がない。
このためクロノ氏は、次回の澤田6段戦の棋譜中継、そして今後の事後の棋譜並べを断念する模様であり、朝日新聞はすっかり将棋ファンのひんしゅくを買っている。



クロノ氏は、朝日新聞デジタルの放送をそのまま流していたわけではなく、棋譜を再現して解説をしていたものに過ぎない。
同時に再現するのではなく、後刻の棋譜並べであれば、放映の妨害にもならないはずで、後刻の棋譜並べの是非について無回答であるのは理解に苦しむ。
後刻の棋譜並べが権利侵害に当たるとすれば、これは「将棋の棋譜に著作権がある」ことを前提とするものと考えられる。
棋譜の著作権については、裁判例はなく、法律の専門家による突っ込んだ議論も行われていない。
結論だけで見れば、「棋譜には著作権はない」とする説が多数のようである。
但し、これが正解だという保障はなく、棋譜の著作権を認める見解も十分に成り立ち得る。
(囲碁について、日本棋院は、棋譜には著作権があるとの見解で、棋士との間で著作権の譲渡契約を結んでいるという。NHKはNHK杯の棋譜について、動画・画像はともかく棋譜並べは問題ないとする立場で棋譜には著作権はないとする立場のようである。ちなみにチェスについては欧米で著作権を認めない扱いが定着している模様である)

最高裁でこの問題が決着しない限り、グレーはいつまで経ってもグレーで、クロノ氏の著作権法違反の可能性は残る。


問題は、著作権侵害罪が共謀罪に含まれていることにある。


仮に棋譜並べが著作権侵害に該当するとすれば、クロノ氏とその視聴者は、「その結合関係の基礎としての共同の目的」が著作権侵害にある団体として、なんともまあ、おそろしいことに組織的犯罪集団として認定されちゃうのである(改正組織犯罪処罰法6条の2。別表第3・55)。
「将棋実況【クロノ】」はチャンネル登録者だけでも2万9000人に及ぶので、共謀罪のおかげで、山口組も真っ青の一大組織的犯罪集団が誕生することとなる(山口組の組員はウィキペディアによれば約1万4100人)。


今回の件は、既遂であり、著作権法は、今のところ著作権者の告訴がなければ、刑事事件として立件されることはないが、問題は、共謀罪が犯罪結果のはるかに前の段階で、これを取り締まることを本質とするところにある。
クロノ氏の中継中断を受けて、視聴者から、「何があったの?やめないで」と切実なコメントが出たことは言うまでもない。「澤田戦も中継して」との声が出たことも当然の成り行きである。
クロノ氏は、著作権問題の決着がつかなければ、棋譜並べはしない、とかわし続けていたが、押されて同意してしまったりすれば、どうなるか。
後は構成員のうち誰かによって準備行為(とこじつけることができる行為)がなされれば、共謀罪成立である。


ここで奇妙なことが起きる。


これまでクロノ氏が配信してきた動画は、すでに著作権侵害の既遂であるから、著作権者の告訴がなければ、犯罪として立件されることはない。
そして、棋士も将棋連盟もスポンサー各社も告訴は100%しないと言ってよいだろうから、クロノ氏や「今日もお願いします」等とコメントして集っていた視聴者が罪に問われることはあり得ない。


ところが、共謀罪は、組織的犯罪であり、重大犯罪であるから、告訴がなくとも立件される仕組みである。
そして、共謀が成立すれば、準備行為を待つまでもなく、当然ながら任意の捜査は開始される。
かくして、クロノ氏のサイトの視聴者やチャンネル登録者は捜査権力の監視下に置かれる。


まあ、何とも馬鹿げた話ではないか。
ただ藤井4段の活躍を知りたい(動画は有料会員専用なので、せめて棋譜を通じて一緒に楽しみたい)、将棋を楽しみたいという思いだけで集まっていた人たちが警察の監視を受けるという訳である。
そんな馬鹿げた状態になるのは、共謀罪による表現活動に対する制約が広すぎるからである。


共謀罪の対象が広すぎるということは、何をどうしようが監視下に置こうと思えば置けるということである。
クロノ氏のチャンネルは、登録者だけでも3万人近いわけで、著作権侵害に関わる他の組織を考えれば、共謀罪の監視対象となる『組織的犯罪集団』は、数百万あるいは一千万人以上に及んでいてもおかしくはない。
日本中、『組織的犯罪集団』だらけである(嗤)。


