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カテゴリー「TPP」の326件の記事

2017年7月 6日 (木)

売国の日EU経済連携協定(EPA)  隠蔽される最恵国待遇の罠

日本とEUの経済連携協定の大枠合意が報じられている。


何度でも繰り返して言うが、現在の自由貿易は、貿易を自由化するという枠を大きく超えている。
『非関税障壁の撤廃』を旗印にして、関税ではないが、グローバル企業の侵入と活動を制限する国内の仕組みを一挙に変えてしまおうとするものだ。
それとわからぬまま一般市民の生活をめぐる仕組みはグローバル企業が支配しやすい都合の良いルールに書き換えられてしまう。


日EU経済連携協定も例外ではない。
非関税分野で、僕の想像を超えた、厳しい条項が盛り込まれている。


Baikokudoabesinzou_3


しかし、今日のところは、関税問題について触れておきたい。
メディアの報道があまりにも偏り、問題を隠蔽しているとしか思えないからだ。


メディア報道は関税だけに絞られている。
そして、あたかも日本とEUとの間で取り決められた関税は、日本とEUの間だけで適用されるかのように報道されている。

 

あのね、メディアの皆さん、皆さんはみんな優等生だったんだろうから、知ってますよね。
たぶん、中学校(高校だったかもしれないけど)で習ったよね。
貿易協定の基本原則の一つが最恵国待遇だってことくらい。
まさか知らないわけないよね。


第三国に与えた優遇措置は、最恵国待遇条項を介して既存の貿易協定に及ぶ。
知ってないわけないよね。
だから、日本とEUで取り決められた関税については、すでに日本が貿易協定を結んだ全ての国に波及するということ。


日本はすでに15の国と地域と経済連携協定を結んでいる。
中でも、問題なのは畜産・農業大国オーストラリアとの経済連携協定だ。
要するに、今回EUとの間で合意した関税は、オーストラリアにとってより有利なものであれば、オーストラリアにも当然に適用されることになる。


EUとの合意がオーストラリアとの経済連携協定を超えている品目が何かを検討する時間的余裕はない。
しかし、ざっと見て、豚肉、ワイン、パスタ、チョコレート、バッグ・革靴などが、オーストラリアとの経済連携協定より低関税である可能性がある。
したがって、これらに関する関税はEUとの経済連携協定発効と同時に、オーストラリアにも適用されることになる。


むろん、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ベトナム、ペルー等々、日本と経済連携協定を結んでいる諸国にも適用されることになる。


当然、現在交渉中のカナダとの経済連携協定などは、EUとの取り決めが出発点となる。


こうした全てを想定して、関税決着の得失は検討される必要がある。
中学校レベルの知識で、当然の論点だ。
ところが、これに触れる報道は、皆無、ゼロ、全く存在しない(怒)!!


国民の支持を失った安倍政権が、頓挫したTPPに代わって決定的な売国条約を結ぼうと急いでいる。
現代自由貿易は後戻りの利かぬ一本道だ。
EUだからいい、等という問題ではないことを肝に銘じるべきである。


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これほどメディアが口をつぐむと、正直、自分が間違っているのではないかと不安にすらなる。
しかし、これはどう考えても、中学校レベルの知識の適用問題である。

なお、主題とは直接関係が無いが、ネットを見ていたら、日本農業新聞の論説が見つかったので、念のために貼り付けておこう。

日本農業新聞 2017年07月03日 論説

緊迫する日欧交渉 農業保護で大きな格差

 閣僚協議で打開を目指した日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉は自動車やチーズで隔たりが埋まらず終了、今後も重大局面が続く。政府・与党は、再生産が可能になるよう「必要な国境措置をしっかり確保」するとの譲れぬ一線を掲げる。ただ、交渉相手の検証を重ねたのか疑問がある。EUの場合、手厚い農業保護が日本とは大きく違う。そうした視点も不十分なまま、ヤマ場の交渉に突き進むのは極めて危険だ。

 そもそも関税とは何のためにあるのか。その基本を忘れてはいけない。関税は、国内産業を守るために国際的に認められた措置だ。農産物の場合、各国の間に国土条件や、それによる経営規模の違いなど、生産者の努力では埋めきれない競争条件の差が歴然とある。

 環太平洋連携協定(TPP)が問題なのは、経営規模があまりに違い過ぎるからだ。日本の平均経営面積2.45ヘクタールに対し、米国は70倍以上の175ヘクタール。オーストラリアに至っては1200倍の3000ヘクタールに達する。これほどの差がありながら、関税の大幅削減・撤廃を受け入れ、政府が言うように農業に影響がないのか。農業者の疑念はいまだに拭えない。

 EUの加盟国の平均経営面積は、米豪ほどではないものの、ドイツは55ヘクタール、フランスも54ヘクタールある。日本の20倍だ。EPA交渉で焦点の酪農は、1戸当たり経産牛飼養頭数が日本の48頭(北海道68頭)に対し、フランス51頭、ドイツ54頭、デンマーク149頭。一部の国を除けば「EU並みの規模拡大を実現」(農水省)と一見、日本が対等に競争できる水準に近づいているかのように錯覚する。

 だが、日本とEUの間には経営規模以外に大きな違いが存在する。農業政策だ。農家所得に占める補助金の割合は、日本は4割弱。一方、フランスは9割以上、ドイツも7割近くに上る。手厚い農業保護により、EU農家は農産物価格が下がっても経営を維持できている。価格競争力も強い。EUの生乳価格は、世界で最も競争力があるニュージーランドと同水準だ。

 EUの農政転換は1992年に始まり、長い歴史がある。93年に決着したウルグアイラウンド農業交渉に対応し、関税や国内の支持価格を引き下げる代わり、直接支払いで農家を守るという方向に明確に踏み出した。

 そのEUと闘う日本の農政はどうか。直接支払いは中山間地域対策や環境、農地維持では導入されたが、
所得補償を狙いとする直接支払いは、ようやく民主党政権で芽が出た。その米の直接支払交付金(10アール当たり1万5000円)は現政権で半減され、来年なくなる。関税の削減・撤廃を掲げるTPP、EPA交渉を推進しながら、その保護装備を外すという、EUとは正反対の対応だ。政策的な条件格差を自ら広げた以上、日本に関税を削減できる余地は極めて狭い。安易な譲歩は許されない。

2017年6月30日 (金)

安倍・稲田へのレクイエム  都議選雑感3

テレビを眺め、週刊誌を見ている限りでは、某国は本当に安倍政権を見限ったように見える。
安倍とその取り巻きという、揃いも揃っておつむの弱い連中のことだから、それもわからず、無駄な抵抗をしばらく続けるかもしれないが、あがけばがくほど、連中の行く末は惨めなものになる。
このことは財閥と癒着した隣国の大統領が、某国ないしは某国のグローバル企業の意に反した結果、どれほど哀れな末路をたどったかを見れば明らかというものである。


極右グローバリストは、極右超グローバリストに席を譲る。



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安倍晋三は、宗主国では批准される見込みのないTPPを強行採択し、TPP関連11法を強行採決するという暴挙を犯し、『瑞穂の國』を遺伝子組み換えグローバル企業に差し出す種子法廃止法を強行採決し、さらには生命の源となる水を外資に差し出す水道法改正を強行した。
かくまでグローバル資本に奉仕しながら、安倍晋三は、実は、グローバリズムというものが何たるかを理解していない。

