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カテゴリー「TPP」の328件の記事

2018年7月31日 (火)

PFI法は周回遅れの売国法である   山本太郎、政府を論破

PFIをめぐる根本問題は、政府がいう
「国や地方公共団体等が直接実施するよりも効率的かつ効果的に公共サービスを提供できる」
国や地方公共団体の事業コストの削減、より質の高い公共サービスの提供が可能」になる
とするドグマが本当なのかにある。
参議院内閣委員会における山本太郎氏による質疑は、政府のドグマを完全に論破して論争に終止符を打ったものだった。

何しろ政府が
  • 「英国など海外では、既にPFI方式による公共サービスの提供が実施されており、有料橋、鉄道、病院、学校などの公共施設等の整備等、再開発などの分野で成果を収めています。」
  • とするのに対して、他ならぬイギリスの会計検査院やEUの会計検査院が、PFIが割高であり、政府資金を食いつぶすことを報告しているとする最新の資料に基づき、PFIが有害無益であることが実証されていることを明らかにした。

    事前の周到な準備を窺わせる内容は圧巻であった。

    フルスクリーンになりませんので、再生ボタンを押して再生をかけた上、「youtube」マークをクリックして、youtubeでご覧ください。

    山本太郎氏が、「できないじゃないか」と明らかにした内容を、その質疑の直後に附帯決議にするなど、お笑いぐさの国会の有様は、3分の2という圧倒的多数を確保した与党のもとで議員が投票マシーンと化して、議論が全く無力であることを示してあまりある。

    立憲民主党は、どうも経済課題に関しては、腰が引けた印象だ。この法改正でもできるはずのない附帯決議を共同提出してお茶を濁している。
    同党が公務員の人件費削減を基本政策に掲げていることを先日、知ったが、公務員の数も人件費もOECD最低となっている我が国でそうした政策を掲げることは、結局、民営化や規制緩和による小さな政府論を支持する帰結となる。
    立憲民主党には、新自由主義から決別した新しい社会像を提起することが求められている。
    山本太郎と共産党しか堂々とした正論がないというのでは、国民は支持する先を失ってしまう。

    以下に、6月12日参議院内閣委員会における山本太郎氏の質疑以後の部分を全文貼り付けておこう。

    ---------------------

    ○山本太郎君 ありがとうございます。
     自由党共同代表、山本太郎です。社民との会派、希望の会を代表し、質問をいたします。
     PFI法について。
     大臣、ここは短くお答えいただきたいんですが、PFI法は地方創生に資する施策だと思われますか。
    ○国務大臣(梶山弘志君) しっかりとやっていけば、そういうものだと思っております。
    ○山本太郎君 ここからは、PFIとは何か、中学生でも分かるように説明いただければと思います。
     PFIとは何ですか。
    ○国務大臣(梶山弘志君) 公共性のある事業を、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して、民間事業者の自主性と創意工夫を尊重することにより効率的、効果的に実施するものであり、PFI法に基づいて必要な手続を行っていくものでありますけれども、民間の資金を活用したインフラ整備ということであります。
    ○山本太郎君 どのような方がこの日本でのPFIの旗振り役をお務めになられたのかということを聞きたいんですけれども、未来投資会議の中、構造改革徹底推進会合でPFIについて議論する第四次産業革命会合の会長はどなたでしょうか。
    ○国務大臣(梶山弘志君) お尋ねの名前は竹中平蔵氏であると推察いたします。
    ○山本太郎君 出たって言いたくなるところですね。田村智子先生の御質問でも、二〇一四年のコンセッションに関する話で、国の数値目標をその前に言っちゃっているというような、予言者かよみたいな話もありましたけれども、予言者とは言っていませんけどね、竹中平蔵さん。これは、竹中平蔵さんだからといって偏見を持ってはいけないということですね。利益相反以外のお仕事もされているかもしれませんので、しっかり中身を確認して見極めたいと思います。
     今回の改正案のメーンとなるコンセッション制度、教えていただけますか、大臣。
    ○国務大臣(梶山弘志君) コンセッション事業とは、PFI法に基づいて利用料金の徴収を行う公共施設について、所有権を公共主体、地方自治体等が有したまま民間事業者に公共施設等の運営権を設定をして当該施設の運営を委ねるPFIの事業の一つであります。
    ○山本太郎君 所有権は自治体、運営権は事業者にというわけですね。
     PFIのコンセッションに参入する企業に関して、外資は排除されますか。
    ○国務大臣(梶山弘志君) 外資企業の規制につきましては、それぞれの事業の特性を踏まえて個別の法律で規制が行われているものと承知しております。PFIやコンセッション制度として外資系企業の参入を特に排除しているものではございません。
    ○山本太郎君 コンセッションに参加するのに、単独ではなく複数の企業が参加する方法があります。特別目的会社、いわゆるSPC。PFIでは、公募提案する共同企業体が新会社を設立、SPCとして建設、運営、管理に当たることが多くあるそうです。
     このSPCへの出資に関して、外資は排除されるでしょうか。

    ○国務大臣(梶山弘志君) 外資系企業の規制につきましては、それぞれの事業の特性を踏まえて、先ほど申しましたように個別の法律に基づいて規制が行われているものと承知しておりまして、PFI法において、PFIの特別目的会社、SPCへの出資に関して、外資系企業からの出資を特に排除しているものではございません。
    ○山本太郎君 海外企業も地方インフラの運営権を手に入れることができ、それに出資することも可能であると。
     PFIのコンセッション、事業期間、既に始まっているもので五年から四十四年だそうです。将来も含めてPFIに係る公共施設などという範囲、これ、どういうものが入るんですかって聞いたら、本法案の第二条を御覧くださいと言われました。それがずらっと並んだのが資料の一。道路、鉄道、港湾、空港、河川、公園、水道、下水道、工業用水道等の公共施設、庁舎、宿舎等の公用施設、賃貸住宅及び教育文化施設、廃棄物処理施設、医療施設、社会福祉施設、更生保護施設、駐車場、地下街等の公益的施設、情報通信施設、熱供給施設、新エネルギー施設、リサイクル施設、これは廃棄物処理施設を除くもの、観光施設及び研究施設、船舶、航空機等の輸送施設及び人工衛星、これらの施設の運行に必要な施設を含むと。もうほとんど全部じゃないかっていうような勢いですけれども、今後、PFIの対象になり得るものだと。
     運営事業者ができない部分というのはあるんですかね、それ法律上で決まっていますか、制限ありますか。

