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カテゴリー「法テラス」の6件の記事

2012年8月22日 (水)

ネット検閲はここまで来ている。 そこまでしますか電脳監視員さんゑ

いや、さすがに感心しましたよ。
普通、そこまでやりますか。
立派な言論妨害事件ですよ、これは。


急ぎの件に追われているので、とりあえず経過報告だけします。


8月18日のブログ記事「法テラスさんゑ 他にやることはないのか電脳監視員様」が、サイト『阿修羅』の政治板に「法テラス系と思われる電脳監視員の工作」と題して、転載された。


順調にアクセス数を増やして24時間アクセスランキング36位くらいまでは上昇していた。

Seijiakusesu_2

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当然ながら、クリックすれば、リンクした記事が読める仕組みでコメントも書き込めるようになっている。
ところが、今朝クリックしてみたら、驚くべきことになっていた。

Filegamitukarimasen_2

 すみません。ファイルが見つかりません。

と掲示されて、アクセスが禁止されているのである。


そもそも法テラスは、法務省管轄で、これに最高裁、日弁連も関与して設立された独立行政法人だったと思う。
そもそもが、社会の隅々まで法の支配を及ぼすという司法改革の一環として設立された機関であると聞いている。

そして、これらの機関は、むろん、いずれも憲法の尊重擁護義務がある。


それが、どうして、一定の批判的言論に対して、これを封じ込めるような圧力を掲示板サイトに加えるのか。

これでは法の支配ではなく、力の支配ではないか。


たかが、マチベンごときに対する仕打ちとしては、あまりにも過剰反応としか思えない。


企業に対する批判記事は、ネットではほとんど流通しないという情報はあった。企業が、損害賠償請求をちらつかせるなど、サイトに圧力をかけているからだと推測される。
しかし、法テラスは、私企業ではない、公益団体だ。
それが、たかだかヒラ弁護士の批判を封じ込めるためにここまで、力づくになるとしたら、異常だ。


愛想のない文章であるが、取り急ぎ、事実報告をしておく。


なお『阿修羅』掲示板サイトは、自由な言論の流通の場であり、マスメディアでは少数派である意見・見解が自由に交換される場である。掲示板運営者ご自身が、自ら一定の言説に制限を加えることはないものと信じている。したがって、第三者の圧力の存在を推測せざるを得ない。


ネット検閲が知らない間に、相当広範囲に行われるようになっていることを知っておくには、恰好の体験をさせていただいている次第である。

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そういえば、僕の法テラス関連記事については、最近、ブログ村への投稿反映も心なしか遅くなってきているように思われる。
これは単なる杞憂かも知れないが、そうでないかもしれないと思わせるような今朝の事件である。

2012年8月18日 (土)

法テラスさんゑ 他にやることはないのか血税で暮らしている電脳監視員さま

ヾ(.;.;゚Д゚)ノぶったまげた~
Σ(゚д゚;) 法テラス駐在の電脳監視員さんは、こんなちゃちなブログにもすぐに反応されるんだから、怯えるよ~(;´Д`A ```


何度も言うけど、守山区は、名古屋市16区の中でも唯一、地下鉄の計画すらない田舎なんですよ。
市街化区域内農地の宅地並課税などという馬鹿げた政策がなければ、今でも田んぼと畑だらけで蛙の声がうるさくてならないに違いない、そんなへんぴなところなんですよ。マチベンは、そんなところで、ひっそりと棲息しているおとなしい小動物なんですよ。


ところが、法テラスさんは、僕が8月14日のブログで「法テラスのお問い合わせ窓口ではありません」と書いたら、直ちに反応されました。
本当は対応してもらわなければならない別の重大な法律問題があるのに、そっちは何度扉を叩いても、ほったらかしなんですよ。それなのに今回の記事にはなぜか、直ちに反応したんですヾ(.;.;゚Д゚)ノ


僕はこの記事で「なぜか僕の所に法テラスに関する問い合わせがときどき来る」と書き、法テラス窓口のお役人的な不親切な回答を批判いたしました。


僕は「なぜか法テラスに関する問い合わせがしばしば来る」と書いていますが、もちろん理由はよくわかっていましたよ。
ここのところ、僕のブログの検索ワード・フレーズのトップはいつも「法テラス」でしたから。試しに検索するとどの検索サイトでも僕のブログ記事「法テラスによる詐欺弁護士扱いに抗議する 続」が1頁目に表示されていました。最高順位にくるサイトでは3位まで上り詰めていました。ヽ(´▽`)/