Abeyameru

だから、虎の尾を踏んじまう失態もあったし、失態を犯したことにも気づかなかった。


オプジーボは、適応患者が470名程度のごく少数の皮膚ガン(メラノーマ)の患者に有効だとして保険適用が認められたガン治療薬で、患者一人当たり年間3500万円という途方もない薬価がつけられた。
オプジーボは、認可後まもなく、非小細胞肺がんに対する有効性も認められて保険適用されることとなり、適応患者数は5万人(製薬会社は1万5000人としている)へと一挙に膨れあがった。
その結果、オプジーボだけで年間1兆7000億円もの莫大な薬剤費に保険適用がされる恐れが生じた。
薬価の見直しは2年に1回とされており、次の見直しは2018年4月であったが、オプジーボの薬価は緊急に今年の4月から半額に引き下げられた。
また、薬価見直し制度も1年に1回実施するよう改められた。


異例の薬価切り下げを実現したのは、報道による限り、何と安倍晋三、その人である。


この人は基本的におつむが弱いから、TPPを推進するということは、そうした国家の権力の発動を禁止することになるのだということを理解していない。
案の定、メーカーの小野薬品工業は了解したものの、米国製薬業界からはむろん日本の製薬業界からも強い批判を受けた。
TPPでは、そういう国家のわがままは許されない(主権が制限される)ということすら、理解できないほどに、この総理は頭が悪いのである。



==================


司法試験に合格したくらいだから、稲田朋美は頭が悪いという訳ではないとは思うが、その言動を見れば、自分がしていることの意味を理解する能力に著しく欠けている。
とうてい防衛大臣の器ではないことは明らかである。

Inada

稲田防衛相とのつきあいもまもなく終わりそうだから、この際、公平を期すために、世間の知らぬ、稲田朋美の善行を挙げておいてあげる。


先の国会では、民法(債権法関連分野)の大改正がなされた。
会計基準だとか、会社法だとか、特許法だとかがグローバル基準に改正されても、庶民には縁遠い問題に思える(マチベンもそうだ)。
しかし、民法はそうはいかない。
庶民の日常生活は基本的に民法に規律されているのだから、その大改正は甚だしい影響を庶民の生活に及ぼす。
主導したのは、米国仕込みの特殊な学説を唱える東大の学者と法務官僚だ。
明治以来基本的な改正がない分野の大改正だから、今後、しばらくは、庶民もマチベンも大混乱を覚悟しなければならない。


この民法大改正の中に、日本の契約法の根幹を米国法化しかねない毒が盛られていた。
契約違反があった場合の損害賠償の条文に、日本民法に全く存在しない概念を盛り込もうとしたのだ。

 


日本民法の契約違反の損害賠償義務は、『債務の本旨に従った履行をしないとき』に発生する。
何ともまあおおらかな規定になっている訳だが、『債務の本旨』に関しては、明治以来の百年以上にも及ぶ判例の蓄積がある。
したがって、こうしたおおらかな規定であっても、共通理解が確立しているから何も困ることはない。
また、おおらかな規定は、時代の進展に応じて、柔軟な解釈を行うことも可能にしてきた。


これに対して、特殊な学説を主張する東大の学者と法務官僚は、賠償責任を負うべき場合を『契約によって引き受けた義務を果たさないとき』に変えようとした(厳密には『契約で引き受けなかった事由については責任を負わない』と規定しようとした)。


契約によって引き受けた義務という考え方は、米国法由来だ。
米国の契約法では、想定しうる限りのありとあらゆる事態に備えた契約書を作成する。
契約関係において強い立場に立つ者は、ありとあらゆる責任を免れるように膨大な免責条項を盛り込んだ契約書を作ることも可能になる。
契約違反に関する損害賠償の規定を変えることによって、日本の契約実務が一挙に米国化するという、そういう規定が毒素条項として盛り込まれようとしたのだ。
当然ながら、個々の弁護士は皆、反対だった。
しかし、へたれの日弁連は何も異議を言わなかった。


米国契約法化は結果的には阻止されたのだが、これを阻止したのは何とまあ、驚くべきことに、稲田朋美だった。

 


東大学者と法務官僚の企みに猛然と立ち向かったのは、名古屋大学の名誉教授加藤雅信氏。
東大教授の野望を痛烈に糾弾し、民法債権関連分野の大改正に猛烈に反対した。
これが法務大臣だった当時の稲田朋美の目にとまった。
稲田朋美は民法改正の行方に危機感を持ち、急遽、規制改革会議の場に、加藤雅信氏を招き、その意見をヒアリングする機会を設けた(法務省の担当官の意見も聴取した)。
さすがの規制改革会議のメンバーも、この契約法理の変更に疑義を持つこととなった。
企業法務を含め、日本の企業活動が大混乱することは目に見えていたからだ。


何ともまあ、何度でも驚いてあげるが、稲田の機転が、日本の契約法を根本から米国法化するという東大学者と法務官僚の野望を砕いたのである。


最大の毒素条項が除かれた今でも、民法大改正には、大方の弁護士は反対である。
現行民法で問題は何も起きていないからだ。
壊れていないものを直すという愚は、放火(法科)大学院でさんざん経験したのに、またぞろ壊れていないものを全面改修するというのであるから反対して当然である。

しかし、へたれの日弁連は何も言わない。
むしろ推進する側に立つ。
日弁連は、おそらく20年この方、法務省のなんちゃら委員会に日弁連枠を得るのと引き替えにすっかり権力にすり寄るようになった。
安倍晋三が、最高裁裁判官の弁護士枠を事実上、無効化しようが、稲田朋美に献金している中本日弁連は静観の体である。


自分のしていることの意味がわからない稲田朋美でも、一応、良いこともしたのである。
それもこれも、TPPを進めるということは全面的に米国法化することだということを知っていても、何かしら許されないという感覚を稲田朋美が持っていたということである


=============================


同じ極右グローバリストでも、小池百合子には、これがない。
都民ファーストは、国政政党ともなれば、完全に米国ファーストである(まさか、国民ファーストではあるまい。それではまるで「国民第一」で小沢一郎と変わらなくなってしまう)。


小池百合子は、安倍晋三よりは賢こそうだから、宗主国の意図を理解し、間違っても、高額に過ぎる薬価を切り下げるような馬鹿なまねはしない。
国民皆健康保険の崩壊ないし空洞化こそが米国とグローバル資本の望むところだからである。


先の国会で、積み残した(提出されなかった)のは、解雇自由化法と残業代ゼロ法、そして親学肝いりの家庭教育支援法。
とうてい、安倍晋三では耐えられそうにない。自民党小池派に引き継がれる。
耐用期限が過ぎた総理はすげ替えられるのである。
変にあがけば、末路は悲惨である。


それとともに都民ファーストに踊らされる国民は、さらに悲惨な行く末が待っている。
さらにさらに警戒せよ。

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自民党東京都連会長の下村博文に対する加計学園の闇献金に関する週刊文春の記事は、詳細・具体的で、圧巻だった。下村博文はとうてい抗し切れまい。
出元が文春であればこそ、安倍退陣は、確定路線に思えてならないのである。