表現の自由に対する規制対象が広範すぎる場合、「過度に広範ゆえに無効」という審査基準によって合憲性が審査され、過度に広範と認められれば、当該法律そのものが全体として無効になる。
ユーチューブサイトをめぐる混乱を見ただけでも、共謀罪法が、馬鹿げているほど、過度に広範であることは明らかであろう。
よって、共謀罪法は、全体として違憲無効である。


あれもこれも警察が手をつけようとすれば、じきに人手不足で手が回らなくなるだろう。
日本警察が米国NSAほどの技術水準を有するとも考えられない。


「みんなで渡れば怖くない」は、我が国の国是、国民の国民性である。
この際、こんな馬鹿げた法律は無視するに限るのである。



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なお、将棋の棋譜に著作権はあるかという問題。
最善手を追求した結果であり、創造性がないから著作権は発生しないとする考え方もあるようであるが、どうもぴんとこない。
コンピューターが暴力的なまでに人間の指す将棋を圧倒してしまった現在、今なお将棋が魅力を失わないのは、まさに将棋が思想・感情の表現物だからであるように思う。

むしろ、棋譜の創造性を承認した上、今さら著作権などと言い出すと際限のない混乱が起きそうなのを回避し、藤井4段の登場で一気に盛り上がった、将棋の人気を維持するためにも、棋譜を公共財として著作権法の適用外とするのが正解ではないかと感じている。

2017年6月17日 (土)

共謀罪法可決は国会法に違反する 禁じ手の強行採決と共謀罪法無効論

昨日、今日と、西日本新聞の社説が、共謀罪法の成立を踏まえた今後の課題を端的に指摘している。

6月16日 「共謀罪」法成立 憲政史上に汚点残す暴挙

6月17日 「共謀罪」施行へ 捜査への監視こそ必要だ 

6月16日の社説は、市民に対して、萎縮しないことの重要性を強調している。
6月17日の社説は、裁判所に対して厳格な令状審査を求めている。捜査側言いなりの令状審査の現状を厳しく批判している。

的確な論点の指摘だ。


ここでは、6月16日の社説が触れている「中間報告」という奇策による委員会審査の省略について、国会法を確認しておこう。

中間報告に関する、国会法の規定は次のとおり。

第五十六条の三  各議院は、委員会の審査中の案件について特に必要があるときは、中間報告を求めることができる。
○2  前項の中間報告があつた案件について、議院が特に緊急を要すると認めたときは、委員会の審査に期限を附け又は議院の会議において審議することができる。

○3  委員会の審査に期限を附けた場合、その期間内に審査を終らなかつたときは、議院の会議においてこれを審議するものとする。但し、議院は、委員会の要求により、審査期間を延長することができる。

この規定によれば、中間報告は、それ自体として委員会審査を省略する効果を有するものではない(1項)。
中間報告がなされた上で、議院が特に緊急を要すると認めたときに、初めて本会議で審議することができると規定している。
しかも「特に緊急を要すると認めたとき」でも、委員会の審査に期限をつけることを第一に挙げている(2項)。
その上、期限を付された委員会は、期限の延長を求めることができるとされている(3項)。
委員会での審査を、それだけ尊重しているのだ。


中間報告による委員会審査省略の手続が適法に行われるためには
1 中間報告を求めることが特に必要であること
2 委員会の審査に期限を付し、本会議で審議する特別な緊急性が認められること
が必要だ。


中間報告に関する国会法の規定は、委員会の審査が不当に遅滞しているようなときに、議院として委員会に対して、早急な審査を求めることに本来の目的がある。
それでも委員会審査が進まないと見込まれるとき、規定されているのは本会議における「審議」である。
抜き打ちに委員会審査を省略して即日採決というやり方は、国会法が本来、予定するものではないというべきだろう。



共謀罪が参議院で審議入りしたのは5月29日。6月15日の参議院の強行採決まで、2週間程度しかない。
過去3回にわたって廃案となった極めて問題の多い共謀罪法について参議院が審議する十分な期間があったとはとうてい認められない。


つまりは、共謀罪法は、中間報告を求める「特に必要があるとき」という1の要件も、委員会審査を省略すべき「特に緊急を要すると認め」られるという2の要件も満たさずに参院本会議で採決されたということだ。