ところが、8月14日のブログの直後から、突然、僕のブログの検索ワードから「法テラス」が消えちゃったんですよぉ w(゚o゚)w
びっくりして検索サイトを見ると、「法テラス」の検索結果から、僕のブログ記事が見事に一斉に消えていたのを発見しました。

僕は、しばしば検索サイトが、都合の悪い情報を隠蔽することをよく知っています。

最たるものは尖閣諸島衝突事件の流出ビデオを全て抹殺して接続不能にしてしまった事件でした。このときは、日本のネットも「天安門事件」を遮断する中国と変わらないことを痛感させられてショックを受けたものです。
一時期なぜか、池田香代子さんのブログが、特定の検索サイトから消されたこともありました。


しかし、しかしですよ。
僕は、池田香代子さんのような反社会的勢力(反原発、反TPPの代表的人物を警察庁が反社会的勢力に分類していることを僕は知っています)を代表するような大物ではありません。
まして僕が流した情報は些細なもので、尖閣諸島衝突事件の流出ビデオなどと比べるべくもありません。

我が身にこんなネット検閲被害が及ぶなどとは夢想だにしておりませんでした。


僕としては、法テラス職員の不親切な対応で、訴訟費用は自分で負担しなければならないと思い込まされて困っている市民の問い合わせが少なくないので、そういう市民の疑問に予め応えておいてあげようとしたに過ぎないんですよ。


そんな程度で、僕のブログ記事は一気に検索サイトから一斉に消されてしまいました。
僕は一介の貧乏マチベンに過ぎないのに、そのマチベンの発言すら抹殺しようとする人がいるんですね。
ホントに泣きたくなるよ。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。


僕が法テラスで直接に接する職員は、こんな問い合わせ電話が来るんだよと言うと、それは窓口の対応を改めなければねと、言ってくれます。
だからもし万一でも法テラスさんが、僕のブログに気づいてくだされば、窓口対応を一斉に親切に改めてくださるものと信頼していたんですよ~
いかに「詐欺弁護士」扱いを受けていても、それは別問題だよなと、善意に考えておりました o(*^▽^*)o
マチベンはどこまでも甘ちゃんでした (/ω\)ハズカシーィ


法テラスの本部は、批判を許さないんですね。批判的な記事が見つかれば、検索サイトに連絡して、まずは検索サイトから抹殺するんです。
呆れてしまいました。( ゚д゚)ポカーン
呆れる以上に私のような小物ブロガーにまで目を光らせていることに恐怖を抱きました ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ
電脳監視社会は、私程度の小物まで対象にしているという訳です。
何と言うことでしょう。


怖いけど、もう一つ、批判しておきます。
誰だか知らないけど、細々とした取るに足らないブログまで目を光らせて、不都合な記事は検索サイトから抹殺するよう操作しているあなた、あなたのお給料は、国民の血税から出されているんですよ。自分で稼いでいるなんて錯覚しないでくださいよ

あなたは国民の僕(しもべ)なんです
ヽ( )`ε´( )ノ


血税で生活させてもらっているんだから、ネット狩りみたいなことはおよしになって、批判は批判として受け止めて、真摯に自らを改める公僕にふさわしい尊敬すべき法テラス運営者になってもらうことを切にお願いいたします m(__)m
苦情は法テラス改善のための栄養でしょう。僕としては、一般市民のお役に立つなら、多少の迷惑を忍ぶ譲歩をし、法テラス様に協力することはやぶさかではありません。
なので、まずは、僕の「法テラスの詐欺弁護士扱いに抗議する」ブログ記事を「法テラス」検索の上位に戻してやってくださいな。
苦情から教訓を得て改善していく、それでこそ国民や市民に信頼されるよりよき法テラスになることができるでしょう。

契約弁護士は否応なく「法テラス」様の下僕(げぼく)にされているわけですから、余裕をお持ちになったらいかがでしょう。
喧嘩すべきところは喧嘩し、協力すべきところは協力する、健全でよき関係を結びましょう。
          2012年8月18日
 法テラスさんゑ
                 マチベン

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追伸
「法テラス」検索で上位にランクされていた事実は、物的証拠があります。
貧困弁護士の妄想と思われないため、念のため申し添えます。

2012年8月14日 (火)

法テラスのお問い合わせ窓口ではありません

どうしてだか、マチベンの事務所には法テラスに関するお問い合わせ電話がときどき入る。
マチベンの事務所は法テラスの問い合わせ先ではない上、法テラスからは詐欺弁護士扱いされている身なので、法テラスのお手伝いをする義理もない。
法テラスに関するお問い合わせ電話は、できればお断りしたいが、電話先に困って相談してくるのだから、対応しないわけにもいかない。
できるだけ簡単に切り上げている。