些か先走った予想ではある。予想は3割も当たれば高打率ということで間違っていたとしても許されたい。
ちなみに、マチベンは2013年12月時点で、特定秘密保護法を作ったのは米国だと示唆した。今年になって、スノーデンの証言によって裏付けが得られた。
2015年12月、『慰安婦』に関する日韓合意は、このままでは、とうてい保たないと書いたが、これも当たりそうである。
そういうことで、たかがマチベン、されどマチベンなのである。

2017年5月12日 (金)

種子法廃止 資料へのリンク

◎主要農作物種子法を廃止する法律
主要農作物種子法(昭和二十七年法律第百三十一号)は、廃止する。
附 則
この法律は、平成三十年四月一日から施行する。

Gekkannippon1705


月刊日本5月号が種子法廃止を特集している。

【特集①】 おコメが食べられなくなる!!
三橋貴明 種子法廃止は亡国への道
山田正彦 イネの苗の価格は10倍になる
山田俊男 種子の生産が外資に独占される
篠原 孝 農政を牛耳る財界と御用学者
印鑰智哉 モンサントが農民から種を奪う
八木岡努 種子の生産を企業に任せるな


力のこもった特集のリード部分を引用しておこう。


 「モンサントの遺伝子組み換えコメしか食べられない」。「古来から守り育ててきた伝統的な稲作もできない」。
 そんな状況に、早晩日本人は陥るだろう。4月14日に主要農作物種子法を廃止する法案が成立したからである。
我々日本人は、イネの原種、原原種、優良品種を営々と守り抜いてきた。各都道府県が予算を与えられ、責任を持って種子の開発、保存に努めてきたからである、それを裏付けていた法律が種子法にほかならない。アメリカにおいても、イネの種子は州立の農業試験場や州立大学が中心となって開発している。
 本来種子は、人類の「公共財」として保護されなければならない。種子は一部の企業の私有材ではない。ところが、モンサントなどの種子企業は、種子を世界の農民から奪い、独占しようとしている。やがて我々の食料、つまり我々の生命は、一部のグローバル企業に握られるということである。4月13日の参議院農林水産委員会に参考人として呼ばれた西川芳昭・龍谷大学教授が紹介した言葉「種子が消えれば、食べ物も消える。そして君も」が示す通りだ。


種子法廃止法が4月14日、恐るべき拙速で可決された。
こと資本の息がかかった分野では、マスコミの沈黙は驚くべきものだ。


検索で見つけられる範囲では、一般マスコミでは、わずかに毎日新聞が4月20日付けで“種子法廃止に広がる不安”と題して伝えるだけだ。

「食糧政策の抜本的転換に際し、本質的な議論はほとんどなかった。種子法廃止が政治日程に上がったのは、昨年10月6日に規制改革推進会議の農業ワーキンググループで問題提起されてからだ。農水省は「民間活力を最大限に活用するため」と主張したが、優良な種子の生産・普及に国や都道府県が責任を持つ体制を廃止しなければならない理由について、詳しい説明はなかった。」

記事では4月10日に緊急に開かれた院内集会(第2回)の模様が伝えられており、記者の強い問題意識も十分に伝わる内容だ。
突然の種子法廃止はとうてい納得できるものではない。
マスコミの現場では、他にも種子法廃止に強い危機感を持つ記者が記事を書いているだろうが、握りつぶされているに違いない。


このため種子法に関する情報はおそろしく乏しい。
『日本の種子(タネ)を守る有志の会』が、2回にわたった院内集会の記録を超スピードででまとめている。非常に貴重な資料だ。
この記録がなかなか検索にかからないので、リンクしておこう。


第1回2017年3月27日『種子を守る会院内集会報告』

第2回2017年4月10日『主要農作物種子法廃止で日本はどう変わるのか』


食糧政策の抜本的転換に際し、本質的な議論はほとんどなかった。種子法廃止が政治日程に上がったのは、昨年10月6日に規制改革推進会議の農業ワーキンググループで問題提起されてからだ。農水省は「民間活力を最大限に活用するため」と主張したが、優良な種子の生産・普及に国や都道府県が責任を持つ体制を廃止しなければならない理由について、詳しい説明はなかった。

ニュースサイトで読む: https://mainichi.jp/articles/20170421/ddm/013/040/004000c#csidx816a3c98ca3a76cb9bfd267c40ae0b5
Copyright 毎日新聞

なお、第1回の院内集会については農業協同組合新聞3月30日に京都大学大学院経済学研究科の久野秀二教授(国際農業分析)の講演の概要をまとめた記事がある。


あまりにも拙速に進められた種子法廃止は、これで終わりにはできないし、終わりではない。

山田正彦元農水相らは種子の公共性を守るため公共種子保全法など新法を議員立法として進めることを提案している。
日本の種子を守る闘いは続くのだ。

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2017年3月10日 (金)

情勢急 種子法廃止

与党が衆参両院で3分の2を得た結果、国会は壊れた。
法案を出せば、何をしても通過することがわかりきっているので、議論の無駄とばかりに採決にかけることだけを目指している。
TPP批准強行、年金カット法強行、カジノ解禁法強行と続いた前国会に続いて、議論があることすら知らぬ間に種子法廃止が来週にも衆院で可決される情勢だと伝えられている(はたろぐ3月8日「大臣から趣旨説明がされたので、与党は来週中の衆院委員会で審議・採決をめざす方針です」)。
主要農作物種子法は昭和27年制定の法律だから65年にわたって日本農業を支えてきた基盤ともなった法律を一気に廃止するという。



そもそも種子法とは何かから、比較的丁寧に説明した記事を赤旗(3月9日付)で見つけた。
WEBにはないようなので、書き起こしておこう。
愛国を自称、強制する連中が、グローバル企業による「瑞穂の国」侵略のお先棒を担ぎ、条件整備に余念がない。


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農業壊す「競争力強化プログラム」③ 種子を企業へ「開放」 

 今国会には、主要農産物種子法の廃止も提案されています。「競争力強化プログラム」が、資材に関して「合理的理由のなくなっている規制は廃止する」「戦略物資である種子・種苗については、民間活力を最大限に活用した開発・供給体制を構築する」と提起していたことを受けたものです。

今も大事な役割
 主要農産物種子法(以下「種子法」)は、稲、麦、大豆の種子の開発や生産・普及を都道府県に義務づけています。食糧としての重要性や、野菜などと違い短期間での種子の開発・普及が困難であること、などのためです。
 この制度の下で、都道府県は試験研究の体制を整え、地域に合う品種を開発し、「奨励品種」に指定、さらには原原種や原種の生産圃場の指定、種子の審査、遺伝資源の保存などを行ってきました。

 制度発足から半世紀以上が経過し、食料・農業をめぐる状況が変化したとはいえ、稲などの品種の開発・普及に公的機関が責任を負うことで優良品種を安定して供給するという大事な役割は今日でも変わりません。

 ところが、政府は「状況の変化」を理由に、「見直し」どころか一気に廃止を提案してきたのです。現場から「廃止」の声は出ておらず、規制改革推進会議の議論だけを根拠にした乱暴な提案です。

