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カテゴリー「TPP」の321件の記事

2017年1月28日 (土)

安倍総理日米FTAについて語る

お尋ねのメキシコの大統領がですね、トランプ大統領のですね、いわゆるですね恫喝に応じないと、会談を拒否するというですね、そうした判断をされたことについてはですね、これによってトランプ大統領の譲歩を得たようでありますが、いわば内政に関することでありまして、私どもがでんでんすることではないのでありますけれども、私はですねこの国のまさに最高指導者としてですね、自由貿易の大切さをトランプ大統領にご理解いただく中においてですね、同時にいわば日米FTAもですね、視野に入って参るわけであります。


どういうことかと言えばですね、トランプ大統領はアメリカファーストな訳でありますから、これに対して、私が日米同盟をですね、譲ることのできない日本の国益をぶつけて断固として守り抜くと、こういう中においてですねトランプ大統領とのですね会談に臨む中においてですねアメリカファーストということも日米同盟第一主義の自由貿易の価値を確認することになって参るわけであります。


これは日本国民の利益をですね最大限に守る、そうした上においてですね、この道しかないとそういうことになった訳でありまして、私が日本国の象徴として最高責任者にあるためにはですね、ジャパンハンドラーの方々の設計図がもはやないわけでありますから、一刻も早くトランプ大統領ご自身からですね私が直接にですね、設計図をいただくと、この道しかないと、そういう判断に至った訳でありまして、ですから、日本国の指導者の地位にしがみつくとかいうようなご批判でんでんは、全く当たらないことをこの場で強く申し上げておきたいと、こういうことであります。


そういう中においてですねいわゆるアメリカファーストのですね二国間協定である日米FTAがですね、新しいですね、自由貿易の国際標準であるということをですね、世界の中心で輝く日本のあり方としてですね、しっかりと世界に発信して参るわけであります。


2月10日ですね、日本時間の建国記念の日に当たるわけですから、しっかりとした新しいアメリカファーストの自由貿易の国体をですね、打ち立てて参ると、そういう覚悟でありますから、日本が植民地であるとか、私が宗主国の信認を得るためにはトランプ大統領のですね、ご指示をいただくとか、そういうご批判でんんでんは全く当たらないと、申し上げておきたい、とこういうことであります。

2017年1月26日 (木)

安倍・トランプ大統領の会談は日本の悲劇

天木直人氏の本日付のブログ記事に全面的に同意する。
安倍総理・麻生副総理のトランプ会談は、あまりにも危険すぎ、日本の将来に禍根を残すというほかない。

 トランプ大統領が安倍首相に伝える事はすでに報道で明らかになっている。

 トランプ大統領は貿易・金融・為替問題で米国の国益を日本に押しつけてくる。

 トランプ大統領は在日米軍経費を含む防衛予算を大幅に増やせと迫って来る。

 それに対して安倍首相は断れない。

 断ったらトランプ大統領に怒られる。

 飲むしかないのだ。

メディアにも国会にも危機感が全く見られないのが、あまりにも異常だ。

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2017年1月22日 (日)

ウェルカム“保護主義”  エマニュエル・トッド先生に聞く

約束通りトランプは大統領就任初日に、TPP離脱を宣言した。
トランプが大統領を引きずり下ろされない限り、これでTPPの死亡は確定した。

Amiteji
東京新聞1月20日

舞台は、二国間協議に移る訳だが、トランプ政権の優先課題は、NAFTAの再交渉にあるようで、日本国民には、いささかの時間が与えられることになった。

例によって、トランプの保護主義が叩かれまくっている。
自由貿易を否定するトランプ流には、右からも左からも、異議しか呈されない(ように見える)。

海外産品の貿易から国内産業や労働者を保護するのがダメだと叩くのだから、論者の『自由貿易』は、『自由』でも何でもない『不自由貿易』だ(ここでは、トランプの真意が結局金融資本優位の新自由主義にあるかどうかという厄介な問題はさておく)
貿易至上主義であって、貿易強制主義だ。

マスコミでは、イギリスのEU離脱に関する東京新聞の社説だけが、ほぼ唯一、いわゆる『自由貿易』に批判的な見方を示している(1月19日 『EU市場脱退へ 英国はどこへいくのか』)。

 自由な経済活動によって国が富み、国民は恩恵を受けるはずだった。しかし、実は疎外された人たちが多かったのだ。富裕層や権力者らばかりが利益を享受することに労働者、中間層の不満は募った。それが「予想外の結果」を生んだのは米大統領選と類似する。

 自由貿易は「善」、保護主義は「悪」とする新自由主義経済を謳歌(おうか)してきたのが米英両国だ。そこでいち早く揺り戻しが起こった意味を考えるべきだろう。

 本来、自由貿易は経済成長を促し、その果実で痛みを受けた人を支援するのが理想だが、そうはならなかった。行き過ぎたグローバル化は格差を生み、先進国の賃金を下げ、雇用を奪った。

日本では、ほとんど聞くべき知見が見当たらない中、やはり聞きたくなるのはエマニュエル・トッドだ。

2009年12月1日のインタビュー記事が東洋経済オンラインのサイトに掲載されている(『もし自由貿易が続くなら民主主義は消えるだろう』)。
何しろ、70年代にソ連崩壊を予言し、911事件直後の2002年に『帝国以後』でアメリカの凋落と帝国としてのアメリカの崩壊を予言したエマニュエル・トッド先生であるから、トランプ大統領後に読んでも全く古びていない。

