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カテゴリー「東日本大震災」の79件の記事

2018年12月 7日 (金)

まだまだ続くぞ、壁の穴

 

11月25日付ブログでご紹介した当事務所の壁の穴。

「11月いっぱいは職人が手配できない」と言われた壁の穴。

 案の定、11月いっぱいは無理ということであって、11月過ぎには塞ぐという訳ではなかった。
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本日現在、壁の穴は、ご健在である。

Kabenoana42

「11月いっぱいは」と言われていた11月30日、僕が外で弁護団会議に出席中、突然、マンション管理会社から電話が入る。

「誰もいないんですが」

午後2時20分頃のことである。

そうですよ、僕でも外で仕事するときは、ある。

相方の土井洋佑弁護士は、原発避難者訴訟の尋問期日の最終日で、終日、地裁大法廷に張り付きである。

何か僕の事務所を開けて、壁の穴から排水管の様子を調べたいというのである。

おい、とっくに調べただろ。それ。

 

 

「何時に戻りますか」

いつ帰ろうが、知ったことではないが、親切に会議を抜けるわけにはいかないから、帰ると5時頃になると、余裕を見てお答えする。

 

 

何か、水道工事の人と打ち合わせをするらしく、電話が切られ、やがて、再度電話。

「どうしても今日中に見ておきたいということで、5時まで待ちます」

はあ、そうですか。勝手に待ってください。

わたしゃ無理に急いで帰ったりせんからね。

 

 

午後5時、管理会社と管理組合長さんがお見えになる。
挨拶するや、どやどやと事務所に作業服を着た数名の男性が入り、穴隠しパネルを剥がして、のぞき込んで、ああでもない、こうでもないと十数分ほど、補修方法を打ち合わせしている。

穴の上にある配電盤を指して、これを外さなければなどと言い合っている。

“おいおい、それはやめてくれ。全室停電じゃないか”と心中、震え上がる。

 

 

管理会社と雑談。

僕「まだ、水漏れ修理終わらないんですか」

管理会社「(漏水原因となっている)3階の配管の様子もみなければならないのだが、みんな休みが取れないということで調べることができずに今日まで来てしまった」云々。

 

 

そうか、たとえ、1階が水漏れしようが、住人の責任でもあるまいし、休んであげるような余裕はないわね。

やっぱり日本は貧乏になったのだと、きちんと社会問題に位置づけて、僕は、納得してみる。

 

 

ということで、「11月いっぱいは」と言っていた11月は明けた。

 

 

12月6日、管理会社が菓子折を持って、事務所に来る。

いやな予感。

おい、菓子折要らないから、穴を早く塞ごう。

 

 

「申し訳ないのですが、これまで老朽化した配管の中に1階から塩ビ?管を通して補修する計画だったんですけど…」

おい、もう言うな。それ以上、話すな。

 

 

「検討した結果、3階の排水管を切断して、つなぎ直すしか方法がないということになり」

聞きたくない。

 

 

「この配電盤をずらして、天井に穴を開けて」

やめてくれ! 菓子折いらないから。

 

 

「壁の穴も広げて、ここから作業をするということになりました」

ああ、聞きたくなかった。

 

聞いちゃった。

 

 

僕「全室、停電ですか」

管理会社「いえ、工事中は配電盤を動かして、電線をつなぐので、停電は20分程度で終わります」

 

 

僕「菓子折ひとつじゃ足りないよ」

おい、菓子折の話をしている場合か。

 

 

申し訳なさそうな管理会社を玄関から送り出す。

僕「この穴、目立つでしょ。でも、出入りする人、誰も、何も言わないの」

管理会社「目立ちますよね」

僕「僕が暴れたんじゃない、って言いたいんだけど、聞いてくれないから(不名誉が晴らせない)」

管理会社「聞いてくれれば、答えるのにねえ」

 

 

という次第で、今日も壁の穴は健在である。

11月30日に排水管を観察に来た水道業者は、あまり思わしくなかったということで、また別の業者が来るそうである。

日程調整して、また、連絡が来ることになっている。

 

