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カテゴリー「TPP」の339件の記事

2018年10月31日 (水)

11月2日にIWJに出演予定です(^.^)

11月2日(金)午後1時30分から午後5時30分の予定でIWJで岩上安身さんのインタビューを受けることになりました。
平日の昼間で、申し訳ありませんが、存分に語らせて頂きますので、よろしくお願い申し上げますm(__)m
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2018年10月30日 (火)

【訂正記事】 USMCA(新NAFTA) 32・20条4項の読み方の間違い

10月22日付「日米FTAの『毒薬条項』 米国が迫る究極の二者択一」の記事に誤りがありましたので、訂正してお詫びいたします。
標題の条項の読み方は、下記のとおりです。

誤(当初記事)
中国と貿易協定を結んだ国は、他の加盟国からの通知によりUSMCAから離脱させられる。
いわば、米国によるUSMCA協定からの除名処分である(4項)。

正(現在記事)
カナダ、メキシコの一カ国でも中国と貿易協定を結んだ場合、米国はUSMCAから離脱するというのだ(4項)。
これは、中国との貿易協定に対してはUSMCAの特典を剥奪する、つまり経済制裁をかけると脅しているのに等しい。
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2018年10月29日 (月)

前門の虎、後門の狼 トラの尾を踏む振りをする安倍晋三

 

 

毒薬条項を盛り込んだ日米FTAを締結して中国を排除することにしたとの共同声明を発して早々に、安倍晋三は、訪中した。

マスコミはその危うさを全く報じていない。

危うい曲芸を披露しているのに、それが伝わらないのは、安倍晋三にしても、不本意なのではなかろうか。

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にしても、マスコミが中国が歓迎一色であるかのように報道しているのは、違うらしい。

習近平はにこりともしていないというのだ。

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BSTBSの「サンデーニュースBizスクエア」が1028日の放送で、テレビとしては、初めて日米FTATAG)の毒薬条項を取り上げた。
文春WEBで毒薬条項を紹介していた、春名幹男氏がゲストである。

春名幹男氏は、知らなかったが、元共同通信社ワシントン支局長、元共同通信社論説副委員長という立派な経歴をお持ちの米国政治通である。

いや、こんな人がBSニュースのゲストで、くすぶってちゃおかしいでしょう、と立場を超えて突っ込みたくもなる。

いかに何でも、もうそろそろ、地上波や新聞も毒薬条項を取り上げなきゃおかしいでしょう。

日刊ゲンダイ当たりが大々的に報道しない限り、隠蔽してすませるつもりなのか。

 

 

で、マスコミは、日中友好新時代などと仰々しく報道するが、これが危ういことは春名氏も感じておられたことがわかった。(大体、中国排除を宣言した直後に日中友好新時代など頭がいかれているとしかいいようがない)
もうお一方中国事情に詳しい専門家がゲストとして招かれていたが(お名前をメモし忘れてしまった)、この方も共通の認識のようだった。

とにかく、日本が米国の中国排除政策に取り込まれたことを、当然に知っている習近平は、にこりともしていない。
(そういえば、笑顔で外国首脳と握手するプーチンは見た事がないが、習近平はプーチンよりは賓客を笑って迎えるそうである)

調べてみたら、中国はすでに10月11日にUSMCAの「毒薬条項」に対して、報道官が「自由貿易協定(FTA)の目的はメンバー間の貿易に便宜を図ることにあり、メンバー国の対外関係を制約すべきではなく…」と批判し、強く反発している。

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そりゃ習近平としては、にこりともするわけがない。
「俺は中国排除の仲間だ」と言いながら訪ねてきた安倍晋三をどうして笑顔で迎えられようか。
「北方領土には米軍基地を置くぞ」と言いながら、北方領土を返還せよと迫る安倍晋三をプーチンが邪険に扱うのと同じだ。
日本の近隣外交は、外交された側から見れば、頭がおかしいのではないかと疑われても仕方がないほどに矛盾している。

さて、で、マチベンは、今回の訪中劇をどう思うか。

わからないのである。

訪中についてはワシントンの許可を得ている(ワシントンと調整した)という報道もあるが、そういう報道が、米国の中国排除戦略との絡みが一体どうなっているのかを説明してくれる訳もない。

 

 

訪中したには、経済界が後押しした可能性はある。

表だって、米国に反対できないポチ経済界が、安倍晋三に無理矢理、訪中を勧めた可能性は排除できない。

 

 

時期的には、トランプが中間選挙終盤で、選挙に夢中モードで、極東の小国(後でいつでもひっくり返せる)のことなどに構っている暇がない時期を狙っている。

とりあえず、一帯一路への賛同ではなく、一定条件を付した第三国支援という枠組みも評価に値するだろう。

 

 

訪中報道のおかげで、一帯一路が、支援先国家を借金漬けにして返済不能に追いやり、国家を乗っ取るという、商工ローン並の悪質なものであることを初めて知った。
なるほど、経済侵略主義というのはそういう意味か。なにやらIMFとそっくりである。
スリランカが借金のかたに港湾を乗っ取られたのを見て、マレーシアのマハティールが計画を返上したり、他の国でも縮小や見直しにかかっているそうである。

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日米FTAの交渉入り後に、中国排除の精神に反したことをすると、即、自動車関税の引き上げが待っているので(日米共同声明6項、7項)、交渉が始まる前の今しか、日中接近のチャンスがなかったこともあるかもしれない。

 

 

安倍晋三の訪中の成果の存否については、今後を見守るしかない。

11月2日(金)午後1時30分から2年振りにIWJでインタビューを受けることになったので、岩上安身さんにも評価を聞いてみたいところだ。

 

 

なお、米国の中国敵視がトランプ政権の外交戦略の要になっていることは、ペンス副大統領のハドソン研究所での演説(104日)で思い知らされる。この演説は、中国に対する非難に終始している。
中国国内の宗教的差別や政治的な不自由、IT監視による社会・世論支配、知的財産の剽窃、多額の補助金による産業育成、他国に対する過酷な介入、米国の内政に対する干渉など、40分以上にわたって演説したというが、読めば読むほどに「それって全部、米国の手口と一緒じゃん」と突っ込みたくなるほど粘着質な演説である。

海外ニュース翻訳情報局のサイトに下記の標題で全文が掲載されている。

【ペンス副大統領演説:全文翻訳】「中国は米国の民主主義に介入している」:ハドソン研究所にて

 

 

とりあえず極東の国民としては、新冷戦の前線をどこに引くつもりかが気になるところだったが、次のように述べている。
それって、一帯一路と完全にガチンコしてるやん。

このペンス演説は、冷戦の幕開けとなったチャーチルの鉄のカーテン演説(19463月)に比する向きもあるという。

 

 

自由で開かれたインド太平洋というビジョンを前進させるために、インドからサモアに至るまで、地域全体で価値観を共有する国々との間に、新たなより強固な絆を築いています。我々の関係は支配ではなく、パートナーシップの上に築かれた尊敬の精神から生まれています。

 

先週トランプ大統領が韓国との貿易協定の改善に署名したように、我々は二国間ベースで新たな貿易協定を締結しています。日本との自由貿易協定の歴史的な交渉をまもなく開始します。(拍手)

 

また、国際開発・金融プログラムの合理化を進めていることを報告します。我々は、中国の借金漬け外交に代わる公正で透明な選択肢を外国に与えるでしょう。実際、トランプ大統領は今週、BUILD Act (建設法) に署名する予定です。

 

来月、シンガポールとASEANAPECのパプアニューギニアで米国を代表することを名誉に思います。そこで私たちは、インド太平洋地域を支援するための自由でオープンな新しい対策とプログラムを発表する予定です。そして大統領の代理として、インド太平洋へのアメリカのコミットメントがこれまでにないくらい強いものであったというメッセージを伝えます。(拍手)

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2018年10月23日 (火)

「『毒薬条項』 悪魔は細部に宿る」    深夜、早朝にひっそりと…  君よ「天上の葦」となれかし

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わかります。
NHKの職員の皆さま、重大な事態が迫っていることが、わかっているのに報道できない苦しさ、辛さ…

「天上の葦」で、太田愛さんが描いた、あの大戦中に良心のあるジャーナリストが、どうしたら、たとえ破片であろうが、かけらであろうが、事実の片鱗でも伝えて子どもたちを救いたいと、苦悶した様子を思い起こさせます。

「『毒薬条項』悪魔は細部に宿る!?」
(ここに注目!)

