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カテゴリー「東日本大震災」の76件の記事

2014年12月20日 (土)

サイエンスZERO シリーズ原発事故(13) 謎の放射性粒子を追え

取り急ぎ、番組紹介まで。

サイエンスZERO
シリーズ原発事故(13) 謎の放射性粒子を追え!

放送
    2014年12月21日(日) [Eテレ] 夜11時30分~

再放送
    2014年12月27日(土) [Eテレ] 昼0時30分~

放送内容

福島第一原発の事故で大量に放出された放射性物質・セシウム。放射線量などをもとにその汚染状況が調査されてきたが、実際の化学的形態はよく分かっていなかった。しかし、電子顕微鏡を用いた巧みな調査で、不溶性の球形粒子として存在するものも多いことが明らかになった。従来想定されていた水溶性粒子とは体内や環境中でのふるまいが異なるため、健康影響の推定などにも違う考え方が必要だ。どのくらいの影響が懸念されるのか。


原発事故の放射性物質による健康被害こそ、現在の日本の最大のタブーになっている。
政党も原発事故による健康被害にふたをする点では一枚岩となり、「美味しんぼ」のように異論を提示すると、激しくバッシングされる構造にある。


多分、原発事故後の日本の置かれた状態を最も正確に評価している可能性が高い、「逝きし世の面影」ブログがこの番組に注目をしているので、紹介しておきたい。


表現行為に対するバッシングは昨年の「はだしのゲン」に始まり、今年1月に「明日ママがいない」、そして5月の「美味しんぼ」と続き、夏から秋にかけての朝日新聞バッシングへと続き、現在の戦前にさまよい込んだような表現不全空間に至っている。


僕は、原発避難者訴訟の名ばかりの弁護団員であるが、先日、原発周辺の地域から子どもを連れて避難してきたお母さんたちが、我が子の健康を心配する真剣さに触れる機会があった。
避難が遅れ(たことを自ら責め)、我が子を被曝させたことを悔やむ母親の気持ちに胸を突かれた。


仮に、「ニュースZERO」が、放射線による健康被害に絡む部分に踏み込むとすれば、NHKという極めつけの困難な状況の中で、ジャーナリズムの良心に忠実であろうとする現場の方々に深い敬意を表したい。

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2014年2月20日 (木)

原発事故が商談対象に 全ては企業利益のために

福島第一原発の廃炉と除染が、アメリカ企業との商談の対象として報じられている。
あまり注目を引いていないので、メモとして残しておく。
公共部門が責任を持って筋道を付けていくべき問題に、営利目的の企業が貪欲に群がって支配していこうとする様に、違和感を持つ感覚が、この国から消えていく。

ケネディ大使「米技術を福島復興に」NHK2月19日12時35分

アメリカのケネディ駐日大使が19日、東京電力福島第一原発の廃炉や除染作業について話し合うフォーラムで講演し、「アメリカの技術が、福島の復興につながることに期待している」と述べて、アメリカとしてこの分野で一層の協力を行っていく姿勢を強調しました。

アメリカのケネディ駐日大使は19日、東日本大震災からまもなく3年となるのを前に日米両政府が主催して福島第一原発の廃炉などの作業にどのような協力ができるか話し合うフォーラムで講演しました。
この中でケネディ大使は「今回のフォーラムを通してアメリカの技術が福島の復興にどう貢献できるか話し合う機会になることを期待している」と述べて、廃炉などの作業に一層の協力を行っていく姿勢を強調しました。

フォーラムは、原発や軍事施設の核廃棄物の処理などで実績を持つ26のアメリカの企業が参加して18日から2日間の日程で開かれていて、19日は被災地で活動している日本企業との商談会も予定されています。
アメリカ大使館の担当者は、「アメリカの企業は原発の廃炉作業に豊富な経験を持っており、政府としても後押ししていきたい」と話し、アメリカ企業の参入を支援していく意向を示しました。


ケネディ大使「米企業は貢献できる」日米廃炉フォーラムに26社
MSN産経 2014.2.19 12:01



原発の廃炉や除染に関する先進技術を持つ米国企業と、東京電力福島第1原発事故の収束作業に従事している日本企業との商談会などを行う「日米廃炉・除染 福島復興フォーラム」が19日、都内の米国大使館で開かれた。