 

以上、壁の穴レポート第2号である。

穴が開いたまま、新年を迎えることは必至である。

しかも、それは、穴と呼ぶような代物ではない可能性がある。

げに恐ろしや、日本のインフラ・マンションの老朽化問題(我が事務所が入居するマンションは築35年だそうだ)。

壁の穴第31日目。

 

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総じてアベノミクスを否定する議論があるが、僕は第2の柱であった『国土強靱化計画』はそれなりに評価する。
とにかくインフラを補修するだけでも、相当な工事量があるのは、水道管の老朽化問題でも明らかである。
ちゃんと取り組めば、政府が言うように130年かかるとは思わないが、水道管一つとっても、やるべき工事は多い。
次々と老朽化している集合住宅問題も、本来、待ったなしだが、分譲マンション問題に手を付ける方法を真剣に考えているとは見えない。
分譲でなくとも、所有者に資金がないために、放置されている幽霊ビルが、名古屋市内でもいくらもある。
超高層と謳って売り出したマンションだって、後20年もすれば老朽マンション問題の超厄介者の仲間入りだ。

『国土強靱化計画』がなぜ、頓挫しているかと言えば、そこにオリンピックに留意するという一言が入っているからだ。
リニアにも、オリンピックにも留意するから、人手が足りない。
リニアをやらなければ、新幹線の料金はおよそ3分の1に下げることができるなんて、誰も教えてくれない。
リニアがいいか、新幹線料金の値下げがいいかを問えば、誰もが料金値下げを望むことは目に見えているからだ。その代わり、リニア沿線再開発という巨大な土木利権は消失する。

この上に、まだ、万博だ、冬季五輪だ、ワールドカップだなどと騒いでいるノスタル爺いの気が知れない。

崖っぷちで、おぼつかない足取りで、ダンスを踊っている。

日本には、完全失業者162万人、若年無業者71万人いるという。
「国がやるべきことは、こうした仕事に就けないでいる人、または働く気のない人に働くことの喜びを与えること。それが職業訓練なのではないのか」
との田中康夫氏の指摘は、あまりに当然だ。
(「失業者162万人…“外国人労働者”を受け入れる日本は『人手不足』なのか?」)

要するに、外国労働者移入拡大の狙いは、人手不足であるために賃金が上がるという、平素は持ち上げる当然の市場メカニズムすら拒絶して、賃金を下落させたいがために、「安い賃金を求めて」外国人を騙して連れてくるという、資本の醜悪な欲望むき出しの政策なのだ。

日本は、ただ、問題を先送りしてきた。
少子化問題しかり、インフラ老朽化問題しかり。食糧自給率、エネルギー自給率の問題もしかりだ。

先送りしたあげく、崖っぷちにいながら、なお、先送りする限り問題はないとばかりに、日本凄いと囃し立ててバカ騒ぎしながら、このまま日本は日没国家になるのか。

宣言しておく。
ノスタル爺いに巻き込まれてコロされるのは、まっぴらごめんだ!!

2018年10月17日 (水)

まだ、この国は捨てたもんじゃない、  かもしれない

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小出裕章氏の「フクシマと東京オリンピック」を紹介した記事に対する「いいね」が5000を超えた。

これだけの数の「いいね」は、マイナンバーに関する記事を書いていた当時以来のことだから、3年振りだ。

 

 

マイナンバーのときの「いいね」の最高数は、1万6000だった。

今回の5000超の「いいね」をどうみるか。

 

 

マイナンバーは、国民全員に関わるものだった。

かつ、僕の記事は、マイナンバーに反対する立場を徹底した記事ではあったが、一応、実務的に有益な要素も含んでいた。

 

 

他方、今回紹介した、小出裕章氏の訴えは、マスコミ的には忘れられたかのごとき、絶対少数の避難者の立場から、原子力緊急事態宣言下におけるオリンピックの開催の異様さを告発し、その中止を、あるいは各国に対する不参加を呼びかけるものだ。