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髙橋 祐介 解説委員

アメリカがメキシコやカナダと合意した新たな自由貿易協定に、中国との自由貿易協定を厳しく制限する条項が盛り込まれ、今後の日米交渉にも影響が出かねないとして、注目を集めています。髙橋解説委員です。

Q1)
毒薬条項って、恐ろしい響きのタイトルですが、いったい何のこと?
A1)
ハロウィンも近いのでイラストもコスチュームにしてみました。毒リンゴを食べたら死んでしまいます。同じように毒薬条項とは、その条項を発動すれば、契約そのものをご破算にすることが出来るというものです。主に企業の敵対的な買収を防ぐための対抗策などにも使われてきた言葉です。
アメリカは、NAFTA=北米自由貿易協定の見直しを求めて交渉した結果、今月までにメキシコやカナダと新たな合意を結びました。アメリカ通商代表部が公表したその条文案の中に、こんな文言が盛り込まれていました。3か国のうち1か国が「市場経済でない国と自由貿易協定を発効させれば」他の2か国は「この協定を打ち切ることも出来る」というのです。

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Q2)
市場経済でない国って、中国のこと?
A2)
ずばり中国です。現に、ロス商務長官は、中国による知的財産権の侵害など、不公正な慣行を正当化するような抜け道を塞ぐのが目的だと言っています。要は「アメリカの知らないところでアメリカの意に反する合意を中国と結ぶな!」そう釘を刺したかたちです。当然中国は反発しています。そして問題は、これから日本と交渉する貿易協定にも同じような条項を取り入れたいと、トランプ政権が考えていることです。

Q3)
仮に日米協定にも、こうした毒薬条項が盛り込まれたら、どうなる?
A3)
いま日本が中国を含めて交渉している日中韓FTA=自由貿易協定やRCEP=東アジア包括的経済連携協定にも影響が出かねません。最悪の場合、日本企業は、アメリカ市場をとるか?それとも中国市場をとるか?いわば二者択一を迫られてしまうかも知れません。
そうした厳しい事態に追い込まれないためにも、悪魔は細部に宿るそうアメリカの格言に言うとおり、今後の日米交渉には、細心の注意が必要となるでしょう。

(髙橋 祐介 解説委員)

 

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2018年10月22日 (月)

日米FTAの毒薬条項   米国が迫る究極の二者択一

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日米FTAには、TPP等のこれまでの貿易協定と質の異なる深刻な問題がある。

経済界から日米FTA反対が叫ばれないのが不思議なほどに、決定的に重大な根本問題である。

(経済界も、それほどに劣化したということなのかもしれない)

分かっているなら、真っ先に取り上げろよといわれても仕方がない問題点であるが、僕の力量では、どう取り上げたらいいのか未だに戸惑うほどの大きな問題だ。

 

 

 

 日本との協定に対中貿易けん制の条項、盛り込む可能性=米商務長官

 

 

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 10月5日、ロス米商務長官は、新たな米国・メキシコ・カナダ協定に盛り込まれた中国との貿易協定締結を阻止する毒薬条項について、米国が今後締結を見込む日本や欧州連合などとの貿易協定にも取り入れる可能性があるとの認識を示した(2018年 ロイター/MARY F. CALVERT

 

 

 ロス米商務長官は5日、新たな米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に盛り込まれた中国との貿易協定締結を阻止する「毒薬条項(ポイズンピル)」について、米国が今後締結を見込む日本や欧州連合(EU)などとの貿易協定にも取り入れる可能性があるとの認識を示した。

 

 

 ロス長官はロイターとのインタビューで、毒薬条項は中国の知的財産権侵害や助成金供与などの慣行を「正当化する」貿易協定の「抜け穴をふさぐ」ことが目的と説明した。

 

 

 同条項が、他国と将来締結する貿易協定にも盛り込まれる可能性はあるかとの質問には「状況を見守ろう」としつつも、USMCAが先例となり、他の貿易協定に盛り込むことは容易になるとし、条項が「貿易協定締結の必須要件になるとの考えが理解されることになるだろう」と語った。

 

 

 長官はまた、11月6日の米中間選挙まで米中通商協議に大きな展開があることは想定していないと語った。

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新NAFTA(USMCA)には中国の通商協定を阻止する毒薬条項が盛り込まれており、日米FTAにもこれを盛り込むという。

協定締結に際して、中国と通商協定を締結しないことを約束させ、通商協定を通じて、中国敵視政策を強制するというのだ。

 

 

 

法的情報の精確さで定評がある「方谷先生に学ぶ」の「USMCA協定及び日米TAG協定、中国との通商交渉制限」(10月3日)を踏まえて、法的に跡づけておく。

新NAFTA(USMCA)協定には、次の規定が盛り込まれた。

 

 

32条 例外と一般規定

 

32.10条 非市場国とのFTA

 

1.USMCA締約国の一ヶ国が非市場国とのFTAを交渉する場合、交渉開始の3ヶ月前に、他の締約国に通知しなければならない。非市場国とは、本協定の署名日前に締約国が決定した国である。

 

 

2.非市場国とFTA交渉を行おうとする締約国は、他の締約国から請求があれば、可能な限りの情報を提供すること。

 

 

3.締約国は、他の締約国がFTA協定と潜在的な影響を調査するため。署名日の30日前に他の締約国がFTA協定の条文、附属書、サイドレターなど見直す機会を与えること。締約国が機密扱いを要求する場合、他国は機密保持を行うこと。

 

 

4.締約国が非市場国とFTAを締結する場合、他国は6ヶ月前の通知により、本協定(USMCA)を終了し、残りの二国間協定とする。

 

 

5.二国間協定は、上記締約国との規定を除き、本協定(USMCA)の構成を維持。

 

 

6.6ヶ月の通知期間を利用して、二国間協定を見直し、協定の修正が必要か決定する。

 

 

7.二国間協定は、それぞれの法的手続を完了したと通知してから60日後に発効する。

 

 

ロス商務長官はこの非市場国が中国であることを当然の前提としている。
米中貿易戦争の展開からも、非市場国が中国を指すことは明らかである。

中国と貿易交渉を行う国は、予め他の2カ国に通告し、交渉に関する情報を提供しなければならない(1~3項)。

カナダ、メキシコの一カ国でも中国と貿易協定を結んだ場合、米国はUSMCAから離脱するというのだ(4項)。
これは、中国との貿易協定に対してはUSMCAの特典を剥奪する、つまり経済制裁をかけると脅しているのに等しい。

 

 

そして、「日米共同声明」を読み解けば、この条項が、日米FTA協定にも盛り込まれることは容易に理解できる。

 

「日米共同声明」926日日米首脳会談

 

1.2018年9月26日のニューヨークにおける日米首脳会談の機会に、我々、安倍晋三内閣総理大臣とドナルド・J・トランプ大統領は、両国経済が合わせて世界のGDPの約3割を占めることを認識しつつ、日米間の強力かつ安定的で互恵的な貿易・経済関係の重要性を確認した。大統領は、相互的な貿易の重要性、また、日本や他の国々との貿易赤字を削減することの重要性を強調した。総理大臣は、自由で公正なルールに基づく貿易の重要性を強調した。

 

 

2.この背景のもと、我々は、更なる具体的手段をとることも含め、日米間の貿易・投資を更に拡大すること、また、世界経済の自由で公正かつ開かれた発展を実現することへの決意を再確認した。

 

 

3.日米両国は、所要の国内調整を経た後に、日米物品貿易協定(TAG)について、また、他の重要な分野(サービスを含む)で早期に結果を生じ得るものについても、交渉を開始する。

 

 

4.日米両国はまた、上記の協定の議論の完了の後に、他の貿易・投資の事項についても交渉を行うこととする。

 

 

5.上記協定は、双方の利益となることを目指すものであり、交渉を行うに当たっては、日米両国は以下の他方の政府の立場を尊重する。

 

 -日本としては農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限であること。

 

 -米国としては自動車について、市場アクセスの交渉結果が米国の自動車産業の製造及び雇用の増加を目指すものであること。

 

 

6.日米両国は、第三国の非市場志向型の政策や慣行から日米両国の企業と労働者をより良く守るための協力を強化する。したがって我々は、WTO改革、電子商取引の議論を促進するとともに、知的財産の収奪、強制的技術移転、貿易歪曲的な産業補助金、国有企業によって創り出される歪曲化及び過剰生産を含む不公正な貿易慣行に対処するため、日米、また日米欧三極の協力を通じて、緊密に作業していく

 

 

7.日米両国は上記について信頼関係に基づき議論を行うこととし、その協議が行われている間、本共同声明の精神に反する行動を取らない。また、他の関税関連問題の早期解決に努める。

 

 

「知的財産の収奪、強制的技術移転、貿易歪曲的な産業補助金、国有企業によって創り出される歪曲化及び過剰生産を含む不公正な貿易慣行」を有する「非市場志向型」「第三国」が中国を指すことは明らかである。
そして、中国対策について緊密に作業していかなければならないことが合意されている

 

 