代表的なのは、

「法テラスから、訴状に貼る印紙や郵送するための切手代は出ないと言われたが本当にそうなのか」

というものだ。


これは正確な説明ではあるが、いかにもお役人がしそうな説明で少なくとも親切ではない。
相談者は、単純に訴訟費用(印紙・郵券)は自分で払わなければならないのかを心配しているのだから、簡単に「訴訟費用(印紙・郵券)も出る」と答えている。


同じ疑問をお持ちの方は、この記事だけで、マチベンへのお問い合わせお電話は勘弁してくださいな。

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【補足】
訴訟を起こすときには、訴状に印紙(争いになっている金額によって異なるので、何万円にもなることもある)を貼り、数千円の切手を裁判所に納めなければならない。多くの場合、訴訟費用とはこうした費用を指す。

法テラスを利用した事件でも、確かに原則として、訴訟費用は払われないことになっている。


但し、法テラスを利用した事件では、担当弁護士は、「訴訟救助」という手続を採ることが義務づけられている。
訴訟救助というのは、平たく言えば、訴訟が終わるまで、訴訟費用の支払を猶予する制度だ。
訴訟救助を裁判所が認めれば、印紙や切手を納めることなく、訴訟を起こすことができる。
訴訟救助の決定が出れば、訴訟が終わるまで、当事者は訴訟費用を負担しなくてすむのだ。


仮に裁判所が訴訟救助を認めなかった場合は、担当弁護士は法テラスに報告して、訴訟費用の支払を受けることができる。
したがって、訴訟救助の決定が出なくても、当事者は訴訟費用を負担することはない。


結局のところ、法テラスを利用した案件で、当事者が訴訟費用を負担する場合は、訴訟救助決定は出たが、敗訴した場合だけということになる。
真っ当な要求をしている限り、当事者が訴訟費用を負担しなければならないと恐れる必要は何もないということになる。

2012年6月 2日 (土)

東電社員の給与アップと貧乏マチベン 各界の反応

電力の供給に責任を果たすには人材の確保が不可欠で、ある程度の給与水準は認めてほしい
       by盗電


良質な法的サービスを提供するためには、有為な人材の確保が不可欠で、ある程度の収入水準は認めてほしい
     by 貧乏マチベン


良質な法的サービスをあまねく提供するためにはまだまだ弁護士を増やす必要がある。貧乏マチベンは相変わらず旧態依然とした弁護士の思い上がりにとらわれている。収入を確保するためにはスポンサーである法テラスなどの意向に従うのが当然であり、スポンサーのためには弁護士の秘密保持権を率先して差し出すくらいの気概を持つべきである。貧乏マチベンの主張は非常識で見苦しいというほかない
    by 砂糖麹&日便連失効部


電力確保のために、給与水準の確保を主張する東電は、世間の強い反発を覚悟した経営者としての高い識見を示すもので、結論はともかくとして、傾聴に値する。

一方、貧乏マチベンの主張は聞くに耐えない。弁護士が少ないためにどれだけの大企業が傲慢な顧問弁護士を雇わざるを得ず、弱者に配慮しろと言われて、不本意な話し合い解決を強いられてきたか、そのためにどれほどの社会的損失を大企業が被ってきたか、外資にどれだけ絞り上げられることになったか、貧乏マチベンごときにはわかるはずもない。

ことは国益の問題だ。言いなりにならない傲慢な顧問弁護士は、いくらでも代えが利くようにしなければ、厳しい国際競争に打ち勝つことはできない。また巨額の所得隠しに快く協力してくれる社内弁護士を安く採用できるようにしなければ、眩ロン機関としての使命も果たせない。弁護士が掃いて捨てるほど必要なことは論を待たない。貧乏マチベンが淘汰されてこそ、司法改革の真の目的が達成される。業界エゴ丸出しで内向きの議論に終始した旧日便連、鬱のミャ~失効部は失効して当然だったということだ
    by 日没新聞

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追記 記事投稿後、一貫した曇りのない視点で司法改革問題を追及してきた「法律新聞」の元編集長が6月1日(僕のブログの前日)に『無血開城の先に待っていたもの』として、同じ問題を論理的に採り上げておられるのを知った。示し合わせたわけではない。ま、世の中真面目にやってると、不思議な巡り合わせということもあるのである。

法律新聞元編集長様

 今回の件、決してパクリではございません。今後とも、理論編は法律新聞、アホな冗談(しかも笑えない)はマチベンという棲み分けをお赦しくださいませ。

2011年12月23日 (金)