このインタビューでは、リーマンショック後の世界について、二つの可能性について言及している。

欧州にとって、技術的に保護主義の処方箋を受け入れるのは極めて容易です。中国など給与の低い国からの製品輸入を関税などで制限すれば、欧州における労働者の給与は再び上昇し、結果的にそれが世界的な需要の喚起にもつながるのです。

…………

協調的な保護主義は話し合いです。協調的な保護主義の下では、政府がいかに需要を浮揚させるかが優先課題。保護主義の目的は内需の再拡大にあり、各国の利害が内需の刺激策に結び付いています。保護主義経済圏を形成することが(安い生産コストの商品輸入を抑制させ)給与水準の上昇につながる。

 保護主義の目指すところは経済活動を再浮揚させることです。保護貿易主義化が進めば輸入を再び拡大させることができる、それが保護主義のパラドックスです。過度の自由貿易は貿易を崩壊させてしまう。

トッド先生はすでに1998年に自由貿易が格差の拡大だけではなく、世界経済を縮小させることを指摘しており、プラグマティックな保護主義の導入を主張している。

自由貿易の絶対視は一つのイデオロギー。それは、「何もしなければすべてうまくいく、規制の存在しない市場がすばらしい」という考え方です。ただ、すべての国が保護主義的な政策を採用すべきだと主張しているわけではありません。欧州の解決策にはプラグマティックなアプローチとして、保護主義が必要。それには世界各国間での協調体制が前提です。

現在の自由貿易とは何かという点から話しましょう。自由貿易という言葉はとても美しいが、今の自由貿易の真実は経済戦争です。あらゆる経済領域での衝突です。安い商品を作り、給与を押し下げ、国家間での絶え間ない競争をもたらします。

一方、協調的な保護主義は話し合いです。協調的な保護主義の下では、政府がいかに需要を浮揚させるかが優先課題。保護主義の目的は内需の再拡大にあり、各国の利害が内需の刺激策に結び付いています。保護主義経済圏を形成することが(安い生産コストの商品輸入を抑制させ)給与水準の上昇につながる。



一方、トッドはこのインタビューで、エリートを手厳しく批判し、独裁国家の不可避性にも言及している。

保護主義の世界では、民主主義システムの政権担当者は、生活水準と中産階級が大変重要だと考えます。一方、現在の民主主義の危機は自由貿易の危機です。エリートは人々の生活水準に関心を持とうとしません。現在の民主主義は、ウルトラ・リベラルな民主主義であり、エリートが人々の生活水準の低下をもたらしているように見えます。

 フランスは英米と並び、民主主義発祥の国です。しかし今や、支配者階級は自由貿易以外の体制を検討することを拒んでいます。不平等が広がるにつれて、多くの人々の生活水準は下がり始めています。もし、支配者階級が生活水準の低下を促し続けるなら、民主主義は政治的にも経済的にも生き残れない。独裁国家になるのは避けられないでしょう。


エマニュエル・トッドが『デモクラシー以後』を著して、協調的保護主義を提唱したのが2008年、日本でのこのインタビューを受けてからでも、すでに7年が経過している。
果たして、トランプは世界に有害な独裁者なのか。
すでに独裁者の可能性しか残されてはいないのか。


トランプの就任演説では、保護主義と呼ばれる部分は次の通りである(NHKの訳を分かち書きにした)。


この瞬間から、アメリカ第一となります。

貿易、税、移民、外交問題に関するすべての決断は、アメリカの労働者とアメリカの家族を利するために下されます。
ほかの国々が、われわれの製品を作り、われわれの企業を奪い取り、われわれの雇用を破壊するという略奪から、われわれの国境を守らなければなりません。
保護主義こそが偉大な繁栄と強さにつながるのです。

わたしは全力で皆さんのために戦います。何があっても皆さんを失望させません。アメリカは再び勝ち始めるでしょう、かつて無いほど勝つでしょう。
私たちは雇用を取り戻します。私たちは国境を取り戻します。私たちは富を取り戻します。そして、私たちの夢を取り戻します。

私たちは、新しい道、高速道路、橋、空港、トンネル、そして鉄道を、このすばらしい国の至る所につくるでしょう。

私たちは、人々を生活保護から切り離し、再び仕事につかせるでしょう。

アメリカ人の手によって、アメリカの労働者によって、われわれの国を再建します。

私たちは2つの簡単なルールを守ります。
アメリカのものを買い、アメリカ人を雇用します。

私たちは、世界の国々に、友情と親善を求めるでしょう。
しかし、そうしながらも、すべての国々に、自分たちの利益を最優先にする権利があることを理解しています。
私たちは、自分の生き方を他の人たちに押しつけるのではなく、自分たちの生き方が輝くことによって、他の人たちの手本となるようにします。


保護主義に関する「すべての国々に、自分たちの利益を最優先にする権利があることを理解しています」とする部分は、マスコミではほとんど触れられていない。
少なくとも表向き大統領としての建前は、自国の産業の保護のために他国の利益を蹂躙するつもりはないとも読める。
自分の生き方を他の人たちに押しつけるのではなく」などは、これまでの米国にはない謙虚な物言いですらある。





この建前を生かすも殺すも相手国次第である。
独裁国家が支配する世界ではなく、「協調的保護主義」の世界の可能性は未だ残されていると見ておきたい。


保護主義を主唱するトッドの主張は、おそらく世界でも孤立したものだろう。
だからトッドは、このインタビューでこうも述べている。

かつて、旧ソ連の崩壊を予言したところ、実際に崩壊しました。アメリカ帝国主義も予言どおり崩壊するでしょう。今回は条件付きですが、最新著作の中では「もし自由貿易が続くなら、民主主義がなくなるでしょう」と指摘しています。