 政府は、「都道府県による研究開発が阻害されることはない」と説明しますが、体制や予算、原種圃場の指定などの法的根拠を廃止して、どうしてそう言い切れるのでしょうか。種子の管理や基礎研究が次第に後退するのは否めないでしょう。

 他方で、前回触れた競争力強化支援法案では「国が講ずべき施策」として「都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進する」ことを掲げています。種子法「廃止」が、公的機関が主に担ってきた稲などの種子開発を民間企業に「開放」することに最大の狙いがあることは明白です。

食料安保脅かす
 加えて指摘しなければならないのは、現行制度の下では公費で負担している稲などの開発・普及コストの多くが、民間にゆだねれば、すべて種子代に転嫁せざるを得なくなることです。「資材価格の引き下げ」という「競争力強化プログラム」の掛け声に反することはいうまでもありません。


 種子法の廃止は、安倍政権の「農業競争力強化」の路線が「農業者のため」といいながら、農業・農村での企業のビジネスチャンス(商機)の拡大に狙いがあることを示すものです。

 「種を制したものは農業を制す」と言われるように、種子は、最も基本的な農業資材です。

 今、世界の種子産業を牛耳る多国籍企業は、稲の品種開発に強い関心を持っています。農産物の種子の特許も、多くがこれらの企業に握られています。「公共財」としての種子が環太平洋連携協定(TPP)などの交渉では知的財産権に位置づけられ、バイオ企業のもうけ拡大の有力な手段とされているのです。

 大手バイオ企業による種子支配はすでに、世界各地でさまざまな弊害を生み出しています。この下での種子法の廃止は、多国籍業がわが国の主食の生産や供給を廃する道を開き、食料の安全保障を危うくするものといわなければなりません。


Syusihouhaisi_3


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2017年3月 3日 (金)

『日本は素晴らしい資本の供給源だ』 種子法廃止、水道法改正

SankeiBizサイトが伝えるところによれば、米国ロス商務長官は、日本の年金積立金をはじめとする米国インフラへの投資を歓迎し、「日本は素晴らしい資本の供給源だ」と語ったそうである。



【トランプ大統領演説】1兆ドル投資を日本に期待 ロス米商務長官、年金ファンドなど想定

2017.3.1 21:17

 【ワシントン=小雲規生】ウィルバー・ロス米商務長官は2月28日、トランプ大統領が打ち出す1兆ドルのインフラ投資計画に関して、日本からの資金を受け入れることに期待感を示した。トランプ氏の施政方針演説後、記者団に対して話した。

 ロス氏はインフラ投資計画では連邦政府の資金を使うだけでなく、民間からの資金調達も想定していると説明。そのうえで日本が米国の同盟国で、金融機関が巨額の資金を保有していることに触れ、「日本は素晴らしい資本の供給源だ」と述べた。

 またロス氏は「日本政府の年金基金は巨大で、保有資産を分散しようとしている」と指摘し、米国のインフラ投資計画が、日本の年金ファンドなどの投資の受け皿になり得るとの見方を示した。

 2月の日米首脳会談で安倍晋三首相がトランプ氏に対し「資金援助」の意思があると示唆したことも明らかにした。


 


年金資金の株式運用枠や外国債券枠の拡大は、米国に求められたのではない。
まして米国インフラへの投資など、米国が求めていたわけではない。
我が国のトップとその取り巻きが自ら進言し、米国はただ「素晴らしい」と歓迎しているだけだ。
収奪ではなく、献納だ。


国民の反発も起きない。
これほど統治しやすい植民地も歴史上、他に例を見ないだろう。


『自由貿易』をめぐるグローバリズムの問題は、何よりも国内の為政者の問題であることをTPP浮上後の政治状況は浮き彫りにしている。

あまりの政治課題の多さに、ほとんど議論に上らないまま、種子法の廃止や水道法の「改正」が迫っているという。


全てが公的責任の後退と、民営化市場原理による民衆収奪への道を開くものだ。


緊急学習会が開かれる。
東京での学習会は、なかなか参加できないので、IWJの中継に期待。

 

緊 急 学 習 会

 

 TPPの発効が叶わなくなったもとで、安倍内閣はTPP水準を出発点にした日米二国間通商交渉も受け入れ、他の通商交渉でもTPP水準を持ち込む姿勢に見えます。また、主要農作物種子法の廃止や水道法の改定など、人々の命をつなぐ分野まで、市場原理に委ねる経済政策を推進しようとしています。

 TPP後の二国間交渉、また国内政策の問題点をともに考えましょう。

 

「TPP後の日米通商交渉、

     安倍政権の経済政策を考える」

日時:315日(水)15時~17

場所:衆議院第1議員会館「多目的ホール」


 

◇第1報告:「日米通商交渉の行方」

植草一秀さん(オールジャパン平和と共生運営委員)

◇第2報告:「主要農作物種子法廃止の問題点」

山田正彦さん(元農林水産大臣)

◇第3報告:「水道の民営化の危うさ」

椿本祐弘さん(フリーライター・元大和総研主席研究員)

◇質疑・意見交換

  ■資料代:500円

 
 

よびかけ:TPPを発効させない!全国共同行動

 

「全国共同行動」共同事務局

・TPP阻止国民会議(連絡先:山田正彦法律事務所)

   千代田区平河町2-3-10ライオンズマンション平河町205(℡03-5211-6880 AX03-5211-6886

・フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)

  千代田区神田駿河台3-2-11連合会館内(℡03-5289-8222 FAX03-5289-8223

・STOP TPP!!市民アクション(連絡先:全国食健連)

渋谷区代々木2-5-5 新宿農協会館3階(℡03-3372-6112 FAX03-3370-8329

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種子法廃止に慎重論 基礎食料 安定供給損なう恐れ
日本農業新聞 2/2(木) 7:00配信

 農水省は、稲、麦、大豆の種子の生産や普及を都道府県に義務付ける主要農作物種子法(種子法)を廃止する。民間事業者に都道府県の種子や施設の提供を進め、種子の開発を活発化させる狙い。ただ、公的機関による育種が後退し、種子の安定供給に支障が出かねない。民間の参入機会が広がることで、外資の多国籍企業による種の独占を招くといった懸念の声もあり、慎重な検討が求められる


 種子法は食料確保を目的に1952年に制定。都道府県が基礎食料の稲、麦、大豆について、優れた特性を持つ品種を奨励品種に指定し、種子を生産することを義務付ける。同省は、都道府県は自ら開発した品種を優先して奨励品種に指定、公費を投入して普及させており、民間の種子開発への参入が阻害されているとして、同法の廃止法案を今国会に提出する方針だ。


 一方で同省は、今国会に最優先に提出する農業競争力強化支援法案で、「国が講ずべき施策」として、民間による種子や種苗の生産・供給の促進を盛り込む。具体的には、国や都道府県が持つ育種素材や施設を民間に提供し、連携して品種開発を進めるなどの動きを加速させる考えだ。


 ただ、こうした方針への慎重論も根強い。各都道府県は育種費用を、使途が決まっていない一般財源の中から確保している。県の農業試験場が育種費用の確保を財政当局に訴える際、同法を根拠としていた実態もあるため、同法の廃止で十分な額が確保できるのか懸念の声がある。国や都道府県が持つ育種素材や施設を民間に提供することについても、外資の参入機会が広がり、多国籍企業による種子の独占につながりかねないとの指摘もある。