法テラスによる詐欺弁護士扱いに抗議する

詳しい事情は知らないが、
国選弁護の費用は
法テラスから支払われることに
なっている。

で、国選弁護の報酬を
もらおうとすると、
法テラスに報告書を
出さなければならない。

○日以内に出さないと
国選弁護の報酬が
支払われなくなると
恐ろしいことも
書かれている。

で、忘れないうちに
判決の日に早速
先日の交通死亡事故の
報告書を法テラスにFAXした。

特別加算欄に
減刑嘆願書、示談、実質的損害賠償
などとチェックする欄がある。

この項目に従って、
報酬を加算する仕組みのようだ。

この事故について
示談・賠償は完了しているが、
それは損保会社が行っている。

記入に迷ったが、
上記全ての項目をチェックした上、

きっと、弁護人自身が
示談交渉したのか問い合わせが
あるに決まっていると予想されたので、
示談・実質的損害賠償の項目に
「但し、損保による」と付記して
万全を期した。

ところが、FAXが届くと
例によって
法テラスから電話である。
まだ聞くことがあるのかと
思って出ると、
「示談書と嘆願書を
送ってください」とのこと。

思わず、口を付いて出た言葉が
「えー!そこまで疑うんですか」

少し考え直して
「そこまでする
(示談もできていないのに
示談欄をチェックする)
弁護士がいるんですかぁ」
と嘆息。

求められた示談書と嘆願書を
ファックスしようと探すが
見当たらない。

よく考えて気がついた。
示談書は、本人にとって
重要な法律書面なので、
審理が終わった日に
本人に返している。

嘆願書も、
被害者遺族がここまで
被告人のことを
思ってくれている
ありがたさを
被告人に感じてほしかったので、
同じ日に法廷の外で、
被告人に返していた。

仕方がないので、
被告人に電話をして
FAXで書類一式を
送ってもらった。

法テラスに管理・監督されているようで
気分が悪い。

せっかく、
被害者の冥福を
最も祈る者同士として
被害者遺族と加害者の間に
成立した友情という
素敵なエピソードを聞いて
自己満足に浸っていたのに、
水をかけられた気分だ。

--------------------------

国選弁護報酬は、
起訴前弁護では、
接見回数によって決まる。
で、接見は予め予定を組まないことが
多いので、手帳にも残らない。
よほど日程管理を
徹底しなければ
回数を間違えて
報告するという
事態が生じることは
わかる。

しかし、起訴の前後を問わず
示談したか
嘆願書を取ったかを
間違えることはあり得ない。
示談もしていないのに
示談成立欄をチェックし、
嘆願書も取っていないのに
嘆願書欄にチェックを
付けるとすれば、
明らかに意図的である。
ウソをついて
弁護報酬の引き上げをすれば、
立派な詐欺罪である。

僕の常識では
たかが1万か2万円程度のことで
敢えて虚偽記載をする弁護士など
考えられない。

だから、僕の第一声は、
「そこまで疑うんですか」
となった。

逐一チェックしなければ
ならないほど
国選弁護の示談成立詐欺が
横行しているというなら、
弁護士が完全な困窮層に
なったということだ。

僕は2009年の暑中見舞いで
弁護士層の没落をテーマにして
顰蹙もかった。
しかし、国庫少額詐欺が横行するほど
弁護士が困窮化しているなら、
弁護士の没落は
僕の想定すら超えていることになる。

しかし、こう考えてくれば、
法テラスの対応は、益々、腹立たしい。

「示談書」「嘆願書」の送付を
求めてきたということは、
僕に「国庫少額詐欺」の嫌疑を
かけたことに他ならない。
侮辱というほかない。

易々諾々として
当事者に依頼してまで、
書類を取り寄せて
法テラスに
したがった自分が情けない。

断固拒否すべきだった。
もっと怒りまくるべきだった。

一罰百戒という。
法テラスは、
そんな少額国庫詐欺を働く
弁護士は、
さっさと刑事告発(告訴)
して、しまえばいい。
初回は不起訴になる
可能性もなくはないが、
弁護士会に懲戒申立をすれば、
少なくとも業務停止以上の処分
は受けるだろう。

そんな例が1例でも
公にされれば、
威嚇効果は大きく、
少額国庫詐欺を
防止できる。

僕のような生え抜きの
バカ正直弁護士にまで
容疑をかけて
無罪立証を求める
手間をかけるのは
はっきり言って、
人件費の無駄遣いだ。
ばかな手間のために
使われるのは国家予算だ。