いみじくも、金田法相は、治安維持法は適法に制定されたと答弁していたが、共謀罪法に至っては、適法に制定されたとさえ、言えないのだ。


国会法に違反して可決された法律が、直ちに無効であるかは一つの論点ではあるだろう。
しかし、委員会中心主義は国会法の中でも重要な原則であるから、これに違反する共謀罪法は無効だとする主張は十分に成立する。


将来、共謀罪が裁判で問われるとき、表現の自由や内心の自由の侵害という違憲性とともに、制定過程が不適法であることも併せて争われるだろう。



確かに過去、中間報告による委員会審査が省略され、即日本会議採決されたという先例は少なくない。
しかし、裁判で、中間報告による委員会審査の省略の適法性が争われた例はない(と思われる)。
共謀罪法は、そうはいかない。
裁判の場で、その適法性と、共謀罪法の有効性を争われることが当然に予想されるのだ。

都議選ご都合の国会審議の私物化は共謀罪法無効化の恰好の置き土産を残したという次第である。

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2017年2月24日 (金)

共謀罪は民主主義を殺す  組織的業務妨害共謀罪の恐怖

Moritomogakuen

今さら、へたれマスコミなど、どうでもいいような気もするが、国会で取り上げられている段階に至ってすら疑獄事件をマスコミが報じなくなっては、やはり困る。
共謀罪が、マスコミを殺すという指摘がある。


2012年に亡くなられた、マスコミ出身の日隈一雄弁護士が“共謀罪でメディアは一網打尽だ!~信用毀損罪適用可能”とする記事を書いておられる。
2006年3月6日の記事であるから、まだ健全な批判精神がマスコミに存在していた時代のもので、マスコミに対して警鐘を鳴らす趣きもある記事であるが、ここで指摘されていることは、未だに非常に重要な論点というべきだろう。

端的にいえば、日隈一雄弁護士は、共謀罪はマスコミから報道の自由を奪う結果をもたらすと警告している。
サーバーから消えるといけないので、記事は末尾に引用しておく。


ここで取り上げられているのは信用毀損罪及び業務妨害罪である。

刑法
第二百三十三条  虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。


「信用毀損」は主として経済的側面における社会的評価を意味する。
「業務」とは事業をはじめとする、広く社会的な活動というような意味である。
以下では、「業務妨害」を念頭に置いて考えてみたい。



「虚偽の風説の流布」とは今風にいえば、フェイクニュースのことだ。
業務妨害の結果は具体的に発生しなくても、この罪は成立するとするのが判例の立場なので、業務を妨害するに足りる「虚偽の風説」を流布すれば、業務妨害罪が成立する。


したがって、マスコミが流したニュースが、虚偽の内容で人の業務を妨害する危険性を発生させれば、この罪は成立する。
但し、報道内容が虚偽であることの認識は犯罪の構成要件とされるから、過失によって虚偽のニュースを流しても業務妨害罪には該当しない。


この罪には未遂犯はなく、既遂犯のみを処罰対象とする。
つまり業務を妨害するに足りる「虚偽の風説」が流布されて初めて犯罪が成立する。


共謀罪の対象は長期4年以上の懲役・禁錮が法定刑とされている犯罪であり、長期刑が3年以下とされる刑法上の業務妨害罪はそれ自体としては、共謀罪の対象とはなっていない。


しかし、組織犯罪処罰法では、組織犯罪であることを条件として、その法定刑の長期を5年に加重している。威力業務妨害罪も同様である。


組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律
第三条第一項
十一  刑法第二百三十三条 (信用毀損及び業務妨害)の罪 五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金
十二  刑法第二百三十四条 (威力業務妨害)の罪 五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金


組織的な犯罪とは、

「団体の活動(団体の意思決定に基づく行為であって、その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう。以下同じ。)として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われたとき」

をいうとされており、相当に広範囲な行為が組織的な行為とされる。


マスコミ報道であれば、組織的行為に該当することは確実である。
したがって、マスコミがフェイクニュースを流布すれば、組織犯罪としての業務妨害罪に問われることになる。
虚偽であることの認識が犯罪の構成要件になるから、誤報は民事責任が生じることがあったとしても、犯罪にはならない。
結果として、現在、組織犯罪処罰法がマスコミにとって脅威になっていることはない。
昨今のマスコミのへたれぶりは、もっぱら根性がないか、マスコミの使命が権力を擁護することにあると、わきまえているかの、いずれかによるものである。