マスコミ(一部のラジオ番組を除く)が総掛かりで賞賛するオリンピックの陰で、押しやられた絶対少数の避難者の立場に立とうとするものなので、この社会の空気の中では、圧倒的に少数の弱者の声である筈である。

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加えていえば、このブログは、この2年ほどサボりまくりであって、発信力はかつての5分の1くらいに低下している。

 

 

今回の5000超の「いいね」はマイナンバーのときに匹敵する数だと言っていいだろう。
いや、明確な意思を持ってなされた「いいね」なのだから、それ以上の数に匹敵するのかもしれない。
だから、5000超の「いいね」に、僕は希望を見いだす。

 

 

そうだ、少なからぬ人々は、東日本大震災の直後に誘致が決まった東京オリンピックに強い違和感を持っている。

そして、その違和感や抵抗感は、それから7年半を経た今も何も変わっていない。

マスコミの執拗な刷り込みにもかかわらず、原発事故を半ば放置した今の状態で、オリンピックを開催することは許されないと考える人々がこの国には確かに少なからず存在するのだ、と。

きっかけさえあれば、多数派になる可能性だって秘めているのだ、と。

 

 

こうした思いを政治が反映していれば、日本はもっともっと住みやすい国になっていただろう。

現実はそうではなかった。いや真逆だったと言ってもよい。

それでも、だからといって、私たちは絶望することは許されない。

希望を、持とう。

 

 

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名古屋地裁1階大法廷で開かれる、原発事故避難者訴訟最終版に当たる、原告本人尋問の予定は次のとおりである。

 

10月26日(金)午前9時45分から午後5時

 

11月9日(金)午前9時45分から午後5時

 

11月16日(金)午前9時45分から午後5時

 

11月30日(金)午前9時45分から午後5時

 

傍聴席はいつでも自由に出入りできます。途中で入って、途中で出ても全く問題ありません。

 

2018年10月 8日 (月)

「罪のない人を棄民したままオリンピックが大切だという国なら、私は喜んで非国民になろう」小出裕章氏「フクシマ事故と東京オリンピック」

 元京都大学原子炉実験所助教小出裕章氏が、823日付でIOCのバッハ会長にあてて、東京オリンピックの中止を求める書簡を送ったとするブログがあった。

Koidehiroaki2018

 

そこに添付されていた和文のPDFファイルが以下のものである。

「フクシマ事故と東京オリンピック」

 

 

小出氏は、

「罪のない人を棄民したままオリンピックが大切だという国なら、私は喜んで非国民になろうと思う。」

との覚悟で、書簡を送った。

 

 

 

フクシマ原発事故は、処理の方針と呼ぶに値するものすら見えず、、ただ時間と労力を浪費・消耗して、先送りされている。

 

溶け落ち、どこにいったかも不明なデブリを取り出すことなどできるはずもない。

 

原発事故の処理など一歩も進んではいない。

 

日本人がみんな知っていて、ただ見ない振りをしている。

その事実を小出氏の文章は、えぐり出して、改めて突きつける。

 

 「フクシマ事故の収束など今生きている人間のすべてが死んでも終わりはしない。その上、仮に熔け落ちた炉心を容器に封入することができたとしても、それによって放射能が消える訳ではなく、その後数十万年から100万年、その容器を安全に保管し続けなければならないのである。」

 

 

小出氏は、避難指示に翻弄された人々に心を寄せる。

 

 

「福島第一原子力発電所から40~50 km も離れ、事故直後は何の警告も指示も受けなかった飯舘村は、事故後一カ月以上たってから極度に汚染されているとして、避難の指示が出、全村離村となった。

人々の幸せとはいったいどのようなことを言うのだろう。多くの人にとって、家族、仲間、隣人、恋人たちとの穏やかな日が、明日も、明後日も、その次の日も何気なく続いていくことこそ、幸せというものであろう。