日米FTAに中国との通商協定を禁止する条項が入ることは不可避である。
むしろ、ロス商務長官の発言から示唆されるように、これが現在及び将来の米国の通商政策の肝となるのである。

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防衛戦士-補助電源起動さんのツイートから
 

 

日米FTAは、日本に対して、お前は敵なのか、味方なのかという、単純で、かつてなく重大な二者択一を突きつける。

中国と貿易戦争を続ける米国は、単純な敵味方論を日米FTAを通して突きつけるのだ。

これが1970年代であれば、この選択は、これほどの重大さは持たなかっただろう。

しかし、現在の世界経済の中で、巨大な経済力を有する隣国であり、さらに巨大なポテンシャルを持つ中国を経済的に敵とみなせというのは、あまりにも影響が甚大で、日本が深刻な凋落をたどることは目に見えている。
いや、即刻、没落するかもしれない。

 

 

この問題を、「田中宇の国際ニュース解説」の「中国でなく同盟諸国を痛める米中新冷戦」(2018年10月16日)は総合的に分析している。

 

 

トランプは、このような同盟諸国のお得な状況を破壊している。トランプは、自由貿易体制が米国に不利益を招いていると言って、同盟諸国が無関税で米国に輸出したり、同盟諸国が中国と自由貿易協定を結ぶことに反対している。先日、米カナダメキシコの自由貿易協定であるNAFTAが改定されてUSMCAになったが、今回の重要な改定点は、カナダやメキシコが中国と自由貿易協定を結ぶことに、米国が拒否権を発動できる新体制を作ったことだ。この新体制は、今後もし日本が米国と2国間貿易協定を結ぶと、そこにも盛り込まれる。USMCAは、今後米国が世界各国と結ぶ貿易協定のモデルとなる。米国と貿易協定を結ぶ国は、米国が敵視する国との自由貿易ができなくなる。The balance of China, Japan, and Trump’s America Joseph S Nye

 

このUSMCAの新体制と、今回のトランプ政権の米中新冷戦の体制とをつなげると、同盟諸国を困窮させる未来像が見えてくる。米国との同盟関係を維持したければ、中国との貿易をあきらめろ、という二者択一の未来像だ。同盟諸国は、中国との貿易をあきらめても、米国に自由に輸出できるわけでない。対米輸出には、すでに懲罰的な関税がかけられている。メキシコとカナダは、米国とUSMCAを結ぶ際、メキシコの最低賃金上昇、カナダの乳製品輸入など、新たな対米譲歩を強いられた。Japan's Abe pursues China thaw as U.S-Beijing ties in deep freeze 

 

 

改定後のUSMCAは、改定前のNAFTAに比べて「米国主導」の色彩が強い。米国が北米の地域覇権国であり、中国が東アジアの地域覇権国であるという、きたるべき多極型の世界体制を先取りしているのがUSMCAだ。USMCAの東アジア版が、中国主導の貿易協定であるRCEPだ。カナダやメキシコに対する米国の支配強化が許されるのなら、東南アジアや朝鮮半島に対する中国の支配強化も許される。それがきたるべき多極型世界のおきてだ。 (China Has Already Lost This War...

 

 

加えて今後、米国から同盟諸国への安全保障の「値上がり」も続く。日本は米国から「在日米軍に駐留し続けてほしければ、貿易で譲歩しろ」と言われ続ける。日本の官僚独裁機構(とくに外務省など)は、対米従属(「お上」との関係を担当する権限)を使って国内権力を維持し続けているので、米国からの安保値上げ要求を無限に飲んでいきそうだ。

 

日本では以前、対米従属と経済発展が一致していた。米国は世界最大の市場で、日本製品を自由に輸出できたし、日米安保は安上がりな軍事策だった。日本において、財界と官僚機構の利益が一致していた。だが今は、もはやそうでない。日本企業にとって最大の取引相手は中国になっている。財界は、中国と仲良くしたい。だが、官僚機構は対米従属を維持しないと権力を維持できない。米国がトランプになって、覇権放棄や日米安保の「値上げ」を言ってくるようになると、財界は安倍政権を動かして中国に擦り寄らせた。 (トランプに売られた喧嘩を受け流す日本)

 

安倍政権の日本は、対米従属と中国擦り寄りの間で何とかバランスをとってきたが、今後は、このバランス取りがさらに難しくなる。対米従属を維持するため、米国との2国間貿易協定を結び、トランプの新冷戦につき合って中国との関係を断ち切るのか、それとも米国との貿易協定の交渉が決裂していくのを容認し、在日米軍の撤退を看過しつつ、中国との関係を親密化していくのか、という2者択一だ。トランプは安倍に2者択一を迫る。玉虫色の曖昧な「両方取り」は許されなくなる。 America's Iran Policy is Helping China Advance Its Vision of a Multipolar World

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10月18日のIWJの孫崎享さんのインタビューでは、岩上安身さんと孫崎さんが、中国経済がこの数年で一変する勢いであることを語っていた。

  • 購買力平価に換算したGDPでは、中国はすでに米国を抜いた
  • 米国が20世紀の100年で使ったコンクリートを中国は僅か20年で消費した
  • 中国の時速300キロの高速鉄道の総延長は世界の高速鉄道の総延長に匹敵する
  • 米国が?年かけて作る大橋を中国は43日(?)で完成してしまう
  • 特許の取得件数(だったかなあ)も米国を凌駕している

等々、僕の要約は正確さを欠くので、是非視聴して頂きたいが、日本で知らされている中国の姿とは大幅に異なる内容だった。

 

 

一方で、ウラジオストックを中心としてアジアを志向するロシアの構想もすでに動き始めている。

中ロは連携しているので、中国主導の一帯一路構想と、ロシア主導のユーラシア経済連合が融合していく可能性が大きい

極東地域の経済的ポテンシャルは歴史上かつてなく高まっている。

 

経済の極は欧米からアジアへと完全に移行しつつあるのである。

絶好の好立地にある極東の島国として、米国が迫る二者択一に対する回答は、『中国を選ぶ』と答えるほかあり得ない。

よって、日米FTAの締結など、断じてあってはらない。

 

 

今のところ、米国がちらつかせているのは、自動車関税だけである。

しかし、仮に日米FTAが締結されれば、米国の要求を際限なく呑み続けるほかなくなる。

米国は、日本に対して、米国に倣って中国を制裁するよう次々と求めてくるだろう。

日本は、中国制裁(対中貿易の削減・停止)のために凋落しきるまで余力を使い果たすだろう。

恐ろしい未来図である。

 

 

今なら、自動車関税ごときは、どうにでもなる。

トヨタを初め日本の自動車産業は、ほぼ同時期に相次いだ、東日本大震災による供給工場の停止、タイの洪水によるタイ工場の操業停止でも余裕でこれを乗り切ったように見える。

トヨタに至っては、真偽不明なリコール騒動により、同時期に米国で、裁判所、州政府、連邦政府から合計一兆円近い賠償や制裁を科されても、びくともしなかったように見える。

自動車関税に対しては、自動車産業は、巨額な内部留保を取り崩せばいいだけのことだ。

 

 

在日米軍には、さっさとお引き取りいただこう。

というか、半占領状態から逃れ、独立を勝ち取る絶好の機会である。

 

 

経済界こそ、真っ先に日米FTAに対する反対を叫ばなければならない。

米国に隷従することに存在意義を見いだす、ごく一部を除いて、誰が見ても、日米FTAを結ばないという選択以外に正解はあり得ない。

 

 

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この問題については、さすがのNHKも無視できない。
10月18日(木)の朝6時台のニュース解説で取り上げていた。
文字通り「毒薬条項」と呼んでいたのには驚いた。

現に進行中の日中韓FTAやRCEP交渉にも直接の影響が出ると憂慮する内容だった。

RCEPは東南アジア諸国連合10カ国に、中国、インド、韓国、日本、オーストラリア、ニュージーランドの6カ国が加わった経済連携交渉である。ジェネリック医薬品等内容上の問題があるが、これに参加しないという選択もまた、アジアの国としてはあり得ない。

中国と貿易交渉をするなということは、日本に対して、アジアの国であることをやめて、遠く太平洋を隔てた米国の、アジアの最前線の捨て石になれということである。
恰も、本土が沖縄を捨て石とし続けるように、日本を捨て石としようということである。

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トランプの米ロ中距離核戦力全廃条約(INF)破棄の表明によって、一気にきな臭くなっている。
米中貿易戦争に加えてロシアとの核戦力拡大競争へと転換しようというのだ。

ロシアをますます中国との連携へとおしやるように見える。

米国主導でWTO改革をすると言っている。
大泥棒(理由はこちら)が改革するなど、盗っ人猛々しいというほかない。
WTO協定の改定は、当然、全参加国の一致が必要である。
中ロが飲むはずのない条件を突きつけるトランプのいうWTO改革は、多分WTOの分割である。
いや、それはそれで、教条的なグローバリストどもが慌てふためく様子が見えて面白いのではあるが、日米FTAに至っては、他人事ではいられないのである。