    ○国務大臣(梶山弘志君) 事業の運営のうちPFIの対象とすることを可能とする分野については、それぞれの事業の特性に応じて各事業の所管部局において定めるべきものであります。例えば、病院に関して言えば、医療法に基づいて、医師、歯科医師、薬剤師などの院内業務はPFIの対象業務とはせずに、建物の維持管理や医療事務業務など診療等に著しい影響を与えない業務を民間事業者に担わせることとしているものと承知をしております。
     この度、PFI法において、個別の事業に関してPFIの運営事業者が運営できる部分や運営できない部分を個別に定めるような規定は設けていないというのが現実であります。
    ○山本太郎君 運営権を手に入れた事業者が何をどこまでやれるかについては、究極、契約締結時に決めると。大企業や外資と対等にやり合える、そんな交渉力を持つ地方自治体、どれくらいあるんでしょうか。
     PFIはどの国でいつ始まったものでしょうか
    ○国務大臣(梶山弘志君) 政府の市場への介入を最小限に抑える小さな政府をスローガンに掲げた英国のサッチャー政権において、一九八〇年代に公共事業への民間資金の導入が開始をされたところであります。その後、続いて発足したメージャー政権において一九九二年にPFIという言葉が使われるようになり、公共サービスの提供やインフラ整備に民間資金を活用するPFI方式が正式に導入されたと承知をしているところであります。
    ○山本太郎君 ありがとうございます。PFIの大先輩は英国であると。始まりの頃を考えれば、もう新自由主義ばりばりの人たちがやってきたなという印象がありますね。
     残念ながら、あっ、残念ながらはその先でした、済みません。残念になる前のことを聞かなきゃ駄目だったんですね。
     イギリスのPFIの取組というのは参考になりましたか。参考になったとしたら、どこが参考になったのかということを教えていただけますか。
    ○国務大臣(梶山弘志君) 一九九〇年代からPFI方式を中心に民間活用を推進して、現在でも多くの事業がPFI方式で運営されていると承知しております。
     我が国において、英国を始めとするPFI先進国である欧州を参考にPFI手法を導入をしておりまして、具体的にはバリュー・フォー・マネーの考え方等を参考にしているということであります。
    ○山本太郎君 PFIで支払に対して最も価値の高いサービスを供給することはできないとPFIの母国である欧州諸国では判断されている。デメリットが上回ると判断されている。日本が参考にしたというバリュー・フォー・マネーは、もうがたがたと崩れているって話なんですね。
     先ほどもお話がありました。イギリスで病院から輸送、防衛、学校、刑務所、図書館、給食までのPFI案件を政府と契約していたカリリオンという巨大建設会社、英国第二のゼネコン、PFIを利用して四百五十の契約をゲット。しかし、約十六億ポンド、二千四百五十億円の負債を抱え破綻。負債の半分以上は銀行からの借入れだったと。
     資料の二、三井住友トラスト基礎研究所のレポート。カリリオンが鉄道、医療施設、学校など多くのPFI事業に関与していながら、不採算入札の繰り返しと受注額に応じた経営陣へのインセンティブボーナスの支払など、自転車操業の実態が明らかになってきた、そして官側もこうした実態を知りながら黙認していたのではとの批判も高まっていると。
     このカリリオン破綻とほぼ同時期の今年一月中旬、イギリスの会計検査院に相当するNAO、ナショナル・オーディット・オフィスという政府機関が発行したPFIについての報告書、これも大臣は内容を把握されているという答弁が先ほどありました。リーマン・ショック前後、二〇〇七年、八年ぐらいからイギリスではPFIの案件数が激減していると。英国の会計検査院、NAOの報告書では、二〇一一年に引き続き今年の報告書でもPFIは予想したほど国民にメリットのある制度ではないと報告、主要メディアが一斉に報道。
     イギリスでのPFI批判を政局が絡んだポジショントークと片付ける非常に間抜けにも見えるやり取りが衆議院ではあったようなんですけれども、実は、労働党時代も保守党時代も、英国の公的かつ中立的な機関である会計検査院、NAOは、PFIは割高だと何度もリポートしています。
     資料の三の一。翻訳はプロの業者に委託いたしました。NAO報告書とカリリオンの破綻を受けて、イギリスの新聞がどうPFI事業について論評したかを取りまとめたもの。イギリスの金融街、シティー御用達フィナンシャル・タイムズ紙が、最近もPFIについてかなり辛辣に批判をしています。今年の二月五日の記事ではNAO報告を説明。PFIを利用して建設した学校は公的部門での建設よりも四割高く、病院では六割を超える費用が余分に掛かる。PFIへの資本投資は、二〇〇七年から八年以来、下落傾向にあると。
     資料の三の二。イギリスでは、現在は水道は民営ですが、仮に公的運営だった場合よりも毎年総額で二十三億ポンド、約三千三百八十一億円も余計に消費者が支払っている、そういう調査結果をイギリスの大学が報告書として出していますという報道ですね。
     現在、カリリオン破綻やNAOレポートなどを受けて、PFIは終わったという金融街のコンセンサスができ上がりつつあるという状態であると。先ほど資料として中に入れたものの中には、イギリスの検査院、納税者は、PFI契約のために二千億ポンド、二十九兆四千億円多く支払うことにということもザ・ガーディアンの見出しにもなっていますね。
     NAOの一月の報告に続いて、欧州連合、EUの会計検査院、ヨーロッパ・コート・オブ・オーディターズの報告では、PFIを含むPPP手法は建設に予想以上のお金が掛かる上に、工期も遅れるという指摘。指摘には、積極的にPPPを公共インフラ事業に推奨しないように、こんな内容まで含まれていた。PPPというのは広い意味での官民連携、この中にはPFIも含まれる。つまり、PFIを推奨しないようにという報告でもあったわけだと。
     さらには、イギリスでは、今年に入って既に最低でも二つの民間シンクタンクがPFIの欠陥についてレポート。その一つ、スミス研究所のものでは、PFIが最もコストの掛かる外部委託手法であるだけでなく、入札競争の際、契約を勝ち取るために入札安く提示、結果として、PFIに従事する職員の給料を低くしてしまいがちだと指摘。ダンピングのツケが労働者に。田村先生の御報告からもいろいろありました。また、公的運営と比べ、民間には説明責任、アカウンタビリティーを求めづらくなっているとあります。
     内閣府に問い合わせたときに、PFIの先輩、イギリスから学んだことはバリュー・フォー・マネーなんだとお聞きしました。支払に対して最も価値の高いサービスを供給するという考え方自体がPFIでは実現不可能と、イギリスの会計検査院でも、ヨーロッパの会計検査院でも指摘されている。世界と何周遅れでこんな法案を進めようとしているんですかって話なんですよ、この国の政治は。
     世界では、水道事業の民営化ではなくて、再公営化に動いているということはもう皆さん重々御存じのことだと思います。パリ市の元副市長のアン・ル・ストラさん、TBSの番組のインタビューに応じて、水道料金が高くなり、市はコントロールできない状態になったとおっしゃっていた。
     昨年三月二十二日、本委員会での質疑でも御紹介した資料の四。オランダにあるシンクタンク、TNI、トランスナショナルインスティテュートがまとめた世界の再公営化の資料。最新のデータでは、フランス、パリを始め九十四件、ドイツ、ベルリンを始め九件、イタリア、トリノを始め四件、アメリカでも五十八もの自治体が再公営化。二〇〇〇年から一五年三月末までで世界三十七か国二百三十五件の水道事業で再公営化。
     昨年も紹介しましたけれども、もう一度、再公営化にかじを切った理由についてはこうおっしゃっている。売上げの一五から四〇%が株式配当及び企業内部留保に回される。利益が再投資されない。コスト削減で雇用や安全、水質に問題が生じる。公的金融を多用し、受託企業からの資金投入は少ない。コストリカバリーによる値上げ、不払者へのサービス停止、また、もうかる産業に水が集中する。例えば、水の供給は自給農業から商業型農業に、農村から都市富裕層や工業部門に移っていく。さらに、情報非公開、契約に絡む汚職などなど、問題だらけ。PFI、コンセッションは運営権を民間企業が保有する仕組みで、完全な民営化ではないですけど、民間企業である以上、同じ利益追求の問題は当然起こり得ると思います。
     ライフラインに係るインフラ、例えば水道などにPFIのコンセッションを導入するメリット教えてくださいって内閣府に何回かお聞きしたんですよね。平たく言うと、財政厳しい上に人口減少が加速、水道が老朽化していく中で、インフラを確実に維持するためには自治体による最大限の効率化が必要、その方法は民間の金と知恵を活用するのが有効というような内容でした。非常に聞こえはいいですよね。でも、冷静に考えていただきたいと。
     確かに、民間の活力を活用した方が、利用した方が、収益だけでなくて消費者にとって便利になり得るものもあるんですよね。空港とか駅とか、サイドビジネスが生まれるような分野では公的施設利用以外の収益が期待できることもあると。その分野では比較的問題が少ないんじゃないかなって思います。
     しかし、ライフラインに関わるものは別だと。民間の活力を利用するPFIを導入することで安全性が脅かされる分野もある。提供されるサービスによっては、人々の生活や健康に与える影響は計り知れない。
     本業による利用料収入、本業による利用料の収入が事業の原資になっていく場合、特に危険。例えば水道でいえば、水道利用料が施設の維持管理、更新の原資になる場合、幾ら民間の活力利用するっていったって、老朽化した施設更新が困難であることは公共であろうと民間であろうと同じですよねって話なんです。
     事業者が、元が取れる見込みがなくても、赤字覚悟で水道利用者にサービスを提供するために老朽化設備を更新し、高い水質を守り続けるって、これ、ある話なんですかね。そのような場合、水道料金を大幅に上げるなどしてもうけを最大化できる方策を目指すのが民間ですよね。
     なぜか。事業者は公共でも慈善事業でもない。利潤の追求、出資者、株主への利益の配当が最大の使命です。日本では水道料金が条例で規制する範囲でしか上げられないから大丈夫だっていう意見もありますけど、料金が上げられない場合は、当然、サービスを低下させる以外、企業の収益守る方法ないですよね。
     PFIのコンセッションでは、一回の契約で民間企業はインフラの運営を行う期間が数十年と長期にわたるものがある。これまでのPFIで起こった事例では、契約満了が近づくと、インフラ自体は老朽化していたとしても、インフラ自体は老朽化していたとしても、回収が見込めないという理由で適切な投資を民間が行わないまま引き渡されるという指摘もあります。
     契約期間内に投資に対する回収ができないものに、どうして企業側が積極的に適切な投資をするんでしょうか。ポジティブな評価を与えていいPFI案件であっても、契約終了時にはこのようなマイナス面もあると。PFIの問題点に、インフラに対して適切な再投資が行われない弊害がある。だから、ライフラインが脅かされる危険を回避するために、民営化をやめて再公営化という道に進んでいるのが世界の今のトレンドだっていう話ですよね。
     命に関わるインフラ、事実上、公共から手放した世界の国々の教訓、全く見ていないんですかね。一体何を進めようとしているんですかって話なんですよ。でも、今なら日本はまだ引き返せると思うんですよね。国民の生命、財産守るというのであれば、まず水道のこのPFI、コンセッションというのをやめるべきだと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
    ○国務大臣(梶山弘志君) 今るる山本委員からお話がありましたけれども、海外の事例も参考にしてしっかりと事前の協議をしていくということでありますけれども、パリの件に関しましては公営化と民間委託というものを繰り返しているということもあります。そういったものがしっかりできるようにモニタリングもしていくということも必要だと思いますし、協定の中で、また契約の中でしっかりと担保できるものを考えていきたいと思っております。
    ○山本太郎君 先ほどの資料の三の一なんですけれども、フィナンシャル・タイムズ、今年二月五日の記事、引用した赤の下線部分、PFIを導入するに至る自治体の理由ですけれども、自治体にとって、支払に役立つ政府からの補助金があるということだ、つまり、ゆすりであり賄賂なのであると専門家が指摘している部分です。
     PFIに誘導するための施策として、政府は補助金などを与え、自治体に事実上の賄賂を贈っていると批判している内容です。PFIの先進国であるイギリスでは、インセンティブとしてPFIクレジット、PFI事業に限定される補助金というものが存在していたが、二〇一〇年に廃止された。
     PFIを大きく進めるために国がニンジンをぶら下げる。この日本でも、PFIにかじを切るよう自治体を誘導していますよね。内閣府でも、水道、下水道を対象としてPPP、PFIの導入可能性を調査するための補助金、平成二十八年第二次補正予算で十三・九億出ている。
     ほかにも、本法案附則四条にも似たようなニンジンがある。その内容をかみ砕いて言うと、これまで自治体が水道事業に関して国から借金していたお金がある、これを前倒しで返済されてしまうと元々の国に入る利息収入が減るから、その分の利息を考慮した補償金を払うペナルティーが存在していたと、ただ、PFIでコンセッションの仕組みを導入して企業に水道事業の運営権売っちゃえば、まとまったお金が運営権対価として入るから、それで一括返済すればいいじゃないのよと、ペナルティーなしにしてあげるからというものなんですよね。
     内閣府になぜこれが必要かを聞いたら、先ほど大臣も全く同じ答弁されていました。水道事業へのコンセッション方式の導入を促進する観点、今後の横展開の呼び水となる先駆的取組を支援するものと。全く隠していないんですよ。全力PFI誘導キャンペーンなんですよね。
     現在、上又は下水道でPFIを検討している十二の自治体、既に実施されているところもありますけどね、免除される補助金の額を仮に積み上げたら、最大で十五億円程度だといいます。借金が億単位で免除される、確かにこれ、地方にとってはすごく有り難いというか魅力的な話じゃないですか。これからも、恐らく、期限の間までに名のりを上げる自治体は増えるかもしれません、増えそうですよね。