自由貿易イデオロギーに席巻された世界で、課題は切迫しているのだ。


つまり、民主主義を残したいなら、自由貿易を片付けなければならない、という選択が必要なのです。デモクラシー以後に自由貿易体制の流動化が起きれば、民主主義が残るのです。逆に、自由貿易体制が不平等の度合いを強めたとしたら、民主主義は安定を失います。

欧州にはもはや、「左寄り」政党がありません。フランスの社会党には統治する気がうせてしまいました。右寄りの政党は社会主義者をリクルートしています。ドイツではSPDとCDU、つまり右翼政党と左翼政党が連立政権を樹立しました。仏独ではもう、政権交代の可能性はなくなったのです。政治的・経済的に変化をもたらさない社会が、民主主義といえるのでしょうか。


欧州の民主主義は選択可能性を奪っているとするトッドにとって、他ならぬ米国で帝国主義をやめたと言い、保護主義を主張するトランプ大統領の出現は、意味のないことではないだろう(トランプが結局、ウルトラリベラルかどうかの問題は重ねて留保する)。



自国の利益を最優先することを理解しているとするトランプに対して、どこかの総理のように、慌てて御用聞きに駆けつけるなど、愚の骨頂だし、まして自由貿易を説得するなど、後世の歴史から見れば、犯罪的な行いというしかないだろう。


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追記

  • トッドが、保護主義の可能性を欧州に限定しているのは、日本に対する貿易立国のイメージがあるからかもしれない。実際の日本の輸出依存度は、10%から15%程度で、経済が好調なときほど輸出依存度は低下している。ちなみに2015年の日本の貿易依存度は国連貿易開発会議が調査した206カ国中189位で、米国に至っては197位である。ともに保護主義による内需の拡大で最も再生可能性のある国である。



トランプの登場で、多少、メディアにも対米隷属に触れてはならないというタブーに若干の変化が見られる。

  • TBSのNwes23のオリバーストーン監督インタビュー



  • 1月20日付東京新聞
「トランプ政権でアーミテージ報告書路線は… 日米連携の設計図失う?」

 ドナルド・トランプ氏は二十日(日本時間二十一日未明)、ワシントンでの大統領就任式で、第四十五代米大統領に就任する。安倍政権は、米国の知日派がかつてまとめた「アーミテージ・ナイ報告書」に沿う形で多くの政策を進めてきたが、トランプ氏の就任で、こうした関係は成り立たなくなる。(木谷孝洋)

 報告書は二〇〇〇年、〇七年、一二年の三回、リチャード・アーミテージ元国務副長官、ジョセフ・ナイ元国防次官補ら米有識者が公表した。中国の台頭やテロの脅威に対抗するため、日本が同盟国として軍事面や経済面で積極的な役割を果たすよう求めている。

 安倍政権が行ってきた施策は、野党から「完全コピー」と批判されるほど報告書の内容と酷似している。

 一二年の報告書は、他国を武力で守る集団的自衛権行使の容認、国連平和維持活動(PKO)拡大などを日本に要求。安倍政権は世論の反対を押し切って集団的自衛権を行使できる安全保障関連法を成立させ、南スーダンPKOで陸上自衛隊部隊に「駆け付け警護」などの新任務を付与した。

 経済では、報告書が求めた環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に踏みきり、各国と合意。歴史認識問題にも報告書通り向き合い、韓国と旧日本軍慰安婦問題の解決に向けて合意した。

 これに対してトランプ氏は、発言を見る限り報告書とは方向性が異なる。日本が在日米軍駐留経費で「公平な負担」を支払わないなら日本を守れないと発言。TPPからは脱退を明言した。安倍政権にとっては、設計図を失った形だ。

 アーミテージ氏は十八日(日本時間十九日)、訪米中の茂木敏充・自民党政調会長と会い「中国の脅威に対応する意味でも、日米の連携は極めて重要」などと意見交換した。

 

2017年1月 3日 (火)

20年この長き賃下げ  日本人は耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶのか

失われた20年。
1990年代後半一人あたりGDPで世界3位だった日本の面影は、2015年、26位と見る影もない。



賃金が上がらないのが当たり前のように思い込まされてきた20年、日本を除く国々の賃金は着実に上がっている。
そう、既成権力に対する反発からトランプ大統領を選び、サンダースを押し上げたアメリカでも、賃金は20年間で80%上がっているのだ。
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このグラフは、首相官邸の経済の好循環に向けた政労使会議の提出資料にある。
同じ文書には、現金給与総額の推移のグラフもある。


Genkinkyuuyosougakusuiiyosikawa



現金給与総額では1997年に賞与込みで手取り37万2000円だった月額平均賃金が2012年には31万4000円にまで減少している。
継続的で着実な賃下げを日本人は堪え忍んでいる。
驚異的ではないか。
1995年から切り下げられ続けている日本の賃金。
1995年といえば、阪神淡路大震災の年。
まだインターネットになじみのある人がほとんどいなかった年。
1996年に僕はホームページを作ってみたが、まだ愛知県内に40程度のサイトしかなかった年。
それ以来、賃金が下がり続けている。


現在の日本の賃金水準は、1990年頃にまでさかのぼる水準。
ほとんど30年にわたって賃下げを求められ続けている。
どこの国の労働者が、30年にわたって賃金が上がらないことを堪え忍ぶだろう。


流行の『日本人はすごい!』にたとえて言えば、日本人ほど堪え忍ぶ民族は他にいない。
あたかも自然災害を耐え忍ぶかのようである。


この賃金低下と、正規雇用の減少の間には相関関係があるだろう。
正規雇用の人数は1997年頃を頂点として継続して低下している。
正規雇用の減少を上回る速度で非正規雇用が増えている。