少額国庫詐欺弁護士が
結構な人数に及ぶというなら、
そんな矜持もない
悪質貧困弁護士は
一掃すればいい。

膨大な無駄金を
使って、
必要以上の予算を
ロースクールに
投入して、
弁護士大増員を
図った結果が
少額国庫詐欺を働く
情けない悪質弁護士の
発生を生んだということが
明らかになれば、
弁護士大増員を
前提にしたロースクールの
文教予算も大幅に削減できるはずだ。

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2010年10月29日 (金)

被疑者国選 7終(含む1~6)

被疑者は、10月5日に逮捕された。
10月7日、僕が、被疑者国選弁護人に選任された。
法テラスからFAXされた書類の被疑事実(勾留の理由とされた犯罪事実)を一見して、イヤな事件が当たったなと思った。
精神医学的に見て、あるいは器質的に見て、どのような異常があるとこのような犯罪を犯すのか、
知的興味だけでやるしかないな、と覚悟した事件だった。

初めての接見で、「被疑者」は、宮崎なまりがあるからかもしれないけれど、お人好しに見えた。
少なくとも被疑事実との落差は、あまりに大きいと感じた。
自衛隊を定年まで勤め上げ、子ども2人を育て上げ、10年ほど前に妻を亡くした。

「絶対にやっていない。調べればわかることだから、徹底的に調べてほしいと警察に言っている」
と、強く主張する。

弁護人は、半信半疑ではあるが、ひょっとしたら、万が一、「やっていない」という主張は、本当かも知れないと思った。

日弁連は、被疑者国選制度が導入されるのに備えて、被疑者ノートという便利なグッズを作っている。
被疑者が置かれている立場や、今後の手続、供述調書というものの重みと性格、取り調べにどう対応するかなど、事細かに懇切丁寧に説明してある。
このノートに日々の取り調べの状況を克明に記載してもらうことによって、密室の取り調べを可視化しようとするものである。
郵便不正事件の濡れ衣を着せられた厚労省の村木さんもおそらく最初は、このノートから獄中日記を書き始めたのではないかと思う。

「被疑者」は、自衛隊時代に爆音や発砲音のせいで耳が遠くなったと言い、しばしば全く聞こえないようだった。お互いに口と耳をガラスに付けんばかりにして話す。それでもガラス越しの接見は大声になり、留置場の職員にまる聞こえになった。
かと思うと、ふいに雑談はよく通じたりする。(耳が遠いのはホント?)

また、家に残したネコのことを気にするくせに、娘や息子には、こんな罪人扱いの姿は見せられないから、連絡するなと言う。
普通の「被疑者」は、やたら家族に連絡してくれというものだ。
やっぱ、有罪だからじゃないかと思ってしまう。
(後で娘には「お前に怒られると思うと、怖くて言えなかった」と白状したそうだ)

朝は、10時までは毎日寝ている。犯行時間帯には、絶対に寝ていると仕切りに主張するが、一日の生活パターンに照らし合わせても、どうしてそうなるのか説得力がない。

いつ出られるのかという初犯の被疑者なら一番、気にして、必ず尋ねることを尋ねてこない。
無理にでも出してくれと言われるのが常なので、弁護人としては、わがままを言わないだけ、楽と言えば楽だが、見方によっては、有罪だから覚悟しているのか、と見えてしまう。
しかし、どうも自衛隊の過酷な勤務を定年まで勤め上げた人物の腹の据わり方だったようだ。
自衛隊に比べたら、警察のレンジャー部隊なんか遊びだともいう。

とにもかくにも被疑者ノートに毎日の取り調べを記録するようにと言って、「被疑者」を十分に納得させて、被疑者ノートを差し入れた。

被害者の供述に頼る事件の構造に見えたので、虚偽自白をさせられたらアウトだ。繰り返し大声で注意して、必ず書くことを約束させた。

ところが、翌8日に、接見に行っても、書いていないというではないか。

徹底的に調べてくれという割に、大事なことについて、言うことを聞いてくれない。

これはいけない。僕は僕で、何か記録を残さないといけないと考えた。この日には確実にこういうことがあったと動かせぬ証拠を残す必要がある。通常は、報告書を作って、公の機関の確定日付を付ける。公証役場が近ければ、公証役場で確定日付を取ることができる。
また、内容証明を書いても、郵便局の確定日付が付けられるが、いかんせん、困ったことに使っているパソコンが選りに選ってビスタだ。電子内容証明を利用できない。通常の内容証明では、郵便局に行く手間がかかる上に、一枚に書ける文字数があまりにも少ない。
親しい弁護士に毎日のことをメールすることも考えたが、裁判で証拠に出すときに、どういう関係で、外部に情報を流していたか説明するのも面倒だ。
こういうとき、一人事務所は困る。