それがある日突然に断ち切られた。

避難した人々は初めは体育館などの避難所、次に、2人で四畳半の仮設住宅、さらに災害復興住宅や、みなし仮設住宅へ移った。

その間に、それまでは一緒に暮らしていた家族もバラバラになった。生活を丸ごと破壊され、絶望の底で自ら命を絶つ人も、未だに後を絶たない。」

 

 

問題は、避難指示地域の外にもある。

事故の『収束』を急ぐ政府が行った避難指示の解除、そして住宅支援の打ち切りが、いかに住民に追い打ちをかけ犠牲を強いてきたか。

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「極度の汚染のために強制避難させられた地域の外側にも、本来であれば「放射線管理区域」にしなければいけない汚染地帯が広大に生じた。「放射線管理区域」とは放射線を取り扱って給料を得る大人、放射線業務従事者だけが立ち入りを許される場である。そして放射線業務従事者であっても、放射線管理区域に入ったら、水を飲むことも食べ物を食べることも禁じられる。もちろん寝ることも禁じられるし、放射線管理区域にはトイレすらなく、排せつもできない。
国は、今は緊急事態だとして、従来の法令を反故にし、その汚染地帯に数百万人の人を棄てた。棄てられた人々は、赤ん坊も含めそこで水を飲み、食べ物を食べ、寝ている。当然、被曝による危険を背負わせられる。棄てられた人は皆不安であろう。被曝を避けようとして、仕事を捨て、家族全員で避難した人もいる。子どもだけは被曝から守りたいと、男親は汚染地に残って仕事をし、子どもと母親だけ避難した人もいる。でも、そうしようとすれば、生活が崩壊したり、家庭が崩壊する。汚染地に残れば身体が傷つき、避難すれば心が潰れる。棄てられた人々は、事故から7年以上、毎日毎日苦悩を抱えて生きてきた。

 

その上、国は2017年3月になって、一度は避難させた、あるいは自主的に避難していた人たちに対して、1年間に20ミリシーベルトを越えないような汚染地であれば帰還するように指示し、それまでは曲がりなりにも支援してきた住宅補償を打ち切った。そうなれば、汚染地に戻らざるを得ない人も出る。今、福島では復興が何より大切だとされている。そこで生きるしかない状態にされれば、もちろん皆、復興を願う。そして人は毎日、恐怖を抱えながらは生きられない。汚染があることを忘れてしまいたいし、幸か不幸か放射能は目に見えない。国や自治体は積極的に忘れてしまえと仕向けてくる。逆に、汚染や不安を口にすれば、復興の邪魔だと非難されてしまう。」

 

小出氏は、避難指示が解除された区域の放射線量の高さが異常な高線量であることを強調し、「原子力緊急事態宣言」下だから居住可能とされているに過ぎない異常さを指摘する。

 

「 1年間に20ミリシーベルトという被曝量は、かつての私がそうであった「放射線業務従事者」に対して初めて許した被曝の限度である。それを被曝からは何の利益も受けない人々に許すこと自体許しがたい。その上、赤ん坊や子どもは被曝に敏感であり、彼らには日本の原子力の暴走、フクシマ事故になんの責任もない。そんな彼らにまで、放射線業務従事者の基準を当てはめるなど、決してしてはならないことである。しかし、日本の国はいま、「原子力緊急事態宣言」下にあるから、仕方がないと言う。緊急事態が丸1日、丸1週間、1月、いや場合によっては1年続いてしまったということであれば、まだ理解できないわけではない。しかし実際には、事故後7年半たっても「原子力緊急事態宣言」は解除されていない。国は積極的にフクシマ事故を忘れさせてしまおうとし、マスコミも口をつぐんでいて、「原子力緊急事態宣言」が今なお解除できず、本来の法令が反故にされたままであることを多くの国民は忘れさせられてしまっている。環境を汚染している放射性物質の主犯人はセシウム137であり、その半減期は30年。100年たってもようやく10分の1にしか減らない。実は、この日本という国は、これから100年たっても、「原子力緊急事態宣言」下にあるのである。」

 