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当然のことながら、非正規雇用率は増加の一途をたどっている。


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(二つのグラフは『しゅんしゅんのぶろぐ』2011年6月14日から)


経済の好循環に向けた政労使会議2016年10月22日には安倍首相の次の言葉が掲載されている。
===================
賃金上昇については、成果が出つつあることを確認いたしました。この動きを更に拡大させていくため、賃金上昇を伴う経済の好循環の拡大、これは同時に、賃金の上昇がなければ経済の好循環を生み出すことはできない、私はそのように考えているわけですし、その認識について政労使で共通認識を深めていきたいと思っています。
===================
こう言いながら、翌年には政府は、労働者派遣法を改悪を強行し、それまで3年以内に限定していた企業の派遣労働者の受け入れを、労働者を入れ替えさえすれば無期限に使うことを可能にした。


非正規の増加には、派遣法の拡大経過が関係している。
労働者派遣法は1996年に対象職種が26種に拡大され、1999年には原則自由化され、2006年にはそれまで禁じられていた製造業の派遣も認められた。
派遣法の緩和が賃金の低下をもたらす構造は明らかだろう。
その構造はむしろ強化された。


日本の政治が関心を持つのは株価だけだ。株価が維持されていれば経済運営がうまくいっているかのように喧伝される。
しかし、株価など張り子の虎だ。
東京市場に上場された株式の33%は外国投資家が保有し、政府関係機関が証券会社等を通して保有する株式がほぼ20%に達したと想像される。
つまりは外資と日本政府関係機関が過半を支える虚構の数字が株価になる。
かつて日経平均株価が4万円をつけたときは外国投資家は数パーセントに過ぎなかった。
現在の株価は経済の実勢を示すものからかけ離れている。
そして、2016年の12月は1ヶ月間、外国投資家は売り越したが、株価は上げた。
年金積立金などの国民の大切な財産が、こうして外国投資家に献上されていく。


いい加減にしてほしい。
湾岸戦争までさかのぼり、ファミコンまでさかのぼり、インターネットさえ想像できない時代にまでさかのぼる、30年近くにわたる賃金低下構造に耐えるなら、もはや日本人は、ただの怠け者ではないか。あるいは家畜同然なのではないか、家畜でさえも怒るのではないのか。


国際競争などという言葉にだまされてはいけない。
日本は貿易立国ではない。
2015年の統計(UNCTAD)で日本の貿易依存度は206カ国中、189位だ。
2014年の日本の輸出依存度は11.4%。
1960年代から日本の輸出依存度は10%から15%前後で推移している。
日本の経済は基本的に内需に支えられているのだ。
食糧とエネルギーの自給さえ政策として位置づけるなら、貿易の拡大を無理に追求する必要は本来、ないはずなのだ。


Yusyutuizondosuii
(みずほリサーチ2007年5月『高まる日本の輸出依存度』から。TPP問題が浮上する前の、このレポートはむしろ輸出依存度の高まりを世界経済の影響を受けやすくなるとして懸念している。TPP以来、そうした議論は全く聞かれなくなったのではないだろうか)


今年は、確実に衆議院選挙がある。
国民の生活にゆとりをもたらす、明確な対立軸を持つ、政治勢力が生まれることを望んでやまない。
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2016年12月13日 (火)

すでに進んでいた日米FTA  傀儡国家?日本

 

Nichibeifta

ゾンビTPP教国会、参議院審議のトピックは、TPPは死んでも、日米並行二国間協議の結果は生きているということが確認されたことにあるだろう。


12月8日の参議院特別委員会の審議について、中日新聞は、共産党の紙智子議員の質疑について次の通り、ベタ記事で伝えている。

---------------

紙智子氏(共産)発効の見通しがないのに、サイドレターは生き続けているのか。

岸田文雄外相 文書は日本のこれまでの取り組みや今後自主的に行う内容を確認したもの。わが国が行っていることなので廃することはない。

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ここでサイドレターは、条約の付属文書一般ではなく、本年2月4日のTPP署名に当たって、非関税障壁に関して日米双方が交換した書簡のことをいい、保険、透明性・貿易円滑化、投資、知的財産権、規格・基準、政府調達、競争政策、急送便及び衛生植物検疫の9つの非関税分野に及ぶ。


交換書簡は、日本側が具体的な措置を行うべき用意があることを申し出、米国はこれを歓迎するという一方的なものだ。


 この中には、各種の審議会について、
「外国の関係者を含む全ての利害関係者に対し、同様の状況において自国の関係者に対して与えられるものよりも不利でない条件で意見書を提出する有意義な機会を提供すること」
「(外国の関係者を含む)利害関係者が審議会等の会合を傍聴し、又は審議会等の会合に出席し、若しくは意見書を提出すること」
等、政策決定に当たり、国内の利害関係者と同様に外国企業の意見を反映させる仕組みを作るとされている。
米国企業が国内政策全般に介入する仕組みを作るということだ。


これは、先般、日本政府が薬価引き下げの機会を増やそうとしたことを受けて、直ちに米国政府や米国商工会議所が見直しを求めたことと符合している。薬価決定システムについて日本の国内だけで決めるのは、ゾンビTPPに附属した、生きている二国間協議の結果に反することになるのだろう。

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ウォールストリートジャーナル
2016 年 12 月 6 日 16:44 JST 更新
米政府、日本の薬価引き下げ計画の見直し要求