結局、行き着いたのがブログだった。
はたからは、何をしているのか、わからないが、この日に確実にこんなことがあった。こんなことをこの人から聞いた。それだけでも、残すようにしなければと思って、始めたのがこのシリーズである。

で、今日、一応、決着がついた。
今朝、検事から、今日中に不起訴処分にすると電話があった。
不起訴処分の通知は今日か、遅くとも週明けには、弁護人宛に郵送するということだった。
嫌疑があるが、今回は、裁判にしないという不起訴は起訴猶予という。そうではない不起訴処分だ。その中にも真っ白の「嫌疑なし」と、灰色の「嫌疑不十分」というのがある。どちらかは公式に伝える方法はないというが、聞いている範囲では、確実に、シロだ。
嫌疑なし不起訴。
警察が、早速、「被疑者」に事情説明と詫びに来た。
しっかり者の娘さんがいるので、彼女を同席させ、僕は仕事をしていたが、警察ははっきり誤りを認めた。
と言うわけで、一応、マチベンにとっての被疑者国選の任務は、本日をもって解除、無事除隊である。

それで、多数にわたって煩雑になった被疑者国選を一つにまとめた。

しかし、それでも残る。
「それにしても、なぜ」まだ、わかったようで、わからないままだ。

いずれ、気が向いたら続きを書く。

2010年10月10日 (日)

被疑者国選

僕は、刑事事件はあまり扱わない。
裁判員裁判が導入されて、刑事事件に熱心な弁護士が一斉に動員されてしまった煽りで、やむなく後方の人手不足を補うため、裁判員裁判以外の国選の当番を引き受けることになった。
今回の割当事件は、被疑事実を見る限り、裁判員裁判対象にならない事件の中では、最も重大で、かつ極めて悪質な事件である。
とにかくも、まず接見すると、全く身に覚えがないと、強く訴えられる。
定年まで勤め上げて10年、前科もないという。
必死に訴える様子は、僕には嘘には見えない。
物証に乏しく被害者の供述に頼る危うい構造の事件だ。

無理な自白を強いられないように、取り調べの全面録画・録音を求めることにした。
不起訴に終わればいいが、刑事事件は、それほど甘くはないのが常だ。
証拠は全て捜査側が握っており、弁護人にわかるのは、その一部に過ぎないからだ。

2010年10月12日 (火)

被疑者国選 2

被疑者国選の件、とりあえず、昨日、取り調べの全面録画・録音を求める申入書を出してきた。

一応受け取りの署名だけもらえないかと尋ねると、担当の刑事は、一存では受理を決められないということで、コピーを受け取り、申し入れがあったことは上司に伝えるとのこと。

いまだ先は全く見えず。

ところで、マチベンは、警察が嫌いではない。

日夜、市民の生活を守ってくれていることには篤く感謝している(「アライグマと消防車」参照)。

取り調べの全面可視化については、日弁連が定型書式を用意してくれている。

しかし、マチベンはオリジナルな申入書を作った。

4 供述証拠に頼る捜査が重大な人権侵害を引き起こしてきたことは、志布志事件、氷見事件、足利事件、厚労省元局長事件等において、今や社会の共通認識になるに至っている。
   供述ではなく、地道な捜査により、まず客観的証拠を積み上げて真相に迫るのが捜査の王道であり、弁護人は、そのような伝統は捜査機関の一部には根強く引き継がれているものと信頼したい。

いったん批判キャンペーンが始まると、味噌もクソも一緒くたに批判される。

しかし、マチベンは現場には良心があると信じたいのである。

2010年10月13日 (水)

被疑者国選3

昨日、今日と犯行時刻とされる時間帯に現場周辺へ行ってみた。

今日は、犯行があったとされる日と同じ水曜日。
あらま、警察官が何人も先着している。
同じ曜日の同じ時間帯。現場はどんな状況なのか確認したい。
客観的な裏付けがほしいのは、
マチベンも警察も同じ。
考えることは同じなのね。

さっそく、責任者らしき刑事に名刺を渡す。
もう僕の名前を知っていたみたい。

周囲では、一昨日、お会いした刑事さんとも顔を合わせる。
にこやかに挨拶。

ついでに、一番、目撃している可能性が高い人物と小一時間、お話した。
「見ていない」

どう考えたらいいのか、意味不明な情報もあり。

この2,3日、現場に不審な○があったのを見た。

訳、わかんね。

2010年10月15日 (金)