会合の冒頭であいさつしたキャロライン・ケネディ駐日米大使は、災害発生後、日米が軍事・外交分野などで協力し、民間でも米国企業が除染作業を支援したこ とに言及した上で、「フォーラムは、事故の教訓を共有し、米国企業がいかに復興に貢献できるかを話し合える素晴らしい機会になる」と述べ、復興に向けた日 米企業の協力を呼びかけた。

フォーラムは同大使館と米商務省、日本の経済産業省などが18日から2日間の日程で共催。ロボット技術やモニタリング、汚染水対策など6分野において、米国企業26社と東電など日本企業約50社が、事故収束に向けた意見交換を行う。


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2013年10月20日 (日)

活断層問題をうやむやにするマフィア暗躍 19日の中日新聞から

昨日の中日新聞『特報』。
しばらく、聞かないと思っていたら、原発活断層問題は、マフィアたちがないことにしようと暗躍していた。

Chunichi131019

民主主義と平和、そして人権尊重に関わるあまりにも多くの事柄がなし崩しに壊されようとしているため、目が行き届かぬことをよいことに、マフィアたちは活断層問題すらうやむやにして、超危険級の原発までも再稼働させようとしている。
傍線が汚くてすみませんm(__)m

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2013年9月10日 (火)

汚染水漏れが「特定秘密」となる日 今日の中日新聞から

今日の中日新聞『特報』は、オリンピック委員会の席上で、安倍総理が放射能の健康影響を否定し、港湾内の0.3㎢の範囲に完全にブロックされている、汚染水の海水への影響は全くないと国際社会に大うそをついた件を採り上げている。
「物言えぬ雰囲気」が社会的に醸成されていることを懸念している。


Chunichi130910_2

国家秘密法(秘密保全法)の「特定秘密」は「外交」に関する事項も対象としているから、外交に関連して、政府が秘匿を要すると判断する事実も含む。
オリンピック開催は、政府にとっては、向こう7年間にわたり最大の外交的課題だろう。
「汚染水」「福島第一原発事故」に関わる新たな事象は、オリンピックを通して、「外交」に直結することになった。
「外交」上の重要な事実であるから「特定秘密」に指定される可能性が出てきたとみるのは決して杞憂ではない。


 

かくして、情報は完全にコントロール下に置かれ、市民からブロックされる。


 

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2013年7月22日 (月)

『みどりの風は役割を終えた』 それはないでしょ、谷岡さん

毎度のことながら、マチベンが推す勢力はいつも死に票になるのだ。
これは敵が、あまりにもでかいからやむを得ないことと考えているのだが、次のニュースにはさすがにめげる。

MSN産経 谷岡代表辞意表明 「緑のかぜ役割終えた」

 みどりの風の谷岡郁子代表は22日、名古屋市で記者会見し、参院選での落選と党の敗北を受け、代表辞任と政界引退の意向を表明した。「みどりの風は役割を終えた」との認識を示したが、党の解散に関しては「残った人たちが決める問題だ」と述べるにとどめた。

 同党は谷岡氏ら改選4人が全員落選し、国会議員は亀井静香、阿部知子両衆院議員だけとなって政党要件を失う。

 谷岡氏は辞意を問われたのに対し「もちろんだ」と明言。政治活動を続ける可能性も否定した。


生活、みどりの風全滅もショックだが、「みどりの風、役割終えた」は想定外のショック。
TPP反対、脱原発をどう政界の中に広げていくかを考えるときに、一人勝ちの共産党が、他党議員に影響力を及ぼしたり、まして政界再編の起爆剤になり得るとは考えられない。
どこかに緩やかな結節点になりうる勢力がなければ、政治的な影響を広げることはムリなのではないか。
みどりの風しか、そうした勢力は期待できないだけに、ここで、谷岡さんが引くのはショックだし、「谷岡さん、大変でしょうけど、辞任しないで」と、言いたい。