     政府は、ほかにも地方にPFIを導入させる包囲網として、二〇一五年十二月に優先的検討規程の策定要請に関しての通知を地方自治体に送りました。全ての自治体に、水道事業に限らず、おまえたちのどんな事業に民間企業をかませられるかちゃんと調べろ、考えろということの入口なんですよね。
     内閣府は、自治体がPPP、PFIの導入を優先的に検討しているかどうか実施状況を調査、その結果もネットで公表される仕組み。自治体が検討した結果、PPP、PFIを導入しない場合には、その旨及び評価の内容をネット上で公表しなければならず、国の方針に忠実に従っているか外部から検証が可能になる。このような、ネットでさらしものになる、ネットでさらしものにするというやり方、自治体の主体的な行政運営に圧力掛けていると言えませんかね。私、それ以外の何物でもないと思うんですけど。
     これらと並行して政府が自治体に求めたことは、コンセッションに色気を持つ企業側が数々の自治体のPFI推進への意欲や公共施設、所在地、施設面積、建設年度、老朽化度など一目でチェックできるように、公共施設等総合管理計画と一緒に民間事業者向けの不動産カタログに当たる固定資産台帳の作成をさせた、二〇一四年四月から二〇一六年度末までの間の出来事。それに掛かる費用は特別交付税措置などでインセンティブを与えていた。
     PPP、PFIアクションプランの平成二十九年改定版では、公的不動産への活用への民間事業者への参画を促す環境の整備を進めると記載。おかしくないですか、これ、内容変わっていませんかという話なんですよ。つまり、建前は長期的な視点に立って公共施設をマネジメントしましょうと言っていたはずが、しかし、本音は、PFI推進を図る観点からどの施設が民間企業にとっておいしいPFIの事業対象になり得るか、その整理でしかなかったってよく分かる話じゃないですか。
     内閣府は、コンセッション導入後、資金調達の責任を負うのは自治体ではなく一般的には事業者との見解。運営権に抵当権を設定することや運営権の移転も許されているのがコンセッション。つまり、運営権を担保に資金調達ができる。SPCに入らない第三者である金融機関がコンセッションの運転資金を融資するケースは当然考えられますよね。第三者からお金を借りるということ、十分あり得ますよ。
     もし運営側の資金が焦げ付いた場合どうなるんですかって。融資する側に最悪は最終的には運営権持っていかれる可能性ないですか。その場合、議会の議決が必要になるんですよって言われるんですけど、でも、水道という絶対に欠くことができないサービス、途中で止めるわけいかないじゃないですか。ということは、議会もこれ承諾、承認せざるを得ない状況になっていくんじゃないですかって。歯止めになっていませんよねって。
     生存権にひも付けて守られてきた水道を、このような状況に陥ることも予測される抵当権とつなげるなど愚の骨頂、命に関わる事柄を金融商品として扱わせるなと言いたい。民間と組むというのはそういうことなんだよ、そう言うならば、命に関わるインフラはコンセッションにするべきではなく、国が、自治体が責任を持って運営するというだけの話なんですよ、シンプルな話なんですよ。企業側に新しいビジネスチャンスを差し上げるために、世界で既に失敗と認められる施策を今更もう一度この国で採用することなど、国民への背信でしかないじゃないですか。人々が生きる上で絶対的に必要な水を自ら危険にさらすリスクを上げるなんてあり得ません。これ以上国を壊すような施策を進めるのはやめていただきたい。聞こえていますか、竹中平蔵さんという話になっていくんですけどね。
     官業の民間開放、雇用流動化というビジネスチャンス、御自身が会長を務める企業やお仲間にとって、おいしい場面には必ず登場するミスターセイショウナゴン、永田町の政商ナンバーワン、日本をぶっ壊し続ける主犯格、都合のいいときは大学教授、国家戦略特区諮問会議民間議員、そして、泣く子も黙るスイスのダボス会議、世界経済フォーラムの理事、オリックスの社外取締役でもある人材派遣会社パソナの会長。最近でも、大学教授を名のりNHKに出演。高度プロフェッショナル制度について、私は、これを適用する人が一%じゃなくて、もっともっと増えていかないと日本の経済は強くなっていかないと思っていると、利害関係者丸出しの御発言。ぶれない男。
     第四次産業革命会合の議事要旨、PFIについて竹中様の御発言、これを見てみると、上下水道の直営での運営で様々な困難を抱えて困っているという自治体は確かにたくさんあると思いますので、そういう自治体を募って、海外での事業実績や事業ノウハウを持った企業に診断をしてもらって、上げられそうな成果を診断レポートとして示してもらうというモデル事業を行ってはどうかと思うのですが、いかがでしょうなどと、どうPFIに引きずり込むかの提案に余念がない。というよりも、立場、会長ですよ。委員の一人みたいな意見の提案の仕方じゃないですか。内閣委員会の委員長、委員長も、しっかりと委員のみんなの議論を活発にさせるようなお立場をずっと守られているのに、これ、会長の立場でも委員の立場みたいな、しっかりと意見言っている会長ですね、これ。
     また、別の部分では、会長としてのお願いとして、是非とも内閣府が調整役になって、国交省、厚労省、そして財政当局とともに相談しながら検討をしていただけないかと思いますと省庁に要請するなど、コンセッション推進に精力的に立ち回っておられる。
     その竹中さん、二〇一七年十月、金融財政事情という雑誌で、PFIは地元企業による運営にこだわるべきではないと御発言。びっくりですね。PFIの先行事例でよく批判されるのが、受注するのは地元の業者じゃないじゃないかという問題に、こだわるなと言ってのける竹中さん。
     二〇〇九年に出版されたPFI神話の崩壊という本の中では、高知県の高知医療センターのPFIの失敗事例が記されている。この病院の運営を行った企業体、いわゆるSPCでは、あのオリックスが中心。問題になったのが、まさにこの地元企業が関与できない、これ地域経済との関係でしたよね。
     開始当初から、地元企業の参入の余地がなくなるんじゃないかという懸念の声が県議会でも上がっていたんですけれども、実際に蓋を開けてみると、病院建設の受託企業は県外企業が五六・一%、建設後の運営についても、維持管理はオリックス系の企業、医療関連サービスなどでも三菱系など、東京に本社がある大手企業グループ中心に参入している。県内に本社があるのは四国医療サービスという企業と喫茶店、理容店、自販機の一部のみ。ほかにも消耗品の調達で地元企業対策を打ち出したんだけれども、納入業者は結局、経営危機のために県外業者に切り替えざるを得なかった。このように、SPCが入り、利益を確保しながら、より安く地元尊重を行うのは極めて難しかったということ。
     過去事例で見ても、地元議会で心配されていたとおりの地元置き去り、大手企業が地方の財を吸い取った挙げ句、PFIが失敗したという例ですよね。それには目もくれず、お仲間の資本家のために規制改革と称する我田引水を堂々と主張される姿は、竹中さん、圧巻です。厚顔無恥、辞書で引けば竹中と出る時代まであと少し。
     私、思うんですけど、このまま行ったら、この人を一日も早く永田町から出入り禁止にしないと、国富がどんどん切り売りされるような状況が進んでいくと思うんですけど、いかがお考えですか、大臣。
    ○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど委員御指摘の意見も含めて、ほかの意見も幅広く勘案の対象とした中で、政府の決定をしているところであります。
    ○山本太郎君 まあ、竹中スルーするのは正解ですね、政治家としては、恐らくね。でも、これ悔しくないですかという話なんですよ。何を有り難がっているんだって話なんですよ。日本をぶっ壊された戦犯がそこにいて、今もその人の知恵借りて、企業側の利益を切り開くためにその人がずっと使われ続けているというか、その人が中心になっているなんて、おかしな話じゃないですか。
     資料の五、産経の記事。PFIでの外資参入は既に浜松市で始まっている。浜松市では、現在、下水処理施設の運営にコンセッションを導入。フランスの水メジャー、ヴェオリア。さらに、あのオリックス、鉄鋼メーカーのJFE系の企業が運営。
     資料の六、浜松市のウエブサイトより、下水道に関するコンセッション契約書、その中の九十六条、秘密保持義務というところですね。「市及び運営権者は、相手方当事者の事前の承諾がない限り、本契約に関する情報(本事業を実施するうえで知り得た秘密を含むが、これに限られない。)を他の者に開示してはならない。」。これ、むちゃくちゃじゃないですか。これに限られないという部分が、ほとんど秘密と言っているのと一緒なんですよ。市は、事前の同意がないとこの契約に関する情報、原則開示できないという条項ですよね。議会によって契約内容をチェックすることも、これなかなか難しくなってくるだろうと。
     今回、数年前からコンセッション問題を掘り下げていた共産党の落合勝二浜松市議にお電話したんですね。いい仕事されていますね、地方でも、共産党さん。下水道コンセッションのバリュー・フォー・マネーについて、一四・四%になっているということだったんですね。この算定根拠どうなっているんですかと市側に聞いたら、このバリュー・フォー・マネーは、VFMは公営でやるよりもどれくらい安くできるかという指標だと、数が大きければ大きいほどPFI導入の効果があるとされるもので、市側に求めたと、根拠何だと、その根拠を示すよう求めたところ、優先交渉権を得ていたヴェオリアのノウハウなど企業秘密を明かすことになるので答えられない、市側は答えたと。PFIでやった方が安くできる根拠さえ示せないんですよ、企業秘密でね。公営であれば、これまでは行政に関する情報として情報公開させられてきたものが、PFIになると企業秘密が盾になる、突っぱねられる。
     先ほどの資料五の産経の報道には、浜松市は情報公開のために第三者モニタリング会議を徹底するとありますけれども、一方で、契約書には秘密保持義務が課せられているばかりでなく、市民の代表者である議員の調査権も無効化されているというのがはっきりしているんですよ。PFIでは地元住民が自治体と事業者との契約について十分に知る権利を保障されるよう求める条文ってあるんですか。
    ○国務大臣(梶山弘志君) PFIにつきましても、一般の公共事業と同様に、国の場合であれば行政機関情報公開法に基づいて、地方公共団体の場合であれば各地方公共団体の情報公開条例に基づいて、情報公開の対象となります。
     その上で、PFI法において、第十五条第三項において、公共施設等の管理者は、事業契約を締結したときは、遅滞なく、当該事業契約の内容として、公共施設等の名称及び立地、選定事業者の商号又は名称、公共施設等の整備等の内容、契約期間、事業の継続が困難となった場合における措置に関する事項、契約金額等を公表しなければならないものとしております。
     さらに、コンセッション事業については、同法第二十二条第二項に基づいて、公共施設等運営権実施契約を締結したときには、遅滞なく、公共施設等運営権者の商号又は名称、公共施設等運営事業の継続が困難となった場合における措置に関する事項、費用を徴収する場合にはその旨及びその金額又はその金額の決定方法、契約終了時の措置に関する事項、公共施設等運営権実施契約の変更に関する事項等を公表しなければならないとしているところであります。
    ○山本太郎君 じゃ、そういうことであるならば、この浜松のやり方というのは特に問題がないというお考えですよね。
    ○国務大臣(梶山弘志君) と思いますし、浜松市も丁寧に自治会等、また様々な場をもって住民への説明をしていると伺っております。
    ○山本太郎君 先ほどるると、るると御説明いただきましたけれども、PFI法の十五条と二十二条に係る部分で。けれども、それだけのものがあったとしても中身すかすかじゃないですか。事業者の名前だったりとか、どこの施設だったりとかということを示せばいいだけの話でしょう。実際に浜松でこれ秘密保持条項みたいなものができているわけだから。PFI導入の根拠の説明さえも企業秘密で逃げられる、その基になっているのがこれらだろうって。だとしたら、全然歯止めにもなっていないしという話になっちゃうんですよね。
     衆議院のPFI法の審議では、与野党問わず、PFI事業の実施に当たって事業者選定に地元企業が優先されるのかという議論がありました。梶山大臣は、衆議院の本会議答弁で、これまで実施されているPPP、PFI事業においては、地元事業者が参画しやすくするための取組としていろんなものがあって、それを実施するなどの例があったよとお答えくださいました。
     今ちょっとはしょったのは、私自体がそこをお話聞いたときにぴんとこなかったので一回調べたんですよね。国交省の指針にいろいろ載っていました。公共事業では、できるだけ多く公共事業を分割発注して地元業者の受注機会を増やしたり、入札参加に地域要件を設けたり、入札の際に価格だけではなく地域への、地域への貢献をポイントとして加点して総合評価するなどをやっているよ、そういう事例があるよということを大臣おっしゃったということですよね。ありがとうございました。
     公共事業と聞くとちょっと顔をしかめる方も町の中にはいらっしゃるんですけど、私は、雇用、経済効果を生むという点において、地方経済にとっては重要であり、大臣おっしゃるようなことが確実に実施されるなら、PFIによる事業も分野ややり方によっては公共事業的役割を果たす部分もあるのだろうとも考えます。
     地元の建設会社と地元の金融機関、地場の下請さんなどで優先的にコンソーシアム、いわゆるSPCを構成してPFIに取り組むことによって、地元企業などへの優先的な富の分配というものはこれまでの公共事業と変わりなくPFIでもできるという御認識でよろしいでしょうか。
    ○国務大臣(梶山弘志君) このそれぞれの事業に対してのノウハウがあるかどうかということにも関わってくると思います。さらに、あと、防災面で、災害が起きたときのことを考えた際に、地元の企業、その地域の企業がすぐに出動できるということもあります。そういった観点から、しっかり地元企業の参画や地域住民の声を評価項目に加えて審査を行うなどの工夫により地元企業が選定されることは、PFIが地元に根付く上で大変望ましいことだと思っております。
     事業者選定に当たりましては、代表企業に市内工事の受注実績があることを義務付け、構成員に市内企業を含むことを義務付け又は加点をしていく、総合加点、総合評価の方法ですね、地元企業の活用に関する提案を採点上有利に行う手法などの例がこれまでもありますので、そういったことも参考にしながら、地元企業にしっかり受注できるような割合を多くしていく努力をしてまいりたいと思っております。