さて、延々と金正男殺害事件をトップニュースで流し続けるお馬鹿マスコミは、森友学園の破格の国有地取得事件については、驚くべき臆病さを示している。
国会で相次いで取り上げられるようになって、ようやく恐る恐るテレビで流れるようになったざまである。


報道されている内容に虚偽があっても、現状では、それが意図的なものでない限り、現行法では警察権力が動くことはできない(建前である)。
しかし、共謀罪が導入されれば、日隈弁護士が憂えたように状況は一変する。


そもそも、業務妨害について、共謀自体が犯罪行為になるというのであるから、森友学園に関する記事の掲載のための社内の打ち合わせや、ニュースの企画や取材のための事前の社内打ち合わせ自体が共謀罪にでっち上げられる可能性がある。
切符の手配でも、取材対象者や協力業者に対する連絡でも準備行為に該当するから、処罰条件も満たすことになる。
何も起きていないのに、一斉摘発が可能になる。
そして、政府に不都合な事実を報道をする可能性がある報道機関に対しては、常時、事実上の監視活動が行われる可能性がある。


そのような状況では、今さえへたれなマスコミが、森友学園のような事件を避けて通ることは明らかだろう。
今回の事件について、第一報が流れてから、現場の記者は早い段階から動いていたが、報道は大幅に遅れた。
政府に不都合な『虚偽の風説』とこじつけられて、打ち合わせ自体が共謀罪に問われる可能性があるということになれば、こんりんざい、政府に不都合な事件は取材すらしなくなるだろう。
仮にも取材活動に及ぼうものなら、記事になるはるか前の打ち合わせをとらえて、政府は、共謀罪容疑で報道機関を強制捜査することが可能になるのだから。
有罪か無罪かが問題ではない。強制捜査が可能であることが問題なのだ。
市民や国民のためのマスコミが確定的に殺されることは明らかだろう。

Kokkaimaekougi

もう一つ、ここでは、威力業務妨害罪も組織的な行為とみなされれば、共謀罪の対象となることも指摘しておきたい。


威力を用いる業務の妨害が組織的なものとされれば、法定刑の長期は5年に引き上げられる。
ここで「威力」とは「人の意思を制圧するに足りる勢力」を言うとされる。
石破氏が国会前の抗議行動を「テロ」呼ばわりしたことからも窺われるように、国会や官邸前の抗議行動が盛り上がれば、威力業務妨害をこじつけられる可能性はある。
現状では、抗議行動そのものに対して威力業務妨害罪を発動するかどうかということであり、弱いなりに存在する社会的な民主的価値観が、そうした抗議行動をそれ自体として犯罪とすることを防いでいる。
しかし、共謀罪が適用されるということになると、事態はきわめて深刻になるだろう。


これらの抗議行動は、多かれ少なかれ、組織犯罪処罰法が言うところの「組織的な行為」の要件を満たす可能性がある。
組織犯罪処罰法は、団体を
「「団体」とは、共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって、その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織(指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体をいう。以下同じ。)により反復して行われるものをいう。」
と定義しているので、国会前抗議活動は組織犯罪に当たらないとの主張は可能であるが、警察や検察がどのように主張するかは別問題である。

したがって組織的威力業務妨害罪の問題となり得る。
組織的威力業務妨害罪には共謀罪が適用される。
これは、抗議行動の打ち合わせ自体が犯罪になるということを意味する。


すでに相当程度広がっていると思われる市民運動に対する監視がさらに進行する中、抗議活動が行われる以前に、関係者や関係箇所を一斉に摘発することが可能になる。
刑罰を科すことが可能かどうかは、本筋の問題ではない。
政府の意に沿わない、あらゆる活動に対して、常に強制捜査が行われる可能性があるという威嚇が問題なのだ。