米国が、世界の警察官であることができないことを熟知しているトランプは、世界の市場が二分されていた冷戦時代に世界を巻き戻そうとしているように見える。

付記 10月30日
春名幹男氏の文春WEB掲載記事を踏まえ、USMCAの32・10条4項の読み方が誤っていたことがわかり、訂正しました。


中国と貿易協定を結んだ国は、他の加盟国からの通知によりUSMCAから離脱させられる。
いわば、米国によるUSMCA協定からの除名処分である(4項)。


カナダ、メキシコの一カ国でも中国と貿易協定を結んだ場合、米国はUSMCAから離脱するというのだ(4項)。
これは、中国との貿易協定に対してはUSMCAの特典を剥奪する、つまり経済制裁をかけると脅しているのに等しい。

2018年10月18日 (木)

第4回東方経済フォーラムでプー様(プーチン)を退屈させた日本政府

第4回東方経済フォーラム全体会合で日本政府は、ロシアと共同して取り組まれている事業を紹介するビデオを上映した。
その前振りとその直後の安倍総理の演説内容。
以下、首相官邸「東方経済フォーラム全体会合 安倍総理スピーチ」から
2016年12月、プーチン大統領を私の故郷(ふるさと)、長門(ながと)にお迎えし、2人で日露関係の将来についてじっくりと話し合い、北方四島において共同経済活動を行うための特別な制度に関する協議の開始、元島民の方々による自由な墓参の実現について約束しました。そして、長門の地で平和条約問題の解決に向けた真摯な決意を共有しました。聴衆の皆さん、この長門での約束は、着実に実施されつつあります。日露関係は今、かつてない加速度で前進し始めています。プーチン大統領と私が約束した両国協力のプランは、150以上に上ります。うち半数以上が、もう現実に動いているか、今正に動こうとしています。お見せするビデオが、そこを雄弁に教えてくれます。ではビデオを御覧いただきます。
(ビデオ上映)
 いかがでしょうか。一本貫く太い流れをお感じいただけたでしょうか。8項目の協力プランの実現を通じて、ロシア住民の生活の質の向上が、皆様にも実感できるようになるのではないでしょうか。ロシアと日本は、今、ロシアの人々に向かって、ひいては世界に対して、確かな証拠を示しつつあります。ロシアと日本が力を合わせる時、ロシアの人々は健康になるのだというエビデンスです。ロシアの都市は快適になります。ロシアの中小企業はぐっと効率を良くします。ロシアの地下資源は、日本との協力によってなお一層効率よく世界市場に届きます。ここウラジオストクを始め、極東各地は、日露の協力によって、ヒト、モノ、資金が集まるゲートウェーになります。デジタル・ロシアの夢は、なお一層、早く果実を結ぶという、そんな証拠の数々を、今正に、日本とロシアは生み出しつつあります。
ビデオ上映中のプーチンの姿を首相官邸のカメラはとらえている。
ビデオ上映開始。
ビデオは主宰者であるロシアに向けてロシア語で制作されている。
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カメラはその後、いったんビデオ上映画面に集中するが、やがて再び引いて、他の4首脳(中国・ロシア・韓国・モンゴル)の姿を写し出す。
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やおら肘掛け脇のペン台に手を伸ばしてペンを持ち上げたプーチン。
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カメラは次第にプーチンにズームしていく。
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なにやらペンを見つめるプーチン
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ペンをもてあそんでいるように見える。
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ペンにキャップをしようとしている。
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ああ。だめだ、こりゃプー様は明らかに退屈している。
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当日の模様をの『マスコミに載らない海外記事」9月15日付「ロシア東方経済フォーラムで大恥をかいた安倍首相」から引用しておこう。
Gilbert Doctorow
2018年9月15日 土曜
Russia Insider
 最初に、安倍首相は仲間外れだったことを指摘せねばならない。彼は全体会議での演説を主に、この世代のうちに、彼自身とウラジーミル・プーチンの任期中に、ロシアとの平和条約を締結しようという嘆願に割いた。対照的に、他の外国指導者全員が、彼らのロシアと極東地域における、進行中および計画中の大規模投資活動を生き生きと語った。安倍には、ロシアとの他の国々の協力に匹敵するようなものがほとんどなく、ロシアにおける取るに足らない日本の取り組みに人間的な顔をかぶせるはずのビデオを上映して補おうとした。映画は、二年前に、全て、二国間関係を新たな高みへと導くため、安倍が提示し、ロシアが受け入れ、日本がロシアで実施している150のプロジェクト中の様々な医療関連やハイテク関係のプロジェクト(交通管理、廃棄物処理)の概要だ。

 日本のプロジェクトは皆安上がりだ。全てが規模の上で実にささやかで、東京が言う通りにロシアが平和条約を調印さえすれば、つまり南千島四島の日本主権への返還に同意すれば、人々の生活向上のため日本がロシアに授けることができる偉大な支援を示唆するよう仕組まれている。

 ロシアにおける日本の協力プロジェクトにまつわるビデオと詳説の効果は、安倍が意図していたであろうものと真逆だ。だが、それは現在のロシアと日本の交渉上の相対的立場に対する彼の全く時代後れの理解と完全に一致している。映画編集上の偏向は全く一方的だ。豊かで技術的に優れた日本が、感謝に満ちたロシアに手を差し伸べるのだ。これは、全ての参加国が、いかに開発計画の緊密な協調や、相互の貿易と投資でお互いに助け合うかと言って、フォーラムで語る他の外国指導者たちの全体的主題と矛盾する。

 液化天然ガス輸出用のロシア向けの高度な船舶の主要輸出国でありながら、ウラジオストック近くのロシア最大の造船複合体建設(ズヴェズダ)への韓国の参加に触れた韓国首相のプレゼンは、このバランスのとれた、双方共に利益を得られる取り組み方に見える。北朝鮮との関係が正常化され次第、トランス-シベリア経由、更にはヨーロッパへの鉄道輸送を実施したいという韓国の熱意だ。スエズ運河経由、あるいは海上輸送で、アフリカの角を周回する航路の代替としてロシアが開発したがっている北海航路インフラへの韓国参加もそうだ。

 ロシアとの共同エネルギー・プロジェクト、ロシアの鉄道と港湾インフラ経由での石炭出荷拡大の既存と計画中両方の計画/希望を説明するモンゴル大統領の演説でもこれを見た。

 ロシアに対する安倍晋三の手法は、日本が力強いアジアの虎として、世界的尊敬と羨望を享受し、アメリカ合州国の不動産をあちこちで買い占めており、ソ連が、景気衰退ではないにせよ、深刻な景気停滞にあり、エネルギー資源の新たな買い手と新たな投資家を探している時期の1970年代と1980年代にさかのぼる。

 現在中国は、日本が40年前に、そう装っていた戦略的パートナーの地位を占めている。中国はロシアの主要な融資家で、投資家で、顧客だ。中国は日本が昔そうであり、今もそうであるような、ハイテク供給者として、高い位置にはないかも知れないが、民間航空分野などのハイテク共同開発で、中国はロシアと対等のパートナーだ。

 現在の中国貿易と投資の重要性は、フォーラムで目立つメッセージの一つだった。二国間交渉後の記者会見で、ウラジーミル・プーチンは、中国との二国間貿易は今年20%以上伸びて、1000億ドルを上回ることを認めた。一方、全体会議での演説で、1000億ドルという数値が再び現れた。今度は、極東やバイカル地域に対する中国-ロシア共同投資プロジェクトの価値の数値化だ。

 

 この背景に対し、日本の投資規模と安倍の150の協力プロジェクト全体は二桁小さい。こうした“ニンジン”で、日本の条件に同意し、平和条約締結するようロシアを動かせるという考えは全く非現実的だ。

 

 安倍は、主権放棄にロシアが抵抗している点を意図的に無視して、南千島の共同統治のための鼻薬を提案した。本当の問題点を、全体会議中のウラジーミル・プーチンへの質問で、セルゲイ・ブリリョフが直接提起した。北方諸島が、もし日本主権になれば、アメリカ軍事基地の更なる駐留基地、特に弾道弾迎撃ミサイル装置配備地になるというロシアの懸念を二人の指導者は話し合わなかったのか。プーチンは話したと言ったが、安倍は平和条約締結への障害として、無視することを選んだ。

 求められている平和条約を実現するための“ふとおもいついた”提案だと言って、プーチンは演壇で、二国は“前提条件無しに”年末までに平和条約調印を進めようと提案した。そこで、友人となってから、両国はより強い相互信頼で、北方諸島のような厄介な問題に取り組むことができるだろう。この提案を、後に安倍は始めて聞いたと認めたが、後で同席していた日本人外交官が実行不能だと切り捨てた。