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小出氏は、この原子力緊急事態宣言が恒常化したこの国で、なすべきこと、その当たり前の優先順位を改めて、強調する。

 

 

「今大切なのは、「原子力緊急事態宣言」を一刻も早く解除できるよう、国の総力を挙げて働くことである。フクシマ事故の下で苦しみ続けている人たちの救済こそ最優先の課題であり、少なくとも罪のない子どもたちを被曝から守らなければならない。それにも拘わらず、この国はオリンピックが大切だという。内部に危機を抱えれば抱えるだけ、権力者は危機から目を逸らせようとする。そして、フクシマを忘れさせるため、マスコミは今後ますますオリンピック熱を流し、オリンピックに反対する輩は非国民だと言われる時が来るだろう。」

 

 

そうして、冒頭の「罪のない人を棄民したままオリンピックが大切だという国なら、私は喜んで非国民になろう」という覚悟へ行き着くのだ。

 

 

原子力緊急事態宣言下で行われるオリンピックの異常性を訴え、アスリートが、被爆の被害者となるだけでなく、この国の異常な加害行為に加担することとなると警告して、文書は結ばれている

 

「原子力緊急事態宣言下の国で開かれる東京オリンピック。それに参加する国や人々は、もちろん一方では被曝の危険を負うが、一方では、この国の犯罪に加担する役割を果たすことになる。」

 

 

 

忘れられた原子力緊急事態宣言下で、相対少数の被害者は、忘れられた存在として放擲されている。

全国の裁判所でなお、原発事故避難者1万人近くが国と東電の責任を追及する訴訟が続いている。

 

 

名古屋地方裁判所では、9月28日(金)から原告本人尋問の手続に入った。

次の期日が予定されている。

場所は、名古屋地方裁判所1階の大法廷である。

傍聴者の減少が、原告らを心細くさせている。

是非、一人でも多くの方が足を運んで、原告に寄り添ってほしい。

 

 

10月12日(金)午前9時45分から午後5時

10月26日(金)午前9時45分から午後5時

 

11月9日(金)午前9時45分から午後5時
11月16日(金)午前9時45分から午後5時
11月30日(金)午前9時45分から午後5時

傍聴席はいつでも自由に出入りできます。途中で入って、途中で出ても全く問題ありません。

 

 

 

 

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追記 10月15日
正確には、小出裕章氏のこの文書は、英訳された上で各国のオリンピック委員会に送られているとのことである。
なお、私は、時宜にかなった話題で逐次フェイスブックを更新中です。

2014年12月20日 (土)

サイエンスZERO シリーズ原発事故(13) 謎の放射性粒子を追え

取り急ぎ、番組紹介まで。

サイエンスZERO
シリーズ原発事故(13) 謎の放射性粒子を追え!

放送
    2014年12月21日(日) [Eテレ] 夜11時30分~

再放送
    2014年12月27日(土) [Eテレ] 昼0時30分~

放送内容

福島第一原発の事故で大量に放出された放射性物質・セシウム。放射線量などをもとにその汚染状況が調査されてきたが、実際の化学的形態はよく分かっていなかった。しかし、電子顕微鏡を用いた巧みな調査で、不溶性の球形粒子として存在するものも多いことが明らかになった。従来想定されていた水溶性粒子とは体内や環境中でのふるまいが異なるため、健康影響の推定などにも違う考え方が必要だ。どのくらいの影響が懸念されるのか。


原発事故の放射性物質による健康被害こそ、現在の日本の最大のタブーになっている。
政党も原発事故による健康被害にふたをする点では一枚岩となり、「美味しんぼ」のように異論を提示すると、激しくバッシングされる構造にある。


多分、原発事故後の日本の置かれた状態を最も正確に評価している可能性が高い、「逝きし世の面影」ブログがこの番組に注目をしているので、紹介しておきたい。


表現行為に対するバッシングは昨年の「はだしのゲン」に始まり、今年1月に「明日ママがいない」、そして5月の「美味しんぼ」と続き、夏から秋にかけての朝日新聞バッシングへと続き、現在の戦前にさまよい込んだような表現不全空間に至っている。