    ○山本太郎君 分野などによってはPFIでも地元優先ということは可能なんだということでよろしいですね。短くお願いします。
    ○国務大臣(梶山弘志君) そのとおりであると思います。
    ○山本太郎君 それは、例えば小さな自治体だけじゃなくて、例えばもうちょっと大きな都道府県レベルであったりとか政令指定都市であったりとかというところでも同じでしょうか。
    ○国務大臣(梶山弘志君) WTOの縛りもありますので金額によってということでありますけれども、海外の企業が入ってくる例もあろうかと思います。
    ○山本太郎君 忘れてもらっちゃ困るんですよ、TPPをという話なんです。
     資料の七の一、TPP第十五章、政府調達、ライン部分、本法案の正式名称がここに書かれていますよね、PFIに関する部分。
     資料七の二、十五章、全都道府県と政令指定都市がずらっと並んでいる。要は、TPPの政府調達の規定はこれらの自治体に適用されるという話ですよね。PFIにも適用される。
     資料の七の三、ライン部分、TPP第十五章、これ、内国民待遇の規定が書かれている部分なんですね。何が言いたいかということなんですけど、外国の事業者に対して日本国内の事業者と同じ扱いしろよという話なんですよ、内国民待遇ですから。
     資料の七の四、TPP第九章と先ほどの十五章の比較です。九章と十五章、どちらにも内国民待遇が定められている。要は、十五章違反になれば九章違反にもなるということなんですよ。地元優先、無理ですよ、これ。地元優先できませんよ。そういう縛りじゃないですか。国内法より上にあるんでしょう、だって、協定は。
     第十五章で内国民待遇に違反すれば、それは同時にISDSの対象である第九章違反にもなり得るということ。TPP第九・四条、内国民待遇義務、これは、日本国内の外資系企業に対して国内の資本の企業と同等の扱いを行うことを要求するもの。つまり、PFI事業をスタートするに当たって、外資が関与するものより、日本企業、地元企業の主体を優先した場合、九章の内国民待遇にも違反する。当然、十五章にも違反ですよね。
     ほかにも、TPP第九・十条は、特定措置の履行要求を禁止。これは、外資系企業に対して、日本国内での現地調達を要求したり、物品購入やサービス購入について日本国内の業者から購入するよう要求することが禁止されているもの。
     どこにもかめないじゃないですか、そうしたら。地元優先なんて無理じゃないですか。外資が関与するSPCやコンソーシアムに対して、地元企業、日本企業からの物品、サービスの購入を求めることは、先ほどの九章の特定措置の履行要求禁止にも違反。梶山大臣がおっしゃったような、事業者選定に当たって、代表企業に市内工事の受注実績があることを義務付け、構成員に市内企業を含むことを義務付け又は加点、地元企業の活用に関する提案を採点上有利に扱う手法を実施するなど行えば、TPP九章に違反するし、内国民待遇でないということで第十五章にも違反する。当たり前ですよね。
     地元優先など、どう考えたって、これ成立するはずもないんですよ。大臣はこのことを無視してお話しになっていたんですか、ずっと。
    ○国務大臣(梶山弘志君) TPPにおいても、その発注者が中央政府の場合は七億四千万以上の案件、発注者が地方公共団体の場合は約二十四億七千万以上の案件が対象ということであります。
    ○山本太郎君 何のお話されているんでしょうか。そういう話をしていないですよ。いや、だから、政令指定都市までなんでしょう。大型の事案が入ってくることが可能性があるから、それを食おうとしているわけでしょう、だって。それを食わせるんですか、海外企業に。全く、PFIの中でTPPのことも、これから縛りがあることも全く無視をしてお話をされている。地元優先なんて無理ですよ。
    ○委員長(柘植芳文君) 時間を過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
    ○山本太郎君 こんな法案撤回するべきだと申し上げて、質問を終わります。
        ─────────────
    ○委員長(柘植芳文君) この際、委員の異動について御報告いたします。
     本日、石井準一君が委員を辞任され、その補欠として宮本周司君が選任されました。
        ─────────────
    ○委員長(柘植芳文君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
     これより討論に入ります。
     御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
    ○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部改正法案に反対の討論を行います。
     反対の理由の第一は、本法案が地方自治体に対し、より一層PFI推進を押し付ける仕組みをつくるものだからです。
     新たに法定化されるPFI事業に関するワンストップ窓口は、内閣総理大臣が公共施設等の管理者に対し報告徴収と勧告を行える仕組みで、政府が窓口で事業者から要望を聞き取り、それを基に政府が自治体に回答を迫ることが可能となります。民間の利益を保証する一方で、住民のための公共サービスをゆがめられる懸念が強いと言わざるを得ません。
     第二の理由は、地方自治法が定める指定管理者としての利用料金と指定管理者の指定手続規制を緩和することは、議会のチェック機能と住民の関与を後退させるものだからです。
     PFIや指定管理者制度は公共サービスなどを民間事業者が営利目的に行うものであり、その事業が住民全体の福祉につながるかどうかは議会や住民が自律的に検討することが必要不可欠です。こうした観点から、地方自治法では、指定管理者の利用料金の設定には自治体の長の承認を求め、指定管理者の指定手続には議会の議決が必要と定めています。これを後退させることは認められません。
     第三の理由は、公が責任を持って提供すべき生活の基盤である上下水道にコンセッション方式を推進するためとして、特定の地方公共団体に財政支援を行うものだからです。
     安倍政権は、今国会に提出した水道法改定案で水道事業におけるコンセッション方式の拡大を狙っており、本法案は、上下水道事業へのコンセッション方式を誘導するため、国からの自治体への貸付金の補償金を免除しようとしています。
     フランスなど水道コンセッションの先進国では、再公有化や公共性の観点から官側の関与を強めることが大きな流れとなっています。本法案は、これらに学ぼうとせず、水道事業への公的関与を弱め、投資家と大企業のもうけのために民間開放するものと言わざるを得ません。水道事業は、憲法二十五条に基づく国民の生存権、命に関わる事業であり、民間事業者の営利が優先されるコンセッション方式に適さないことは明らかです。
     また、今日の質疑でも、PFIやコンセッション事業が人件費を不当に切り下げ、ワーキングプアを生み出しかねず、また、営業秘密を理由に事業そのものの検証が困難など、透明性に大きな問題があることが明らかになりました。また、イギリスでは、PFIの事業者が、事業途中にもかかわらず資本市場でSPCの株式を売却して、ぬれ手にアワの利益を独占したことが問題となりましたが、政府はそのようなやり方も排除していないことも分かりました。
     PFIのまともな検証もなく、投資家や民間企業のビジネスチャンスのためにPFI促進に突き進むことはやめるべきである、このことを指摘し、反対討論を終わります。
    ○山本太郎君 山本太郎です。
     私は、いわゆるPFI法改正案に対し、反対の立場から討論をいたします。
     一つ目の理由は、PFIの推進が世界の潮流に大きく逆行した、全く周回遅れの議論であることです。
     英国の会計検査院に当たるNAOの報告書には、資金調達が公共よりも割高になること、PFIは二〇〇七年から八年の金融危機の後に急速に減少していること、そして、高く付くPFIを解消しようと思っても、事業者に対するキャンセル料で高額の支出が必要になることなどが指摘され、欧州連合の会計検査院の報告にも同様にPFIには慎重であるべきという指摘があります。
     PFI全体に限らず、水道事業の民間参入に関しても、民営化に対する見直し機運が世界で高まっており、二〇〇〇年から二〇一五年三月末までで世界三十七か国、二百三十五件の水道事業が再公営化に踏み切っています。民営水道の国であるイギリスの世論調査でも、国民の七割が水道事業を再公営化すべきと答えている。世界での数々の失敗報告を踏まえるならば、これからPFIや水道コンセッションを推進しようとする日本国政府の姿勢は常軌を逸しているとしか思えません。
     二つ目の理由。政府がこれまで行ってきたPFI推進策の自治体に対する強引な姿勢です。
     PFIの優先的検討規程を作ろうとする自治体には調査費を支援、そうしない自治体には理由を示させ、ネットで公表するというあめとむち。自治体に作成させた公共施設等総合管理計画や固定資産台帳は民間事業者にとってはPFI案件になり得る公共不動産カタログと言うべきものであり、これらの策定について長期的な視点で公共施設等の計画的な管理を行うためと説明されてきた自治体にとってはだまし討ちに近いやり方です。
     三つ目の理由は、浜松市の水道コンセッションについて懸念を示す地元市議の話などでも明らかになったように、PFI契約においては企業秘密の名の下に住民にとって必要な情報が適切に公開されることが担保されない可能性が否定できません。
     最後に、四つ目。国が推し進める政策、強行に採決された協定を考えれば、PFI事業に外資や大資本が参入することになり、地元は吸い上げられる存在にしかなり得ないこと。
     政府は、これまで答弁で、ほかの公共事業同様、PFIの参入についても地元事業者が参画しやすくするための取組が存在すると答弁してきました。しかし、TPPが発効した場合、十五章の公共調達の条項の適用となり、内国民待遇違反とみなされれば、同時に九章違反とみなされ、国が投資家からISDSで提訴される可能性があります。地元優先などとても無理です。命に関わるインフラの運営権に抵当権まで許し、金融商品化するような政治は国の破滅にしかつながりません。
     金融緩和を行っているときだからこそ、財政出動とセットで水道版ニューディールやればいいじゃないですか。保守なんでしょう。今、国としてやればいいじゃないですか。大規模な老朽設備の更新としっかりとした処遇を与えた安定雇用をセットにして、不安定雇用にあえぐ人々を国が救う、少子化問題打破にもつながるチャンスが今じゃないんですか。残念ながら政府は、世界で一番企業が活躍できる国を着実に実行するだけ、大企業や資本に対して血税で造られたインフラやライフラインまでも商品として差し出す始末、そのさまは歴史に残る国民への背信行為でしかないと申し上げ、世界の流れと逆行する本法案には断固反対の立場を表明し、討論とさせていただきます。
    ○委員長(柘植芳文君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
     これより採決に入ります。
     民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
       〔賛成者挙手〕
    ○委員長(柘植芳文君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
     この際、矢田さんから発言を求められておりますので、これを許します。矢田わか子さん。
    ○矢田わか子君 私は、ただいま可決されました民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、公明党、国民民主党・新緑風会、立憲民主党・民友会及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
     案文を朗読いたします。
        民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
      政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
     一 PPP/PFIを推進するに当たっては、公共施設等運営権(コンセッション)方式を始めとするPFI手法の導入ありきではなく、地方公共団体が地域の実情に応じて官民連携の多様な手法を検討し、適切な選定ができるよう、地方公共団体の自主性・自律性を尊重すること。
     二 公共施設等の管理者等及び民間事業者が特定事業に係る支援措置等について確認を求めた際に内閣総理大臣が一元的に回答する場合や、内閣総理大臣が公共施設等の管理者等に対し特定事業の実施に関し助言等を行う場合にあっては、特定の民間事業者への誘導や、地方公共団体の判断への介入を疑われることのないよう、適正かつ公正に運用すること。
     三 公共施設等運営権者が公の施設の指定管理者を兼ねる場合の二重適用問題の解消については、本法による対応にとどまらず、運営権者による自由度の高い運営及び更なる負担の軽減に資する支援の在り方について、引き続き検討を行うこと。
     四 本法による補償金免除繰上償還については、上下水道コンセッションを導入する先駆的取組に限り特例的に認めるという趣旨に鑑み、今後は、財政投融資制度の健全性の維持、地方公共団体間の公平性及び地方財政運営の規律の確保の観点から、同様の補償金免除繰上償還を実施することは厳に慎むこと。
     五 PFI事業の実施に当たっては、地域金融機関の役割や、地域の民間事業者の参加を得て地域の実情を踏まえた事業を展開することが、地域経済の活性化や施設の維持管理等にとっても重要であることから、地方公共団体等に対して、地域の産官学金が参加する地域プラットフォームの組織化や、地域の民間事業者の参加を促す工夫を行っている取組等に関する情報の提供を始め、適切な支援を実施すること。
     六 PPP/PFIの評価・検証を行うに当たりその実施状況を把握するとともに、PPP/PFIの透明性を向上させる観点から、定期的に実施状況を公表するなど、海外の事例も参考にしつつ、PPP/PFIの更なる「見える化」に努めること。
     七 今後とも、安全・安心な水を安定的に確保するとともに、衛生的で安心な都市環境を維持するため、人口減少に伴う料金収入の減少や施設の老朽化等の課題を抱える上下水道事業の経営が持続可能なものとなるよう、官民連携の推進にとどまらず、広域化・共同化等を推進することにより、関係府省間で連携してこれらの課題解決に当たること。
       右決議する。
     以上でございます。
     何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
    ○委員長(柘植芳文君) ただいま矢田さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
     本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
       〔賛成者挙手〕
    ○委員長(柘植芳文君) 多数と認めます。よって、矢田さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
     ただいまの決議に対し、梶山内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。梶山内閣府特命担当大臣。
    ○国務大臣(梶山弘志君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
    ○委員長(柘植芳文君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ○委員長(柘植芳文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
     本日はこれにて散会いたします。
       午後三時三十三分散会
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    2017年8月 1日 (火)