『絶対、諦めない』のキャッチコピーは、次代、さらにその次の世代のための心意気だったはず。『諦めない心』を取り戻そう



雑記
どうでもいいようだけど、理解できないのは、堤未果氏がなぜ、TPP推進の先鋭的勢力であるみんなの党の川田龍平氏を表立って応援しているのかということで、およそマチベンごときには想定不可能な、恐ろしく高度な戦略でもあるのだろうかしらん。(むろん、ご夫婦であることは知ってます)。

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2013年7月15日 (月)

転載・孫崎享メール「TPPを真剣に考える山田正彦議員(「みどりの風」)を見殺しにしていいか」(抄)

(略)

2: 今TPP反対を主張している国会議員がどれ位いるだろうか。

 今回の選挙で、本当にTPP反対のために頑張るという議員がどれ位いるであろうか。

 国会議員がかつて、「TPPを慎重に考える会」を形成していた。いまや無残な形で力が全くなかった。

 今“国会議員”で反TPPで頑張っているのは、元議員の山田正彦氏の他はほんのわずかしかいない。

 昨日、山田正彦氏と“TPPのトーク”に町村会館に出かけた。

 山田元議員は①米韓FTAで韓国農業が壊滅的になっていること、②日本が交渉で自己の主張を通すことはほとんど不可能になっていることを説かれた。私は上記の公聴会の論点を説明した。

 かつて、農協や、医師会が反対の先頭にたった。

 私は、農協や、医師会が前面にたって、山田正彦氏の参議院選挙を応援していると思った。
  そうではなかった。見えないのである。

東京でのほぼ最後の応援会である。

「山田正彦が語るTPPの真実」と題された演説会は、高校の同窓生の応援と、丸子安子候補(「緑のかぜ」の東京地区候補)と何人かの元国会議員の挨拶とトークライブである。

農協や、医師会の支援の言葉はない。

 安倍内閣になって、TPP参加の方針が出されるや、医師会や農協の姿勢は変わった。TPP反対運動の先頭には立たなくなった。

 TPPの問題は、そもそも農協や医師会だけの問題ではない。国民の問題だ。国の問題だ。

 国家主権が侵害されるという国家の問題だ。

 個人のレベルで言えば、確実に国民健康保険が実質的に崩壊する国民の問題だ。

 TPP反対を真剣に唱え、行動する候補者が、今どれだけいるであろうか。

 

 山田正彦氏はそのなかで稀有な存在である。

 

 今彼は苦しい選挙戦を戦っている。

 

 TPPに疑問をもっている方々へ。山田正彦議員(「みどりの風」)を見殺しにしていいか。

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2013年7月 4日 (木)

原発、TPP、憲法こそ争点となるべき課題だ 今日の中日新聞から

参院選の公示である。
中日新聞は、憲法、原発、TPPが争点であると報じる。
最近の中日新聞のTPP報道には極めて不満であるが、TPPを争点にすら挙げなかった朝日の見出しと比べれば、わかりやすいし、位置づけもよくできている。

2013saninsenchunichi

争点に関する各党のスタンスを改めて確認しておきたい。

2013saninsenchunichi2

この切ない今だからこそ、私たちは、長期的視野に立って考えたい。
永続するはずのないアベノミクスに騙されず、義に従って未来に対する責任を果たしたいと考える。
選択の幅は、生活、共産、社民、みどりの風のいずれにしかない。
気に入っても気に入らなくても、そうするしかない。
自民党の圧勝は避けられなくても、せめて、これら4党の躍進を実現しなければ、将来世代に重大なツケがくる。


東日本大震災、原発事故の直後の国政選挙で、日本国民は、原発を強力に推進する勢力を政権に就かせてしまった。
原発事故などなかったかのごとき、再稼働と原発輸出に精力を注ぐ首相は、明確に不道徳である。


自民党は、選挙公約(政策集と言い訳をするが)において、TPPには極めて厳しい6条件が満たされなければ参加しないと主張して、農業従事者を含む支持を得て、政権に返り咲いた。
僕はとりあえず、TPP推進の民主党からTPP反対の自民党に政権が移行したことを祝って見せた(12月17日ブログ)。


ところが、ものの2ヶ月のうちに、新自由主義の信奉者である前原誠司ですら飲めないとした米国の要求を次々と飲み、さらには率先して国民の資源を献上して、TPP交渉に参加する(3月12日付ブログ)。
共犯関係にあるメディアはこの公約違反を決してとがめない。
外資規制で保護されたメディアもむしろアメリカ資本に買い叩かれることを望んで歓迎しているかのようである。