 言い換えれば、ロシアが日本を、アメリカ合州国とペンタゴンの「隠れ馬」と見なしている限り、ロシアは主権の譲渡に同意しない。しかも、フォーラムでの彼の振る舞いで、またしても安倍は、ロシアといかなる協定を結ぶよりも、核の傘のため、ワシントンのご主人への服従が、彼にとって、より重要であることを示したのだ。演壇の5人の指導者中で彼だけ、ドナルド・トランプの名を挙げた。斬新かつ大胆に北朝鮮に手を差し伸べ、金正恩とサミット会談をしたと、度を超したトランプ称賛をした。最初に、更に再度、南北朝鮮間や、アメリカと北朝鮮間の会談を建設的大団円に導いた韓国指導者文在寅の取り組みに、彼は全く触れなかった。

 フォーラムで明らかになった、そしてそれを更に遥かに超える地域の戦略的、大規模経済統合の地図のどこにも日本の姿はない。他の結束力は、中国の一帯一路構想とユーラシア経済連合だ。安倍晋三の日本は、北東アジアにおける日本の地理的、事業的環境からほとんど切り離された、アメリカ前哨基地のままだ。日本は地域全体を活性化している活力に満ちた過程を見逃している。フォーラムで、中国は2,000人を超える実業家と政府の代表団を擁する最大の参加国だった。フォーラムで明らかになった安倍晋三のような生気がなく、小心なリーダーシップの下、日本は日の沈む国となる運命にある。

10年内外で、中国のGDPが、米国のGDPを上回ることが確実視されている。
ロシアのユーラシア経済連合と中国の一帯一路構想の融合の先に、アジアに途方もない経済圏が立ち上がるだろう。
たとえば、ロシアが持っている鉄道輸送路のイメージはこんな姿だ(カレイドスコープ2018年9月18日)。
 
もし、一帯一路が実現すれば、ロシアの鉄道網とジョイントする。
ユーラシアの経済圏はモノ凄いことになる。

下は、「L'Arctique : Les enjeux géopolitiques - De Pékin à Montréal… en train」(北極圏: - 北京からモントリオールへつながる鉄道計画の地政学的問題)というフランスのウェブサイトの記事である。
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この巨大な鉄道計画図には、サハリンから日本を縦断して、福岡当たりから朝鮮半島釜山への鉄道が描かれている。南北朝鮮を縦断した鉄道は、そのまま中国を経由してウラジオストクでシベリア鉄道に結ばれる。

長大な鉄道網を擁するロシアだけにただの妄想と決めつけるわけにもいくまい。
マスコミに載らない海外記事サイトの記事は、日本の周辺諸国からの孤立を強調していた。
いやだから、前提を付けない平和条約でもよいから、平和条約を結ぼうというプー様の提案は、悪くないって。
仮にこの構想が具体化していくとき、日本だけが結ばれない可能性を想像してみる。
今後、世界経済の中心となる極東地域にありながら、取り残される日本。
何のために。
遠く太平洋を隔てた、米国の防波堤となるために。
本土が沖縄を捨て石とするように、米国が日本を捨て石にするのだ、
この文章は、今朝(10月18日)のNHKニュースが毒薬条項と呼んでいた日米FTAの本質的問題について触れるための前振りである。
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2018年10月17日 (水)

日米FTAとISDS条項

以下、新NAFTA(USMCA)協定でISDS条項に死亡宣告がなされたことを前提にして、日米FTAにおけるISDS条項の扱いについて僕の見通しを述べる。

 

 

 

前記リンクの記事で、僕が祝ったのは、世界のために祝ったのであって、日本のためには祝っていません ( ̄^ ̄)

日米FTAでISDS条項は入るか否かと言えば、確実に入るというのが、結論です。
その意味では、「ISD条項の罠 総集編」でトランプがISDSは要らないと言うのに、安倍がISDSを主張するという僕の戯れ言は、根本的に間違いで、ミスリードでした m(__)m
トランプは恐ろしいのです。
見くびってはなりません (`・ω・´)

 

 

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防衛戦士-補助電源起動さんのツイートから

 

少なくとも遠くない将来に、世界において、ISDS条項は、遺物扱いされて、廃止に向けての動きが本格化していくはずです。

「主権国家」を前提にする限り、ISDSは大いなる矛盾だから、そうなるはずです。

新NAFTA(USMCA)協定においてISDS条項が廃棄されたのは歴史的な出来事であり、世界に対する福音です 888888 (^^)//””””””パチパチ

 

 

日米FTA協定で、ISDS条項がどうなるのかは、新NAFTA(USMCA)協定の案文確定直前である9月24日(米国時間)に署名された改正米韓FTAでISDS条項がどう扱われたかが直接的な参考になる。

 

 

米韓FTA改正案に署名、自動車で米の要求反映 

日本経済新聞 2018/9/25 6:22

【ニューヨーク=恩地洋介】トランプ米大統領と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は24日夕(日本時間25日未明)、ニューヨーク市内で会談し米韓自由貿易協定(FTA)改正案に署名した。米国仕様の自動車を韓国で販売できる台数をメーカーあたり年5万台に倍増するなど、自動車を中心に米国の要求を反映。韓国のウォン安誘導を禁じる「為替条項」について、強制力のない付帯協定も加えた。

 

改正FTAは両国の国内手続きを経て年明けにも発効する見込み。トランプ氏は署名式で「新協定は貿易赤字を削減し、米国産品の輸出を大幅に拡大する」と強調。「米国と韓国が貿易のための友好協力関係の例を示した」と語った。

 

柱の自動車分野は、韓国製ピックアップトラックに課す関税の撤廃期限を現行の2021年から41年に延長する措置も盛った。鉄鋼に関しては、韓国は米国向けの輸出を201517年の平均の7割に抑える。為替条項の付帯協定は米国への輸出拡大を狙った韓国の通貨安誘導を防ぐ狙いがある。競争的な通貨切り下げを禁じ、透明性と説明責任を求める内容だ。

 

改正交渉は今年1月に始まり、わずか3カ月で大筋合意に至った。その過程では、米国が在韓米軍の撤退論や鉄鋼関税の適用を持ち出して韓国に早期妥結への圧力をかける威圧的な姿勢を見せた。

 

 

「改正交渉は今年1月に始まり、わずか3カ月で大筋合意に至った。その過程では、米国が在韓米軍の撤退論や鉄鋼関税の適用を持ち出して韓国に早期妥結への圧力をかける威圧的な姿勢を見せた。」というのは、来年1月にも開始される、日米FTA交渉の行方を予想させてあまりある。

軍歴に秀でた文在寅にして、無抵抗でひねり潰された体である。
ましてや、お坊ちゃまをや。

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記事では、ISDS条項について触れるところは全くない。

韓国紙が伝えている。

 

 

韓米FTA改正、ISDS請求の乱発は制限したというが…政策主権の確保は“不十分”

 

ハンギョレ新聞 登録:2018-09-04 07:01 修正:2018-09-04 09:42

 

韓米FTA改正の協定文全文公開 

 

 

 

政府「政策主権の保護要素を反映」 

 

些細な請求の阻止に改善の焦点当てる 

 

表現が曖昧で政策主権の確保には限界 

 

ISDS廃棄の推進はNAFTAを参照すべき」

 

韓米自由貿易協定(FTA)改正交渉//ハンギョレ新聞社

 今年3月末「原則的な妥結」が発表された韓米自由貿易協定(FTA)改正協定文の全文が3日、公開された。

 

 政府は米国の投資企業・資本によるISDS(海外に進出した企業が、その国の急な制度の変更などによって損害を受けた場合、国を相手取り国際的な仲裁機関に訴訟を起こすことができる紛争解決手続き)請求の乱発を制限し、政府の正当な政策の主権の保護の要素を協定文に反映したと説明した。しかし、ISDSの請求要件である内国民待遇・最小待遇基準・最恵国待遇(MFN)が「(請求可能な協定違反かどうかは)正当な公共の福祉目的に基づいて差別しているかどうかを含めた全体状況にかかっている」とか、「些細な請求を根絶して防止するための効果的なメカニズムを提供する」など、“曖昧に”なっていると指摘されている。エリオットなどがサムスン物産の合併件を理由に、韓国政府を相手にすでに請求したISDS紛争は影響を受けない。

 