    郭洋春氏国家戦略特区インタビュー記事

    7月30日の赤旗に、国家戦略特区をめぐって、立教大学教授の郭洋春氏のインタビュー記事が掲載されていた。
    郭氏は、開発経済学を専門とし、特区制度全般に精通している。
    国家戦略特区全般に関して、短時間に理解する最適な文献として丸ごと貼り付ける。

    どの指摘一つも落とすことができない重要なもので、密度の濃い良記事だ。

    Kokkasenryakutokkuinterview_2

    PDFファイルはこちら

    加計学園だけの問題ではない。
    国家戦略特区自体が、平等や地方自治、民主的価値観といったものと遠く隔たった制度である。



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    2017年7月 6日 (木)

    売国の日EU経済連携協定(EPA)  隠蔽される最恵国待遇の罠

    日本とEUの経済連携協定の大枠合意が報じられている。


    何度でも繰り返して言うが、現在の自由貿易は、貿易を自由化するという枠を大きく超えている。
    『非関税障壁の撤廃』を旗印にして、関税ではないが、グローバル企業の侵入と活動を制限する国内の仕組みを一挙に変えてしまおうとするものだ。
    それとわからぬまま一般市民の生活をめぐる仕組みはグローバル企業が支配しやすい都合の良いルールに書き換えられてしまう。


    日EU経済連携協定も例外ではない。
    非関税分野で、僕の想像を超えた、厳しい条項が盛り込まれている。


    Baikokudoabesinzou_3


    しかし、今日のところは、関税問題について触れておきたい。
    メディアの報道があまりにも偏り、問題を隠蔽しているとしか思えないからだ。


    メディア報道は関税だけに絞られている。
    そして、あたかも日本とEUとの間で取り決められた関税は、日本とEUの間だけで適用されるかのように報道されている。

     

    あのね、メディアの皆さん、皆さんはみんな優等生だったんだろうから、知ってますよね。
    たぶん、中学校(高校だったかもしれないけど)で習ったよね。
    貿易協定の基本原則の一つが最恵国待遇だってことくらい。
    まさか知らないわけないよね。


    第三国に与えた優遇措置は、最恵国待遇条項を介して既存の貿易協定に及ぶ。
    知ってないわけないよね。
    だから、日本とEUで取り決められた関税については、すでに日本が貿易協定を結んだ全ての国に波及するということ。


    日本はすでに15の国と地域と経済連携協定を結んでいる。
    中でも、問題なのは畜産・農業大国オーストラリアとの経済連携協定だ。
    要するに、今回EUとの間で合意した関税は、オーストラリアにとってより有利なものであれば、オーストラリアにも当然に適用されることになる。


    EUとの合意がオーストラリアとの経済連携協定を超えている品目が何かを検討する時間的余裕はない。
    しかし、ざっと見て、豚肉、ワイン、パスタ、チョコレート、バッグ・革靴などが、オーストラリアとの経済連携協定より低関税である可能性がある。
    したがって、これらに関する関税はEUとの経済連携協定発効と同時に、オーストラリアにも適用されることになる。


    むろん、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ベトナム、ペルー等々、日本と経済連携協定を結んでいる諸国にも適用されることになる。


    当然、現在交渉中のカナダとの経済連携協定などは、EUとの取り決めが出発点となる。


    こうした全てを想定して、関税決着の得失は検討される必要がある。
    中学校レベルの知識で、当然の論点だ。
    ところが、これに触れる報道は、皆無、ゼロ、全く存在しない(怒)!!


    国民の支持を失った安倍政権が、頓挫したTPPに代わって決定的な売国条約を結ぼうと急いでいる。
    現代自由貿易は後戻りの利かぬ一本道だ。
    EUだからいい、等という問題ではないことを肝に銘じるべきである。


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    これほどメディアが口をつぐむと、正直、自分が間違っているのではないかと不安にすらなる。
    しかし、これはどう考えても、中学校レベルの知識の適用問題である。

    なお、主題とは直接関係が無いが、ネットを見ていたら、日本農業新聞の論説が見つかったので、念のために貼り付けておこう。

    日本農業新聞 2017年07月03日 論説

    緊迫する日欧交渉 農業保護で大きな格差

     閣僚協議で打開を目指した日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉は自動車やチーズで隔たりが埋まらず終了、今後も重大局面が続く。政府・与党は、再生産が可能になるよう「必要な国境措置をしっかり確保」するとの譲れぬ一線を掲げる。ただ、交渉相手の検証を重ねたのか疑問がある。EUの場合、手厚い農業保護が日本とは大きく違う。そうした視点も不十分なまま、ヤマ場の交渉に突き進むのは極めて危険だ。

     そもそも関税とは何のためにあるのか。その基本を忘れてはいけない。関税は、国内産業を守るために国際的に認められた措置だ。農産物の場合、各国の間に国土条件や、それによる経営規模の違いなど、生産者の努力では埋めきれない競争条件の差が歴然とある。

     環太平洋連携協定(TPP)が問題なのは、経営規模があまりに違い過ぎるからだ。日本の平均経営面積2.45ヘクタールに対し、米国は70倍以上の175ヘクタール。オーストラリアに至っては1200倍の3000ヘクタールに達する。これほどの差がありながら、関税の大幅削減・撤廃を受け入れ、政府が言うように農業に影響がないのか。農業者の疑念はいまだに拭えない。

     EUの加盟国の平均経営面積は、米豪ほどではないものの、ドイツは55ヘクタール、フランスも54ヘクタールある。日本の20倍だ。EPA交渉で焦点の酪農は、1戸当たり経産牛飼養頭数が日本の48頭(北海道68頭)に対し、フランス51頭、ドイツ54頭、デンマーク149頭。一部の国を除けば「EU並みの規模拡大を実現」(農水省)と一見、日本が対等に競争できる水準に近づいているかのように錯覚する。

     だが、日本とEUの間には経営規模以外に大きな違いが存在する。農業政策だ。農家所得に占める補助金の割合は、日本は4割弱。一方、フランスは9割以上、ドイツも7割近くに上る。手厚い農業保護により、EU農家は農産物価格が下がっても経営を維持できている。価格競争力も強い。EUの生乳価格は、世界で最も競争力があるニュージーランドと同水準だ。

     EUの農政転換は1992年に始まり、長い歴史がある。93年に決着したウルグアイラウンド農業交渉に対応し、関税や国内の支持価格を引き下げる代わり、直接支払いで農家を守るという方向に明確に踏み出した。

     そのEUと闘う日本の農政はどうか。直接支払いは中山間地域対策や環境、農地維持では導入されたが、
    所得補償を狙いとする直接支払いは、ようやく民主党政権で芽が出た。その米の直接支払交付金(10アール当たり1万5000円)は現政権で半減され、来年なくなる。関税の削減・撤廃を掲げるTPP、EPA交渉を推進しながら、その保護装備を外すという、EUとは正反対の対応だ。政策的な条件格差を自ら広げた以上、日本に関税を削減できる余地は極めて狭い。安易な譲歩は許されない。

    2017年6月30日 (金)

    安倍・稲田へのレクイエム  都議選雑感3

    テレビを眺め、週刊誌を見ている限りでは、某国は本当に安倍政権を見限ったように見える。
    安倍とその取り巻きという、揃いも揃っておつむの弱い連中のことだから、それもわからず、無駄な抵抗をしばらく続けるかもしれないが、あがけばがくほど、連中の行く末は惨めなものになる。
    このことは財閥と癒着した隣国の大統領が、某国ないしは某国のグローバル企業の意に反した結果、どれほど哀れな末路をたどったかを見れば明らかというものである。


    極右グローバリストは、極右超グローバリストに席を譲る。



    ==================

    安倍晋三は、宗主国では批准される見込みのないTPPを強行採択し、TPP関連11法を強行採決するという暴挙を犯し、『瑞穂の國』を遺伝子組み換えグローバル企業に差し出す種子法廃止法を強行採決し、さらには生命の源となる水を外資に差し出す水道法改正を強行した。
    かくまでグローバル資本に奉仕しながら、安倍晋三は、実は、グローバリズムというものが何たるかを理解していない。

    Abeyameru

    だから、虎の尾を踏んじまう失態もあったし、失態を犯したことにも気づかなかった。


    オプジーボは、適応患者が470名程度のごく少数の皮膚ガン(メラノーマ)の患者に有効だとして保険適用が認められたガン治療薬で、患者一人当たり年間3500万円という途方もない薬価がつけられた。
    オプジーボは、認可後まもなく、非小細胞肺がんに対する有効性も認められて保険適用されることとなり、適応患者数は5万人(製薬会社は1万5000人としている)へと一挙に膨れあがった。
    その結果、オプジーボだけで年間1兆7000億円もの莫大な薬剤費に保険適用がされる恐れが生じた。
    薬価の見直しは2年に1回とされており、次の見直しは2018年4月であったが、オプジーボの薬価は緊急に今年の4月から半額に引き下げられた。
    また、薬価見直し制度も1年に1回実施するよう改められた。


    異例の薬価切り下げを実現したのは、報道による限り、何と安倍晋三、その人である。


    この人は基本的におつむが弱いから、TPPを推進するということは、そうした国家の権力の発動を禁止することになるのだということを理解していない。
    案の定、メーカーの小野薬品工業は了解したものの、米国製薬業界からはむろん日本の製薬業界からも強い批判を受けた。
    TPPでは、そういう国家のわがままは許されない(主権が制限される)ということすら、理解できないほどに、この総理は頭が悪いのである。



    ==================


    司法試験に合格したくらいだから、稲田朋美は頭が悪いという訳ではないとは思うが、その言動を見れば、自分がしていることの意味を理解する能力に著しく欠けている。
    とうてい防衛大臣の器ではないことは明らかである。

    Inada

    稲田防衛相とのつきあいもまもなく終わりそうだから、この際、公平を期すために、世間の知らぬ、稲田朋美の善行を挙げておいてあげる。


    先の国会では、民法(債権法関連分野)の大改正がなされた。
    会計基準だとか、会社法だとか、特許法だとかがグローバル基準に改正されても、庶民には縁遠い問題に思える(マチベンもそうだ)。
    しかし、民法はそうはいかない。
    庶民の日常生活は基本的に民法に規律されているのだから、その大改正は甚だしい影響を庶民の生活に及ぼす。
    主導したのは、米国仕込みの特殊な学説を唱える東大の学者と法務官僚だ。
    明治以来基本的な改正がない分野の大改正だから、今後、しばらくは、庶民もマチベンも大混乱を覚悟しなければならない。