 同省は、種子法の廃止について、都道府県が品種開発を進めることを否定するものではないと説明。種子法の対象外の野菜でも外資の参入はほぼないとし、「法律が廃止された途端に外資が入ってくるというのは全くの誤解」とも主張する。


 種子法の廃止は、規制改革推進会議が「民間の品種開発意欲を阻害している」として提起。政府・与党は農業競争力強化プログラムで、種子を含めた生産資材の各種制度を点検し、「合理的理由のなくなっている規制は廃止する」と明記した。ただ、具体的に踏み込んだ議論はしておらず、同法の廃止には与党内からも慎重論が上がっている。

日本農業新聞

2017年1月28日 (土)

安倍総理日米FTAについて語る

お尋ねのメキシコの大統領がですね、トランプ大統領のですね、いわゆるですね恫喝に応じないと、会談を拒否するというですね、そうした判断をされたことについてはですね、これによってトランプ大統領の譲歩を得たようでありますが、いわば内政に関することでありまして、私どもがでんでんすることではないのでありますけれども、私はですねこの国のまさに最高指導者としてですね、自由貿易の大切さをトランプ大統領にご理解いただく中においてですね、同時にいわば日米FTAもですね、視野に入って参るわけであります。


どういうことかと言えばですね、トランプ大統領はアメリカファーストな訳でありますから、これに対して、私が日米同盟をですね、譲ることのできない日本の国益をぶつけて断固として守り抜くと、こういう中においてですねトランプ大統領とのですね会談に臨む中においてですねアメリカファーストということも日米同盟第一主義の自由貿易の価値を確認することになって参るわけであります。


これは日本国民の利益をですね最大限に守る、そうした上においてですね、この道しかないとそういうことになった訳でありまして、私が日本国の象徴として最高責任者にあるためにはですね、ジャパンハンドラーの方々の設計図がもはやないわけでありますから、一刻も早くトランプ大統領ご自身からですね私が直接にですね、設計図をいただくと、この道しかないと、そういう判断に至った訳でありまして、ですから、日本国の指導者の地位にしがみつくとかいうようなご批判でんでんは、全く当たらないことをこの場で強く申し上げておきたいと、こういうことであります。


そういう中においてですねいわゆるアメリカファーストのですね二国間協定である日米FTAがですね、新しいですね、自由貿易の国際標準であるということをですね、世界の中心で輝く日本のあり方としてですね、しっかりと世界に発信して参るわけであります。


2月10日ですね、日本時間の建国記念の日に当たるわけですから、しっかりとした新しいアメリカファーストの自由貿易の国体をですね、打ち立てて参ると、そういう覚悟でありますから、日本が植民地であるとか、私が宗主国の信認を得るためにはトランプ大統領のですね、ご指示をいただくとか、そういうご批判でんんでんは全く当たらないと、申し上げておきたい、とこういうことであります。

2017年1月26日 (木)

安倍・トランプ大統領の会談は日本の悲劇

天木直人氏の本日付のブログ記事に全面的に同意する。
安倍総理・麻生副総理のトランプ会談は、あまりにも危険すぎ、日本の将来に禍根を残すというほかない。

 トランプ大統領が安倍首相に伝える事はすでに報道で明らかになっている。

 トランプ大統領は貿易・金融・為替問題で米国の国益を日本に押しつけてくる。

 トランプ大統領は在日米軍経費を含む防衛予算を大幅に増やせと迫って来る。

 それに対して安倍首相は断れない。

 断ったらトランプ大統領に怒られる。

 飲むしかないのだ。

メディアにも国会にも危機感が全く見られないのが、あまりにも異常だ。

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2017年1月22日 (日)

ウェルカム“保護主義”  エマニュエル・トッド先生に聞く

約束通りトランプは大統領就任初日に、TPP離脱を宣言した。
トランプが大統領を引きずり下ろされない限り、これでTPPの死亡は確定した。

Amiteji
東京新聞1月20日

舞台は、二国間協議に移る訳だが、トランプ政権の優先課題は、NAFTAの再交渉にあるようで、日本国民には、いささかの時間が与えられることになった。

例によって、トランプの保護主義が叩かれまくっている。
自由貿易を否定するトランプ流には、右からも左からも、異議しか呈されない(ように見える)。

海外産品の貿易から国内産業や労働者を保護するのがダメだと叩くのだから、論者の『自由貿易』は、『自由』でも何でもない『不自由貿易』だ(ここでは、トランプの真意が結局金融資本優位の新自由主義にあるかどうかという厄介な問題はさておく)
貿易至上主義であって、貿易強制主義だ。

マスコミでは、イギリスのEU離脱に関する東京新聞の社説だけが、ほぼ唯一、いわゆる『自由貿易』に批判的な見方を示している(1月19日 『EU市場脱退へ 英国はどこへいくのか』)。

 自由な経済活動によって国が富み、国民は恩恵を受けるはずだった。しかし、実は疎外された人たちが多かったのだ。富裕層や権力者らばかりが利益を享受することに労働者、中間層の不満は募った。それが「予想外の結果」を生んだのは米大統領選と類似する。

 自由貿易は「善」、保護主義は「悪」とする新自由主義経済を謳歌(おうか)してきたのが米英両国だ。そこでいち早く揺り戻しが起こった意味を考えるべきだろう。

 本来、自由貿易は経済成長を促し、その果実で痛みを受けた人を支援するのが理想だが、そうはならなかった。行き過ぎたグローバル化は格差を生み、先進国の賃金を下げ、雇用を奪った。

日本では、ほとんど聞くべき知見が見当たらない中、やはり聞きたくなるのはエマニュエル・トッドだ。

2009年12月1日のインタビュー記事が東洋経済オンラインのサイトに掲載されている(『もし自由貿易が続くなら民主主義は消えるだろう』)。
何しろ、70年代にソ連崩壊を予言し、911事件直後の2002年に『帝国以後』でアメリカの凋落と帝国としてのアメリカの崩壊を予言したエマニュエル・トッド先生であるから、トランプ大統領後に読んでも全く古びていない。

このインタビューでは、リーマンショック後の世界について、二つの可能性について言及している。

欧州にとって、技術的に保護主義の処方箋を受け入れるのは極めて容易です。中国など給与の低い国からの製品輸入を関税などで制限すれば、欧州における労働者の給与は再び上昇し、結果的にそれが世界的な需要の喚起にもつながるのです。

…………

協調的な保護主義は話し合いです。協調的な保護主義の下では、政府がいかに需要を浮揚させるかが優先課題。保護主義の目的は内需の再拡大にあり、各国の利害が内需の刺激策に結び付いています。保護主義経済圏を形成することが(安い生産コストの商品輸入を抑制させ)給与水準の上昇につながる。

 保護主義の目指すところは経済活動を再浮揚させることです。保護貿易主義化が進めば輸入を再び拡大させることができる、それが保護主義のパラドックスです。過度の自由貿易は貿易を崩壊させてしまう。