共謀罪は、市民運動を殺すことになりかねない。


戦前には横浜事件という巨大な弾圧えん罪事件もあった。
つい数年前まで、そうした事件は過去のものであると思っていた。
しかし、事態はあまりにも急速に悪化している。
我々は今、民主主義を踏みにじる暴挙が国会で常態化し、正視に耐えないような愚劣な意識の持ち主が、この社会の枢要部に巣くっているのを見せつけられている。
(上に行くほど、馬鹿が出てくるのは、植民地の特徴である。そういう輩に限って、上にへつらい、下に傲慢な性格が悪い連中ばかりなのが、また、植民地の特徴である)


共謀罪が現代版治安維持法であり、ファシズムを不可逆的に進めるという指摘には根拠があるに違いない。

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共謀罪でメディアは一網打尽だ!~信用毀損罪適用可能
2006-03-06 22:47:36 | 共謀罪

共謀罪について,近く,話をする機会があるので,改めて,刑法を眺めていたところ,何と,信用毀損罪「第233条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」について,「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」による加重規定があることを発見した。加重されると,「6年以下の懲役又は50万円以下の罰金」(3条1項7号※1)となり,共謀罪の適用範囲に入ってくるのだ!

改めて,現在提出予定の法案を見てみよう。

■■引用開始■■
次の各号に掲げる罪に当たる行為で、団体の活動(その共同の目的がこれらの罪又は別表第一に掲げる罪を実行することにある団体である場合に限る。)として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者は、その共謀をした者のいずれかにより共謀に係る犯罪の実行に資する行為が行われた場合において,当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
一 死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪 五年以下の懲役又は禁錮
二 長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪 二年以下の懲役又は禁錮
■■引用終了■■

ということは,ブラックジャーナリズムを生業とするものは,「虚偽の風説を流布し,人の信用を毀損する」犯罪を「団体の活動として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行わ」うことになることを予定しつつ,「団体の活動(その共同の目的がこれらの罪又は別表第一に掲げる罪を実行することにある団体である場合に限る。)として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者」にあたるために,記事を企画しただけで出版しなくても,組織犯罪処罰法で加重された信用毀損罪の共謀罪で逮捕され,刑に処せられることとなる。

では,ブラックジャーナリズムではないが,噂の真相なら,あるいは,鹿砦社ならどうなのか?鹿砦社なんて,言論弾圧されていても,大手メディアはほとんど取り上げず,ブラック扱いだ…。

大手なら大丈夫…そうだろうか?NHKが女性国際戦犯法廷を取り上げた番組の編集過程で政治家の介入があったことを指摘した朝日新聞は,ほとんど孤立無援だった。もちろん,良心的な記者もいたが,表現の自由に対する圧力がかけられていたにもかかわらず,あまりに,無関心だったというほかない。

自分たちは関係ない…そう思っていたら,新聞社やテレビ局の記者や編集者が組織犯罪処罰法で加重された信用毀損罪の共謀罪で逮捕されることになりかねない。

そんな馬鹿なって思うかも知れないが,そんな馬鹿なって放置するのではなく,そんな馬鹿なことが起きないような法律にする努力をすることが大切だ。あとであのとき立法化を止めていたらって思ってももう遅い。(議案経過)


※1
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律
(組織的な殺人等)第3条 次の各号に掲げる罪に当たる行為が、団体の活動(団体の意思決定に基づく行為であって、その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう。以下同じ。)として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われたときは、その罪を犯した者は、当該各号に定める刑に処する。

1.刑法(明治40年法律第45号)第186条第1項(常習賭博)の罪

5年以下の懲役
2.刑法第186条第2項(賭博場開張等図利)の罪
3月以上7年以下の懲役
3.刑法第199条(殺人)の罪
死刑又は無期若しくは5年以上の懲役
4.刑法第220条(逮捕及び監禁)の罪
3月以上10年以下の懲役
5.刑法第223条第1項又は第2項(強要)の罪
5年以下の懲役
6.刑法第225条の2(身の代金目的略取等)の罪
無期又は5年以上の懲役
7.刑法第233条(信用毀損及び業務妨害)の罪
6年以下の懲役又は50万円以下の罰金
8.刑法第234条(威力業務妨害)の罪
5年以下の懲役又は50万円以下の罰金
9.刑法第246条(詐欺)の罪
1年以上の有期懲役
10.刑法第249条(恐喝)の罪
1年以上の有期懲役
11.刑法第260条前段(建造物等損壊)の罪
7年以下の懲役

日隈氏の記事中、6年とあるのは、現行法では5年である。

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