ダダ漏れにお札を刷って景気を演出しても、続くはずがないことは、誰もがわかっているはずだ。
刹那主義に任せて、安倍政権に信任を与えるならば、続く3年は自由が奪われ、言論・情報が統制される暗黒の恐怖政治と、ヘッジファンドと格付け会社が演出する財政危機が待つだろう。
日本の全てが外資=グローバル資本に買い叩かれ、麻生財相が言うように水道すら民営化され、国民の生活は窮迫するだろう。
外資にとって、GDP世界第3位の日本は、残された最後の莫大な利益が約束された地である。


原発は止める、TPP交渉参加は撤回する、憲法の基本原則に触れる部分は決して変えさせない。
命と平和を尊ぶならば、当たり前のことだ。
今こそ、長い目で将来を見通したい。

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2013年5月20日 (月)

ISD条項の実務 敦賀原発2号機直下の活断層と「間接収用」

敦賀原発2号機の直下の断層が原子力規制委員会によって活断層と断定され、廃炉の可能性が出てきたと伝えられる。
日本原電の浜田社長は、廃炉になった場合、震災以降、国の指示に従って行ってきた安全対策の費用を国に請求することも検討すると語った。



この場合、仮に日本原電が外国投資家に当たるとしてみよう。
ISD条項に基づく提訴が可能であるか。
勝訴の見込はどのくらいあるか。
賠償はどういう基準で算定されるか。
以上について、検討する。


まず、ISD条項に基づく提訴を考える場合、万能の「収用法理」を持ち出すことが得策であろう。
その場合、本件が「間接収用」に該当するかについてであるが、経産省によれば、「所有権等の移動を伴わなくとも、裁量的な許認可の剥奪や生産上限の規定など、投資財産の利用やそこから得られる収益を阻害するような措置も収用に含まれる」とされている(経済産業省 通商政策局 経済連携課「投資協定の概要と日本の取組」2012年11月)。


この定義の前段は例示であり、結局、再稼働の不認可が「投資財産の利用やそこから得られる収益を阻害するような措置」に当たるかどうかが問題になる。


本件は、「裁量的な許認可の剥奪」に著しく近いから、改めて検討するまでもないかもしれないが、念のために間接収用に該当するか否かについてTPPで採用されるアメリカ判例法理による判断基準を掲げておこう。
    ①政府措置の経済的影響の程度
    ②政府措置が明白で合理的な投資期待利益を侵害した程度
    ③ 政府措置の性格等


敦賀原発2号機のケースは、①経済的影響は甚大であり、②明白で合理的な投資期待利益を著しく侵害していることも明らかである。したがって、政府措置の性格を問題にするまでもなく、「間接収用」に該当することが明らかである。
(収用は、もともと公共目的でなされることが大前提であるから、政府措置が重大な危険性を避けるためにやむなくなされるものであることは間接収用を否定する理由にはならない)


したがって、外国投資家は、このケースについて、ISD提訴が可能であるし、勝訴も確実と言える。


さて、補償額であるが、浜田社長は「震災以降、国の指示に従って行った安全対策の費用」と語っている。
控えめすぎる。
何もそんなに遠慮する必要はないのだ。


間接収用に当たっては、収用時の投資財産の公正な市場価格(fair market value)によって補償する原則が確立している。
キャッシュフロー方式(中間利息控除方式)によって算定する逸失利益=将来利益を求めるべきである。


したがって、日本原電が外国投資家であれば、稼働可能年数までの間に挙げられたであろう利益に相当する金額を、間接収用と同時に支払うことを求めることができる。支払われるまで商業的に妥当な利率で遅延損害金の支払も求めることができる。
年利6%で請求するのが真っ当である。


外国投資家は、他社の原発事故で引き起こされたようなリスクも負わなくてよい。投資家の期待はノーリスクで保護されなければならないのである。


なお、日本国憲法によれば、致命的で取り返しのつかない事故を回避するための手段として合理性があるから、公共の福祉による財産権の規制として、当然、適法な措置である(憲法29条2項参照)。電力会社に何らかの補償をするべきかどうかは、政府の政治的裁量・政策の問題にとどまる。国民(この場合、在日・滞日外国人を含む)の生命・財産を守ることは国家の責務に他ならないから、財産補償が重大な問題に発展する余地はない。