トッド先生はすでに1998年に自由貿易が格差の拡大だけではなく、世界経済を縮小させることを指摘しており、プラグマティックな保護主義の導入を主張している。

自由貿易の絶対視は一つのイデオロギー。それは、「何もしなければすべてうまくいく、規制の存在しない市場がすばらしい」という考え方です。ただ、すべての国が保護主義的な政策を採用すべきだと主張しているわけではありません。欧州の解決策にはプラグマティックなアプローチとして、保護主義が必要。それには世界各国間での協調体制が前提です。

現在の自由貿易とは何かという点から話しましょう。自由貿易という言葉はとても美しいが、今の自由貿易の真実は経済戦争です。あらゆる経済領域での衝突です。安い商品を作り、給与を押し下げ、国家間での絶え間ない競争をもたらします。

一方、協調的な保護主義は話し合いです。協調的な保護主義の下では、政府がいかに需要を浮揚させるかが優先課題。保護主義の目的は内需の再拡大にあり、各国の利害が内需の刺激策に結び付いています。保護主義経済圏を形成することが(安い生産コストの商品輸入を抑制させ)給与水準の上昇につながる。



一方、トッドはこのインタビューで、エリートを手厳しく批判し、独裁国家の不可避性にも言及している。

保護主義の世界では、民主主義システムの政権担当者は、生活水準と中産階級が大変重要だと考えます。一方、現在の民主主義の危機は自由貿易の危機です。エリートは人々の生活水準に関心を持とうとしません。現在の民主主義は、ウルトラ・リベラルな民主主義であり、エリートが人々の生活水準の低下をもたらしているように見えます。

 フランスは英米と並び、民主主義発祥の国です。しかし今や、支配者階級は自由貿易以外の体制を検討することを拒んでいます。不平等が広がるにつれて、多くの人々の生活水準は下がり始めています。もし、支配者階級が生活水準の低下を促し続けるなら、民主主義は政治的にも経済的にも生き残れない。独裁国家になるのは避けられないでしょう。


エマニュエル・トッドが『デモクラシー以後』を著して、協調的保護主義を提唱したのが2008年、日本でのこのインタビューを受けてからでも、すでに7年が経過している。
果たして、トランプは世界に有害な独裁者なのか。
すでに独裁者の可能性しか残されてはいないのか。


トランプの就任演説では、保護主義と呼ばれる部分は次の通りである(NHKの訳を分かち書きにした)。


この瞬間から、アメリカ第一となります。

貿易、税、移民、外交問題に関するすべての決断は、アメリカの労働者とアメリカの家族を利するために下されます。
ほかの国々が、われわれの製品を作り、われわれの企業を奪い取り、われわれの雇用を破壊するという略奪から、われわれの国境を守らなければなりません。
保護主義こそが偉大な繁栄と強さにつながるのです。

わたしは全力で皆さんのために戦います。何があっても皆さんを失望させません。アメリカは再び勝ち始めるでしょう、かつて無いほど勝つでしょう。
私たちは雇用を取り戻します。私たちは国境を取り戻します。私たちは富を取り戻します。そして、私たちの夢を取り戻します。

私たちは、新しい道、高速道路、橋、空港、トンネル、そして鉄道を、このすばらしい国の至る所につくるでしょう。

私たちは、人々を生活保護から切り離し、再び仕事につかせるでしょう。

アメリカ人の手によって、アメリカの労働者によって、われわれの国を再建します。

私たちは2つの簡単なルールを守ります。
アメリカのものを買い、アメリカ人を雇用します。

私たちは、世界の国々に、友情と親善を求めるでしょう。
しかし、そうしながらも、すべての国々に、自分たちの利益を最優先にする権利があることを理解しています。
私たちは、自分の生き方を他の人たちに押しつけるのではなく、自分たちの生き方が輝くことによって、他の人たちの手本となるようにします。


保護主義に関する「すべての国々に、自分たちの利益を最優先にする権利があることを理解しています」とする部分は、マスコミではほとんど触れられていない。
少なくとも表向き大統領としての建前は、自国の産業の保護のために他国の利益を蹂躙するつもりはないとも読める。
自分の生き方を他の人たちに押しつけるのではなく」などは、これまでの米国にはない謙虚な物言いですらある。





この建前を生かすも殺すも相手国次第である。
独裁国家が支配する世界ではなく、「協調的保護主義」の世界の可能性は未だ残されていると見ておきたい。


保護主義を主唱するトッドの主張は、おそらく世界でも孤立したものだろう。
だからトッドは、このインタビューでこうも述べている。

かつて、旧ソ連の崩壊を予言したところ、実際に崩壊しました。アメリカ帝国主義も予言どおり崩壊するでしょう。今回は条件付きですが、最新著作の中では「もし自由貿易が続くなら、民主主義がなくなるでしょう」と指摘しています。


自由貿易イデオロギーに席巻された世界で、課題は切迫しているのだ。


つまり、民主主義を残したいなら、自由貿易を片付けなければならない、という選択が必要なのです。デモクラシー以後に自由貿易体制の流動化が起きれば、民主主義が残るのです。逆に、自由貿易体制が不平等の度合いを強めたとしたら、民主主義は安定を失います。

欧州にはもはや、「左寄り」政党がありません。フランスの社会党には統治する気がうせてしまいました。右寄りの政党は社会主義者をリクルートしています。ドイツではSPDとCDU、つまり右翼政党と左翼政党が連立政権を樹立しました。仏独ではもう、政権交代の可能性はなくなったのです。政治的・経済的に変化をもたらさない社会が、民主主義といえるのでしょうか。


欧州の民主主義は選択可能性を奪っているとするトッドにとって、他ならぬ米国で帝国主義をやめたと言い、保護主義を主張するトランプ大統領の出現は、意味のないことではないだろう(トランプが結局、ウルトラリベラルかどうかの問題は重ねて留保する)。



自国の利益を最優先することを理解しているとするトランプに対して、どこかの総理のように、慌てて御用聞きに駆けつけるなど、愚の骨頂だし、まして自由貿易を説得するなど、後世の歴史から見れば、犯罪的な行いというしかないだろう。


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追記

  • トッドが、保護主義の可能性を欧州に限定しているのは、日本に対する貿易立国のイメージがあるからかもしれない。実際の日本の輸出依存度は、10%から15%程度で、経済が好調なときほど輸出依存度は低下している。ちなみに2015年の日本の貿易依存度は国連貿易開発会議が調査した206カ国中189位で、米国に至っては197位である。ともに保護主義による内需の拡大で最も再生可能性のある国である。



トランプの登場で、多少、メディアにも対米隷属に触れてはならないというタブーに若干の変化が見られる。

  • TBSのNwes23のオリバーストーン監督インタビュー



  • 1月20日付東京新聞
「トランプ政権でアーミテージ報告書路線は… 日米連携の設計図失う?」

 ドナルド・トランプ氏は二十日(日本時間二十一日未明)、ワシントンでの大統領就任式で、第四十五代米大統領に就任する。安倍政権は、米国の知日派がかつてまとめた「アーミテージ・ナイ報告書」に沿う形で多くの政策を進めてきたが、トランプ氏の就任で、こうした関係は成り立たなくなる。(木谷孝洋)

 報告書は二〇〇〇年、〇七年、一二年の三回、リチャード・アーミテージ元国務副長官、ジョセフ・ナイ元国防次官補ら米有識者が公表した。中国の台頭やテロの脅威に対抗するため、日本が同盟国として軍事面や経済面で積極的な役割を果たすよう求めている。