 3月末の協定の妥結当時、韓国政府は「ISDS改善」を代表的な交渉の成果として掲げた。実際に改正協定文を見てみると、ISDSを盛り込んでいる「投資」チャプター(11)11.35(ISDS請求要件の韓米FTA協定文上、内国民待遇・最小待遇基準・最恵国待遇の違反)と関連し、大きく7つの項目にわたって変更が行われた。ISDSの乱発を抑制する条項は、同一な政府政策措置に対し2国間の投資保障協定(IBT)など他の投資協定を通じてISDSの手続きがすでに開始・進行された場合、韓米FTAを通じたISDS提起は不可能で▽仲裁判定部が本案前の抗弁の段階で迅速な手続きを通じて決定できる事由に「明確に法律上の理由のないISDS請求」が追加された。また、他の投資協定上の紛争解決手続きの条項を適用するため、韓米FTAの最恵国待遇条項を援用できないという点▽ISDS請求の際、韓米FTA違反の可能性などすべての請求の要素について、投資家の立証責任を明示し「設立前の投資」に対するISDS請求要件を具体的な行為(許可・免許申請など)をした場合に制限した。請求の範囲を縮小したわけだ。

 

 政府の正当な政策の権限の保護については、「同種の状況」で米国投資資本を(韓国企業・資本に比べて)差別的に待遇したかについての判断基準に「正当な公共の福祉目的に基づいて区別しているかどうかなどを考慮する」という内容が追加された。また、投資者の期待に合致しないという単純な事実だけでは、投資に損害が発生しても、最小基準待遇の違反ではないという点を明確にした。

 

 しかし、「正当な公共の福祉目的」の場合、内国民待遇に違反するかどうかについては、「この目的の有無を含む全体状況にかかっている」として、多少曖昧に記述されている。たとえ公共の福祉目的であっても、「全体状況によって」は、ISDSの請求もあり得るということだ。さらに、協定文の附属書は「(韓米FTA共同委員会が)投資紛争で些細な請求を根絶して防止するためのすべての潜在的改善を考慮する」と明示し、今後ISDSの手続きの改善のための追加改定の根拠を作った。つまり、今回のISDSの条項の改善は「些細な請求」を阻止する方向に焦点が当てられているだけで、韓国政府の国家政策の主権を完全に確保したわけではないことを示唆する。

 

 特に、ドナルド・トランプ政府の米通商当局は妥結が間近になった北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉で、「事実上のISDS廃棄」と国際投資者の広範囲なこれまでの権限を大幅に縮小する方向へ「NAFTAISDS」に対する重大な変更を図っている。そのため、韓国政府が、NAFTAISDSモデルに基づいている韓米FTAISDSも、廃棄に準ずる方向での追加改定交渉に乗り出すべきだと指摘されている。ソン・ギホ弁護士(民主社会のための弁護士会)は「今回、ISDSが進展した内容に改正されたが、実際には起きる可能性が低いISDS乱用の事例を主に取り上げているだけで、現在進行中のエリオットのISDS事件などを解決することは難しい」とし、「NAFTA再交渉で米国がISDSに対して根本的な変更を加えているため、韓国政府が主体的に廃棄などを含めた追加的なISDS改正を要求する必要がある」と話した。

 

 ユ・ミョンヒ通商交渉室長は同日、「ISDSの条項は最近、ISDSをめぐる国際的コンセンサスの重要な中核要素を忠実に反映した」と説明した。

 

 一方、革新の価値が認められれば、薬価から10%を優遇している韓国保健当局の「グローバル革新新薬の薬価優遇制度」は、韓米FTAに合致する方向で年内に改正案を作成することにした。健康保険審査評価院は今年3月末、韓米FTA妥結直後から同制度の施行を猶予し、改正事項を検討してきた。自動車の場合は、米国産自動車を修理するための部品交替(部品自己認証)の際、米国の安全基準を満たせば、韓国の安全基準を満たしたものと韓国自動車管理法で見做しており、年間販売量4500(2009年基準)以下の米国車に緩和された環境(燃費・温室効果ガス)の基準を適用する「小規模制作会社」制度(202125年適用)の詳細な基準および緩和の割合を、韓米両国が協議して後日確定することにした。

 

 韓米両国は3月末に原則的妥結を発表してから、これまで改正協定文文案を調整しており、米国は議会協議手続きをすでに完了して、発効に向けた自国内手続きを終えた。韓国側は近いうちに大統領の裁可・署名を経て、国会に批准同意案を提出する予定だ。両国は発効に必要な国内手続きを今年末まで完了し、国内手続き進行途中で発生する両国間の通商関連懸案は協議を通じて解決策を模索することにした。

 

チョ・ゲワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

 

 

ざっくり見た範囲では、改定米韓FTAでは、TPPと同じ程度の手直しが加えられたフル装備のISDS条項が採用されている。

政権側が、「濫訴防止策を取った」と苦しい説明しているのも安倍政権とそっくり同じである。

政策主権が回復されないとするハンギョレ紙の主張は、当然である。
批判が穏やかすぎるくらいである。

 

 

そうなのである。

進歩派と呼ばれ、南北和解を主導している文在寅率いる韓国も、赤子の手をひねるようにあっさりと押し切られて百害あって一利なしのISDS条項の煮え湯を飲まされたのである。

 

 

新NAFTA(USMCA)協定で、ISDS条項が除かれたのは、もともと米加自由貿易協定にはISDS条項は入っていなかったという由来から説明する仕方もある。
NAFTA1994でメキシコが加わったときにISDS条項が挿入されて、先進国同士の初めてのISDS条項が生まれたという経過から、もともとの米加の関係に戻すためにISDS条項を廃止したと説明するのである。

僕は、これには与しない。

この説明では、なぜメキシコに対するISDS条項までもが、NAFTA1994以前に想定されていた、せいぜいが国有化に対する対抗措置として残されるに限られ、かつ国内裁判所の手続を経た後に初めてISDS提訴できるとする極めて使い勝手の悪いものにされてしまったかが、説明できないと考えるからだ。

 

 

トランプがISDSを嫌うのは、国家主権が脅かされるからである。

主権が制限されるような国際的な枠組みについて、いいとか悪いとかいう以前の問題として、次々と脱退を宣言し、さらに主権を制限する枠組みからの離脱を検討する姿勢にもそれは表れている。

トランプがISDS条項を廃止したというと、何かと裏の意図を勘ぐる向きがあるが、単純かつ素直に、米国の主権が制限されるから廃止したのである。

 

 

トランプを持ち上げるつもりはないが、トランプの「米国第一」の主張は、主権尊重の考え方を内在させている。
以下は、今年の国連総会でのトランプの演説の一節である。
トランプはグローバリズムを拒絶し、国家主権の尊重を訴えたのである。

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したがって、トランプは、相手国が主権国家として毅然として、『ISDSが主権を侵害する!!』と叫ぶ限り、それ相応の対応をするということをメキシコの例は示している。

 

 

では、なぜ文在寅政権が交渉した、米韓FTAにISDSは入ったのか。

そして、なぜ日米FTAにISDSが入るのは必至なのか。

 

 

答えは2つ。一つは理論的なもの。もう一つは、実践的なもの。

 

 

理論的に、日本も韓国も、米国にとっては、半主権国家、従属国、半占領国、傀儡国家、エセ主権国家に過ぎないからである。

だから、在韓米軍を撤退させるぞと言えば、韓国政府は震え上がって、トランプを思いとどまらせようとする。

日本も同じだ。
在日米軍を撤退させるぞと一言言えば、官僚組織まるごと震え上がって、どうぞ我が国を餌食にしてくださいとトランプに国家を献上する仕組みだ。
いや、日本の官僚はさらに優秀だ。
トランプが在日米軍を撤退すると言わせないために全力を尽くす。
トランプが在日米軍を撤退させると言いそうな気配を察すれば、直ちに忖度して先回りして、日本国家をトランプの餌食に献上する、そういう国だ。この国は ヽ(`Д´)

 

何しろ、日本では首都圏に横田空域があることの歪さを指摘し、横田空域の撤廃を主張すると、右翼が横田空域は、そんなに邪魔ではないと叫び、横田空域の存在をありがたがって、擁護する有様だ。

いくら嫌韓・反日でいがみ合っても、米国から見れば、日韓は一心同体、同じ穴のミミズに過ぎない。

 

 

 

もう一つ、実践的理由。
日本も韓国もISDS条項を入れても、米国主権を脅かすような企業はないからである。

米国をISDSで提訴して、米国の肝を寒からしめる日本企業があるか。

ない。

仮にISDS条項があったとして、あのリコール騒動のときに裁判所や米国政府、州政府から課された莫大な賠償金や罰金を、公正衡平待遇義務・最小限待遇義務に違反するとして、トヨタがISDS条項で訴えたか。

訴えるはずがない。米国市場がでかすぎて、不買運動でも起こされて、米国市場を敵に回すようなことはできないからである。

何より、米国政府からどれほどの嫌がらせをされるか想像もできないから、ISDS提訴などできるはずがない。

だから、日米FTAでも米韓FTAでも、ISDS条項を導入しても、トランプは枕を高くして寝られるのだ。

 