ISDが導入されると、事態は、ことほどさように厄介になるのである。


ちなみに、現在、電力会社については、外為法によって、外国株主の投資に制限を加えることが認められている。
いわゆる投資分野における内国民待遇の例外規定に該当することになるが、この例外が許容されるためには、全加盟国の合意が必要である。


なお、日本原電が継続的に保守メンテナンス契約や部品供給契約をしているアメリカ(加盟国)企業であれば、その外国企業は、外国投資家として、間接収用に基づく補償を請求できると考えられる。


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付記
最近、日本の最高裁も
財産権至上主義的な判決を下しているようにもみえるし、行政事件訴訟法の下級審での運用状況などから察すると、行政事件も財産権保護(住民利益・環境利益の軽視)に偏った判決の傾向があるように見受けられる。
したがって、仮に日本原電から依頼があった場合、憲法29条3項の「収用」に準じて補償を求めるという構成を採用することも弁護士としては、あり得るだろう。
但し、その場合でも、ISD裁判のような公正な市場価格による補償(逸失利益・稼働利益の補償)ではなく、「正当な」補償を求められるにとどまるので、さまざまな政策的配慮を持ち込んだ補償になるのではないかと想像される。

2012年12月30日 (日)

東電のお粗末 被曝米兵「トモダチ」損害賠償訴訟

昨日のブログで、アメリカの裁判所になぜ米兵の東電に対する損害賠償訴訟の管轄が認められるのか、検討した。
マチベンの結論は、不法行為の被害発生地としてアメリカの裁判所に国際裁判管轄があるというものだった。

しかしながら、訴状を見ると、不法行為地を理由とする国際裁判管轄の主張はない。
東電の原発事故について、アメリカの裁判所に管轄が認められる理由は、単純に被告の所在地がアメリカにあるとするものだった。
支社や事務所所在地も国際裁判管轄を生じさせる。
東電は、ワシントンに事務所を構えていた。
だからアメリカに裁判管轄があり、カルフォルニアでも事業をしているから、カルフォルニア州の連邦地方裁判所にも管轄があると、原告は主張していたのだ。

唖然とした。
被告所在地は最も一般的な管轄原因である。
マチベンが東電のアメリカでの事業展開を想定していなかったという意味ではない。
まさか、アメリカに「日本法人」の事務所を構えているとは想像もしなかったからだ。
訴訟リスクの高いアメリカで事業展開するのであれば、現地法人を設立して、日本本社に累が及ばないようにするのが企業法務のイロハではないかと思っていたからである。
まして福島原発事故後であれば、当然である。
つくづく東電は阿呆である。
確かに、「トモダチ」から企業の存亡を左右されるような訴訟を提起されるとは、マチベンも想像していなかったが、仮にマチベンが東電の企業法務を担当していたとすれば、この種訴訟の可能性には、容易に思い至っていた筈だ。

何ともお粗末な東電のリスク管理である。

昨日のブログでは、不法行為地として管轄があると考えたが、原告は発ガンリスクが高まる程度の被曝を具体的に主張立証しようとしているわけではなく、偽情報を流して騙したことによる被爆自体を損害を主張しているようである。
そうであれば、不法行為地に基づく管轄は発生しない。
日本法人ではなく、現地法人を設立しておけば、この件では、国際裁判管轄がアメリカに生じることもなかったはずである。

東電の阿呆さは、日本での傲慢さと裏腹である。
傲慢な体質が身に染みついているから、足下をすくわれる危険性をまじめに検討することができない。
自分だけは、安全地帯にいると思っているから、国民を次々と突き落とし、見殺しにすることができる。
やがて、それが自分に及ぶという想像力など東電にはかけらもない。
これが、日本の大企業共通の体質だとすれば、日本の大企業は「終わっている」。