 安倍政権が行ってきた施策は、野党から「完全コピー」と批判されるほど報告書の内容と酷似している。

 一二年の報告書は、他国を武力で守る集団的自衛権行使の容認、国連平和維持活動(PKO)拡大などを日本に要求。安倍政権は世論の反対を押し切って集団的自衛権を行使できる安全保障関連法を成立させ、南スーダンPKOで陸上自衛隊部隊に「駆け付け警護」などの新任務を付与した。

 経済では、報告書が求めた環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に踏みきり、各国と合意。歴史認識問題にも報告書通り向き合い、韓国と旧日本軍慰安婦問題の解決に向けて合意した。

 これに対してトランプ氏は、発言を見る限り報告書とは方向性が異なる。日本が在日米軍駐留経費で「公平な負担」を支払わないなら日本を守れないと発言。TPPからは脱退を明言した。安倍政権にとっては、設計図を失った形だ。

 アーミテージ氏は十八日(日本時間十九日)、訪米中の茂木敏充・自民党政調会長と会い「中国の脅威に対応する意味でも、日米の連携は極めて重要」などと意見交換した。

 

2017年1月 3日 (火)

20年この長き賃下げ  日本人は耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶのか

失われた20年。
1990年代後半一人あたりGDPで世界3位だった日本の面影は、2015年、26位と見る影もない。



賃金が上がらないのが当たり前のように思い込まされてきた20年、日本を除く国々の賃金は着実に上がっている。
そう、既成権力に対する反発からトランプ大統領を選び、サンダースを押し上げたアメリカでも、賃金は20年間で80%上がっているのだ。
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このグラフは、首相官邸の経済の好循環に向けた政労使会議の提出資料にある。
同じ文書には、現金給与総額の推移のグラフもある。


Genkinkyuuyosougakusuiiyosikawa



現金給与総額では1997年に賞与込みで手取り37万2000円だった月額平均賃金が2012年には31万4000円にまで減少している。
継続的で着実な賃下げを日本人は堪え忍んでいる。
驚異的ではないか。
1995年から切り下げられ続けている日本の賃金。
1995年といえば、阪神淡路大震災の年。
まだインターネットになじみのある人がほとんどいなかった年。
1996年に僕はホームページを作ってみたが、まだ愛知県内に40程度のサイトしかなかった年。
それ以来、賃金が下がり続けている。


現在の日本の賃金水準は、1990年頃にまでさかのぼる水準。
ほとんど30年にわたって賃下げを求められ続けている。
どこの国の労働者が、30年にわたって賃金が上がらないことを堪え忍ぶだろう。


流行の『日本人はすごい!』にたとえて言えば、日本人ほど堪え忍ぶ民族は他にいない。
あたかも自然災害を耐え忍ぶかのようである。


この賃金低下と、正規雇用の減少の間には相関関係があるだろう。
正規雇用の人数は1997年頃を頂点として継続して低下している。
正規雇用の減少を上回る速度で非正規雇用が増えている。


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当然のことながら、非正規雇用率は増加の一途をたどっている。


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(二つのグラフは『しゅんしゅんのぶろぐ』2011年6月14日から)


経済の好循環に向けた政労使会議2016年10月22日には安倍首相の次の言葉が掲載されている。
===================
賃金上昇については、成果が出つつあることを確認いたしました。この動きを更に拡大させていくため、賃金上昇を伴う経済の好循環の拡大、これは同時に、賃金の上昇がなければ経済の好循環を生み出すことはできない、私はそのように考えているわけですし、その認識について政労使で共通認識を深めていきたいと思っています。
===================
こう言いながら、翌年には政府は、労働者派遣法を改悪を強行し、それまで3年以内に限定していた企業の派遣労働者の受け入れを、労働者を入れ替えさえすれば無期限に使うことを可能にした。


非正規の増加には、派遣法の拡大経過が関係している。
労働者派遣法は1996年に対象職種が26種に拡大され、1999年には原則自由化され、2006年にはそれまで禁じられていた製造業の派遣も認められた。
派遣法の緩和が賃金の低下をもたらす構造は明らかだろう。
その構造はむしろ強化された。


日本の政治が関心を持つのは株価だけだ。株価が維持されていれば経済運営がうまくいっているかのように喧伝される。
しかし、株価など張り子の虎だ。
東京市場に上場された株式の33%は外国投資家が保有し、政府関係機関が証券会社等を通して保有する株式がほぼ20%に達したと想像される。
つまりは外資と日本政府関係機関が過半を支える虚構の数字が株価になる。
かつて日経平均株価が4万円をつけたときは外国投資家は数パーセントに過ぎなかった。
現在の株価は経済の実勢を示すものからかけ離れている。
そして、2016年の12月は1ヶ月間、外国投資家は売り越したが、株価は上げた。
年金積立金などの国民の大切な財産が、こうして外国投資家に献上されていく。


いい加減にしてほしい。
湾岸戦争までさかのぼり、ファミコンまでさかのぼり、インターネットさえ想像できない時代にまでさかのぼる、30年近くにわたる賃金低下構造に耐えるなら、もはや日本人は、ただの怠け者ではないか。あるいは家畜同然なのではないか、家畜でさえも怒るのではないのか。


国際競争などという言葉にだまされてはいけない。
日本は貿易立国ではない。
2015年の統計(UNCTAD)で日本の貿易依存度は206カ国中、189位だ。
2014年の日本の輸出依存度は11.4%。
1960年代から日本の輸出依存度は10%から15%前後で推移している。
日本の経済は基本的に内需に支えられているのだ。
食糧とエネルギーの自給さえ政策として位置づけるなら、貿易の拡大を無理に追求する必要は本来、ないはずなのだ。


Yusyutuizondosuii
(みずほリサーチ2007年5月『高まる日本の輸出依存度』から。TPP問題が浮上する前の、このレポートはむしろ輸出依存度の高まりを世界経済の影響を受けやすくなるとして懸念している。TPP以来、そうした議論は全く聞かれなくなったのではないだろうか)


今年は、確実に衆議院選挙がある。
国民の生活にゆとりをもたらす、明確な対立軸を持つ、政治勢力が生まれることを望んでやまない。
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2016年12月13日 (火)

すでに進んでいた日米FTA  傀儡国家?日本

 

Nichibeifta

ゾンビTPP教国会、参議院審議のトピックは、TPPは死んでも、日米並行二国間協議の結果は生きているということが確認されたことにあるだろう。


12月8日の参議院特別委員会の審議について、中日新聞は、共産党の紙智子議員の質疑について次の通り、ベタ記事で伝えている。

---------------

紙智子氏(共産)発効の見通しがないのに、サイドレターは生き続けているのか。

岸田文雄外相 文書は日本のこれまでの取り組みや今後自主的に行う内容を確認したもの。わが国が行っていることなので廃することはない。

---------------

ここでサイドレターは、条約の付属文書一般ではなく、本年2月4日のTPP署名に当たって、非関税障壁に関して日米双方が交換した書簡のことをいい、保険、透明性・貿易円滑化、投資、知的財産権、規格・基準、政府調達、競争政策、急送便及び衛生植物検疫の9つの非関税分野に及ぶ。