 

僕は、日本が米国の餌食にならない唯一の方法は、日米FTAを結ばないことだと考えている。

この主張については、別の論点が絡むので、また別の機会に理由を述べる。

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2018年10月 9日 (火)

ISDS総集編  日本のメディアと公法学者は恥を知れ

Sanders

 

変質したISDS条項の震源となった、NAFTAで、ISDS条項が葬り去られることとなったのを機に、この間、「ISD条項の罠」として、書いてきたシリーズのリンクをまとめておこう。

ISDS条項を知るための手がかりにでもなれば、と思う。

 

 

知るべきは、実はただ一つで
I(インチキ)S(裁判で)D(大)S(損害)条項だということだ。

この訳語を考案された色平哲郎医師に敬意を表する。

全ての本質をついている。

 

 

驚くべきことは、書籍とネット以外の場では、ほぼ完全にISD条項の問題は無視され続けてきたことだ。いまだにメディアの無視は続いている。

 

 

僕が気づいた範囲で、表の場でISDSがまともに取り上げられたのは、1回しかない。

おそらく2013年だと思うが、NHKのニュース9のクルーが、カナダまで取材に行ってNAFTAのISDS条項の実態を報道しただけだ。

 

 

そして、メディアにおけるTPPに関する異論の排除は民主党政権時代から、すさまじかった。

TPP関連では、岩上安身さんが、特ダネでTPPの問題点に触れた途端に長く努められたゲストコメンテーターを外され、
同じく特ダネで、TPPの専門家として呼ばれた中野剛志氏が「TPPは、百害あって一利なし」と断言したために、以来、TPPの第一人者であるにもかかわらず、中野剛志氏の姿は二度とテレビで見ることができなくなった。
たまたま生放送で見ていて、小倉智昭の慌てぶりが半端でなかったのに強い印象を受けたものだ。

 

 

つくづく思うのは、日本の公法学者のふがいなさである。

NHKのカナダロケでは、正式にISDSを提起された訳ではないが、ISDS提訴の威嚇によって、ISDSを提起される前に政府の政策や法規が変えられた例が少なからずあることを大学の研究者が研究していた。

Kelsey

ニュージーランドのジェーン・ケルシー教授はむろん、米国では憲法学会の大御所であるトライブもISDSについて反対の意見を表明している。
にも関わらず、NAFTAでISDSが葬り去られようとする今に至るまで、日本の公法学者はISDSについて沈黙を守っている。

極めてお寒い、おぞましい状態にある。

 

 

憲法や行政法の学者が、あるいは国際経済法以外の国際法分野の学者が、きちんと専門的な立場からISDSを批判すべきである。

日弁連も司法の独立が大切なことだと考えるなら、スタンスを明確にすべきである。

その思いは、今でも変わっていない。

 

 

ISD条項の罠(2013年1月31日)

 

思えば、たまたま韓国の知り合いから、韓国の法務省と最高裁が、ISDS条項の問題点を詳細かつ深刻に受け止めて、これを韓米FTAから除こうと必死に努力した模様を伝える内部文書を入手することができたこと、これを親しい方に翻訳してもらえたことが、僕が自信を持って、発信することができるようになった、全ての出発点だった。

法律のエリート集団が、主権侵害であり、あるいは韓国憲法に違反すると結論づけていることは、僕にとって、何よりの確信を与えてくれた。

当時はワード版でしかアップできなかったが、今はPDF化したものをホームページの左欄に挙げている。

パク・チュソン議員「投資家-国家紛争解決制度 国内法律機関等の検討」

 

 

ISD条項の罠2 外国投資家に国家を超える特権を与えるISD

 

 

ISD条項の罠3 韓国法務部の検討を踏まえて

 

 

ISD条項の罠4 憲法秩序の破壊

 

 

ISD条項の罠5 韓国パクチュソン議員の冊子全体版

 

 

ISD条項の罠6 前提となる情報を公開せよ

 

 

ISD条項の罠 番外 TPPを慎重に考える会学習会(第44回)
2013年2月21日 7の代わり
ここにリンクしたこの時のレジメはよくまとまっているので、参考するに値する。

 

 

ISD条項の罠8 朝日の解説に寄せて1

 

 

ISD条項の罠9 根拠なき楽観論を垂れ流す朝日・メディア

 

 

番外 TPPは不平等条約と呼ばれる日が来るだろう
2013年3月13日

 

 

ISD条項の罠10 滅ぼされる日本法

 

 

番外 オバマ大統領には何の交渉権限もない 日米首脳会談の想像を超える茶番劇

 

 

番外 TPP『極秘文書』公開 TPPお化け論の敗北

 

 

ISD条項の罠11 曖昧な実体法

 

 

ISD条項の罠12 万能の間接収用法理

 

 

ISD条項の罠13 間接収用規定は憲法29条に違反する

 

 

ISD条項の罠15 Metalclad-メキシコ ケーススタディ

 

 

ISD条項の実務 敦賀原発2号機直下の活断層とISD条項

 

 

ISD条項の罠17 翻訳されない「otherwise」 環境・健康保護の核心条項に仕組まれた罠

2015年5月7日

 

 

7番、14番、16番が欠番のようである。

まあ、それにしてもよく集中して書いたものだ。

この間にWTO最大の毒素条項であり、グローバリズムが普通の市民にとっていかに歪んだものであるかを端的に示すSPS協定の難解な条項も読み解こうとしていたのだから、我ながら、たかがマチベンが、よくもまあやってたものだと思う。

 

 

グローバリズム経済法の世界は、何もかもが、悪い意味で、想像を絶する驚きの連続だったので、つい深入りをしすぎた。

多分、庶民派の弁護士だから、企業論理に絡め取られず、批判的視点を維持できたのだと思う。

 

 

それにしてもISDSに対する、メディアの無視・隠蔽は、直面する日米FTAで、ISDがどう扱われるのか、最悪の事態しか想像させない。

 

 

トランプ「シンゾ-、俺はISDは要らねえ、と言ってるんだぞ」

シンゾ-「ドナルド、ISDはTPPの中においてですね、重要な、ということは核心的な原理、これなくしては自由とはいえない、TAGとはいえない、そういうものです。

トランプ「分かってるのか。ハイエナどもが日本を餌食にするということだぞ」

シンゾ-「この道しかありません。堂々と、確信をもって、受けて立ち、餌食になります」

トランプ「そんなに言うなら、俺の好みではないが、入れさせてもらうか」

この部分につき訂正記事あり。

 

日本がISDSを推進し、渋るトランプを説得して、ISDSを日米FTAにおいて導入する。倒錯した未来が眼に浮かぶ。

 

 

この間、ISDの紹介では、新聞では、国連に常設された裁判所に訴える制度ととする新聞記事を複数目にした。

その後、誤報として訂正されただろうか。

 

 

メディアは、ISD条項と呼んでいたのをあるときを境に一斉にISDS条項が正式名称であるとして呼称を長いものに変えた。出所は国際経済法学者が、ISDSが正しいと断言したからだ。

グローバル資本にとって、権威あるピーターソン研究所が「ISD」と呼称していることを知って、騙されたとは思わなかったのだろうか。

 

 

ISDは1億円をハイエナ弁護士に払って、相手国政府を訴えることのできるグローバルな企業にとってしか、意味を持たない。
一般の市民から見れば、異形なものとしか言いようがないものだった。

だから、震源地であるNAFTAで姿を消すのだ。

Profiting_from_injustice

 

米国では、米国州立法者協議会、米国州最高栽判事協会、州法務部長官協会、要するに州の3権を担う者の全てがISDSに反対していた。
スティグリッツやローレンス・トライブ(米国憲法学の大御所)らも厳しくISDSを批判している。

ニュージーランドやカナダの法学者もその専門分野で、ISDSに反対する活動を続けている。

 

 

たかがマチベン(2級国民である)に任せて、異様な沈黙を守る、日本の公法学者は、恥を知れ。

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2018年10月 7日 (日)

ISDSの終焉  ISDSを葬り去る新NAFTA( USMCA )協定

Usmca

 

朗報である。

新NAFTA協定は、ISDSを「大幅に縮小」する(ウォール・ストリートジャーナル日本語版101日「新NAFTA協定 知っておくべき10のこと」)なんて生やさしいものではなかった。

ISDSの死亡宣告を下した。

 

ISDSは、新NAFTAによって息の根を止められたのである。


正直言って、そこまで踏み込むとは意外であった。


形骸を残すことすら許さないというのだから、喝采を送りたい。


また、一貫してISDSに対する戦いを挑み続けた、米国市民運動に敬意と連帯を表したい。

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 米国とカナダ(カナダとメキシコ)の間のISDSに関する要点は2点である。