この訴訟の請求内容については、「税金と保険の情報サイト」に“賠償50兆円?『トモダチ作戦』米兵8人が東電に賠償請求”としてかなり正確な記事が載っていた。
健康被害に対する賠償が一人当たり1000万ドル、懲罰的慰謝料が全体で3000万ドル、原告らの将来的な医療費をカバーするための1億ドルの基金の設立を求めている。
原告9名で、合計2億2000万ドルが請求額ということのようである。

この記事は、この種の訴訟がトモダチ作戦に参加した米兵2万400人に波及する可能性を指摘し、この訴訟リスクを最大50兆円と見積もっている。
アメリカには、ビジネスチャンスとあれば、見境いなく飛びつくハイエナ弁護士が跋扈しているし、賠償額、賠償方法はアメリカでは陪審員が決めると思われるから、このリスクは杞憂には止まらないだろう。
東電に投入される日本国民の血税は、ハイエナ弁護士たちに巻き上げられていく。
彼らがハイエナでなければ、被爆リスクを承知の上で、作戦を展開したアメリカ政府こそ被告に加えられてしかるべきだろう。

脱原発に向けた国民の願いを踏みにじって原発推進政策に転換を図ろうとする日本政府も、原発をなくせば競争力を失い経済が衰退する騒ぐ財界も、福島原発事故の重大性と原発リスクの大きさを思い知ってもらいたい。

政府にしろ、官僚にしろ、財界にしろ、メディアにしろ、今やトップは目先の利益にしか見えていない。
その原因をマチベンは某大企業との交渉を通じて体験的に知っている。
今、組織のトップにいるのは、みんな自分の保身だけしか考えていない。
自分の身の安泰をはかることしか考えていない。
みな、国のことも、自分の会社のことすら考えていない。
自分さえ安泰なら、国も会社もこの先、どうなってもいいのである。

だから、企業法務も想像力のかけらもないお粗末なものになる。
この訴訟の対策を委ねる適切な弁護士も準備していないのではないか。
人ごとでなく、心配である。

日中間の企業交渉等を担当する中国人の通訳が言ったとされるエピソードがある。
「中国では、上に行くほど、賢い人物が出てくるが、日本では上に行くほどバカが出てくる」

繰り返すが、弁護士激増政策の災厄は、必ず大企業に降りかかる。
米国のハイエナ弁護士に恰好の武器を与えるTPPは、必ず、日本政府や財界に再起不能なダメージを与えるだろう。

弁護士激増政策と、TPP推進は直ちにやめるのが身のためである。

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2012年12月29日 (土)

財界へのアドバイス -- 東電に対する被曝米兵の損害賠償訴訟をめぐって

東電がアメリカで訴えられた。
請求額は1億1000万ドルという報道もあるので、情報は錯綜しているようだ。

米空母乗組員8人、東電提訴=誤情報で被ばく、120億円請求

時事通信2012年12月27日(木)23:27

 米メディアなどによると、東日本大震災を受けて被災地沖合に派遣された米原子力空母ロナルド・レーガンの乗組員8人が27日までに、東京電力が福島第1原発事故について誤った情報を伝え、危険なレベルまで被ばくさせたとして、同社を相手に損害賠償など計1億4000万ドル(約120億円)の支払いを求める訴えを、米サンディエゴの連邦地裁に起こした。

 「トモダチ作戦」として救援活動に当たった乗組員側は「米海軍が東電による健康と安全に関する偽りの情報を信頼し、安全だと誤解させられた」と主 張。「東電だけが入手できた当時のデータによると、原告が活動していた地域における放射線被ばく量は、チェルノブイリ原発から同距離に住み、がんを発症し た人々の被ばく量にすでに達していたことになる」と指摘した。

 また日本政府についても、「ロナルド・レーガンや乗組員への放射能汚染の危険はないと主張し続けていた」とし、意図的なミスリードだったと非難した。 

[時事通信社]

原告にしてみれば、日本国も当然、被告にしたいところだ。
しかし、アメリカで日本国を訴えることはできない。
主権免責(主権免除)と呼ばれる法理があるからだ。
国際法上、国家主権は絶対的な権利であり、侵犯されてはならない。
例外的に、契約責任等を追及される場合を除けば、国家は、他国の司法で裁かれることはない。