    この民法大改正の中に、日本の契約法の根幹を米国法化しかねない毒が盛られていた。
    契約違反があった場合の損害賠償の条文に、日本民法に全く存在しない概念を盛り込もうとしたのだ。

     


    日本民法の契約違反の損害賠償義務は、『債務の本旨に従った履行をしないとき』に発生する。
    何ともまあおおらかな規定になっている訳だが、『債務の本旨』に関しては、明治以来の百年以上にも及ぶ判例の蓄積がある。
    したがって、こうしたおおらかな規定であっても、共通理解が確立しているから何も困ることはない。
    また、おおらかな規定は、時代の進展に応じて、柔軟な解釈を行うことも可能にしてきた。


    これに対して、特殊な学説を主張する東大の学者と法務官僚は、賠償責任を負うべき場合を『契約によって引き受けた義務を果たさないとき』に変えようとした(厳密には『契約で引き受けなかった事由については責任を負わない』と規定しようとした)。


    契約によって引き受けた義務という考え方は、米国法由来だ。
    米国の契約法では、想定しうる限りのありとあらゆる事態に備えた契約書を作成する。
    契約関係において強い立場に立つ者は、ありとあらゆる責任を免れるように膨大な免責条項を盛り込んだ契約書を作ることも可能になる。
    契約違反に関する損害賠償の規定を変えることによって、日本の契約実務が一挙に米国化するという、そういう規定が毒素条項として盛り込まれようとしたのだ。
    当然ながら、個々の弁護士は皆、反対だった。
    しかし、へたれの日弁連は何も異議を言わなかった。


    米国契約法化は結果的には阻止されたのだが、これを阻止したのは何とまあ、驚くべきことに、稲田朋美だった。

     


    東大学者と法務官僚の企みに猛然と立ち向かったのは、名古屋大学の名誉教授加藤雅信氏。
    東大教授の野望を痛烈に糾弾し、民法債権関連分野の大改正に猛烈に反対した。
    これが法務大臣だった当時の稲田朋美の目にとまった。
    稲田朋美は民法改正の行方に危機感を持ち、急遽、規制改革会議の場に、加藤雅信氏を招き、その意見をヒアリングする機会を設けた(法務省の担当官の意見も聴取した)。
    さすがの規制改革会議のメンバーも、この契約法理の変更に疑義を持つこととなった。
    企業法務を含め、日本の企業活動が大混乱することは目に見えていたからだ。


    何ともまあ、何度でも驚いてあげるが、稲田の機転が、日本の契約法を根本から米国法化するという東大学者と法務官僚の野望を砕いたのである。


    最大の毒素条項が除かれた今でも、民法大改正には、大方の弁護士は反対である。
    現行民法で問題は何も起きていないからだ。
    壊れていないものを直すという愚は、放火(法科)大学院でさんざん経験したのに、またぞろ壊れていないものを全面改修するというのであるから反対して当然である。

    しかし、へたれの日弁連は何も言わない。
    むしろ推進する側に立つ。
    日弁連は、おそらく20年この方、法務省のなんちゃら委員会に日弁連枠を得るのと引き替えにすっかり権力にすり寄るようになった。
    安倍晋三が、最高裁裁判官の弁護士枠を事実上、無効化しようが、稲田朋美に献金している中本日弁連は静観の体である。


    自分のしていることの意味がわからない稲田朋美でも、一応、良いこともしたのである。
    それもこれも、TPPを進めるということは全面的に米国法化することだということを知っていても、何かしら許されないという感覚を稲田朋美が持っていたということである


    =============================


    同じ極右グローバリストでも、小池百合子には、これがない。
    都民ファーストは、国政政党ともなれば、完全に米国ファーストである(まさか、国民ファーストではあるまい。それではまるで「国民第一」で小沢一郎と変わらなくなってしまう)。


    小池百合子は、安倍晋三よりは賢こそうだから、宗主国の意図を理解し、間違っても、高額に過ぎる薬価を切り下げるような馬鹿なまねはしない。
    国民皆健康保険の崩壊ないし空洞化こそが米国とグローバル資本の望むところだからである。


    先の国会で、積み残した(提出されなかった)のは、解雇自由化法と残業代ゼロ法、そして親学肝いりの家庭教育支援法。
    とうてい、安倍晋三では耐えられそうにない。自民党小池派に引き継がれる。
    耐用期限が過ぎた総理はすげ替えられるのである。
    変にあがけば、末路は悲惨である。


    それとともに都民ファーストに踊らされる国民は、さらに悲惨な行く末が待っている。
    さらにさらに警戒せよ。

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    自民党東京都連会長の下村博文に対する加計学園の闇献金に関する週刊文春の記事は、詳細・具体的で、圧巻だった。下村博文はとうてい抗し切れまい。
    出元が文春であればこそ、安倍退陣は、確定路線に思えてならないのである。


    些か先走った予想ではある。予想は3割も当たれば高打率ということで間違っていたとしても許されたい。
    ちなみに、マチベンは2013年12月時点で、特定秘密保護法を作ったのは米国だと示唆した。今年になって、スノーデンの証言によって裏付けが得られた。
    2015年12月、『慰安婦』に関する日韓合意は、このままでは、とうてい保たないと書いたが、これも当たりそうである。
    そういうことで、たかがマチベン、されどマチベンなのである。

    2017年5月12日 (金)

    種子法廃止 資料へのリンク

    ◎主要農作物種子法を廃止する法律
    主要農作物種子法(昭和二十七年法律第百三十一号)は、廃止する。
    附 則
    この法律は、平成三十年四月一日から施行する。

    Gekkannippon1705


    月刊日本5月号が種子法廃止を特集している。

    【特集①】 おコメが食べられなくなる!!
    三橋貴明 種子法廃止は亡国への道
    山田正彦 イネの苗の価格は10倍になる
    山田俊男 種子の生産が外資に独占される
    篠原 孝 農政を牛耳る財界と御用学者
    印鑰智哉 モンサントが農民から種を奪う
    八木岡努 種子の生産を企業に任せるな


    力のこもった特集のリード部分を引用しておこう。


     「モンサントの遺伝子組み換えコメしか食べられない」。「古来から守り育ててきた伝統的な稲作もできない」。
     そんな状況に、早晩日本人は陥るだろう。4月14日に主要農作物種子法を廃止する法案が成立したからである。
    我々日本人は、イネの原種、原原種、優良品種を営々と守り抜いてきた。各都道府県が予算を与えられ、責任を持って種子の開発、保存に努めてきたからである、それを裏付けていた法律が種子法にほかならない。アメリカにおいても、イネの種子は州立の農業試験場や州立大学が中心となって開発している。
     本来種子は、人類の「公共財」として保護されなければならない。種子は一部の企業の私有材ではない。ところが、モンサントなどの種子企業は、種子を世界の農民から奪い、独占しようとしている。やがて我々の食料、つまり我々の生命は、一部のグローバル企業に握られるということである。4月13日の参議院農林水産委員会に参考人として呼ばれた西川芳昭・龍谷大学教授が紹介した言葉「種子が消えれば、食べ物も消える。そして君も」が示す通りだ。


    種子法廃止法が4月14日、恐るべき拙速で可決された。
    こと資本の息がかかった分野では、マスコミの沈黙は驚くべきものだ。


    検索で見つけられる範囲では、一般マスコミでは、わずかに毎日新聞が4月20日付けで“種子法廃止に広がる不安”と題して伝えるだけだ。

    「食糧政策の抜本的転換に際し、本質的な議論はほとんどなかった。種子法廃止が政治日程に上がったのは、昨年10月6日に規制改革推進会議の農業ワーキンググループで問題提起されてからだ。農水省は「民間活力を最大限に活用するため」と主張したが、優良な種子の生産・普及に国や都道府県が責任を持つ体制を廃止しなければならない理由について、詳しい説明はなかった。」

    記事では4月10日に緊急に開かれた院内集会(第2回)の模様が伝えられており、記者の強い問題意識も十分に伝わる内容だ。
    突然の種子法廃止はとうてい納得できるものではない。
    マスコミの現場では、他にも種子法廃止に強い危機感を持つ記者が記事を書いているだろうが、握りつぶされているに違いない。


    このため種子法に関する情報はおそろしく乏しい。
    『日本の種子(タネ)を守る有志の会』が、2回にわたった院内集会の記録を超スピードででまとめている。非常に貴重な資料だ。
    この記録がなかなか検索にかからないので、リンクしておこう。


    第1回2017年3月27日『種子を守る会院内集会報告』

    第2回2017年4月10日『主要農作物種子法廃止で日本はどう変わるのか』


    食糧政策の抜本的転換に際し、本質的な議論はほとんどなかった。種子法廃止が政治日程に上がったのは、昨年10月6日に規制改革推進会議の農業ワーキンググループで問題提起されてからだ。農水省は「民間活力を最大限に活用するため」と主張したが、優良な種子の生産・普及に国や都道府県が責任を持つ体制を廃止しなければならない理由について、詳しい説明はなかった。

    ニュースサイトで読む: https://mainichi.jp/articles/20170421/ddm/013/040/004000c#csidx816a3c98ca3a76cb9bfd267c40ae0b5
    Copyright 毎日新聞

    なお、第1回の院内集会については農業協同組合新聞3月30日に京都大学大学院経済学研究科の久野秀二教授(国際農業分析)の講演の概要をまとめた記事がある。


    あまりにも拙速に進められた種子法廃止は、これで終わりにはできないし、終わりではない。

    山田正彦元農水相らは種子の公共性を守るため公共種子保全法など新法を議員立法として進めることを提案している。
    日本の種子を守る闘いは続くのだ。

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    2017年3月10日 (金)

    情勢急 種子法廃止

    与党が衆参両院で3分の2を得た結果、国会は壊れた。
    法案を出せば、何をしても通過することがわかりきっているので、議論の無駄とばかりに採決にかけることだけを目指している。
    TPP批准強行、年金カット法強行、カジノ解禁法強行と続いた前国会に続いて、議論があることすら知らぬ間に種子法廃止が来週にも衆院で可決される情勢だと伝えられている(はたろぐ3月8日「大臣から趣旨説明がされたので、与党は来週中の衆院委員会で審議・採決をめざす方針です」)。
    主要農作物種子法は昭和27年制定の法律だから65年にわたって日本農業を支えてきた基盤ともなった法律を一気に廃止するという。



    そもそも種子法とは何かから、比較的丁寧に説明した記事を赤旗(3月9日付)で見つけた。
    WEBにはないようなので、書き起こしておこう。
    愛国を自称、強制する連中が、グローバル企業による「瑞穂の国」侵略のお先棒を担ぎ、条件整備に余念がない。


    Syusihouhaisihantai_2

         

    農業壊す「競争力強化プログラム」③ 種子を企業へ「開放」 

     今国会には、主要農産物種子法の廃止も提案されています。「競争力強化プログラム」が、資材に関して「合理的理由のなくなっている規制は廃止する」「戦略物資である種子・種苗については、民間活力を最大限に活用した開発・供給体制を構築する」と提起していたことを受けたものです。

    今も大事な役割
     主要農産物種子法(以下「種子法」)は、稲、麦、大豆の種子の開発や生産・普及を都道府県に義務づけています。食糧としての重要性や、野菜などと違い短期間での種子の開発・普及が困難であること、などのためです。
     この制度の下で、都道府県は試験研究の体制を整え、地域に合う品種を開発し、「奨励品種」に指定、さらには原原種や原種の生産圃場の指定、種子の審査、遺伝資源の保存などを行ってきました。

     制度発足から半世紀以上が経過し、食料・農業をめぐる状況が変化したとはいえ、稲などの品種の開発・普及に公的機関が責任を負うことで優良品種を安定して供給するという大事な役割は今日でも変わりません。