僕は、原発避難者訴訟の名ばかりの弁護団員であるが、先日、原発周辺の地域から子どもを連れて避難してきたお母さんたちが、我が子の健康を心配する真剣さに触れる機会があった。
避難が遅れ(たことを自ら責め)、我が子を被曝させたことを悔やむ母親の気持ちに胸を突かれた。


仮に、「ニュースZERO」が、放射線による健康被害に絡む部分に踏み込むとすれば、NHKという極めつけの困難な状況の中で、ジャーナリズムの良心に忠実であろうとする現場の方々に深い敬意を表したい。

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2014年2月20日 (木)

原発事故が商談対象に 全ては企業利益のために

福島第一原発の廃炉と除染が、アメリカ企業との商談の対象として報じられている。
あまり注目を引いていないので、メモとして残しておく。
公共部門が責任を持って筋道を付けていくべき問題に、営利目的の企業が貪欲に群がって支配していこうとする様に、違和感を持つ感覚が、この国から消えていく。

ケネディ大使「米技術を福島復興に」NHK2月19日12時35分

アメリカのケネディ駐日大使が19日、東京電力福島第一原発の廃炉や除染作業について話し合うフォーラムで講演し、「アメリカの技術が、福島の復興につながることに期待している」と述べて、アメリカとしてこの分野で一層の協力を行っていく姿勢を強調しました。

アメリカのケネディ駐日大使は19日、東日本大震災からまもなく3年となるのを前に日米両政府が主催して福島第一原発の廃炉などの作業にどのような協力ができるか話し合うフォーラムで講演しました。
この中でケネディ大使は「今回のフォーラムを通してアメリカの技術が福島の復興にどう貢献できるか話し合う機会になることを期待している」と述べて、廃炉などの作業に一層の協力を行っていく姿勢を強調しました。

フォーラムは、原発や軍事施設の核廃棄物の処理などで実績を持つ26のアメリカの企業が参加して18日から2日間の日程で開かれていて、19日は被災地で活動している日本企業との商談会も予定されています。
アメリカ大使館の担当者は、「アメリカの企業は原発の廃炉作業に豊富な経験を持っており、政府としても後押ししていきたい」と話し、アメリカ企業の参入を支援していく意向を示しました。


ケネディ大使「米企業は貢献できる」日米廃炉フォーラムに26社
MSN産経 2014.2.19 12:01



原発の廃炉や除染に関する先進技術を持つ米国企業と、東京電力福島第1原発事故の収束作業に従事している日本企業との商談会などを行う「日米廃炉・除染 福島復興フォーラム」が19日、都内の米国大使館で開かれた。

会合の冒頭であいさつしたキャロライン・ケネディ駐日米大使は、災害発生後、日米が軍事・外交分野などで協力し、民間でも米国企業が除染作業を支援したこ とに言及した上で、「フォーラムは、事故の教訓を共有し、米国企業がいかに復興に貢献できるかを話し合える素晴らしい機会になる」と述べ、復興に向けた日 米企業の協力を呼びかけた。

フォーラムは同大使館と米商務省、日本の経済産業省などが18日から2日間の日程で共催。ロボット技術やモニタリング、汚染水対策など6分野において、米国企業26社と東電など日本企業約50社が、事故収束に向けた意見交換を行う。


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2013年10月20日 (日)

活断層問題をうやむやにするマフィア暗躍 19日の中日新聞から

昨日の中日新聞『特報』。
しばらく、聞かないと思っていたら、原発活断層問題は、マフィアたちがないことにしようと暗躍していた。

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民主主義と平和、そして人権尊重に関わるあまりにも多くの事柄がなし崩しに壊されようとしているため、目が行き届かぬことをよいことに、マフィアたちは活断層問題すらうやむやにして、超危険級の原発までも再稼働させようとしている。
傍線が汚くてすみませんm(__)m

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2013年9月10日 (火)