しかし、東電は別だ。
東電は、一民間企業に過ぎない。
裁判所の管轄は、被告の住所地だけではなく、不法行為地にもある。
トモダチ作戦の活動は日本で行われたが、今後生じる可能性のある健康被害は、アメリカで発生している。
そして、不法行為地は、被害の発生した地を含む。
したがって、アメリカの裁判所に管轄はある(アメリカの裁判所には、この件で東電を裁く権限がある)。


訴訟の行方を見通すことはむろん困難だが、被曝リスクの上昇が認められれば、アメリカの裁判所は容赦なく東電の責任を認める可能性がある。
東電が正確な情報を発信していなかったことは、火を見るより明らかだからだ。


東電といえども日本国民を蹂躙し、見殺しにできても、米兵を踏みつけにすることは不可能だということだ。


但し、トモダチ作戦の実相には、よくわからないことが多い。
2011年5月2日付の中日新聞の社説「大震災と米軍支援 日米を真のトモダチに」によれば、

 日本政府から十分な情報が得られないと分かると、米政府は希望を募って在日米軍の家族七千五百人を帰還させ、福島第一原発の周囲八十キロを避難地域に指定した。これを受けて「トモダチ作戦」は八十キロ圏外で行われている。フクシマを米国に波及させないことに関して、米政府は徹底している。

とされている。活動が80キロ圏外で行われていたとする場合に、それでも、アメリカの裁判所が被曝リスクの上昇による健康被害を認めるか。注目されるところだ。


仮に、被曝リスクの上昇による健康被害が認められる可能性があれば、今回、訴訟を提起した8名だけではなく、トモダチ作戦に動員された多数の米兵から次々と訴訟が提起される可能性がある。


そうなると、問題は賠償額である。
単純に数字を見れば、一人当たり10億円を遙かに超える賠償を求められている。
アメリカには制裁的(懲罰的)慰謝料の法理があるから、億を超える賠償が認められても不思議ではない。


アメリカの弁護士にとって、東電訴訟は、日本の過払金訴訟のように旨味のある裁判になる可能性がある。


アメリカでは毎年4万人だったかの弁護士が生まれており、すでに弁護士人口は100万人を遙かに超えている。
利益が上がると見れば、ハイエナのように群がって、東電を食いつぶすだろう。
東電に投入された税金は、瞬く間にアメリカの弁護士に吸い取られる可能性がある。


フクシマの被災者は、恣意的で不当な線引きによって、苦しんでいる。
避難地域外だとされれば、汚染しているにも拘わらず、避難することは認められない。被曝リスクを覚悟して地元に止まるか、補償らしい補償もなく、「自主的に」避難生活を送ることを余儀なくされている。
不当な線引きを超えて「避難する権利」が認められていないのだ。
アメリカ国民と日本国民の、この落差を、どう説明したらよいのか、言葉がない。


司法改革が目指した弁護士の自由競争による「法の支配」が、すでに十分に実現された国がアメリカである。
弁護士激増政策に歯止めをかけなければ、一般市民がブラック士業に巻き込まれるだけではない。
回収が確実な大企業が狙い打ちにされる可能性が高い。
そうなってから、財界が司法改革を推進したことを悔やんでも、もはや手遅れである。


また、財界が政府に対して強力な推進圧力をかけているTPPでは、アメリカの弁護士資格を有するアメリカ弁護士と日本の弁護士による日本の法律事務所の共同経営が目論まれている。アメリカの弁護士は、居ながらにして、日本の弁護士を支配下に置くことができるようになるのだ。
そうなったとき、アメリカのローファームの豊富な資金力を利用して、共同経営とは名ばかりの、飢えた雇われ日本弁護士が、次々と日本企業に襲いかかる。
過払金訴訟の負担に耐えかねて倒産した武富士の二の舞が起きるだろう。
そのことがわかっていて、その覚悟があって、財界はTPPに前のめりになっているのか。
増やしすぎた弁護士の報いは、必ず、財界にも向けられる。
日本企業の衰退を狙う勢力の先兵として、日本の飢えた弁護士が雇われるのだ。


財界は、弁護士大増員も、TPPも直ちに止めるべきだ。
市場圧力に圧迫されたハイエナ弁護士ほど怖いものはない。
今なら、間に合う。
貧困マチベンから、財界に対するアドバイスである。

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