     ところが、政府は「状況の変化」を理由に、「見直し」どころか一気に廃止を提案してきたのです。現場から「廃止」の声は出ておらず、規制改革推進会議の議論だけを根拠にした乱暴な提案です。

     政府は、「都道府県による研究開発が阻害されることはない」と説明しますが、体制や予算、原種圃場の指定などの法的根拠を廃止して、どうしてそう言い切れるのでしょうか。種子の管理や基礎研究が次第に後退するのは否めないでしょう。

     他方で、前回触れた競争力強化支援法案では「国が講ずべき施策」として「都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進する」ことを掲げています。種子法「廃止」が、公的機関が主に担ってきた稲などの種子開発を民間企業に「開放」することに最大の狙いがあることは明白です。

    食料安保脅かす
     加えて指摘しなければならないのは、現行制度の下では公費で負担している稲などの開発・普及コストの多くが、民間にゆだねれば、すべて種子代に転嫁せざるを得なくなることです。「資材価格の引き下げ」という「競争力強化プログラム」の掛け声に反することはいうまでもありません。


     種子法の廃止は、安倍政権の「農業競争力強化」の路線が「農業者のため」といいながら、農業・農村での企業のビジネスチャンス(商機)の拡大に狙いがあることを示すものです。

     「種を制したものは農業を制す」と言われるように、種子は、最も基本的な農業資材です。

     今、世界の種子産業を牛耳る多国籍企業は、稲の品種開発に強い関心を持っています。農産物の種子の特許も、多くがこれらの企業に握られています。「公共財」としての種子が環太平洋連携協定(TPP)などの交渉では知的財産権に位置づけられ、バイオ企業のもうけ拡大の有力な手段とされているのです。

     大手バイオ企業による種子支配はすでに、世界各地でさまざまな弊害を生み出しています。この下での種子法の廃止は、多国籍業がわが国の主食の生産や供給を廃する道を開き、食料の安全保障を危うくするものといわなければなりません。


    Syusihouhaisi_3


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    2017年3月 3日 (金)

    『日本は素晴らしい資本の供給源だ』 種子法廃止、水道法改正

    SankeiBizサイトが伝えるところによれば、米国ロス商務長官は、日本の年金積立金をはじめとする米国インフラへの投資を歓迎し、「日本は素晴らしい資本の供給源だ」と語ったそうである。



    【トランプ大統領演説】1兆ドル投資を日本に期待 ロス米商務長官、年金ファンドなど想定

    2017.3.1 21:17

     【ワシントン=小雲規生】ウィルバー・ロス米商務長官は2月28日、トランプ大統領が打ち出す1兆ドルのインフラ投資計画に関して、日本からの資金を受け入れることに期待感を示した。トランプ氏の施政方針演説後、記者団に対して話した。

     ロス氏はインフラ投資計画では連邦政府の資金を使うだけでなく、民間からの資金調達も想定していると説明。そのうえで日本が米国の同盟国で、金融機関が巨額の資金を保有していることに触れ、「日本は素晴らしい資本の供給源だ」と述べた。

     またロス氏は「日本政府の年金基金は巨大で、保有資産を分散しようとしている」と指摘し、米国のインフラ投資計画が、日本の年金ファンドなどの投資の受け皿になり得るとの見方を示した。

     2月の日米首脳会談で安倍晋三首相がトランプ氏に対し「資金援助」の意思があると示唆したことも明らかにした。


     


    年金資金の株式運用枠や外国債券枠の拡大は、米国に求められたのではない。
    まして米国インフラへの投資など、米国が求めていたわけではない。
    我が国のトップとその取り巻きが自ら進言し、米国はただ「素晴らしい」と歓迎しているだけだ。
    収奪ではなく、献納だ。


    国民の反発も起きない。
    これほど統治しやすい植民地も歴史上、他に例を見ないだろう。


    『自由貿易』をめぐるグローバリズムの問題は、何よりも国内の為政者の問題であることをTPP浮上後の政治状況は浮き彫りにしている。

    あまりの政治課題の多さに、ほとんど議論に上らないまま、種子法の廃止や水道法の「改正」が迫っているという。


    全てが公的責任の後退と、民営化市場原理による民衆収奪への道を開くものだ。


    緊急学習会が開かれる。
    東京での学習会は、なかなか参加できないので、IWJの中継に期待。

     

    緊 急 学 習 会

     

     TPPの発効が叶わなくなったもとで、安倍内閣はTPP水準を出発点にした日米二国間通商交渉も受け入れ、他の通商交渉でもTPP水準を持ち込む姿勢に見えます。また、主要農作物種子法の廃止や水道法の改定など、人々の命をつなぐ分野まで、市場原理に委ねる経済政策を推進しようとしています。

     TPP後の二国間交渉、また国内政策の問題点をともに考えましょう。

     

    「TPP後の日米通商交渉、

         安倍政権の経済政策を考える」

    日時:315日(水)15時~17

    場所:衆議院第1議員会館「多目的ホール」


     

    ◇第1報告:「日米通商交渉の行方」

    植草一秀さん(オールジャパン平和と共生運営委員)

    ◇第2報告:「主要農作物種子法廃止の問題点」

    山田正彦さん(元農林水産大臣)

    ◇第3報告:「水道の民営化の危うさ」

    椿本祐弘さん(フリーライター・元大和総研主席研究員)

    ◇質疑・意見交換

      ■資料代:500円

     
     

    よびかけ:TPPを発効させない!全国共同行動

     

    「全国共同行動」共同事務局

    ・TPP阻止国民会議(連絡先:山田正彦法律事務所)

       千代田区平河町2-3-10ライオンズマンション平河町205(℡03-5211-6880 AX03-5211-6886

    ・フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)

      千代田区神田駿河台3-2-11連合会館内(℡03-5289-8222 FAX03-5289-8223

    ・STOP TPP!!市民アクション(連絡先:全国食健連)

    渋谷区代々木2-5-5 新宿農協会館3階(℡03-3372-6112 FAX03-3370-8329

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    種子法廃止に慎重論 基礎食料 安定供給損なう恐れ
    日本農業新聞 2/2(木) 7:00配信

     農水省は、稲、麦、大豆の種子の生産や普及を都道府県に義務付ける主要農作物種子法(種子法)を廃止する。民間事業者に都道府県の種子や施設の提供を進め、種子の開発を活発化させる狙い。ただ、公的機関による育種が後退し、種子の安定供給に支障が出かねない。民間の参入機会が広がることで、外資の多国籍企業による種の独占を招くといった懸念の声もあり、慎重な検討が求められる


     種子法は食料確保を目的に1952年に制定。都道府県が基礎食料の稲、麦、大豆について、優れた特性を持つ品種を奨励品種に指定し、種子を生産することを義務付ける。同省は、都道府県は自ら開発した品種を優先して奨励品種に指定、公費を投入して普及させており、民間の種子開発への参入が阻害されているとして、同法の廃止法案を今国会に提出する方針だ。


     一方で同省は、今国会に最優先に提出する農業競争力強化支援法案で、「国が講ずべき施策」として、民間による種子や種苗の生産・供給の促進を盛り込む。具体的には、国や都道府県が持つ育種素材や施設を民間に提供し、連携して品種開発を進めるなどの動きを加速させる考えだ。


     ただ、こうした方針への慎重論も根強い。各都道府県は育種費用を、使途が決まっていない一般財源の中から確保している。県の農業試験場が育種費用の確保を財政当局に訴える際、同法を根拠としていた実態もあるため、同法の廃止で十分な額が確保できるのか懸念の声がある。国や都道府県が持つ育種素材や施設を民間に提供することについても、外資の参入機会が広がり、多国籍企業による種子の独占につながりかねないとの指摘もある。


     同省は、種子法の廃止について、都道府県が品種開発を進めることを否定するものではないと説明。種子法の対象外の野菜でも外資の参入はほぼないとし、「法律が廃止された途端に外資が入ってくるというのは全くの誤解」とも主張する。


     種子法の廃止は、規制改革推進会議が「民間の品種開発意欲を阻害している」として提起。政府・与党は農業競争力強化プログラムで、種子を含めた生産資材の各種制度を点検し、「合理的理由のなくなっている規制は廃止する」と明記した。ただ、具体的に踏み込んだ議論はしておらず、同法の廃止には与党内からも慎重論が上がっている。

    日本農業新聞

    2017年1月28日 (土)

    安倍総理日米FTAについて語る

    お尋ねのメキシコの大統領がですね、トランプ大統領のですね、いわゆるですね恫喝に応じないと、会談を拒否するというですね、そうした判断をされたことについてはですね、これによってトランプ大統領の譲歩を得たようでありますが、いわば内政に関することでありまして、私どもがでんでんすることではないのでありますけれども、私はですねこの国のまさに最高指導者としてですね、自由貿易の大切さをトランプ大統領にご理解いただく中においてですね、同時にいわば日米FTAもですね、視野に入って参るわけであります。


    どういうことかと言えばですね、トランプ大統領はアメリカファーストな訳でありますから、これに対して、私が日米同盟をですね、譲ることのできない日本の国益をぶつけて断固として守り抜くと、こういう中においてですねトランプ大統領とのですね会談に臨む中においてですねアメリカファーストということも日米同盟第一主義の自由貿易の価値を確認することになって参るわけであります。


    これは日本国民の利益をですね最大限に守る、そうした上においてですね、この道しかないとそういうことになった訳でありまして、私が日本国の象徴として最高責任者にあるためにはですね、ジャパンハンドラーの方々の設計図がもはやないわけでありますから、一刻も早くトランプ大統領ご自身からですね私が直接にですね、設計図をいただくと、この道しかないと、そういう判断に至った訳でありまして、ですから、日本国の指導者の地位にしがみつくとかいうようなご批判でんでんは、全く当たらないことをこの場で強く申し上げておきたいと、こういうことであります。


    そういう中においてですねいわゆるアメリカファーストのですね二国間協定である日米FTAがですね、新しいですね、自由貿易の国際標準であるということをですね、世界の中心で輝く日本のあり方としてですね、しっかりと世界に発信して参るわけであります。


    2月10日ですね、日本時間の建国記念の日に当たるわけですから、しっかりとした新しいアメリカファーストの自由貿易の国体をですね、打ち立てて参ると、そういう覚悟でありますから、日本が植民地であるとか、私が宗主国の信認を得るためにはトランプ大統領のですね、ご指示をいただくとか、そういうご批判でんんでんは全く当たらないと、申し上げておきたい、とこういうことであります。

    2017年1月26日 (木)

    安倍・トランプ大統領の会談は日本の悲劇

    天木直人氏の本日付のブログ記事に全面的に同意する。
    安倍総理・麻生副総理のトランプ会談は、あまりにも危険すぎ、日本の将来に禍根を残すというほかない。

     トランプ大統領が安倍首相に伝える事はすでに報道で明らかになっている。

     トランプ大統領は貿易・金融・為替問題で米国の国益を日本に押しつけてくる。

     トランプ大統領は在日米軍経費を含む防衛予算を大幅に増やせと迫って来る。

     それに対して安倍首相は断れない。

     断ったらトランプ大統領に怒られる。

     飲むしかないのだ。

    メディアにも国会にも危機感が全く見られないのが、あまりにも異常だ。

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    2017年1月22日 (日)