汚染水漏れが「特定秘密」となる日 今日の中日新聞から

今日の中日新聞『特報』は、オリンピック委員会の席上で、安倍総理が放射能の健康影響を否定し、港湾内の0.3㎢の範囲に完全にブロックされている、汚染水の海水への影響は全くないと国際社会に大うそをついた件を採り上げている。
「物言えぬ雰囲気」が社会的に醸成されていることを懸念している。


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国家秘密法(秘密保全法)の「特定秘密」は「外交」に関する事項も対象としているから、外交に関連して、政府が秘匿を要すると判断する事実も含む。
オリンピック開催は、政府にとっては、向こう7年間にわたり最大の外交的課題だろう。
「汚染水」「福島第一原発事故」に関わる新たな事象は、オリンピックを通して、「外交」に直結することになった。
「外交」上の重要な事実であるから「特定秘密」に指定される可能性が出てきたとみるのは決して杞憂ではない。


 

かくして、情報は完全にコントロール下に置かれ、市民からブロックされる。


 

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2013年7月22日 (月)

『みどりの風は役割を終えた』 それはないでしょ、谷岡さん

毎度のことながら、マチベンが推す勢力はいつも死に票になるのだ。
これは敵が、あまりにもでかいからやむを得ないことと考えているのだが、次のニュースにはさすがにめげる。

MSN産経 谷岡代表辞意表明 「緑のかぜ役割終えた」

 みどりの風の谷岡郁子代表は22日、名古屋市で記者会見し、参院選での落選と党の敗北を受け、代表辞任と政界引退の意向を表明した。「みどりの風は役割を終えた」との認識を示したが、党の解散に関しては「残った人たちが決める問題だ」と述べるにとどめた。

 同党は谷岡氏ら改選4人が全員落選し、国会議員は亀井静香、阿部知子両衆院議員だけとなって政党要件を失う。

 谷岡氏は辞意を問われたのに対し「もちろんだ」と明言。政治活動を続ける可能性も否定した。


生活、みどりの風全滅もショックだが、「みどりの風、役割終えた」は想定外のショック。
TPP反対、脱原発をどう政界の中に広げていくかを考えるときに、一人勝ちの共産党が、他党議員に影響力を及ぼしたり、まして政界再編の起爆剤になり得るとは考えられない。
どこかに緩やかな結節点になりうる勢力がなければ、政治的な影響を広げることはムリなのではないか。
みどりの風しか、そうした勢力は期待できないだけに、ここで、谷岡さんが引くのはショックだし、「谷岡さん、大変でしょうけど、辞任しないで」と、言いたい。


『絶対、諦めない』のキャッチコピーは、次代、さらにその次の世代のための心意気だったはず。『諦めない心』を取り戻そう



雑記
どうでもいいようだけど、理解できないのは、堤未果氏がなぜ、TPP推進の先鋭的勢力であるみんなの党の川田龍平氏を表立って応援しているのかということで、およそマチベンごときには想定不可能な、恐ろしく高度な戦略でもあるのだろうかしらん。(むろん、ご夫婦であることは知ってます)。

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2013年7月15日 (月)

転載・孫崎享メール「TPPを真剣に考える山田正彦議員(「みどりの風」)を見殺しにしていいか」(抄)

(略)

2: 今TPP反対を主張している国会議員がどれ位いるだろうか。

 今回の選挙で、本当にTPP反対のために頑張るという議員がどれ位いるであろうか。

 国会議員がかつて、「TPPを慎重に考える会」を形成していた。いまや無残な形で力が全くなかった。

 今“国会議員”で反TPPで頑張っているのは、元議員の山田正彦氏の他はほんのわずかしかいない。

 昨日、山田正彦氏と“TPPのトーク”に町村会館に出かけた。

 山田元議員は①米韓FTAで韓国農業が壊滅的になっていること、②日本が交渉で自己の主張を通すことはほとんど不可能になっていることを説かれた。私は上記の公聴会の論点を説明した。