交換書簡は、日本側が具体的な措置を行うべき用意があることを申し出、米国はこれを歓迎するという一方的なものだ。


 この中には、各種の審議会について、
「外国の関係者を含む全ての利害関係者に対し、同様の状況において自国の関係者に対して与えられるものよりも不利でない条件で意見書を提出する有意義な機会を提供すること」
「(外国の関係者を含む)利害関係者が審議会等の会合を傍聴し、又は審議会等の会合に出席し、若しくは意見書を提出すること」
等、政策決定に当たり、国内の利害関係者と同様に外国企業の意見を反映させる仕組みを作るとされている。
米国企業が国内政策全般に介入する仕組みを作るということだ。


これは、先般、日本政府が薬価引き下げの機会を増やそうとしたことを受けて、直ちに米国政府や米国商工会議所が見直しを求めたことと符合している。薬価決定システムについて日本の国内だけで決めるのは、ゾンビTPPに附属した、生きている二国間協議の結果に反することになるのだろう。

------------------

ウォールストリートジャーナル
2016 年 12 月 6 日 16:44 JST 更新
米政府、日本の薬価引き下げ計画の見直し要求

米国政府は、日本政府が薬価引き下げの頻度を増やすよう計画していることについて、見直しを求める書簡を菅義偉官房長官に送った。


米国のプリツカー商務長官は12月2日付の書簡で、日本の薬価引き下げ計画にいかに「失望している」かを説明。「医療関連製品のインセンティブ構造だけでなく、市場の予測可能性と透明性に対する深刻な懸念を引き起こす」と伝えた。

東京の米国大使館と首相官邸はこの書簡に関するコメントを避けた。米商務省からもコメントは得られなかった。書簡が菅官房長官に公式に送付されたものかどうかは不明だ。

全米商工会議所は、同様の内容の書簡を安倍晋三首相にも送ったことを明らかにした。


米国研究製薬工業協会の広報担当者、マーク・グレイソン氏は「プリツカー商務長官とトム・ドナヒュー全米商工会議所会頭の書簡は、日本の患者にとって良好なイノベーション環境がいかに重要かを強調するものだ」と述べた。


日本の医薬品市場は米国に次ぐ世界2位の座を中国と争っている。日本の医薬品支出額は今年3月31日までの1年間に7兆9000億円に達した。


日本では政府が薬価を設定しているため、メルクやファイザーなどの米製薬会社にとって日本の政策は重要な関心事となっている。

安倍政権は先ごろ、増大する薬剤費を抑制する措置を講じた。まず、来年2月1日からがん免疫療法薬「オプジーボ」の価格を50%引き下げることを決めた。これにより、オプジーボを使用している平均的な患者の年間費用は30万ドルから約15万ドルに減少する。

また、安倍首相は11月25日の経済財政諮問会議で、薬価改定の頻度を2年に1回から年に1回に増やすことを検討するよう指示した。実現すれば、政府はこれまでより速いペースで高額医薬品の価格を引き下げることが可能になる。

薬価制度の改革を求める人々は、日本がオプジーボに支払っている費用は世界で最も高いとし、医療費を抑制するため柔軟な対応が必要だと訴えている。

 

プリツカー商務長官は書簡でオプジーボの名前を挙げなかったが、「医薬品の保険償還価格を引き下げるためのその場しのぎの制度変更」に落胆していると伝えた。


日本政府の対応は、オプジーボの高額な価格に関する国内メディアの報道を受けたもので、米国でも高額な薬価に対する反発が起きている。


米国ではブリストル・マイヤーズ・スクイブがオプジーボを販売。日本では、初期段階から同製品の開発に携わった小野薬品工業が販売している。小野薬品によると、今年4~9月のオプジーボの売上高は533億円だった。


小野薬品の広報担当者は、政府によるオプジーボの値下げ決定を受け入れたとしたうえで、「国民皆保険を維持することの重要性も認識している」と語った。

------------------

薬価見直しの頻度を増やそうとする国内のやむにやまれぬ政策に対して、介入する有効な機会を与えるのが、「すでに行っている内容」あるいは「今後自主的に行う施策」だというわけだ。


並行二国間協議の政府調達では、政府と全都道府県及び主要な市について、英語を用いた公示及び招請にアクセスできる検索可能なオンラインサイトの利便性を高めるとされている。

とうとう、調達での英語使用が義務化されたと思ったら、日本政府はこれに対して、https://www.jetro.go.jp/en/database/procurement/のサイトが利用可能であることを認識するとしている。
これは岸田外相による「すでに行っている施策」に分類されるのであろう(しかし、まあ、それにしても、いつの間に制度化されていたのだろう)。



さらに、都道府県や市町村、独立行政法人等も含む政府調達について、「不当に競争を制限する慣行を禁止すること」を求めている。地方自治体の入札などでは、県内で実績があること等の条件を付けることがしばしばあるが、これなどは「不当に競争を制限する慣行」に該当することになるだろう。地元産の材料の使用などは、TPP本体の政府調達条項では禁止されているわけではないが、日米並行二国間協議において「不当に制限する慣行」に該当する可能性は排除できない。



また規格・基準の章では、「強制規格、任意規格及び適合性評価手続に関する作業部会を設置する」とされ、作業部会は、貿易上の懸念に対処し、規格・基準に関する日米の協力を強化すること等が決められている。


国際的な規格の使用の促進が謳われていることからすると、唐突に行われた洗濯タグマークのISO化や、温泉マークを含む地図記号の国際化の議論が急に起きている状況は、岸田外相のいう「今後自主的に行う施策」に分類されているのかもしれない。

TPPでは、遺伝子組み換え表示義務に影響がないとされてきたが、今後も維持されるかどうかは日米規格・基準作業部会次第ということになる。

Onsen


TPPの帰趨如何を問わず、有効性が確認された、交換書簡には
「二国間の対話のための既存の枠組みその他の適当な方法を通じた作業を継続することにより、アメリカ合衆国政府との対話に取り組む用意があります」(日本側)
とあり、米国側は
「二国間の対話のための既存の枠組みその他の適当な方法を通じた作業を継続することにより、将来生起しうる非関税措置に関連する特定の問題について日本国政府と更なる対話を行う見通しを歓迎します」
と応じている。


今後の日本国政府の政策決定についても、二国間の作業を継続することを合意しているのである。



もともと非関税分野に関する日米並行協議は、TPP交渉参加時の合意によって、TPPの発効と同時に効力を生じるとされていたもので、TPP破綻後にも効力を生じることは想定されていなかった(交換書簡は国際約束でもなく、法的拘束力がないという言い分はわからなくはないが、それならなぜ、当初の交換書簡では並行二国間協議の結果は「TPP発効と同時に効力を生じる」とされていたのか、訳がわからなくなる)
想定外のトランプショックによってTPPが破綻しても、これを自主的な施策であると言いくるめて、米国の意を体した政策を推し進めると言い張る。



永田町も霞ヶ関も、東京も国も、どこまでが日本で、どこからがアメリカなのか、もはや境目は不明だ。



傀儡政権と言えばよいのか、傀儡とも違うというのか、いずれにしろ主権が内側からひどくむしばまれていることは間違いがない。



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