被疑者国選 4

昨日は、予定があって現場に行けなかった。
今日は、三度、犯行があったとされる時刻に、現場周辺に行く。

○○○が減っているのはどうしてだろう。
そういえば、昨日、検事から電話があった。
○から、検察に対して
「×することは控えてほしいとの連絡があった、
ついては弁護人も×しないようにしてほしい。」
だから、○側が対策を取ったのだろうか。

昨日の電話では、弁護人の意見を聞かれた。
疑問点を伝える。
検事も全く同じ疑問を持っている、
捜査には慎重を期するとのことだった。

目撃している可能性が最も高い人物のところを訪ねる。
また、30分くらい話す。
「そんなことする人には見えん。○さんもそう言っていた」
警察は、まだ、聞き取りに来ていないという。
最も可能性の高い現場証人なのに!
是非、聞き取りをしてほしいので、
了解をとって、警察に名前と電話番号を伝えた。

『不審な○』の謎は解けた。
無関係だった。
捜査線上から消す。

接見に行こうとしたら、突然、法テラスから「被疑者は処分保留で釈放されました」とのFAXが入る。
任務終了につき、11月5日までに報告書を出すようにとのこと。
何のこっちゃ。

あわてて警察に電話。
もう、釈放寸前とのこと。
どういうことか、聞きたくて、刑事に電話。
彼ではなく別の刑事が「おって正式に説明する。今は言えない」
検事から電話があり「今は言えないが、おって正式に説明する」
その他、被疑者に対して伝言を依頼された。

時間を見計らって、被疑者の家を訪ねる。
偶然、ちょうど帰宅した被疑者と会う。
喜んでいる。
警察に対しては怒り心頭だが、
「今日は呑むよ」とのこと。
若干のアドバイスをする。
そんなことは絶対にしませんとのこと。

処分保留ということは、起訴するとも起訴しないとも決めていないということだ。
法テラスから突然、任務解除を指令されても困る。
決着が付くまで見届けたい。

この日記を読んでいる人には、何が何やらわからないだろう。
僕にも何が何やらわからなかった。
だが、推測は正しかったようだ。
「それにしても、なぜ?」 謎は残る。

決着が付くまで書けないこともある。
決着が付いても書けないこともある(ごめんなさい)。

(続く)決着が付くまで

2010年10月16日 (土)

被疑者国選 5

今日は、週末。
現場にも行かなかった。

番外編である。

被疑者は、10月7日に僕が裁判所から国選弁護人に選任されるや
すぐに接見を求めてきた。
やりくりして駆けつけた接見での第1声がネコのことだった。

10年前、道ばたで鳴いている赤ちゃんの捨て猫が
かわいそうで、拾ってきた。
ずっと家の中で飼っている。
逮捕されてもう3日経っている。
食事もないし、水もない。
何とかならないだろうか。

使い走りのような接見依頼は
被疑者国選ができる前、
弁護士会が当番弁護士として任意にやっていた頃からあった。

何とかならないかと言われても、困った。
代わりに飼うわけにもいかない。
独立している被疑者の子に連絡しようかと言っても
こんな犯罪者扱いの姿は絶対に見せられないと固く拒む。
じゃあ、逃がすかと、尋ねる。

結局、被疑者は、「ネコちゃん、かわいそうだけど、いいです」と断念した。

翌日、刑事に面会したときも、
刑事から「こちらからも相談がある」として
持ち出されたのが、ネコの処遇だった。
保健所で処分するのも忍びない。
逃がすのも近所迷惑。
頭を抱えただけで、終わった。

釈放されて良かったこと。
何と、10日間以上の飢餓に耐えて、ネコちゃんは生きていたのだ!! (^。^)

処分保留釈放のおかげで、一つの命が助かった。
現在、マチベンが確実に獲得した成果は、ネコちゃんの命である。

2010年10月22日 (金)

被疑者国選6

本当に怒れた。

今日の警察の振る舞いは何だ。
僕が、優しいマチベンだからと言って、なめんじゃねぇ。

被疑者が処分保留で釈放された日の夕方、
何が何やらわからず、説明を求める僕に、
警察も検察も、「今は何も言えない。おって正式に説明する」と言っていた。

だから、身に覚えのない被疑者が、
怒り心頭で、
警察、検察、裁判官、「被害者」等の責任を追及したいと訴えるのを、
法的手続の決着のためには時間が必要だから、
もう少し待ってほしいとなだめてきた。