 新NAFTAが発効した後、ISDSが許容されるのは、旧NAFTA失効時(新協定発効時)にすでになされていた投資に限られる(付属書14-C・6())。
(こうした投資を「レガシーインベストメント(遺留投資?)」と呼んでいる)。

 レガシーインベストメントに関する提訴は、旧協定失効後3年以内に限られる(付属書14-C・3)。

 

 

 

米国とメキシコの間だけは、ISDSが残るが、それこそ「大幅に縮小される」。

米国とメキシコのISDSについては、付属書の14-Dに規定されている。

この内容はやや複雑になるので、この間、ISDS問題に取り組んできた、パブリックシティズンの要約を紹介しておこう(AFTINET2018年10月4日)。

 

ISDSの適用対象を政府による直接収用に限定している。
このことは、環境法や保健法の改正や政策の変更を原因として補償を求めて提訴することができないことを意味する。
外国人投資家は、ISDS提訴をする前にメキシコ国内裁判所の手続きを尽くさなければならない。
これまで米国投資家によるISDS提訴は、メキシコの法律や政策の変更を理由とするものが大半であったことから、米国とメキシコのISDSの件数は大幅に制限される。

 

ISDS条項が、外国投資家が相手国の環境規制などに介入するとして問題とされるようになったのは、まさにNAFTAで米国とカナダという先進国同士の間で初めてのISDS条項が導入されたためであった。

米国企業がカナダやメキシコの環境規制を次々と訴え、勝訴したり、政府措置が違法であることを前提とした勝利的和解をしたことから、世界に大きな衝撃を与えた。
それまでせいぜい没収や国有化に対して機能するに過ぎないと考えられていたISDSが、外国投資家にとって相手国の政策に介入し、これを萎縮させるのに有力な道具に変質したのだ。
今では、刑事捜査や民事裁判に介入したり、民営水道の公営化や健康保険の公営化、新薬の不承認、脱原発政策、禁煙政策、果ては最低賃金の引き上げに伴う紛争についてまでISDS提訴の対象となっている。

 

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世界の秩序を紊乱したISDSが、問題が顕在化してからおよそ20年で、その震源となった北米から消える。

歓迎すべきことだ。

問題は、今後、世界3000を超える投資協定等に盛り込まれ、ハイエナ弁護士どもの食い扶持となっているISDS条項を、どう退治していくのかというステージに移るべきだろう。

 

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米国大統領がヒラリーだったら、と考える。

このような進展はあり得なかったろう。

ISDSの息の根を止めることは、トランプ政権の歴史的使命となった。

 

 

 

なお、現在、公表されている新NAFTA協定は、法的精査を経る前の案文である。

(TPPは法的精査が終わるまで文案は絶対に秘匿されていた。その異常さを改めて思う)

今後、通商弁護士の精査を経ることになっている。

不安要素があるとすれば、彼らが、ハイエナの仲間だろうと考えられることだ。

トランプ攻撃に乗じた、猛烈な巻き返しがあるかもしれない。

このことだけが不安要素だ。

 

 

TPP11には、カナダが新NAFTA協定で葬り去ることにしたISD条項が入っている。
そしてカナダはオーストラリアとの間では二国間でISDを行使しない(又はISDを極めて限定する)合意をしていると聞く。
カナダとニュージーランドとの間でも同様の二国間合意があるか、仮になければ今後同様の合意を結ぶように動くはずだ。

TPP11を主導してきた日本は、将来的に米国の参加を働きかけていくと一貫して主張してきた。

米国が葬り去ることにしたISD条項を残したままでは、米国の参加は望めないはずだ。TPP11主導国としてISDS条項の改正を10カ国に働きかけるべき責任がある。

 

 

日本国固有の利益を考えても、カナダとの間でISD条項を残すのは、得策とは思えない。

不意打ちのように米国企業から環境規制を次々と訴えられたカナダの企業は、態勢を整えるや次々と米国政府を訴えた。双方の件数が各15件ほどになるまでカナダ企業も互角の件数、米国政府を訴えていたのだ。
その後、カナダ企業は米国政府を提訴することを控えるようになり、提訴件数は一挙に開いたが、これは米国政府が敗訴したら、ISD自体が成り立たなくなる(米国世論が沸騰してISDの存続を許さなくなる)ことに気づいたからだろう。

つまり、米国政府を相手にする限り、外国企業は負けるというのがISDの基本ルールだと気づいたのである。

しかし、NAFTAを通じて、カナダには日本と比べものにならない、ISDの経験の蓄積がある。

日本の新参のハイエナ弁護士では到底かなわないはずである。

せめてカナダとの二国間では、ISDの凍結を合意することが国益にかなう。

 

 

とにかくも歴史的出来事が起きた。

世界のために祝おう。

新NAFTA投資章

 

付記

世界ではISDS条項は勢いを失っていく。
しかし、日米FTAにはISDS条項が入ることは必至である。

その根拠を「日米FTAとISDS条項」で述べたので、参照して頂けると幸いである。


また、いまだに触れられることのほとんどない新たな日米FTAの本質的問題については「日米FTAの毒薬条項 米国が迫る究極の二者択一」をお読み頂ければ幸いである。



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一昨年2016年10月に衆議院にISDS条項に関する野党側の参考人として出席したとき、与党側の参考人は、日弁連内で人権派の重鎮として名高い弁護士であった。

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本気なのかどうか、彼は、投資紛争をISDSで裁定することが、国家間の戦争を防止し、平和に寄与するとして、ISDSを擁護した。
投資紛争が戦争(というより欧米諸国の一方的な武力行使)を招いて国際問題になったのは19世紀から20世紀初頭の植民地主義の時代のことである。
国際紛争を武力によって解決することが適法とされていた時代の話である。
知っているのかどうか、人権派の重鎮弁護士は、「ISDSが戦争を防ぐ」と、傍聴者が唖然とするような主張をして、ISDSを擁護したのであった。

理屈から言えば、新NAFTAはISDSを葬ろうとしているのだから、北米大陸では戦争の危険が高まったことになる。
彼は、平和と反戦のために新NAFTAに体を張って反対するのだろうか。

いや、彼は、きっと新NAFTAでISDSが葬られることなど絶対におくびにも出さないに違いない。

何だかなあ、日弁連って下半身は完全に経済界や保守政権とつながりながら、頭だけ対向しているような振りをしてるように見えてならないんだよなぁ。


 

訂正 10月11日

 

米国とメキシコのISDSの内容の要約は、「オーストラリア・フェア・トレード・アンド・インベストメント・ネットワーク(AFRTINET)」によるものであったので、訂正する。引用記事は、オーストラリアの市民団体によるものである。

 

なお、リンク先のページでもリンクされているが、パブリックシティズンの分析をリンクしておく。

How the New NAFTA Text Measures Against the Essential Changes We Have Demanded to Stop NAFTA’s Ongoing Damage

2018年10月 2日 (火)

新NAFTAでISD条項はどうなったのか

米国とカナダが合意して、成立の目処が立ったというNAFTA新協定について、目下、最大の関心事はISD条項の扱いである。
ISD
ムラのハイエナ弁護士どもに蝕まれてきた世界の秩序を回復する意味でも決定的な重要性があるはずだ。

 

 

ところが、日本のヘタレマスコミは、この重大事には一切口をつぐむ。
日本をハイエナどもの餌食にしたくて仕方がないからだ。

 

 

しょうがないので、検索をかけたらウォールストリートジャーナル紙にこんな記事があった。

 

 

NAFTA新協定、知っておくべき10のこと

 

 

7.紛争処理制度

 

 NAFTAには貿易ルールに違反した加盟国の責任を問う、気が遠くなるほど複雑な制度がある。トランプ政権はこの制度によって米政府の決定が覆る場合もあると警戒し、紛争処理の効力を弱めることを目指してきた。通商専門弁護士が今回の合意の文面を分析し、労働組合が見解をまとめれば、議員の投票に影響を与える可能性がある。外国企業が当該国の政府に異議を申し立てることができる「投資家対国家間の紛争解決(ISDS)条項」と呼ばれる制度については大幅に縮小された

 

I(インチキ)S(裁判で)D(大)S(損害)』
とまで言われたこの不当条項を、まっとうにもトランプは実質的に無効化すべく交渉してきたはずだが、この言い方は、持って回った言い方で、どのように決着がつけられたのか、意味不明である。

米国はISDに参加しないとか、訴えられた政府が応じなければISDは成立しない(国際司法裁判所のような制度)とか、「収用」のみに限定するとかいろいろ情報は流れていたが、結局どうなったのか。

 

 

二級国民にこれ以上の調査を求めるのは酷というもの。
英語に堪能な方がお調べいただき、ご報告いただきたいものです。
二級国民には難読な新NAFTAのISD関係はこちらにありま~す!→ 投資章英文

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