    ウェルカム“保護主義”  エマニュエル・トッド先生に聞く

    約束通りトランプは大統領就任初日に、TPP離脱を宣言した。
    トランプが大統領を引きずり下ろされない限り、これでTPPの死亡は確定した。

    Amiteji
    東京新聞1月20日

    舞台は、二国間協議に移る訳だが、トランプ政権の優先課題は、NAFTAの再交渉にあるようで、日本国民には、いささかの時間が与えられることになった。

    例によって、トランプの保護主義が叩かれまくっている。
    自由貿易を否定するトランプ流には、右からも左からも、異議しか呈されない(ように見える)。

    海外産品の貿易から国内産業や労働者を保護するのがダメだと叩くのだから、論者の『自由貿易』は、『自由』でも何でもない『不自由貿易』だ(ここでは、トランプの真意が結局金融資本優位の新自由主義にあるかどうかという厄介な問題はさておく)
    貿易至上主義であって、貿易強制主義だ。

    マスコミでは、イギリスのEU離脱に関する東京新聞の社説だけが、ほぼ唯一、いわゆる『自由貿易』に批判的な見方を示している(1月19日 『EU市場脱退へ 英国はどこへいくのか』)。

     自由な経済活動によって国が富み、国民は恩恵を受けるはずだった。しかし、実は疎外された人たちが多かったのだ。富裕層や権力者らばかりが利益を享受することに労働者、中間層の不満は募った。それが「予想外の結果」を生んだのは米大統領選と類似する。

     自由貿易は「善」、保護主義は「悪」とする新自由主義経済を謳歌(おうか)してきたのが米英両国だ。そこでいち早く揺り戻しが起こった意味を考えるべきだろう。

     本来、自由貿易は経済成長を促し、その果実で痛みを受けた人を支援するのが理想だが、そうはならなかった。行き過ぎたグローバル化は格差を生み、先進国の賃金を下げ、雇用を奪った。

    日本では、ほとんど聞くべき知見が見当たらない中、やはり聞きたくなるのはエマニュエル・トッドだ。

    2009年12月1日のインタビュー記事が東洋経済オンラインのサイトに掲載されている(『もし自由貿易が続くなら民主主義は消えるだろう』)。
    何しろ、70年代にソ連崩壊を予言し、911事件直後の2002年に『帝国以後』でアメリカの凋落と帝国としてのアメリカの崩壊を予言したエマニュエル・トッド先生であるから、トランプ大統領後に読んでも全く古びていない。

    このインタビューでは、リーマンショック後の世界について、二つの可能性について言及している。

    欧州にとって、技術的に保護主義の処方箋を受け入れるのは極めて容易です。中国など給与の低い国からの製品輸入を関税などで制限すれば、欧州における労働者の給与は再び上昇し、結果的にそれが世界的な需要の喚起にもつながるのです。

    …………

    協調的な保護主義は話し合いです。協調的な保護主義の下では、政府がいかに需要を浮揚させるかが優先課題。保護主義の目的は内需の再拡大にあり、各国の利害が内需の刺激策に結び付いています。保護主義経済圏を形成することが(安い生産コストの商品輸入を抑制させ)給与水準の上昇につながる。

     保護主義の目指すところは経済活動を再浮揚させることです。保護貿易主義化が進めば輸入を再び拡大させることができる、それが保護主義のパラドックスです。過度の自由貿易は貿易を崩壊させてしまう。

    トッド先生はすでに1998年に自由貿易が格差の拡大だけではなく、世界経済を縮小させることを指摘しており、プラグマティックな保護主義の導入を主張している。

    自由貿易の絶対視は一つのイデオロギー。それは、「何もしなければすべてうまくいく、規制の存在しない市場がすばらしい」という考え方です。ただ、すべての国が保護主義的な政策を採用すべきだと主張しているわけではありません。欧州の解決策にはプラグマティックなアプローチとして、保護主義が必要。それには世界各国間での協調体制が前提です。

    現在の自由貿易とは何かという点から話しましょう。自由貿易という言葉はとても美しいが、今の自由貿易の真実は経済戦争です。あらゆる経済領域での衝突です。安い商品を作り、給与を押し下げ、国家間での絶え間ない競争をもたらします。

    一方、協調的な保護主義は話し合いです。協調的な保護主義の下では、政府がいかに需要を浮揚させるかが優先課題。保護主義の目的は内需の再拡大にあり、各国の利害が内需の刺激策に結び付いています。保護主義経済圏を形成することが(安い生産コストの商品輸入を抑制させ)給与水準の上昇につながる。



    一方、トッドはこのインタビューで、エリートを手厳しく批判し、独裁国家の不可避性にも言及している。

    保護主義の世界では、民主主義システムの政権担当者は、生活水準と中産階級が大変重要だと考えます。一方、現在の民主主義の危機は自由貿易の危機です。エリートは人々の生活水準に関心を持とうとしません。現在の民主主義は、ウルトラ・リベラルな民主主義であり、エリートが人々の生活水準の低下をもたらしているように見えます。

     フランスは英米と並び、民主主義発祥の国です。しかし今や、支配者階級は自由貿易以外の体制を検討することを拒んでいます。不平等が広がるにつれて、多くの人々の生活水準は下がり始めています。もし、支配者階級が生活水準の低下を促し続けるなら、民主主義は政治的にも経済的にも生き残れない。独裁国家になるのは避けられないでしょう。


    エマニュエル・トッドが『デモクラシー以後』を著して、協調的保護主義を提唱したのが2008年、日本でのこのインタビューを受けてからでも、すでに7年が経過している。
    果たして、トランプは世界に有害な独裁者なのか。
    すでに独裁者の可能性しか残されてはいないのか。


    トランプの就任演説では、保護主義と呼ばれる部分は次の通りである(NHKの訳を分かち書きにした)。


    この瞬間から、アメリカ第一となります。

    貿易、税、移民、外交問題に関するすべての決断は、アメリカの労働者とアメリカの家族を利するために下されます。
    ほかの国々が、われわれの製品を作り、われわれの企業を奪い取り、われわれの雇用を破壊するという略奪から、われわれの国境を守らなければなりません。
    保護主義こそが偉大な繁栄と強さにつながるのです。

    わたしは全力で皆さんのために戦います。何があっても皆さんを失望させません。アメリカは再び勝ち始めるでしょう、かつて無いほど勝つでしょう。
    私たちは雇用を取り戻します。私たちは国境を取り戻します。私たちは富を取り戻します。そして、私たちの夢を取り戻します。

    私たちは、新しい道、高速道路、橋、空港、トンネル、そして鉄道を、このすばらしい国の至る所につくるでしょう。

    私たちは、人々を生活保護から切り離し、再び仕事につかせるでしょう。

    アメリカ人の手によって、アメリカの労働者によって、われわれの国を再建します。

    私たちは2つの簡単なルールを守ります。
    アメリカのものを買い、アメリカ人を雇用します。

    私たちは、世界の国々に、友情と親善を求めるでしょう。
    しかし、そうしながらも、すべての国々に、自分たちの利益を最優先にする権利があることを理解しています。
    私たちは、自分の生き方を他の人たちに押しつけるのではなく、自分たちの生き方が輝くことによって、他の人たちの手本となるようにします。


    保護主義に関する「すべての国々に、自分たちの利益を最優先にする権利があることを理解しています」とする部分は、マスコミではほとんど触れられていない。
    少なくとも表向き大統領としての建前は、自国の産業の保護のために他国の利益を蹂躙するつもりはないとも読める。
    自分の生き方を他の人たちに押しつけるのではなく」などは、これまでの米国にはない謙虚な物言いですらある。





    この建前を生かすも殺すも相手国次第である。
    独裁国家が支配する世界ではなく、「協調的保護主義」の世界の可能性は未だ残されていると見ておきたい。


    保護主義を主唱するトッドの主張は、おそらく世界でも孤立したものだろう。
    だからトッドは、このインタビューでこうも述べている。

    かつて、旧ソ連の崩壊を予言したところ、実際に崩壊しました。アメリカ帝国主義も予言どおり崩壊するでしょう。今回は条件付きですが、最新著作の中では「もし自由貿易が続くなら、民主主義がなくなるでしょう」と指摘しています。


    自由貿易イデオロギーに席巻された世界で、課題は切迫しているのだ。


    つまり、民主主義を残したいなら、自由貿易を片付けなければならない、という選択が必要なのです。デモクラシー以後に自由貿易体制の流動化が起きれば、民主主義が残るのです。逆に、自由貿易体制が不平等の度合いを強めたとしたら、民主主義は安定を失います。

    欧州にはもはや、「左寄り」政党がありません。フランスの社会党には統治する気がうせてしまいました。右寄りの政党は社会主義者をリクルートしています。ドイツではSPDとCDU、つまり右翼政党と左翼政党が連立政権を樹立しました。仏独ではもう、政権交代の可能性はなくなったのです。政治的・経済的に変化をもたらさない社会が、民主主義といえるのでしょうか。


    欧州の民主主義は選択可能性を奪っているとするトッドにとって、他ならぬ米国で帝国主義をやめたと言い、保護主義を主張するトランプ大統領の出現は、意味のないことではないだろう(トランプが結局、ウルトラリベラルかどうかの問題は重ねて留保する)。



    自国の利益を最優先することを理解しているとするトランプに対して、どこかの総理のように、慌てて御用聞きに駆けつけるなど、愚の骨頂だし、まして自由貿易を説得するなど、後世の歴史から見れば、犯罪的な行いというしかないだろう。


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    追記

    • トッドが、保護主義の可能性を欧州に限定しているのは、日本に対する貿易立国のイメージがあるからかもしれない。実際の日本の輸出依存度は、10%から15%程度で、経済が好調なときほど輸出依存度は低下している。ちなみに2015年の日本の貿易依存度は国連貿易開発会議が調査した206カ国中189位で、米国に至っては197位である。ともに保護主義による内需の拡大で最も再生可能性のある国である。



    トランプの登場で、多少、メディアにも対米隷属に触れてはならないというタブーに若干の変化が見られる。

    • TBSのNwes23のオリバーストーン監督インタビュー



    • 1月20日付東京新聞
    「トランプ政権でアーミテージ報告書路線は… 日米連携の設計図失う?」

     ドナルド・トランプ氏は二十日(日本時間二十一日未明)、ワシントンでの大統領就任式で、第四十五代米大統領に就任する。安倍政権は、米国の知日派がかつてまとめた「アーミテージ・ナイ報告書」に沿う形で多くの政策を進めてきたが、トランプ氏の就任で、こうした関係は成り立たなくなる。(木谷孝洋)

     報告書は二〇〇〇年、〇七年、一二年の三回、リチャード・アーミテージ元国務副長官、ジョセフ・ナイ元国防次官補ら米有識者が公表した。中国の台頭やテロの脅威に対抗するため、日本が同盟国として軍事面や経済面で積極的な役割を果たすよう求めている。

     安倍政権が行ってきた施策は、野党から「完全コピー」と批判されるほど報告書の内容と酷似している。

     一二年の報告書は、他国を武力で守る集団的自衛権行使の容認、国連平和維持活動(PKO)拡大などを日本に要求。安倍政権は世論の反対を押し切って集団的自衛権を行使できる安全保障関連法を成立させ、南スーダンPKOで陸上自衛隊部隊に「駆け付け警護」などの新任務を付与した。

     経済では、報告書が求めた環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に踏みきり、各国と合意。歴史認識問題にも報告書通り向き合い、韓国と旧日本軍慰安婦問題の解決に向けて合意した。

     これに対してトランプ氏は、発言を見る限り報告書とは方向性が異なる。日本が在日米軍駐留経費で「公平な負担」を支払わないなら日本を守れないと発言。TPPからは脱退を明言した。安倍政権にとっては、設計図を失った形だ。

     アーミテージ氏は十八日(日本時間十九日)、訪米中の茂木敏充・自民党政調会長と会い「中国の脅威に対応する意味でも、日米の連携は極めて重要」などと意見交換した。

     

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