米国政府は、日本政府が薬価引き下げの頻度を増やすよう計画していることについて、見直しを求める書簡を菅義偉官房長官に送った。


米国のプリツカー商務長官は12月2日付の書簡で、日本の薬価引き下げ計画にいかに「失望している」かを説明。「医療関連製品のインセンティブ構造だけでなく、市場の予測可能性と透明性に対する深刻な懸念を引き起こす」と伝えた。

東京の米国大使館と首相官邸はこの書簡に関するコメントを避けた。米商務省からもコメントは得られなかった。書簡が菅官房長官に公式に送付されたものかどうかは不明だ。

全米商工会議所は、同様の内容の書簡を安倍晋三首相にも送ったことを明らかにした。


米国研究製薬工業協会の広報担当者、マーク・グレイソン氏は「プリツカー商務長官とトム・ドナヒュー全米商工会議所会頭の書簡は、日本の患者にとって良好なイノベーション環境がいかに重要かを強調するものだ」と述べた。


日本の医薬品市場は米国に次ぐ世界2位の座を中国と争っている。日本の医薬品支出額は今年3月31日までの1年間に7兆9000億円に達した。


日本では政府が薬価を設定しているため、メルクやファイザーなどの米製薬会社にとって日本の政策は重要な関心事となっている。

安倍政権は先ごろ、増大する薬剤費を抑制する措置を講じた。まず、来年2月1日からがん免疫療法薬「オプジーボ」の価格を50%引き下げることを決めた。これにより、オプジーボを使用している平均的な患者の年間費用は30万ドルから約15万ドルに減少する。

また、安倍首相は11月25日の経済財政諮問会議で、薬価改定の頻度を2年に1回から年に1回に増やすことを検討するよう指示した。実現すれば、政府はこれまでより速いペースで高額医薬品の価格を引き下げることが可能になる。

薬価制度の改革を求める人々は、日本がオプジーボに支払っている費用は世界で最も高いとし、医療費を抑制するため柔軟な対応が必要だと訴えている。

 

プリツカー商務長官は書簡でオプジーボの名前を挙げなかったが、「医薬品の保険償還価格を引き下げるためのその場しのぎの制度変更」に落胆していると伝えた。


日本政府の対応は、オプジーボの高額な価格に関する国内メディアの報道を受けたもので、米国でも高額な薬価に対する反発が起きている。


米国ではブリストル・マイヤーズ・スクイブがオプジーボを販売。日本では、初期段階から同製品の開発に携わった小野薬品工業が販売している。小野薬品によると、今年4~9月のオプジーボの売上高は533億円だった。


小野薬品の広報担当者は、政府によるオプジーボの値下げ決定を受け入れたとしたうえで、「国民皆保険を維持することの重要性も認識している」と語った。

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薬価見直しの頻度を増やそうとする国内のやむにやまれぬ政策に対して、介入する有効な機会を与えるのが、「すでに行っている内容」あるいは「今後自主的に行う施策」だというわけだ。


並行二国間協議の政府調達では、政府と全都道府県及び主要な市について、英語を用いた公示及び招請にアクセスできる検索可能なオンラインサイトの利便性を高めるとされている。

とうとう、調達での英語使用が義務化されたと思ったら、日本政府はこれに対して、https://www.jetro.go.jp/en/database/procurement/のサイトが利用可能であることを認識するとしている。
これは岸田外相による「すでに行っている施策」に分類されるのであろう(しかし、まあ、それにしても、いつの間に制度化されていたのだろう)。



さらに、都道府県や市町村、独立行政法人等も含む政府調達について、「不当に競争を制限する慣行を禁止すること」を求めている。地方自治体の入札などでは、県内で実績があること等の条件を付けることがしばしばあるが、これなどは「不当に競争を制限する慣行」に該当することになるだろう。地元産の材料の使用などは、TPP本体の政府調達条項では禁止されているわけではないが、日米並行二国間協議において「不当に制限する慣行」に該当する可能性は排除できない。



また規格・基準の章では、「強制規格、任意規格及び適合性評価手続に関する作業部会を設置する」とされ、作業部会は、貿易上の懸念に対処し、規格・基準に関する日米の協力を強化すること等が決められている。


国際的な規格の使用の促進が謳われていることからすると、唐突に行われた洗濯タグマークのISO化や、温泉マークを含む地図記号の国際化の議論が急に起きている状況は、岸田外相のいう「今後自主的に行う施策」に分類されているのかもしれない。

TPPでは、遺伝子組み換え表示義務に影響がないとされてきたが、今後も維持されるかどうかは日米規格・基準作業部会次第ということになる。

Onsen


TPPの帰趨如何を問わず、有効性が確認された、交換書簡には
「二国間の対話のための既存の枠組みその他の適当な方法を通じた作業を継続することにより、アメリカ合衆国政府との対話に取り組む用意があります」(日本側)
とあり、米国側は
「二国間の対話のための既存の枠組みその他の適当な方法を通じた作業を継続することにより、将来生起しうる非関税措置に関連する特定の問題について日本国政府と更なる対話を行う見通しを歓迎します」
と応じている。


今後の日本国政府の政策決定についても、二国間の作業を継続することを合意しているのである。



もともと非関税分野に関する日米並行協議は、TPP交渉参加時の合意によって、TPPの発効と同時に効力を生じるとされていたもので、TPP破綻後にも効力を生じることは想定されていなかった(交換書簡は国際約束でもなく、法的拘束力がないという言い分はわからなくはないが、それならなぜ、当初の交換書簡では並行二国間協議の結果は「TPP発効と同時に効力を生じる」とされていたのか、訳がわからなくなる)
想定外のトランプショックによってTPPが破綻しても、これを自主的な施策であると言いくるめて、米国の意を体した政策を推し進めると言い張る。