 かつて、農協や、医師会が反対の先頭にたった。

 私は、農協や、医師会が前面にたって、山田正彦氏の参議院選挙を応援していると思った。
  そうではなかった。見えないのである。

東京でのほぼ最後の応援会である。

「山田正彦が語るTPPの真実」と題された演説会は、高校の同窓生の応援と、丸子安子候補(「緑のかぜ」の東京地区候補)と何人かの元国会議員の挨拶とトークライブである。

農協や、医師会の支援の言葉はない。

 安倍内閣になって、TPP参加の方針が出されるや、医師会や農協の姿勢は変わった。TPP反対運動の先頭には立たなくなった。

 TPPの問題は、そもそも農協や医師会だけの問題ではない。国民の問題だ。国の問題だ。

 国家主権が侵害されるという国家の問題だ。

 個人のレベルで言えば、確実に国民健康保険が実質的に崩壊する国民の問題だ。

 TPP反対を真剣に唱え、行動する候補者が、今どれだけいるであろうか。

 

 山田正彦氏はそのなかで稀有な存在である。

 

 今彼は苦しい選挙戦を戦っている。

 

 TPPに疑問をもっている方々へ。山田正彦議員(「みどりの風」)を見殺しにしていいか。

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2013年7月 4日 (木)

原発、TPP、憲法こそ争点となるべき課題だ 今日の中日新聞から

参院選の公示である。
中日新聞は、憲法、原発、TPPが争点であると報じる。
最近の中日新聞のTPP報道には極めて不満であるが、TPPを争点にすら挙げなかった朝日の見出しと比べれば、わかりやすいし、位置づけもよくできている。

2013saninsenchunichi

争点に関する各党のスタンスを改めて確認しておきたい。

2013saninsenchunichi2

この切ない今だからこそ、私たちは、長期的視野に立って考えたい。
永続するはずのないアベノミクスに騙されず、義に従って未来に対する責任を果たしたいと考える。
選択の幅は、生活、共産、社民、みどりの風のいずれにしかない。
気に入っても気に入らなくても、そうするしかない。
自民党の圧勝は避けられなくても、せめて、これら4党の躍進を実現しなければ、将来世代に重大なツケがくる。


東日本大震災、原発事故の直後の国政選挙で、日本国民は、原発を強力に推進する勢力を政権に就かせてしまった。
原発事故などなかったかのごとき、再稼働と原発輸出に精力を注ぐ首相は、明確に不道徳である。


自民党は、選挙公約(政策集と言い訳をするが)において、TPPには極めて厳しい6条件が満たされなければ参加しないと主張して、農業従事者を含む支持を得て、政権に返り咲いた。
僕はとりあえず、TPP推進の民主党からTPP反対の自民党に政権が移行したことを祝って見せた(12月17日ブログ)。


ところが、ものの2ヶ月のうちに、新自由主義の信奉者である前原誠司ですら飲めないとした米国の要求を次々と飲み、さらには率先して国民の資源を献上して、TPP交渉に参加する(3月12日付ブログ)。
共犯関係にあるメディアはこの公約違反を決してとがめない。
外資規制で保護されたメディアもむしろアメリカ資本に買い叩かれることを望んで歓迎しているかのようである。


ダダ漏れにお札を刷って景気を演出しても、続くはずがないことは、誰もがわかっているはずだ。
刹那主義に任せて、安倍政権に信任を与えるならば、続く3年は自由が奪われ、言論・情報が統制される暗黒の恐怖政治と、ヘッジファンドと格付け会社が演出する財政危機が待つだろう。
日本の全てが外資=グローバル資本に買い叩かれ、麻生財相が言うように水道すら民営化され、国民の生活は窮迫するだろう。
外資にとって、GDP世界第3位の日本は、残された最後の莫大な利益が約束された地である。


原発は止める、TPP交渉参加は撤回する、憲法の基本原則に触れる部分は決して変えさせない。
命と平和を尊ぶならば、当たり前のことだ。
今こそ、長い目で将来を見通したい。

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