警察にも検察にも協力的態度を示して、
抗議の一つもしないできた。
待ってくれと言われたから、待ってやっていた。

昨日、被疑者から電話があった。
偶然、担当刑事と行き会って、「お話したいことがあるので、明日警察へ来てくれないか」と、言われた。

「行ってもいいか」、と。
僕は、「いいんじゃないの」と、軽く答えた。
お人好しのマチベンは、内心、警察は、きっと被疑者本人には、内々に詫びの一つも言っておきたいのだろうと思ったからだ。

一晩、寝たら何だか僕が一緒に行った方がいいような気がしてきた。
被疑者の娘さんに連絡をしたら、娘さんが一緒に行く予定になっていると言っていた。

この娘さんがなかなかの強者である。

今回の被疑者は、勾留中、一度も弱音を吐かなかった。

これほど、腹の据わった被疑者(初犯)を、僕は、初めて見た。

      あぁ、そう言えば、
      私選事件では、不思議に落ち着いた被疑者もいた
      国選の初犯は、ほぼ必ず早く出たいと言う。

しかし、娘さんは親より、もっと筋金入りだと、自分で言っている。

とりあえず、超筋金入りの娘さんに同行してもらえることを確認して、日和ることにした。

弁護士会の委員会に向かう車の中で、突然、被疑者の娘さんから電話があった(ハンズフリー。念のため)。

「調書を取ると言われて、同席を断られた。私だけ、いったん帰るように言われた」、
「帰っていいのか」、
と言う。

とんでもない。
良いわけがない。

すぐに被疑者を連れ戻すように依頼して、結果を電話してもらうように言う。

少し考えたくて、道ばたのファミリーレストランの駐車場で、一息入れる。
委員会が先か、警察が先か。

結局、警察を優先させることにして、警察署へ急行。

車中から警察へ電話。
「すぐに釈放しろ」(身柄を取られた訳ではないので、この言葉は変。でも生々しい)

相手は、何か言っているようだったけど、
「すぐに釈放しろ」
「(電話を切らず)このまま待つから、被疑者に電話を代われ」
「ぐずぐず言わずに被疑者に電話を代われ」
少し待たされる。

被疑者に代わったので、調書を作る必要はないので、すぐ出て、警察署の駐車場で待つように言う。

電話を切って、娘さんの携帯にかけるが、非通知だとやっぱり通じない。

事務所に電話して、事務員から電話してもらう。
「僕も警察に向かっているから、被疑者を連れ戻したら、警察署の駐車場で待っていてほしい」

警察署近くで、弁護士会の同僚委員に車中から電話。
「突発事態で委員会、遅刻します」
(結局、欠席になった)

警察署の駐車場には、被疑者親子が立っていた。
僕は、さすがに興奮していることが、自分でもわかる。
わざと、ゆっくり、駐車させ、動作をゆっくりにして、車内を整理し、たたむ必要のないサイドミラーもたたむ。
気持ちが落ち着く。

経過を確認した上、被疑者、娘、私の3人で、刑事課長に抗議した。

なぜ被疑者を呼び出したのか、なぜ調書を作るのか、なぜ時間がかかると被疑者にも娘にも言ったのか。

刑事課長の言い分は、二転三転する。

のらくら言い逃れをする犯人を怒鳴りたくなる刑事の心境がわかる。

大声を上げたのは一回だけ。

僕は、警察を信頼していた。
今でも、警察が好きだ。
感謝している。
その警察が、「近いうちに正式に説明する」と約束し、

「待ってくれ」と言っていたので、
待っていた。
まさか、弁護人に無断で、取り調べするとは考えもしなかった。
市民が信頼し、善意で接している、それに乗じて、いいように裏切る。

それが警察か!

村木さんの事件や、菅谷さんの事件、志布志事件など、お決まりの事件のことは一言も言わなかった。

僕は、それは一部の逸脱だと信じたいから、そうした事件を引き合いに全部がそうだと言うのはイヤだから。

抗議は、30分以上に及んだろうか。

経過は、娘さんにまとめておいてもらうように依頼して、ある。

その後、整髪料など、被疑者宅から押収した品目の一部を被疑者が返却を受けた。

敵意を持って接すれば、敵意が返ってくる。
善意を持って接すれば、善意が返ってくる確率が圧倒的に高い。
だから、人に接するときは、善意で接した方が、ずっと楽だと僕は思っている。

弁護人という仕事の性格上、警察に対しては、善意を持っては、いけないのだろうか。

僕は、それでも、現場の人を信じたい気持ちが捨てきれない。
へなちょこな弁護人である。

おい、法テラス、マチベンは、国選弁護任務解除、除隊中の身である。

決着が付くまでの弁護費用を持て。

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