永田町も霞ヶ関も、東京も国も、どこまでが日本で、どこからがアメリカなのか、もはや境目は不明だ。



傀儡政権と言えばよいのか、傀儡とも違うというのか、いずれにしろ主権が内側からひどくむしばまれていることは間違いがない。



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2016年12月 6日 (火)

【サイトご紹介】 参議院TPP特別委員会参考人意見陳述

昨日に引き続き、TPP関連情報ご紹介。
参議院TPP特別委員会での参考人意見陳述の書き起こしがされている。

『そうだったのか!TPP』 サイトから
【公述起こし】11/25参議院TPP特別委員会 中央公聴会 TPP批准する理由なし!4人中3人が反対意見

マスコミのTPP報道と、こうした参考人意見の間には、あまりにも激しい落差がある。

ここで指摘された論点を「公平に」追及し、検討するマスコミすら、ほぼ皆無であるというところに自由貿易真理教カルト集団に乗っ取られた国のマインドコントロールが表れている。

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2016年12月 5日 (月)

『トランプが日本に突きつける新条約が鬼すぎる!』 週刊プレイボーイ本日発売

週刊『プレイボーイ』は今週号もTPP関連特集。
題して『トランプが日本に突きつける新条約が鬼すぎる!』
健全な(笑)メディアを買って応援しよう(^0^)
Playboy161205

エマニュエル・トッドは自由貿易や保護主義は教条的に奉るものではなく、現実に合わせて機能的に使い分ければよいと言い、今は協調した保護主義が望ましいと言っていた(と思う)。
社会は単一のドグマから演繹できるような単純系ではないのだから、世界中のマスコミが振りまいているのは、自由貿易真理教ともいうべきカルト宗教というほかない。
さるメーリングリストの中で自由貿易ドグマにとらわれない「開かれた保護主義」という言葉を見て、悪くない言葉だと思った。
締約国がそれぞれの国民の利益のために協調していくのであれば、保護主義はそれ自体として排除すべきものではない筈だ。

行き過ぎたグローバル化を是正する恰好のチャンスなのだが、好んで隷属する我が国のエスタブリッシュメントでは、FTA(自由貿易協定)からFが落ちて、単なる「TA」=日米通商協定になるのが落ちで、米国の米国による米国のための協定しか見通せないのが何とももどかしい。
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2016年11月28日 (月)

グローバリズムを問い直す東京新聞社説と『サンデーモーニング』の屈服

今朝の中日新聞(東京新聞)で、マスコミでは、初めてTPPをめぐる情勢について、まともな社説を見ることができた。
米英主導で進められてきたグローバリズムは、弱肉強食の競争を招き、行き詰まったとし、公正な価値観から格差を是正しない限り、自由経済は前に進めないとするものだ。

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中日新聞11月28日社説

米TPP離脱 グローバリズム是正を

 トランプ次期大統領の離脱明言でTPPは実現困難になった。発言の底流にあるグローバル化の歪(ひず)みを是正し修復しなければ、自由な貿易は前に進めないどころか、保護主義へと転落しかねない。

 世界中の新聞、テレビ、雑誌、ネットにあふれる論評、解説がトランプ氏の米大統領当選の衝撃を物語っている。

 なかでも重要な指摘のひとつに「歴史の転換点」がある。

 第二次世界大戦後、自由、人権、民主主義という理念、価値観を掲げてきた米国は内向きになり、外交も安全保障も経済も米国にとって損か得かという「取引」「米国の利益第一主義」に変容していく。米国が主導してきた国際政治、経済の枠組みの終わりという見方だ。

 冷戦終結後の一九九〇年代以降、米英を中心に加速した経済のグローバル化は、多国籍企業が富の偏りや格差の拡大を意に介せず利益を追求する貪欲な資本主義、マネーゲームの金融資本主義に化けた。負の側面が露(あら)わになったグローバル化は、その意味を込め「グローバリズム」と呼ばれるようになる。

 トランプ氏を大統領に押し上げたのは、グローバリズムに押しつぶされる人々の既得権層に対する怒りだった。これを黙殺して貿易の自由化をさらにすすめる環太平洋連携協定(TPP)からの離脱は、当然の帰結といえるだろう。

 貿易立国の日本は戦後、関税貿易一般協定(ガット)や世界貿易機関(WTO)を成長と安定の土台にしてきた。このため自由貿易の停滞や保護主義の台頭を懸念する声は強い。

 だが、米国をTPPから離脱させる力は、過剰な利益追求や金融資本のマネーゲームに振り回され、暮らしが破綻に追い込まれつつある中低所得者層のぎりぎりの抵抗にある。その事実を直視しなければいけない。

 二十四日の参院TPP特別委で安倍晋三首相は「自由で公正な経済圏を作っていく。日本はそれを掲げ続けねばならない」と審議を続ける理由を説明した。

 強者の自由が行き過ぎて弱肉強食となり、社会の公正は蔑(ないがし)ろにされてTPPは行き詰まった。

 グローバリズムの欠陥、その象徴である経済格差を「公正」という価値観で是正しない限り、自由な経済は前に進めない。新たな対立を生みだして世界を不安定にする保護主義の台頭を防ぐことはできない。

一方、ほんの1ヶ月前には、初めて暮らしの仕組み(非関税障壁)と結びつけて、ISD(外国投資家が国家を海外の私的裁判にかける仕組み)を含めてTPPをまともに取り上げていたサンデーモーニングは、まことに妙なことになっている。

まず、10月23日のサンデーモーニングがこちら。
この程度というなかれ。
全国ネットの地上波で、こうした指摘は全くなかったと言ってもよいくらいなのだ。

この回の放送では、コメンテーターが「特にISDが問題」と指摘したところ、関口宏が「なんですか、それ」と突っ込む一幕があった。



さて、昨日のサンデーモーニング、寺島実郎氏が登場して、TPPを解説した。

自動車関税に関する部分の書き起こしは次の通りだ。

産業にとって、隣の韓国からアメリカに車を輸出するときには、アメリカで2.5%の自動車関税がかからないという、自由貿易協定がありますから、そうなっているんです。
ところが今回のTPPの中身では、日本車の対米輸出には、2.5%を15年間くらいかけるという状況になっているんですよ。
二国間と言うことになった機会に、自動車関税について日本として筋道を立てて提出するということは大いにあり得ることなんですよ。

これを聞けば、韓国車には自動車関税がかからないが、日本車にはかかるから不公平な競争を強いられているかのような印象を受けるだろう。

 

関税は、僕の分野ではないが、さすがにこれには、あきれた。
この短い指摘の中で、単純ミスが二つ、本質的なミスが一つある。

一つは、韓国車には自動車関税が2.5%かかっている。したがって、今現在、日本車と韓国車と輸出に関する競争条件は平等である。
米韓FTAは、いったん自動車関税即時撤廃で成立しながら、米国から再交渉を求められ、米韓FTA発効から4年間は2.5%の関税が維持されることとなった。
したがって、韓国車の関税が撤廃されるのは、5年目に入る来年からであり、自動車の対米輸出についてこれまでは日韓の間に関税上の条件の差はなかった。

二つは、TPPで2.5%の自動車関税が撤廃されるのは15年後ではなく、25年後である。
したがって、いくら早くても、自動車関税が撤廃されるのは2040年代という気の遠くなる話だったのだ。
人工知能が人間の能力を凌駕するとされる時期に重なるような、そんな先の日米の産業構造がどうなっているのか、自動車産業の勢力関係がどうなっているのか、誰も予測できないだろう。

 

三つ目は、日本車と認められ関税撤廃の対象となるための要件に関する。
TPPか、日米FTAかという点では、この点の方がより本質的な意味を有する。
海外生産部品でも国内で組み立てれば日本車という訳にはいかない。
計算方法は複雑でよくわからないが、TPPでは55%が加盟国域内で生産されていることを関税撤廃の対象となる条件とされていた。
このパーセントは、日本以外の加盟国の域内の生産も含むことができるため、日本側の提示した40%より厳しい基準であったが、合意に至っている。
二国間条約である日米FTAでは、条件が変わってくる。
域内部品生産で日本車とみなすわけにはいかなくなる。
自動車が日本製と認められるためには、部品の相当部分が日本国内で生産される必要が出てくるだろう。
仮に2.5%の関税の撤廃が決定的な意味を持つとすれば、日米FTAでは自動車産業は米国に生産拠点を移さざるを得なくなる。
米国との二国間の自由貿易協定では、国内の自動車工場が閉鎖される可能性があるということである。

強硬派人事で固めるトランプ登場で恐れるべきこと2016... 投稿者 gomizeromirai

寺島氏は、三井物産戦略研究所所長を務め、今は同研究所の会長であり、その経歴から誰もが、貿易や関税の専門家であると認める人物である。
こうした単純な誤りは、氏が肝心の自動車関税がどのように決着したかについて、ほとんど関心がないことを示しているといえるだろう。
また、多国間の協定で日本の自動車産業が置かれる条件と、二国間の協定で置かれる条件の決定的な相違にも関わらず、TPP賛成が、日米FTA賛成に、そのまま鞍替えできることは、氏が、もともと日本にとっては米国との自由貿易協定が目的だったと説明してみせても、納得できるものではない。
 
要するに、寺島氏は、 自由貿易ありきの結論にしたがって、議論をしてみせているだけで、実際に日本の自動車産業にどのような影響が及ぶかは、つけたしでしかないのだ。
 
グローバル企業のための『自由貿易協定』がもたらした格差に悲鳴を上げ、きしむ世界と歴史を直視して、いわば立ち止まる勇気を説く東京新聞の社説に比べ、寺島氏の何が何でも米国との協定をという論はイデオロギーにしか聞こえない。
それにしても、1か月前には、関税以外の分野にも踏み込んだ報道をしようとしていた『サンデーモーニング』が、専門家である寺島氏を起用して、またもや関税の論点に逆戻りさせてしまったのには、作為を感じる。
 
関税以外の分野に踏み込もうとしたことが、その筋の逆鱗に触れ、自由貿易至上主義者がいなければ、TPPに触れてはならないことにされたとしか思えない。
 
寺島氏のTPPの説明が終わると、関口アナはわざわざ「この話じゃなくていいので、女性陣から意見をうかがいましょう」、「トランプ現象についてどう思うか」とトランプのTPP離脱問題にこれ以上触れないようにしようとした状況がありありであった。
 
 
平日のニュース番組は、全滅状態になった。
残る週末のニュースも、視聴率の高い順に、覆されていくのだろう。
テレビが、ますます、つまらなくなる。
せっかくの女子アナや番組制作者の勇気が台無しである。
 

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2016年11月24日 (木)

宙に浮くTPP対策予算  『「ゾンビTPP」利権』に踊る者たち

11月23日の中日新聞1面トップ。

『宙に浮く1兆1900億円』の見出しが衝撃的だ。
当たり前の記事だが、今の言論界では、このことすら伝えるマスコミがない。
まして、適切に一面トップで扱うのは勇気が要ることですらあるかもしれない。
 
 
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マチベンのコピー機では下が切れるので、重複して続きをコピ-。
 
 
 
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この記事は、WEBでも見ることが出来る。
東京新聞2016年11月23日 朝刊

日本の予算1兆1900億円 米、TPP離脱を表明

 トランプ次期米大統領が環太平洋連携協定(TPP)から脱退する方針を表明した。日本政府はこれまでに約一兆一千九百億円の関連予算を組み、発効に備えてきたが、多額の税金を使う前提そのものが崩れかけている。政府は根底からの政策見直しを迫られそうだ。

 政府は二〇一五年度補正で四千八百七十五億円、一六年度当初で千五百八十二億円、一六年度補正で五千四百四十九億円のTPP関連予算を計上した。いずれも一五年十一月にまとめた「総合的なTPP関連政策大綱」に基づく措置だ。

 これらの予算の消化状況について、内閣官房TPP政府対策本部の担当者は「一五年度分は既に原則執行された。一六年度の予算も各省で適切に執行されている」と説明する。

 例えば経済産業省は、中小企業の海外進出などを後押しする組織を官民共同で設立。全国の商工会議所などで経営者らの相談に応じる。今年六月にはメキシコにも窓口を設けた。そのための予算は一五年度補正と一六年度当初で計二百四十一億円に上る。農林水産省は一五年度補正で、長野県富士見町のレタス保存用冷蔵庫や、石川県白山市のコメの乾燥施設の整備費などに補助金を出す「産地パワーアップ事業」に五百五億円を計上した。

 だが一兆円超の税金の使い道の前提になるTPPの発効は、経済規模の大きい日米両国の国内承認が不可欠だ。そもそも米国議会での承認は、これまでも足踏みする可能性があると予想されており、今後は政府の見通しの甘さへの批判が強まりそうだ。

 今のところ政府は発効の望みを捨てていない。安倍晋三首相は米大統領選後も国会審議で「TPPは終わっていない」と強調。だがトランプ氏はTPPに代わって日米二国間の自由貿易協定(FTA)に軸足を移す、と明言している。

 第一生命経済研究所の熊野英生氏は「参加国で統一ルールを作るTPPとFTAは似て非なるもの。米国から厳しい要求を突きつけられ、日本は貿易自由化に逆行する立場に追い込まれる懸念がある」と指摘する。政府が成長戦略や通商政策の再検討を迫られるのは必至だ。  (矢野修平)

アベノミクスの異次元緩和とやらで、すっかり数字の感覚が麻痺してしまったが、TPPの御旗の下で、国民一人当たり、ほぼ1万円を強制的に拠出させられたのだ。
 
 
目標が消滅しても、突き進む狂気沙汰国会の「合理的な」原因の一つは、これだ。
僕は今週号のプレイボーイで、巨額予算化されたTPP対策費は、農家向け与党選挙対策費として、『TPP利権』化していることを指摘して、利権集団にとっては、『TPP利権』を守るために、何が何でもTPPの消滅という事実を認めるわけにはいかないのが強行採決の理由の一つとコメントさせてもらったが、コメントの中で、平成28年度で5000億円規模というのは、やや控えめすぎて、7000億円規模である。
国民はTPP募金で一人当たり5000円以上を拠出させられているのだ。



そうして、TPPが今国会で承認されれば、ゾンビTPPのために、毎年毎年、利権集団にTPP募金を強いられ続ける仕組みになる。


ちなみに強行採決とTPP対策費のからくりは、フェイスブック友達のT氏のパクリである。
国会で審議するのは、まず、TPP対策予算の見直しでなければならない。


目指すべきは、『TPP利権』確保のためのTPP国会承認強行でも、TPP自然承認でもないはずだ。
衆議院はTPP承認決議を撤回して、予算の見直しをすべきだ。
 
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TPP反対論は、「TPPお化け」なぞと揶揄されることもあったが、今は、推進側こそが「ゾンビTPP」の信奉者、一種の狂信的な宗教団体のごとくなり果てているというべきである。

11月23日の全国紙の社説は、トランプのTPP離脱批判一色のようである。読売や日経は当然としても、朝日や毎日は、リベラルと思われているだけにひどい。
二紙とも、日本政府は粘り強く自由貿易の重要性をトランプ政権に働きかけていくべしとし、批准を急げといわんばかりである。
 
こんなものは政府広報と同じではないか。
グローバリズムが各国内の格差拡大を招いた。
富裕層との絶望的な格差と断絶が、排外主義を招く。
グローバリズムに加担して、ヘイトの土壌を培養しているにも関わらず、排外主義を厳しく批判する。
そんな傲慢な上から目線がヒラリーを拒絶させ、トランプを押し上げたことがわかっていて、なお、構造的格差の拡大に加担すべく『自由貿易』を煽る。



仮に朝日や毎日がリベラルなのであれば、それはロールズなどのいうリベラルと異質の、グローバル資本や投資家にとっての自由(リベラル)追求を意味しているに過ぎない。
かくして、大新聞は、TPP断固阻止からTPP断固推進に劇的転換を果たした自民党の太鼓持ちを演じる。
挙国一致ゾンビTPP教国家である。
 
ゾンビTPP教国家の行く末は、論理的に一見逆なようにも見えながら、政治的には一貫性がある、日本にとって限りなく過酷な日米FTAの受け入れにつながるに違いない。

2016年11月22日 (火)

加速する日米FTA 書きもらし

トランプはTPPを離脱して二国間の貿易協定を進める意向を明確にした。
安倍との会談で交わされたはずの会話、肝心な部分を書き落としていたので、加えておく。
トランプ「自動車は35、コメはゼロ」
安倍「イエス。サー」


《21世紀の貿易ルールを作る》
実態は売国以外の何物でもない。

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